小説『短編集』
作者:クロー()

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ある男子の体育祭



その男子は、どの競技にも自主的には参加しない。


ほとんどの競技が自主的に参加する種目だ。


彼は体育祭の時には必ずカメラを携えている。


彼は昼食をあっという間にたいらげ、友達との会話もそこそこに、

体育祭で懸命に戦う生徒たちのものすごい形相や、反則している人の醜態を残すために写真を撮って回っているのである。

それを後で学校の廊下に貼り出すのを楽しみにしている。

焼き回ししてもらいたがる人に女子が多いらしい。


そのお金で彼は自分の部の打ち上げをするわけだが、単にお金目的でそういうことをしているわけではない。


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