小説『真剣でD×Dに恋しなさい!S』
作者:ダーク・シリウス()

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四月二十八日(火)



「それじゃあ、留守番よろしく頼む」


『うん。近づいてくる人間がいたら追い払うんだね?』


「ああ、威嚇をしてもこの大地に入ってくるのならそれは死を覚悟して来た人間だと

思って殺しても構わない」


『ああ、その時は喰ってやるとするか』


「程々にな、行ってきます」


『行ってらっしゃい』


一誠は数匹のドラゴンに送られ足下に魔方陣を展開して学校に向かった。


―――多馬大橋


橋を支える鉄の上に魔方陣と共に現れた一誠。


「よっと」


ストンと橋に飛び乗りそのまま悠然と歩く、途中で橋のたもとに見掛けない2人組の男が佇んでいたが

一誠は気にしないで―――


「兄者、俺と兄者の相手をする嫁はまだ来ないけんのぉ」


「そう焦るな。我等の嫁と成る川神百代はいずれ、この橋を通る」


「おい、今なんて言った?」


一誠は2人組の会話を聞いて足を停め、2人組に振り返りながら話しかけた。


「あん?誰だ、お前は」


「答えろ、いま、川神百代の嫁だと聞いたぞ」


「ふん、そんなに聞きたくば教えてやろう!我等は地元では知らぬ者のいない仁王兄弟!道場の世継ぎを

作る為に強い嫁を探しているのだ」


「そこで俺達は川神百代を嫁にすることを決めたんだけんのぉ」


「・・・・・」


「俺達、仁王兄弟に敵う者などいない!よって武神の川神百代を我等兄弟の嫁にする!」


「川神百代と戦わずとも俺達は強いけんのぉ」


「・・・・・へぇ、百代より強い・・・・・ねぇ?」


「その通り!だから分かったのなら学生はさっさと―――」


「じゃあ、俺の拳を受けたら強いと認めてやるよ」


「「はっ?」」


「ほら、いくぞ」


一誠は2人組に『軽く』パンチを繰り出した。


ドゴッ!ドガッ!


「ごはあああああああああああああああああああああっ!?」


「いぎゃあああああああああああああああああああっ!?」


―――バッシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!


2人は一誠の拳によって橋から吹っ飛ばされ多馬川に着水した。


「はっ、俺の拳を受け止められないんなら百代の嫁なんて諦めろ」


「―――だぁれが私の嫁なんて諦めろって?」


吹っ飛んだ2人に呆れる一誠の背後から腕が伸び抱きついてきた存在が現れた。


「おはよう。百代」


「ああ、おはよう一誠。それで嫁の話はどういうことだ?」


「嫁さがしに来たバカ2人がお前を嫁に決めてさっき此処にいたんだ。で、百代より強いって言うから軽く

パンチをしたら吹っ飛んだ」


「じゃあ、私の嫁なんて諦めるんだな。・・・・・ん?」


「今言ったセリフは俺が言ったセリフで、百代がそれを聞いてきて今の現状。OK?」


「OK。そう言う事だったのか」


「おっ、モモ先輩が抱きついているのは一誠さんじゃん!おはよう!」


「イッセー、おはよう」


「お兄様、おはよー!」


「イ、イッセー先輩。お、おはようございます!」


「おはようございます」


「おはよう!」


「おはよう、一誠さん」


「おはよう」


「ああ、皆もおはよう。由紀江もクリスも一緒なんだな。ちゃんと話しているか?」


「え、えっと・・・・・」


「私は普通に喋っているぞ」


「ん、安心した。由紀江、もう少し頑張って積極的にな?」


「は、はい。頑張ります」


一誠は9人の学生達・・・・・風間ファミリーと共に川神学園へと向かう。退屈が続かない朝だった。


「よぉ、またお前ら一緒かバッキャロー供・・・・・って、おいおい。むしろ増えてるじゃん人数。

しかもおめぇ・・・・・旅人か?」


「あっ、本屋のおやっさんじゃないか。久しぶりだな」


「おめぇ、全然あの時と変わっていねえじゃねぇかよ!」


「こういう体質だから気にしないでくれ」


「ま、それはそうと新しい本を入荷したから来てくれよな!」


「分かった。おやっさんの本屋にある本は面白いからな。また纏めて買いに行く」


「おう!旅人は神様仏様だからな!待っているぜ!」


背を向けて離れて行く本屋の店長を見ていた一誠に翔一口を開く


「一誠さん、店長と知り合いだったんだな」


「お前等が小さい時からだぞ?」


「あー、納得だわ」


「納得してくれたところで学校に行きますか」



―――川神学園 ―――3時間目終了後、休み時間



「イッセー!」


「うん?」


「なんでもないよー」


「そっか」


「ねぇ、イッセー?」


「どうした?」


「なんでもないよー」


「そっか、俺は用があるんだがな」


「ほぇ?」


「ん、俺が作ったマシュマロをあげよう」


「おおー」


「欲しいか?」


「うん!ちょうだい!」


「じゃあ椅子を持って来て此処に座って一緒に食べよう」


「分かった!」


「微笑ましいですね」


「父と娘の光景だな」


一誠と小雪のやりとりを見ていた準と冬馬は微笑む。


「あっ、一誠さん」


「ん?」


「昼休みラジオを聞いてくれ。俺とモモ先輩が放送するんだ」


「そうなのか。ああ、そう言う事なら今日は教室で食べながらお前達の放送を聞こう」


「楽しみにしてくれ」


「準は何時も殴られるか蹴られるか気絶させられるかが主なんだけどねー」


「まあ、準はそれを含めて彼は面白いとラジオ番組に選ばれているんですがね」


―――そして、その時間が昼休みと共に始まった。一誠はラジオ番組を聞く為に敢えて教室で小雪と

一緒に昼食を食べていた。冬馬は不死川に呼ばれて屋上に行ってしまった。


『ハァイ、エブリバディ、ケータイの待ち受けを自分の写真にしてるナルシストはいないかな?

今週もラジオ番組LOVEかわかみがはじまるよー。パーソナリティーは2年でスキンヘッドの井上準』


『人生、百花繚乱酒池肉林。3年の川神百代だ』


『いやー、最近更に暖かく成ってきましたね』


『そうでもないな』


『話広げて下さいよ!まぁいいや、メールを読みます』


『今は気分が良いから私が呼んでやろう「小さい子が好きな準さん。病院行ってください」ははは、

お前リスナーからも突っ込まれているな』


『病院か。孤児院なら喜んで』


『次、不当な発言したら骨外すぞ。2枚目のメール』


『「最近、転入してきた男子が気になって眠れません。これは一体何でしょうか?」』


『最近、転入してきた男子?一誠の事か?』


『そうじゃないでしょうかねー?ここはズバッと言うべきじゃないでしょうかモモ先輩』


『んー、そうだな。お前が眠れない原因は・・・・・自分で答えを見つけるべきだと私は思う』


『おー、カッコいいっスね!』


『もし、それでも分からなければ私の所に来い。手取り足取りじっくりとお前の体で分からせてやる』


『はい、とんでもなくレッドカードギリギリのセリフを言ってはいけませんよ!

一誠さんも聞いているんですからね!』


『・・・・・マジか?』


『マジです』


『・・・・・以上!LOVEかわかみでしたぁー!』


『あっ!勝手に終わらせないでくださいよー!』


「・・・・・何時もこんな感じか?」


「ウェーイウェーイ♪」


「そっか・・・・・」


はぁ、と一誠は短く息を吐いた。そして、昼休みのチャイムが鳴り冬馬と準が戻ってきた。


「冬馬、屋上でなにをしていたんだ?」


「はい。大和君に決闘をする事に成りましてその打ち合わせを」


「大和と決闘?なんでまた」


「不死川さんのお願いですよ。私は、女の子のお願いには断われませんので」


「また分からない事が浮上してきた・・・・・。俺も決闘を見学して良いか?」


「はい、勿論ですよ」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――放課後


冬馬と大和の決闘が屋上で始まろうとしていた。F組とS組の野次馬がゾロゾロと集まっている。

冬馬の後ろは女で固められている。対して大和は男で固められている


「こりゃまた・・・・・そっち女が多いなぁ」


「そちらは男子から人気者のようで」


「お前が負けるの見たいからだろう」


「賑やかな勝負に成りそうですね」


冬馬がワッペンをポンと地面に置く


「さぁ、決闘です」


大和もその上に自分のワッペンを置いた


「受けたぜ」


この瞬間、決闘の成立となった。大和が率いる男子達から嫉妬むき出しの応援、

冬馬が率いる女子達から花のある応援


「なんか早くも負けた気分だぜ」


「ほらほら、ナオっち頑張れー!」


「おっと、こっちにも花のある声援が・・・・・」


「トーマ君も頑張れー!」


「正直な人ね・・・・・」


・・・・・女なんてそんなもんだろう。二人の決闘の内容はグラウンドで走る陸上部の中で誰が一着に成るか

というギャンブルになった。大和はロンゲの男子、冬馬はイガグリ頭の男子を選ぶ。そして、

冬馬達が選んだ男子達が走り出す


「おっ、走り始めたぜ」


「わーっ、ロンゲ、今のところ勝ってるじゃん」


「やった!今日はついているぜ。やっぱりロンゲはやればできる子だったな。―――葵冬馬、俺の勝ちだ」


大和が勝利したと不敵の笑みを浮かべる。―――が、


「―――それは、まだ分かりませんよ」


「なん・・・・・だと?」


「おい、ロンゲの奴が急に速度が落ちたぞ」


「ちょっ・・・・・、イガクリ頭に抜かれちゃったよ!」


「っ!?」


こいつらの言う通り、イガクリ頭の男子が先にゴールに辿り着き一着となった。


「俺が負けた・・・・・」


「危ない危ない。ヒヤっとしましたが私の勝ちですね?」


冬馬は大和に顔を近づけて耳元で何かを囁いた。そして、顔を離して口を開いた


「面白い勝負でした」


「今回は見事にやられたよ」


スッ、と手を上げた大和、するとグラウンドで柔軟している二人組や、走り高跳びを続けていた男、

それをみてテニス部の男も、大和の合図に気づくとガッカリな顔をした。こいつ、

他にも仕込んでいたということか。


「ほう・・・・・短時間で陸上部以外にも仕込んでいたのですか。・・・・・ふふふ」


「何だよ」


「大和さん。私とあなたは近しい考えを持っている」


「・・・・・そうだね、葵冬馬。・・・・・ははは、何時かリベンジさせてもらうぜ」


「楽しみです」


二人は笑みを浮かべるが・・・・・大和、周りを見てみろ。不穏な空気に成っているぞ


「・・・・・おいおいおい」


「あれ、何この女の子に言い過ぎて泣かせてしまった時のような場の空気は」


直江の戦いに見学に来ていたF組の奴等の視線が大和に集中した


「ゲームなら全員の印象値マイナス1だぜ?勝ったら一枚絵出たかもしれないのにな」


「言っている意味が分からん」


「結局負けとか。超カッコ悪いんですけど?」


「そんな目は止めろ。優しさを忘れないでくれ!例えその気持ちが何百回裏切られようとも・・・・・」


「ガッカリだぜ、軍師さんよ。俺は信じてたのに」


「負けた瞬間にコレだからこのクラスは怖いよね」


F組の奴等は負けた大和に非難の言葉を浴びせる。


「・・・・・」


スパパパパパパンッ!


「「「「「「「「「「〜〜〜っ!?」」」」」」」」」」


「お前等、良い性格を持っているなぁ?」


「い、一誠さん・・・・・!?」


「てめぇ!いきなりなにしやがる!?」


「女の子にまで手を出すなんて何て奴なのよ!」


「黙れ」


一誠が大和と冬馬の決闘を見学に来ていたFクラスに低い声音で口を開くと―――大和に避難した生徒だけが

地面に倒れて押し潰された。


「ぐっ!?」


「な、なによ・・・・・!これ・・・・・!」


「重い・・・・・!何か乗っかられている感じだぞ・・・・・!」


「大和と冬馬は・・・・・まあ、正々堂々とは言えないがそれでも勝負したんだ。負けても労うのが

当然だろうが。それでもお前等は大和のクラスメートか?」


「一誠さん・・・・・もう止めてくれ。一誠さんの気持ちは伝わったからさ」


「・・・・・」


生徒達を地面に押し潰していた何かがフッと無く成り大和に避難した生徒達がようやく起き上がった。

すると怒りを露わにFクラスが口を開いた。


「てめぇ、よくもやってくれたな!」


「そうよ!よくもやってくれたわね!?」


「冬馬、俺は何かしたか?」


「いいえ、ハリセンで叩いてそれからは何もしていませんよ」


「ちょっ、トーマ君!そいつが何かしたのは明白じゃない!」


「彼はチカリン達と話した途端にあなた達が倒れた風にしか私の目に映りませんでした」


「あははー!みんな勝手に倒れちゃっておかしー!」


「あまり言い掛かりは止してくれよな」


「それとも兵藤が何かした仕草でもしたのかのぅ?此方には何も見えなかったのじゃ」


冬馬と小雪、準、不死川が一誠のフォローをする。Fクラスは一誠が何かしたと気付いているがその証拠と

成る何かがなく周りから「勝手に倒れて怒って可笑しい」とクスクスと笑いが密かに起こった。


「それでは私達はこれで」


「―――待てよ」


「ん?」


「大和を倒すなんてやるじゃねーか。俺とも遊んでくれよ」


「キャップ」


「お前等とは昔からの付き合いだが俺と大和は友達何でな。仇打ちだ」


「私が出てきたのもクラスメートの仇討ちが目的。ならば、今1度相手をしましょうか」


「翔一が相手なら俺がしようか」


「げっ・・・・・一誠さんが相手かよ・・・・・」


「え、まさか決闘2連戦!?」


「いいぞいいぞ!2タテして2−Fの自尊心を打ち砕くのじゃ!高貴な此方も大満足じゃ!」


「翔一、久々に競争をしようじゃないか。お前は昔から足が速かったからな」


「ああ、いいぜ!昔の俺と違って今は一誠さんを勝てる自信がある!その申し出を乗った!

報酬は大和の負けた分って事でどうだ」


「なら、俺は・・・・・うん、何もいらないな」


「いいぜ、それで。俺の負けは俺が取り戻す」


「分かった、取り敢えず半分取り返してやる」


「またも決闘の成立じゃ!」


両陣営のギャラリーから大歓声が沸く。


「じゃあ、下りようか。グラウンド借りようぜ」


「いや、ここからスタートして校門をゴールにしないか?グラウンドで競争なんて、

ただ回るだけでつまらないからな」


「おもしれぇ、いいぜ。一誠さんの提案でいこう!」


「では、職員室にその旨伝えてやるのじゃ」


「ああ、ありがとうな不死川」


「一誠さん、手加減・・・・・してくれると嬉しいんだが」


「ははは、大和。俺はSクラスとして勝負するんじゃなく、翔一と駈けっこの勝負をするんだ。

―――手加減なんてしないさ」


「ですよねー」


「・・・・・だが、ただの競争じゃつまらないから・・・・・小雪、冬馬、準」


「はい?」


「なんだ?」


「どうしたのー?」


「俺にしがみつけ。お前達を背負った状態で競争をするぞ」


「・・・・・まさか、アレをやるんですか?」


「わーい!僕はイッセーの背中ー♪」


「あの時より俺達の体重が増えているんだが大丈夫なのか?」


「大丈夫さ。―――これでお前達を背負って競争する」


―――バサァッ!


「・・・・・えっ?」


一誠の背から金色の6対12枚の翼が現れた。黒い長髪も金になり瞳も蒼に染まり変わった。


『今より、B棟屋上で決闘が行われます。種目はB棟屋上から校門への競争です。進路にいる生徒達は

至急道を開けて下さい』


「おっ、職員室も対応が早い」


「い、一誠さん・・・・・その姿は・・・・・?」


「ん?ああ、お前達に見せるのは初めてだな。この状態は・・・・・まあ、大天使だと思ってくれ」


「伝えて来てやったのじゃ・・・・・って、兵藤!?その姿は一体何なのじゃ!?」


『それでは位置について』


「それじゃ、俺の翼に乗ってくれ。ついでに不死川もだ」


「は・・・・・?それは何故なのじゃ?」


「いいから」


不死川を半ば強引に冬馬達と一誠の翼に腰を下ろさせ、金色の羽がシートベルトのように身体を支えられた。

一誠と翔一の2人がスタートラインにつく。


『よーい、―――どん!』


「一誠さんがそんなハンデをしても俺は全力で勝ちに行くぜ!」


翔一は屋上の入り口とは逆方向へと走った。そして、一誠も翔一と同じく入り口とは逆方向へと走った。


「まさか・・・・・!」


「俺は、跳ぶぜっ!」


「お前等、しっかり捕まっていろよ!」


翔一と一誠は躊躇う事なく、屋上から飛び降りた。


「無茶苦茶だ!ここは5階だぞ!?」


皆がバッ、と下を覗き込む。翔一はスルスルと木の幹を降りていた。一誠は軽やかにグラウンドに着地して

金色の光を残すほどの速度でゴールに向かって行った。


「・・・・・あの人、どこまで凄いんだ」


「キャップを追い越すなんて・・・・・」


「しかも、4人を担いだ状態でだぞ・・・・・・」


そして、校門に到着した。少しした後に翔一もゴールしたと思えばそのまま走り去ってしまう。

その光景に大和は怪訝な表情を浮かべると携帯が鳴りだし確認するとメールが来ていた。


『悪い、負けちまった!俺はこのままバイト行く』


「・・・・・ほんと、嵐のような奴だぜ」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――2−S


「ウェーイ♪まるでジェットコースターのようで楽しかったー!」


「Gが全く感じませんでしたが・・・・・」


「透明の薄い膜を張っていたからな。お前達の身を守るようにして競争していた」


「アンタ、やっぱりすげぇな・・・・・」


「にょほほ♪2−Sの2連勝で此方は大変、気分が良いのじゃ。・・・・・じゃが、兵藤。

アレは一体どう言う事なのじゃ?」


「ああ、俺の力だと思えばいいさ」


「それで此方は納得すると思っておるのか?」


「思っていないな。だが、人には秘密なんて一つや二つもあるさ。今現在、冬馬達には

俺の秘密を教えてもいない」


「そうですね。できれば教えてほしいところですよ」


「僕はね、イッセーはイッセーだと思っているよー?」


「まあ、無理に聞こうとはしないさ。一誠さんが話してくれるのなら聞くが」


「ふむ・・・・・。まあ、今日の此方は気分が良いからもう深く聞く事はしない」


「ありがとうな、不死川」


一誠が微笑みながら感謝の言葉を述べると不死川の顔が照れたのか赤く染まり顔を反らした。


―――弓道部


「兵藤君、兵藤君!聞いたよ!」


「主将、何がだ?」


「兵藤君って金色の翼を出したってことだよ!」


「ああ、その事ね。どうでも良い事だろう?」


「ねぇ、私にも見せてくれないかな?」


「見たいのか?」


「うん!」


「・・・・・」


周囲に目線を送る。弓道部の部員達も見たそうに一誠を熱く見ていた


「しょーもない」


バサァッ!と6対12枚の金色の翼が背中から出てきた。その神々し輝きを発する翼を見て

弓子達は熱い息を吐いた。


「綺麗・・・・・」


「こんな綺麗な翼は見た事無いよ・・・・・」


「髪も金色になって瞳も蒼くなっていて先輩・・・・・カッコいいです」


「・・・・・」


「主将、もういいか?」


「・・・・・」


「おーい」


「・・・・・はっ!ご、ごめんなさい。見惚れてしまって気付かなかった」


「はは、別に見惚れるようなもんじゃないぞ?」


「ううん、そんな事無いよ。・・・・・とても綺麗ね。それに温かい」


弓子は翼の羽を優しく撫でて漏らす。


「で、戻して良いか?この状態で指導したら部員達ができないだろう」


「「「「「「「「「「いえ!その状態でお願いします!」」」」」」」」」」


間も置かず弓道部の部員達が一誠にお辞儀をした。その光景を見て唖然としてしまう。


「・・・・・真面目にやるか?」


「「「「「「「「「「はい!ですからその状態で私達に弓の指導をお願いします!」」」」」」」」」」


「あっ、私もお願いね!兵藤君!」


「・・・・・しょーもない」


結局、一誠は大天使化の状態のままで弓道部の部員達に指導する事に成った。


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