小説『短編集』
作者:クロー()

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―研究室にて―



「ね、先生って結婚してるの?」

「いや、してないと思うよ。お弁当お母さんに作ってもらってるって言ってたし。なんで?」

「なんか今年に入って急に女子に冷たくなったと思わない?」

「どうかな、俺他大から来たばっかしだから分かんねえ」

「あ、そうだった、忘れてた。ねエ、美希ちゃんはどう思う?」

「結婚はしてなくても彼女はいるかもね〜。前よりシャットダウンが早いよね」

「やっぱり美希もそう思うか〜」

「2年前に卒業した女学生となんか仲好さそうだったし。もしかしたら付き合ってるかも!」

「ウ ラ ヤ マ シ ス ギ ル」

「遠くで最近就職活動やめて進学に切り替えた杉山くんが落ち込んでるよ」

「落ち込んでる落ち込んでる」

「でもバレンタインデーの時ずっと研究室にいたけど、それらしい人は訪れてないよね?」

「バレンタインデーとか中学生とか高校生で盛り上がってるありきたりな行事でそんなこと分からないでしょ」

「そうだよ。・・・そういえば俺、先生の貴重な情報つきとめた」

「なになに?」

「なになに?」

「飲み会の時酔ってた先生が『ロリコン』だって自分から宣言してた」

「それ分かるのって経験ないとだめだよね」

「しかも超マイナーな性的嗜好に気が付いてそれを認めるのって彼女いないと無理だよね」

「先生最近出張とか言って休むこと多いけどそれもそういうわけなの?」

「うおー、ガツクリ」

「略奪できる可能性は?」

「0に近いな。0.0001%くらいじゃねえの、えっへっへ」

「司くんは彼女いないの?」

「・・・募集してない」

「やだー、つまんなーい!!」

「私司君タイプじゃないもーん」

「ぴちぴちじゃなきゃいや」

「真紀もう40過ぎてるじゃん」

「女は年齢じゃないわよ」




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