結婚式
「みなさん、今日は遠いところからわざわざお越しいただきありがとうございます。
あれ？みんな機嫌悪いな。あは、ガムくちゃくちゃなんかしてて。
え！？別に結婚を祝いに来たんじゃないって？
え！？略奪したいのか！？もうアウトだろ！もう他探しなよ。この夫は不倫しないよ。
万が一不倫したとしてもあんたと結ばれようとは絶対思わないよ。わがまますぎたら相方の家が崩壊するよ、そこ直さないと永久に一人者だよ。
え！？こんな結婚式さっさとひっさげろだって？世の中にはいろんな形の恋愛があるんだよ！大切なモノを失ったからといって他の人の大切なモノを奪っちゃいけないよ。私だってだいぶ大切なモノを奪われたよ。でもこれ以上奪われたら息詰まっちゃうよ。これ以上奪われない様に頑張りなよ、私も頑張るから。ってなに首ぶんぶん横に振ってるの。まだ野次飛ばす気だな。あ〜もうこりゃやめる気ないな。
あそこの後ろの方でちょこんと座っている人ずっと下向いてるよ。下向いてなにしてるかと思ったら教会の机の上がりがりやってるよ。見てみたらカッターで「↓天才」って書いてるよ。だめだよ机傷つけちゃ。天才ってそう書くだけ自信あるんですかね〜。でも机傷つけてる辺りで欲求不満が溜まってるんだね。だからといって机にあたっちゃだめでしょ。子供じゃないんだからそんなことしちゃだめだよ、しかもここ神聖な領域なんだしさ。
あ〜もうみんな帰っていいよ」