小説『真剣でD×Dに恋しなさい!S』
作者:ダーク・シリウス()

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六月二十四日(水)



―――日本海 一誠の家


「あぁ、そうだ。念のために配備をしておけ・・・・・ん、分かった。それじゃあな」


「誰からだ?」


「下層の奴だ。日曜日に大陸を世界に明かして以来、何かと騒がしくなったからな。だから、

仮に調査にくる国の連中がいたら念のために武装して警備した方が良いと言ったんだ」


「ドラゴンがいるからいいのでは?」


「いや、あいつらには手を出すなと言っている。外交の目的で来るのなら追い返す必要もないからな」


「お前は色々と考えているんだな」


「おいおい、これでも俺はあいつらの師であり父親でもあるんだぞ?それはお前達も同じだ」


「私達の父親にしちゃあ若く見えるさね」


「そこは気にするな。気にしたら負けだ」


「そうかい」


「・・・・・それにしても」


「どうしたの?」


「いや、なんでもない」


「・・・・・?」


「朝食を食おう」


―――川神学園 2−S


「おはよう」


Sクラスのクラスメートに挨拶をする。


「お、おはようございます」


「おはようございます」


「何故、お前等は顔を赤らめて挨拶をする・・・・・」


「いやー、昨日のロリバージョンの一誠さんにときめいてしまって」


「私は一誠さんの裸体を見て思わず心が躍ってしまいました」


「・・・・・Hasen」


「マルギッテ、反応しなくていい」


「・・・・・分かりました」


「一誠さん!もう一度だけ幼女に―――」


「やっぱりいいぞ」


「HasenJagd!」


「ぎゃああああああああああああああああっ!?」


準がマルギッテに倒された。俺の幼女姿を見たいって本当に幼女好きだな・・・・・


「一誠さん、また女性に成ってもらえますか?」


「冬馬、その発言は此処でいうのは良くない。俺が女装をしたって風に聞こえるから。・・・・・それと」


「はい?」


「お前は既に狙われている」


「Hasen・・・・・Jagd・・・・・」


「・・・・・・」


いやー、オルトロスの出番が増えてきたなー。創造した物として良い事だ。


「い、一誠。葵君を助けなくてもいいのか?」


「目の前で女に成れと言う奴に助けてやれと?」


「あ、あう・・・・・」


「私も男に成れと言われたら助ける気もないね」


「だろ?まあ、直ぐに目を覚ますさ」


マルギッテに倒された冬馬を一瞥して席に座る。


「ああ、そうだ。マルギッテ、予備の軍服ありがとうな」


「いえ、気にしないでください。寧ろ、イッセーは軍服が似合うと理解しました」


「うん、様に成っていたね」


「義経も似合っていると思った」


「そうか?俺も軍服を着るのは初めてだから分からんぞ」


「では、もう一度だけ来てみればよろしい」


「マルギッテ?」


「・・・・・」


「・・・・・あー、分かったよ」


瞳に「着て欲しい」と強い願望が籠もって断われる訳ないだろう・・・・・。

―――瞬時でマルギッテと同じ軍服を着込む。


「おお、良く似合いますぞ」


「きゃる〜ん☆貴方は執事服でも似合うのに軍服でも似合うんですね☆」


「・・・・・もしかして、一誠は何でも似合うんじゃないか?」


「弁慶、それは流石にない。それを言ったら女子の制服も似合うと言っているようなものだぞ」


「女に成って着ればいいのでは?」


「女装癖がある奴だと思われたくない」


マルギッテの提案にバッサリと切って断わる。


「逆にお前達が男になった姿を見てみたいもんだな」


「私が・・・・・・」


「男に・・・・・?」


「想像がつかないだろう?」


「兄貴、姉御が男になるところ俺は・・・・・流石に見たくないぞ」


「ははは、そうか?まあ、する気はないけどな」


と、雑談していると巨人が教室に入ってきた。巨人が俺を視界に入れると首を傾げた。


「お前、どうしてマルギッテと同じ服を着ているんだ?」


「ファッション」


「・・・・・まあ、お前は多額の寄付を払っているから何を着ても問題ないわな」


「宇佐美先生も違うのを着れば?」


「オジサンはこれで十分・・・・・で、どうして井上と葵が気絶しているんだ?」


「日射病」


「・・・・・誰か、保健室に連れていってやれ」


深くは聞くまいと思ったのか保健委員の奴と数人の生徒が冬馬と準を保健室に連れて行った。そして、

HRが始まった。


―――昼休み 屋上


「うん、見事に女しかいないな」


百代、揚羽、清楚(項羽)、弓子、燕、マルギッテ、弁慶、義経、小雪、林冲、楊志、史進。男の俺以外が

全員、女だ。


「美人と美少女ばかりでお前は良い思いをしているなー♪」


「これで、京と由紀江が追加したら女度が増すな・・・・・」


「さっきメールで誘ったぞ?」


「・・・・・そうかい」


すると屋上の扉が開いて本当に京と由紀江が現れた。ここに岳人がいたら血の涙を流すぐらい

悔しがるだろうな。


「あれ、イッセーが軍の服を着ている。でも、カッコいいね」


「当り前です。イッセーは何を着ても似合います」


「なんで、お前が威張るんだ?」


「俺とお揃いの服を着て嬉しいんだよ」


「・・・・・そう言う事か」


「ペアルックって言うんだよね?」


「主に恋人同士がする事だな」


「「恋人・・・・・」」


ポツリと揚羽と燕が呟いた。・・・・・そう言えば、こいつ等とはそういう関係だったな。


「・・・・・そういえば、一誠が好きな奴が大勢いる事は知っているけど逆に一誠は好きな奴はいるのか?

学校に通ってもう数ヶ月が経ったからな」


「・・・・・あー、まあ・・・・・いるぞ。というか、既に付き合っている奴がいる」


俺がそう言うと目を見開く百代達。


「なっ・・・・・!?」


「揚羽と燕だ」


教えると百代達が一斉に揚羽と燕を見た。揚羽と燕は首を縦に振って肯定した。


「い、何時の間に・・・・・」


「・・・・・」


唖然とする百代達。ショックなんだろうな・・・・・。すると揚羽が俺に顔を向けて口を開いた。


「一誠、お前の気持ちを言ったらどうだ?」


「なに・・・・・?」


「・・・・・お前はそれでいいのか?」


「構わん。それにお前をこの世界に留まらせたのは我等だ。お前の気持ちまで我等が縛る権利は無い」


「燕はどうだ?」


「私もいいよん。それに私も愛してくれるんでしょう?」


「ああ、勿論だ」


「なら、一誠君の気持ちを百代ちゃん達に伝えて?百代ちゃん達も一誠君の気持ちを応えてくれるよ」


「・・・・・」


視界に百代達を入れる。皆も俺に視線を向ける。俺の気持ちを聞こうと静かにして耳を傾けてくれる。


「・・・・・皆は俺の事が好きなのは知っている。でも、俺は1人しか愛する事なんてできない。燕にも

告白した際に言ったが他の奴等に『女たらし』とか『極度の女好き』だと言われても俺は甘んじて

受け入れる。―――そんな俺にこれからもついて来てくれるか?」


「―――ついていく!」


不意にユキが声を張り上げた。


「ついていくよ!僕はイッセーとなら何処でも一緒に行く!僕を助けてくれたイッセーを

今度は僕が助ける!」


「私もイッセー君が好きで候・・・・・。あの時、助けてくれて以来、私はもっと

イッセー君の事が好きに成ったで候」


「既にイッセー以外の男に眼中がないと知りなさい」


「一誠・・・・・」


「リン?」


「私に、お前を守らせてくれ」


林沖が顔を赤く染めて精一杯の告白をした。


「一誠、私もお前の事が好きだぞ」


「百代、お前も本当にいいのか?傍から見れば俺は堂々と浮気をしているようなもんだぞ?」


「あはは、お前が浮気をするような奴じゃないと小さい時から知っているさ。これでも私はお前の事を

知っているつもりだぞ?」


「そうだね、一誠君は寂しがりやで人一倍心が弱い男の子だもん」


「つ、燕!」


「ククク、顔を赤くするなんて可愛いね?」


「フハハハ!そうか、そうか。一誠は寂しがり屋だったのだな?だから、常に誰かと一緒にいる訳は

そう言う事だったのか」


「く・・・・・!」


「ほへー、あの一誠が顔を真っ赤にしている」


「これはレアだね。滅多に見る事が出来ないかも」


「可愛い・・・・・」


「―――ああ、そうだよ。昔の経験によって俺は寂しがり屋だ!人一倍心が弱い男だよ!そんなひ弱な男に

好きに成ってしまって後悔でもしたか!?」


顔が熱くなっている事を感じながら自棄になってしまった。くそ、昔の経験で未だに治らないな!


「・・・・・後悔なんてしていないよ。寧ろ、嬉しいよ」


清楚が俺に近づいて来て目の前に跪いた。俺と視線を合うように。


「一誠君が完璧な人間じゃないって事を知れて嬉しい。ヒュームさんより強いし、勉強も出来て、不可能を

可能にしちゃう人だから昔は神様だと思ったもの。でも、そうじゃなかった。貴方は誰よりも強く

優しい人だけど逆に寂しがり屋で人一倍心が弱い人・・・・・」


俺を優しく抱きしめながら清楚はまるで母親のように優しい声音で呟き続けた。


「大丈夫、寂しいのならずっと傍にいるよ。心が挫けそうになったら支えるよ」


「清楚・・・・・」


「だから時々で良いから甘えてくれないかな?」


「・・・・・それは恥ずかしくて無理だ」


「ふふ、一誠君はやっぱり可愛いね」


「可愛いなんて言われても嬉しくない」


抱きついている清楚を優しく離す。百代はウンウンと首を縦に振って清楚の言葉に同意する。


「そうだろう?一誠は何故か弟オーラを感じるんだ」


「うんうん、一誠君はお父さんとかお兄さんのようにも感じるけど弟オーラも感じるんだよん」


「うむ。英雄とは違う弟オーラだな」


「おい、弟オーラって何だ、弟オーラって」


「母性本能をくすぐるオーラだよ」


「イッセーはかわいいよー?」


「ユキ、それは褒め言葉ではないからな。・・・・・で、本当にお前等はいいんだな?」


俺が再度聞くと百代達は頷いた。「何を当り前な事を言っているんだ」とそんな感じで


「―――お前は俺の嫁だからな。手放す気はないぞ」


「項羽・・・・・いきなり変わるな。そして、何度も思った事だがどうして俺を嫁と言う?」


「何を言っているんだ?俺は覇王・項羽だぞ。俺が気に入った男を嫁と呼んで何が悪い?」


「項羽、それは女に向けて言う言葉で俺は男だから婿か夫の間違いじゃないのか?」


「そんな小さい事を気にするな。嫁は嫁だ。お前は俺の嫁だ。それ以外何がある」


「小さい事ではないと思うんだがな・・・・・」


「それでは・・・・・」


項羽は何故か俺を押し倒して馬乗りに成った。


「おい、何故にのしかかる?」


「決まっているだろう?俺とお前、清楚とお前は契ったんだ。やる事は1つ。

―――頂点を目指す俺の子供を作る為だ」


「「「「「「「「「「なっ―――!?」」」」」」」」」」


「ちょっと待て!?いくらなんでもそれはダメだろう!それに清楚の身体でもあるんだぞ!?

お前は清楚の処女を奪う気か!」


「俺の身体でもある。なに、俺が身代わりに痛みを感じて清楚には痛みを感じせずに子作りをしてもらうさ」


「・・・・・この状況じゃなきゃ良い話だったんだけどなぁ」


「なに・・・・・?」


「おい・・・・・一誠からどけ」


俺の視界に項羽の背後でドス黒いオーラを纏う百代がいた。項羽は俺をのしかかったまま首を後ろに

向けるだけで百代を睨んだ。


「なんだ、俺と嫁の邪魔をする気か?」


「一誠はお前の嫁じゃないぞ」


「ふん、嫁は俺の嫁と成る事は決定事項だ。異論は認めん」


「・・・・・どうあってもどく気はないようだな?」


「当然だ。今やらずに何時やるのだ?」


鼻で笑う項羽に百代の怒りが最高潮に達したのが分かった。―――すると


「・・・・・っ!?」


項羽の様子が可笑しくなった。身体を震わせて額に汗を浮かばせた。その原因は項羽自身がよく知っていた。


「せ、清楚・・・・・!な、何を・・・・・!?」


あー、清楚か。どうやら項羽の精神を奪おうとしているようだな。


「っ・・・・・わ、分かった・・・・・!中に戻るから、やめろ・・・・・!」


そう言って項羽から感じるオーラが消失した。一拍して項羽の気とは違う別の気を感じるようになった。


「・・・・・ふぅ」


息を吐き腕で汗を拭いた。そして、目蓋を開けると赤い瞳ではなく琥珀色の瞳だった。


「ごめんね?項羽ちゃんが少し暴走しちゃって」


「ああ、大丈夫だ。清楚は気にするな」


「うん、ありがとう」


「・・・・・清楚ちゃん」


「ん?」


「一誠からどいてくれないか?」


「へっ?・・・・・あわわ!」


俺に跨っていた事に気づいて慌てて立ち上がって離れた。―――で、


「お前がどうしてのしかかるんだよ!」


「いいじゃないかぁー。スキンシップだ」


「さっき言った事と矛盾している!」


「えっと・・・・・モモちゃん。『俺に言っといて自分がするとはどういう事だ!』って項羽ちゃんが

言っているよ・・・・・」


「無視だ」


百代が短く俺に跨ったままそう言った。口の端を吊り上げて愉快そうに笑みを浮かべる。


「さぁて、久々にお前を楽しく愉快にいじめると―――」


ゴンッ!


「〜〜〜っ!?」


「百代、少し遊びが過ぎるぞ」


「あ、揚羽さん・・・・・!」


「それに、そろそろ次の授業が始まるぞ。さっさと一誠からどいて教室に戻るのだ」


「えー」


「百代、久々に黄金のハリセンを食らいたいか教室に戻る選択を―――」


「よし、教室に戻ろうか!」


俺が黄金のハリセンを見せると颯爽と立ち上がり屋上から去った。その言動をする百代に俺や揚羽が

苦笑を浮かべる。


「さて、俺達も行くか」


「うむ」


―――放課後 第2茶道室


「へぇ、お前等は付き合う事にしたんだな?」


「あぁ、でも、告白をする雰囲気とは思えない状況で告白したなぁ・・・・・」


「まぁ、告白は人それぞれだ。にしても、お前はハーレムを簡単に作りやがって・・・・・」


「羨ましいか?」


「・・・・・まさかだが、その調子で小島先生まで告白をするんじゃないだろうな?そんな事、

オジサンが許さないぞ」


「なんで仮に先生を告白せねばならんのだ。確かに美人だけど告白したら王道的な展開に成るに違いないぞ」


「・・・・・そうだよな。お前は先生まで手を出すような奴じゃないとオジサンは信じていたぞ」


「宇佐美先生、さっき自分で言っていた言葉を復唱してみたら?」


「こら、弁慶。横やりを入れるもんじゃないぞ」


「小島先生に関わると敏感だなぁー」


「うるさい・・・・・で、お前はそれでいいのか?」


「何がだ?」


「周りがお前達を放っておかないぞという意味だ。良い意味と悪い意味で」


「殆どは武士娘だからな。それに英雄のクローン。悪い意味だったら力でねじ伏せられるさ」


「主に九鬼だけどね」


「それは頼もしいこった」


巨人が俺の陣地に駒を侵入させた。・・・・・おっ、珍しい。


「参った。投了する」


「よし、やっと勝ったぜ!」


「珍しいね?」


「100回やれば何時か一回は負けるさ」


「負けた割には嬉しそうだな?」


「勝つより負けた方が面白いからな。まだ上を目指せるって感じでさ」


「良い性格だよ、お前は」


「さて・・・・・将棋が終わったのなら・・・・・よいしょっと」


いそいそと弁慶が俺の前に来て俺に寄り掛かるように座りこんだ。その様子に巨人が口を開いた。


「おーおー、見せつけてくれるじゃん」


「彼氏に甘える事は当然だよね?」


「そうだな」


左手で弁慶の頭を撫でる。ウェーブが掛かった黒い長髪から甘い匂いが感じる。


「さてと、オジサンはこれから代行の仕事があるから先に帰るわ」


「ん、見知らぬ美人な女性に声を掛けられてもついていくなよ」


「お前、オジサンをなんだと思っている?」


「言っても良い?」


「・・・・・言わなくていい」


巨人がこの部屋からいなくなり俺と弁慶の空間と成った。不意に弁慶が口から零した


「気を使わせたかな?」


「半分はそうだろうな」


瓢箪を口にして中に入っている川神水を胃の中に流し込む。その最中に弁慶が器を突き付けた。


「ちょうだい?」


「ちくわと川神水、どっちがいい?」


「え?・・・・・んー・・・・・」


「そこまで悩むか・・・・・」


「冗談だ」と言って弁慶の器に俺の川神水を程良い量で入れる。


「ありがとうなう」


嬉々として目を閉じながら川神水を飲む弁慶。そんな様子を見て俺はつい笑みを零してしまった。


「ん?」


「嬉しそうに、美味しそうに飲むんだなって」


「ああ、そういうこと。美味しいからね」


「川神水が好きな弁慶にとっては無くてはならない存在だな」


「なくなったら私は死んでしまう」


「オーバーだな」


苦笑を浮かべる。仮にそうなったら生き返らすがな。


「一誠だってあまりにも寂しくて死んじゃうじゃないの?」


「それを言うか!?」


「ふふっ」


弁慶が笑う。俺は少し気恥ずかしくなる。別に死にはしないけどさ・・・・・。


「だからこうして一誠に甘えているんだよ?一誠の心がこれ以上弱くならないようにね」


「弁慶・・・・・」


気を使ってくれているんだと今気づいた。まったく・・・・・。


「おっ?」


「・・・・・ありがとうな」


「・・・・・どう致しまして」


抱きしめるように腕を弁慶の体に回して背中と胸を密着させる。


「温かいね・・・・・川神水とは違う温かさ・・・・・」


「弁慶の体も温かい上に柔らかい・・・・・甘い匂いがしていいぞ。ずっと抱きしめていたい」


「じゃあ・・・・・こうして抱き締めて?」


弁慶は身体をこっちに向けて腕を俺の首の後ろに回してのしかかってきた。


「ん・・・・・」


畳の上に寝転がり弁慶が俺の上に乗っかって身体を密着する。腕を背中と腰に回して更に弁慶を抱きしめる。

すると顔を朱に染まって俺の額にコツンと合わせてきた。弁慶の紫の瞳が間近で見られる。


「・・・・・胸が熱い・・・・・」


「心臓が激しく脈を打っているのが分かるぞ」


「一誠の心臓もドクンドクンって言っているよ」


「・・・・・川神水を飲んで酔ったかもしれないな。幻の川神水だからさ」


「じゃあ、2人して酔っているんだね」


「そうかもな・・・・・」


「それじゃあ・・・・・」


徐に俺の瓢箪を手にとって川神水を飲み始めた。そのまま飲むのかと思ったら喉に流さず口の中に溜めた。

そのまま俺の顔に近づけて。


「ん・・・・・」


唇を押しつけてきた。その行動を理解して口を開くと更に深く唇を押しつけて俺の口内に川神水を少しずつ

流し込んできた。


「んぐっ・・・・・」


流れてくる川神水を飲むが少しだけ口の端から零れてしまう。だが、そんな事を気にせず弁慶から流し込んで

くる川神水を飲み続ける。そして、弁慶の口の中に溜まった川神水が無く成った。


「・・・・・どうだった・・・・・?」


「・・・・・弁慶の味だった」


「そう・・・・・今度は一誠も・・・・・」


その言葉に頷き俺も川神水を口に含んだ。飲まず口の中に溜めて身体を起こして今度は俺から弁慶の唇に深く

押し付けた。


「んふっ・・・・・」


「・・・・・」


彼女の後頭部をガッシリと掴んで口移しをする。弁慶も俺の後頭部を掴んで深いキスをしながら俺が流し込む

川神水を飲み続ける。俺の口に川神水が無くなっても弁慶の口の中に舌を入れて歯をなぞり、口内を蹂躙

しながら彼女の舌を絡める。彼女の舌に川神水の味が染み込んでいて俺と弁慶の体を更に熱くしてくれる。


「ん・・・・・ちゅ・・・・・れろ・・・・・ふぅ・・・・・」


少ししてお互い唇を離すと銀の糸が俺と弁慶の口を繋げた。荒く熱い吐息をしながら弁慶は瞳を

トロンとしながら呟く。


「・・・・・これ、ヤバい・・・・・病みつきになりそう」


「俺もだ・・・・・もっとしたい・・・・・いいか?」


「んっ・・・・・・私も、もっとしたい・・・・・」


―――その後、俺と弁慶は互いの瓢箪にある川神水が無くなるまで口移し+キスをし続けた・・・・・。



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