小説『真剣でD×Dに恋しなさい!S』
作者:ダーク・シリウス()

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四月二十七日(月)



「・・・・・」


「すぅ・・・・・すぅ・・・・・」


「・・・・・」


「すぅ・・・・・すぅ・・・・・」


「・・・・・」


―――ガシッ!


「・・・・・」


「・・・・・おはよう、京」


「うんっ・・・・・おはよう」


「朝から柔らかく甘くて良い匂いがするなと思っていたら、なに人の服を脱がせようとしている?」


「私がお着替えをしてあげようかと思って・・・・・ダメ?」


「うん、ダメだな」


「ちぇ、まぁまだ時間があるしこうしちゃうよ」


京は一誠の上に乗っかったまま一誠の胸の上に倒れ、自分の腕を一誠の首に回した。


「・・・・・聞こえるよ。イッセーの心臓の鼓動が・・・・・」


「京の心臓の鼓動も・・・・・どうした、緊張しているのか?鼓動が激しく動いているぞ」


「ううん・・・・・嬉しいの。イッセーとこうする事が一つの夢だったんだ。

それが叶って嬉しくてしょうがないの」


全身を一誠の体に擦り付け、恍惚とした表情をして一誠の瞳を据える。


「はぁ・・・・・イッセェ〜・・・・・好き・・・・・大好きぃ・・・・・」


「幼い時から好きと言われたが・・・・・成長した京は過激になったな」


「うん、だからこう言う事も出来るよ・・・・・ん」


「ん・・・・・」


京は覆いかぶさったまま一誠にキスをした。


「ふふ、ようやく私のファーストキスを貰ってくれた」


「最初は百代にしてやられたからな」


「でも、今は私が有利!イッセェー!」


「おっと」


ヒョイと一誠は顔を横にずらし京と体勢を変え今度は自分が京を覆い被さる体勢に成った。


「俺を押し倒すなんてまだまだ早いな」


「でも、これはこれでいい・・・・・!イッセー、このまま私を抱いて?」


「京・・・・・」


「イッセーだけだよ。私の体を触れていい男は、イッセーになら、どんなにエッチにもなれるよ。

私の体、何しても良いよ。イッセーに言われた事全部やるよ」


右腕を一誠の首に回し顔を近づけさせ、左腕を一誠の手を掴んで自分の豊かな胸に触れさせる


「んぁ・・・・・。・・・・・イッセーの手が温かい・・・・・」


「京の想いは真剣だな」


「うん、だってイジメられている私を最初に助けてくれたのはイッセー。大和やガクトに椎名菌って言われて

直ぐに叱咤してくれたイッセー。学校にまで来て校長や当時の担任の先生に『イジメられている子供が

いるのにどうしてお前等教師は真剣に何も対処をしない!?それでもお前達は子供の未来に繋げる

指導者か!』って、怒ってくれたのもイッセー。私の両親とも真剣に話し合って私の事も考えるように

言ってくれたのもイッセー。・・・・・私、私の事を真剣に助けてくれたイッセーに惚れたんだよ?」


「腹立たしかったからな。両親は兎も角、ただ軽く注意すれば止めてくれるだろうと甘い考えを持った

学校の教師が真剣に自分の仕事を務めないで何が教師だ」


身体を崩して京の横に寝転がる。京は再び一誠の身体の上に乗っかって一誠の体温を感じながら口を開く。


「・・・・・その教師と私のイジメを知っていた教師達もイッセーの怒りに身体を震わせていたもんね」


「後日、俺の恐怖で教師から手を引いて辞めたか、真剣に生徒達と向き合う様になった

教師の二択になったな」


「そして、イッセーが警察やPTAに私の学校でイジメを黙認していると言う事実を伝えて

大騒ぎを起こしたもんね」


「はは、やるなら徹底的にしないと」


「そういうイッセーが好きになったんだよねぇ〜」


「・・・・・さて、そろそろ時間だから起きるか」


「うん、もう少しこの状態でいたかったな」


「甘えん坊」


「私は甘えん坊だよ?ん・・・・・」


「ん・・・・・」


京は再び一誠にキスをした。


「私はイッセーのもの・・・・・。心も体も・・・・・ね?」


「よく、覚えておく」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――川神学園 2−S


「あー、お前等。今週は第1回進路希望調査をする」


「おや、もうそんな時期なんですね」


「進路ねぇ・・・・・俺には関係ないけどな・・・・・ん」


「おい、兵藤。徐に瓢箪を出して何を飲んでいるんだ?」


「川神水」


「まだHR中だっていうのに堂々とお前は飲むね」


「学長から許可を貰っているから気にしないで・・・・・飲むか?」


「いや、いらん。ノンアルコールだろうが今はHR中だからな」


「ん、そっか」


「話が反れたな。各自、連休明けに希望進路を提出してもらうぞ。5月にはそれを元に個別の進路指導を

するからな。どんな夢でも自由に書け。ま、此処にいる生徒殆どは自分の会社を受け継ぐ奴かのんびりと

社会に貢献しないで暮らす奴ばかりだろうから余り面白みが無いな」


「教師がそんな事を言っていいのかよ?」


「悪い子にならなければそれで良いんだよ」


「それで済ませるアンタは本当に教師か?」


「一応な?それと、昨夜にC棟2階の1部の窓ガラスが割られていた。この学校にしちゃあ珍しい事態だ。

何か知っている事があればオジサンに教えてくれ」


そう言って2−Sの担任、宇佐美巨人が教室から出て言った。一拍してSクラスの生徒は

各自のんびりと寛ぐ。


「冬馬達は進路を決めているか?」


「ええ、決まっていますよ」


「やっぱり継ぐのか?」


「私は一誠さんと結婚する事です」


スパンッ!


「嘘を言うな、嘘を」


「何時の間に若をハリセンで叩いたんだ・・・・・?」


「僕はイッセーのお嫁さん!」


「ユキ、それは絶対に再提出されるぞ。それにお前等、特に冬馬と準は病院を継ぐんだろう?」


「それはどうでしょう。一誠さんのお陰で葵紋病院と言う名前じゃ無く成りましたからね」


「俺と若の父親は今現在も刑務所にいるからな。だから別に病院を継ぐ事なんてしなくてもいいから

別の夢を考えているのさ」


「そうか、応援するぞ。お前達の夢をな」


「ところで一誠さんは進路を決まっているのですか?」


「再提出に成らないよう適当に書くさ」


「そうですか」


「イッセー、イッセー」


「ん?」


「これ、やろう?」


小雪が胸に下げているハートのペンダントを持って問い掛けてきた。


「やりたいのか?」


「ウェーイ♪」


「お気に入りのようでずっと触ったり見ていたりしていたんですよ」


「それに早くやりたがっていたしな。あの時のように」


「なるほどね。じゃあやろうか」


「うん!やろやろ〜!」


4人はハートのペンダントを合わせた。結果、金色の四つ葉のクローバーが完成してキラキラと

神々しい輝きを放ち始めた。


「あははー!きれーだねー!」


「幻想的でいいですね」


「俺達の絆を色にだしているようだ」


「黄金の絆か・・・・・悪くないな。・・・・・ん?隣のクラスが騒がしいな・・・・・大和達がいる

Fクラスか」


「おーおー、賑やかな事で・・・・・」


隣のクラスから騒音が聞こえた。Sクラスの生徒達は「またか」と呆れ侮蔑する態度を示し肩をすくめた。

そんな中、着物を着た女子が席から立ち上がった。


「またあの低レベルクラスか。目障りじゃ。高貴な血筋の此方が指導する必要があるのじゃ。

高貴と言えば、この不死川心じゃ」


「うちのクラスの騒がしいのも来たみたいだぜ?」


「・・・・・あー、英雄か。そう言えば朝いなかったな」


「げっ!・・・・・あ」


不死川心が高貴とは言えない言葉を口にした事に気づき慌てて咳をし、訂正する


「許せ。選ばれた人間である此方が下品な発言を・・・・・」


―――刹那


「フハハハ!皆の者、おはよう。九鬼英雄である」


「おはようございまーすっ☆」


メイドと銀髪に額には×印の傷があり金色の服装でSクラスにいる一誠達に挨拶をした。


「さぁ、我に挨拶をする権利をやったぞ、一誠殿以外の庶民共」


「おっはー♪」


「はいはい、おはようさん」


「英雄、おはようございます」


「おはよう。英雄とあずみ。遅刻するとはどうした?それともヒーローだからか?」


「フハハハ!一誠殿、会議で遅れてしまったのだ。まあ、ヒーローは遅れて現れるのが常識だからな」


「そうか、ご苦労様だな」


「時に一誠殿。貴殿がこの学校に通うと姉上達に報告したら近々、一誠殿を我が九鬼家に招待し

パーティを開くそうですぞ」


「そうなのか?」


「はいっ!揚羽様や局様も心お待ちにしておりますっ☆」


「・・・・・なあ、あの件ってまだ有効なのか?」


「それは勿論です☆」


「真剣と書いてマジで?」


「真剣と書いてマジですっ☆」


英雄のメイド、あずみが一誠の問いかけに応えると頭をガクリと垂らした。


「・・・・・分かった。パーティの準備ができたのなら俺に声を掛けてくれ」


「はい!了解です!」


「フハハハ!では、我は2−Fへと歩を進めよう」


「お供致します、英雄様ぁぁぁっ!」


「よい。一子殿が見たいだけだ。察しろ・・・・・我の純真」


「こ、これは気の利かぬ真似を!無礼の罰として!・・・・・はぁっ!」


ゴキリッと嫌な音があずみの腕から聞こえた。


「・・・・・っ、腕を一本外しました。これにてご容赦を」


「うむ、お前こそ真の忠臣。そこで控えておれ」


「はい、英雄様ぁぁっ!」


「まずい、英雄だけ行きやがった。と言う事は」


英雄がFクラスに歩を進めてSクラスから出ていく様子に準が冷汗を流し始めた。


「・・・・・。あ〜よいしょっと」


―――英雄のメイドの声がガラリと変わった。しかもメイドを纏う空気も一変し外した腕の骨を元に戻した。


「うーん、これで良し。やれやれ。ミスすると腕一本。メイドも辛い」


「やっと本性を現わしたか。正直、信じられない程に変わっていたから誰だ?と思ったぞ」


「アタイのこの言動を英雄様に見せられる訳ねえだろう旅人」


「改めて久しぶりと言うべきか?」


「ああ、その通りだな。たくっ、こっちも内心は驚いたんだぜ?旅人がまさか学校に通う上に

このクラスだとは思わなかったんだからな」


「ダラダラと過ごすのが嫌でな。暇をつぶすのなら学校に通った方がマシだと思っただけさ」


「だったら九鬼家の執事として働けばいいのによ」


「おいおい、俺が入っても意味ないだろう。―――あいつがいるんだし」


「ああ、お前の事を聞いた途端に獲物を狙う鷹のような目をしていたぞ」


「はっ、いい加減に隠居でもしろって」


「そんな事を本人の前で言うなよ?血を見る事に成るからな」


「その血は自分のだったりしてな」


「・・・・・お前だけだよ。そんな事を堂々と言えるのは・・・・・」


「フハハハ!英雄の帰還なり!拍手で迎えろ」


パチパチパチッ!


「お帰りなさいませ英雄様☆」


英雄が戻った瞬間にあずみがメイドモードに切り替わった。一誠はその光景を見て苦笑を浮かべる


「一子殿は修行の最中であった、邪魔出来ぬ。・・・・・ところで一誠殿はどうしたのだ?苦笑をするなど

何か遭ったのであるか?」


「いや、何でもないさ。ところで英雄は一子に会いに行くなんてどうしたんだ?」


「うむ。我は一子殿が好きなのだ!」


「なるほど、そう言う事。それで、お前と一子は仲がいいのか?」


「いや、我は夢に向かってひたすら走っている一子殿を見守るばかりであまり会話をしてはいないのだ」


「へぇ、じゃああまり一子の事は知らないんだな?」


「お恥ずかしながらそうである」


「まあ、少しずつ接していけばいいさ。序でに言えば、そのテンションを下げろ。お前、高いぞ?」


「むっ。そうであるか?」


「ああ、多分だが一子はお前のそのテンションについていけないと思うぞ。女は意外と静かに

接してくれる方が相手と接しやすいんだ」


「なるほど・・・・・では、一子殿前では気をつけて接するように心がけます」


「お前の恋、応援するぞ」


「一誠殿・・・・・」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――昼休み 屋上


「ん〜、春風の中で食べる弁当の味がまた違うなぁ・・・・・」


「私は一誠さんの隣で準が作った弁当を食べると一段と美味しく感じます」


「僕もー」


「今日は風間達が来なさそうだな」


「別に強要して一緒に食べるつもりはない。冬馬達も俺とじゃなくて他の奴等と自由に

食べればいいんだぞ?」


「おいおい、釣れない事を言うなよ」


「僕はイッセーと一緒に食べたい!」


「私も準とユキ、一誠さんと一緒に弁当を食べたいですよ」


「そうか、まあ好きにすればいいさ」


「―――ああ、私も好きにするさ」


「うん、そうだね」


「こいつらに至っては俺の弁当を横から食べるほどだから・・・・・なっ!」


スパパンッ!


何時の間にか屋上に来ていた2人の女子―――百代と京が一誠の弁当の中身を摘まみ食いして

一誠のハリセンの餌食と成った。


「一誠。一々そのハリセンで私の頭を叩かないでくれるか?地味に痛いんだぞ」


「食べ物の恨みは恐ろしいと良く言うよなぁ〜?まだ少ししか食べていないのに

殆ど食いやがって・・・・・」


「じゃあ、私の弁当をあげるよ」


「いらん!」


真っ赤な弁当を見た瞬間、即答で否定した一誠。


「じゃあ、僕のをあげるよ。はい、あーん」


「あーん・・・・・。ん、準が作った弁当は美味しいな」


「そいつはどうも。一誠さんに褒められたぜ」


「むー、僕があげたのに準が作ってくれた弁当だから美味しいって言われても意味なぁ〜い、

嬉しくないよぉ〜」


「なら、ユキが準に教わりながら弁当を作ったらいいんじゃないか?」


「そうですね、私も少しぐらいは料理をしてみましょうか」


「料理ができる男は重宝されるしな」


「うん、僕も料理を作ってみようかなぁー。準、教えてくれる?」


「お願いしますね」


「ああ、任せておけ。料理に関しては俺が上だからな」


「・・・・・一誠」


「ん?」


「・・・・・料理ができる女の方は好きか?」


「料理ができる、できないなんて関係無しに俺は頑張って作ってくれた人の弁当を食べたいし好きだ」


「・・・・・そうか。なら、私も頑張るよ」


何やら百代も料理を作ってみようと決意した。そして、昼休みが終わるまで屋上で雑談をする一誠達。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――放課後 弓道場


―――タンッ!


「あ、真ん中に当った・・・・・」


「今の感覚を忘れなければ上達する」


「は、はい!ありがとうございます!」


「兵藤君、こっちも見てくれない?」


「じゃあ、射る姿勢をしてくれ」


「ん、こうかな?」


「・・・・・もう少し腕をこうにして、弓を持つ手をもう少し・・・・・」


「・・・・・」


「その体勢のまま―――射ろ」


シュッ―――タンッ!


「わ、凄い。私も真ん中に当った!」


「今の体勢で射れば真ん中かその近くに矢が刺さる筈だ」


「うん、ありがとうね!」


「ひょ、兵藤先輩!こっちもお願いします!」


「ああ、分かったよ」


弓道場で一誠は弓道部の部員達に指導をしていた。その様子を弓道部主将の3−F矢場弓子、

弓道部顧問の小島梅子が見ていた。


「うむ。真剣で指導してくれているな」


「ええ、彼の指導が弓道部の強化へと繋がっていきますね。指導した子の殆どが的の

真ん中に刺さるんですから」


「実に惜しいな。あいつが弓道部に入ってくれたらと指導する兵藤を見て何度もそう思ってしまう」


「本当ですよねー。部員達もまだ兵藤君と知り合ったばかりなのにもう馴染んじゃっているみたいですし」


「というより、兵藤がこの部活に溶け込んでいると思う方だと私は思うがな」


「椎名さんも真面目に部活をしてくれたら文句なしなんですけどね」


「その点については私の落ち度だ。すまないな」


「いえいえ、気にしないでください。椎名さんの代わりに兵藤くんが真剣に指導してくれているんですから

こっちは助かっています」


「この調子なら次の大会は優勝するかもしれない」


「優勝したら兵藤君にお礼をしないといけませんね」


「そうだな」


「主将」


「はい?」


「突然だが、俺と弓の勝負をしてはくれないか?」


「―――えっ?」


突然の一誠の申し出に弓子は唖然とした。隣にいた梅子も首を傾げる


「何故だ?」


「ただの好奇心。主将だから弓の腕がどれくらいなのか知りたいだけだ」


「えっと、兵藤君?私、兵藤君や椎名さんほど弓は凄くないよ?」


「凄くないのなら凄くすればいいだけ、俺は部員達に指導する為に此処にいるんだ。主将も指導をするぞ」


「え、えっとぉ・・・・・・ウメ先生?」


「まあ、3本勝負して兵藤を納得させればいい」


「・・・・・分かりました」


「ん、最初は俺にやらせてくれ」


「うん、どうぞ」


―――タンッ!―――タンッ!―――タンッ!


「・・・・・」


「次は主将の番だ」


一誠が3本の矢を放ち終わった。3本の矢は全て的の中央に刺さり弓子の番だと促す。一誠に促され遠くに

佇む的の前に立ち矢を弦に番え―――


―――タンッ!―――タンッ!―――タンッ!


3本の矢は中央の的に刺さった。


「・・・・・」


「どうだ?弓道部の主将の弓の腕前は」


「ああ、射る姿勢も良いし矢は正直に真っ直ぐ進んで的に当った。集中力も中々だな」


「ふふ、ありがとう」


「しかし、主将って不思議だな」


「不思議?」


「表と裏。学校で会うとクールな性格でいて弓道部だと誰にでも優しく接する女の子になるんだからよ。

俺のクラスにも似たような奴がいるぞ」


「ああ、私って誰かにお願いされると断われなくなっちゃいそうだから学校じゃあ猫を被っているの」


「主将の事を知っているのは?」


「私と弓道部の部員達だけだ」


「ん?百代は知らないのか?」


「うん、そうだよ」


「・・・・・はは」


「どうしたの?」


「いや、武神ですら主将の本質を見切られないなんて珍しいなと思った同時に全校の男子生徒の中で主将の

本当の性格と素顔を俺しか知らないなんて何か、優越感が感じた」


「そう言えば・・・・・全校の男子の中で兵藤君しかいないかも」


「勿体ない。主将がありのままの姿で学校生活を送れば男子が放っておく訳が無いのにな」


「ふふ、別に私は人気者になるなんてそんなつもりはないよ」


「そっか」


「先輩!もう一度お願いしまーす!」


「こっちも!」


「了解、それじゃあ行ってくる」


「うん、いってらっしゃい」


「ふむ。やはり弓道部に入ってもらいたいな」


「ウメ先生はお気に入りのようですね?」


「あの腕前なら天下五弓にも成れる。その上、指導が的確で皆の腕前が徐々に上がってきているからな」


「それに百代ちゃんと少しでしたけど互角に戦っていましたから四天王にも成れますよね」


「四天王に天下五弓の異名を持つ男・・・・・か」


部員に指導する一誠を見詰めながら呟く

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真剣で私に恋しなさい! ビジュアルファンブック (TECHGIAN STYLE)
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