小説『真剣でD×Dに恋しなさい!S』
作者:ダーク・シリウス()

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六月二十三日(火)



―――屋上


「いやー、最近は暑くなりましたね」


「といっても、屋上は涼しいけどな」


「あはは、水が一杯あるからねー」


「すっかり此処は俺達の居場所に成っているな」


屋上でのんびりと昼食する一同。好きな場所で腰を下ろして弁当を広げて食べている。


「教室の次にいる時間が多い場所ですね。まあ、一誠さんがいるからですが」


「俺はのんびりできる場所が好きなだけだ。たまたま屋上がそういう場所だったからな」


「私のサボりスポットの場所でもあるよん」


「たまに授業中で俺と会うよな」


「うふふ、一誠君がいるところ私有り!」


「それ、どっから掘り出した?」


「それはそうと、一誠君の髪って綺麗だよね?艶があるし」


「髪か?別に特別な物は使っていないぞ」


「うーん、女の子みたい。なんか、負けた気分だよん。・・・・・料理も負けているし」


「ふふふ、料理に関しては譲る気はないぞ」


「・・・・・ふと、思ったけどさ」


「なんだ?」


「一誠が九鬼従者部隊に所属していた頃に『不可能を可能にする執事』と有名だったよね?」


「あー、確かにそう言われたな」


「へぇ、一誠さんって執事をしていたんだ?初めて聞いた」


「まあ、昔の話だ。それで、それがどうかしたのか?」


「んー、どこまで不可能を可能にできたのかなって思ってさ」


「おっ、それは面白そうだ。一誠がどこまでできるのか知りたかったんだ」


「どこまで不可能を可能にするか・・・・・なら、お前達がリクエストしてみろ。出来る限り応えてやる」


「はい!」


「リクエストはなんだ?」


「人を小さくできるかな?」


「うん、誰でも考えても不可能な事だな。―――できるぞ?」


「ホント?」


「証明してやるよ」


「禁手化」と呟き一誠を中心に一瞬の閃光が放った。閃光が止むと何も変わっていない一誠がいたが指を

パチンと鳴らした。すると、一誠がまた光に覆われたと思えば身体が少しずつ小さくなっていった。


「・・・・・一誠さんが子供に成った」


「あれ、なんか若くなってもいないか?髪も短くなっちゃっているし」


「今の俺は幼少時代の時の姿だ」


「おおー、イッセーが子供に成っちゃったね。かわいー」


「それも神器という能力でか?」


「そうだ」


「神器って何でもありなんだな」


「神が作ったシステムだからな。当然の事だろう」


「じゃ、じゃあ・・・・・人を甦らす事も・・・・・?」


「できるぞ。人じゃなくても生きている物を全て甦らす事が出来る・・・・・さて、他に何かある?」


「はい!」


「準か、なんだ?」


「一誠さん自身が女の子に成れますか!」


「・・・・・俺の神器には性別を転換する能力は無い」


「ですよねー・・・・・」


「だが、この機械で使えば性別を転換する事が出来るぞ?」


何もない空間に穴を作って一誠は腕を突っ込んだ。一拍して腕を穴から出すと手には銃のような機械を

持っていた。


「それが・・・・・?」


「名前は『性別転換銃』そのままだが、効果は保証済みだ」


そう言って自分に銃を向けてグリップを押した。銃口から怪光が発射して小さくなった一誠に当った。

皆が見守る中、怪光が消えて一誠に変化が起きた。


「準、どうだ?」


「―――ッ!?」


「一誠さんの声が」


「何時もより高い・・・・・!?」


「えっ、本当に一誠君が女の子に成ったの?」


「証拠を見せたいけど今は無理だな」


そう言って子供サイズでトコトコと準に近づく。


「な、なんですか・・・・・?」


「―――準にぃにぃ、大好き♪」


刹那。


「ぶはああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!?」


準がトマトのように真っ赤に顔を染めて鼻から大量の血を噴き出して幸せそうに倒れた。


「あははははは!おもしろーい!」


「・・・・・なんか、一誠の性格が違くないか?」


「今の一誠さんは準が大好きな幼女ですからそれを利用して悪戯をしたのでしょう」


「い、一誠君って意外とお茶目なんだね」


「たまには悪くないだろう?」


指をパチンと鳴らすと一誠の全身が光に覆われて身体がどんどん大きくなり髪も長くなった。

同時に女だと主張する胸も百代と同じぐらいの大きさになる。


「どうだ?」


「凄い・・・・・」


「本当に女の子なんだね・・・・・胸も大きいし」


「・・・・・93ぐらいか?」


「ま、負けた・・・・・」


胸の大きさにショックを受ける百代だった。一誠は制服の下にTシャツを来ていないため胸の大きさが

ハッキリと分かり少しの拍子でボタンが弾けそうに張りつめていた。


「あはは、イッセーの胸ってましゅまろみたーい♪」


「ん?って、人の胸を触るな!ボタンが―――!」


刹那。小雪が思いきり一誠の胸を両手で鷲掴みした拍子でボタンが弾け飛び胸を覆っていた制服が突然の

突風で靡かされて豊満な胸が屋上で曝け出す。


「・・・・・」


静かに眼鏡を上げた一誠の目の前にいた冬馬。その直後・・・・・、


「HasenJagd」


「死んでもいい」


ドガッ!


オルトロスの峰で首筋に強く当てられ気絶した。


「ユキちゃん、ダメじゃない!一誠さんの胸を触っちゃ!」


「うーん・・・・・ごめんなさい」


「こいつは本当に幸せそうな表情で気絶していやがるな」


「イッセー、何時までもその格好では不味いです。私の予備の軍服を―――」


ガチャッ!


「おーい!一誠さん!ちょっと訊きたい―――」


「どうしたの、ガクト?いきなり固まって―――」


「そういうモロもどうしたんだよ?目の前に何が・・・・・!?」


「大和もどうしたんだよ?一体、何に固まっているんだぁ?」


不運な事に風間ファミリーの男子陣が一誠に用があって屋上に足を踏み込んだ。―――大和達の視界には

上半身が半裸で百代より豊満な胸を隠す事もなく曝け出して自分達を見ていた。


「こ、ここは・・・・・ユートピアか?桃源郷か?酒池肉林なのか?絶世の美女が・・・・・

む、胸を・・・・・」


「えっ、えっとぉ・・・・・す、凄い・・・・・ね」


「誰だぁ?あの女子は。胸を出してもしかして露出狂なのか、大和?」


「・・・・・取り敢えず。逃げようぜ」


頬に冷汗を流す大和に異議ありと翔一は口を開いた。


「えー?何で逃げなきゃいけないんだよぅ!俺達は一誠さんに用事があるんだぞぅ!」


「目の前にいる姉さん達を見てまだ言えるか?」


「えっ?」


翔一は百代達を視界に入れた。


「やーまーと♪」


「HasenJagd」


「ははは、俺の嫁の裸体を見たな?」


「タイミングが悪かったね。でも、理不尽だと思われてもキミ達は見てはいけないものを見てしまったよん」


百代、マルギッテ、項羽に変わった清楚、燕が全身から危険なオーラを迸って少しずつ近づいてきた。

これは不味いと―――


「―――自己責任で散!」


ドヒュンッ!


リーダーの翔一の指示に大和達は屋上からもの凄い速さで逃亡した。


「逃がすかッ!」


「狩ってやる!」


「俺の嫁の裸体を見た事を後悔させてやる!」


「待てぇー!」


逃走した大和達を追う。


「・・・・・どうすればいい?」


「取り敢えず、マルギッテが置いた予備の軍服を着たら?」


「義経もそう思う」


「ついでにしばらくはこの屋上は男子禁制にするで候。井上君と葵君は3日間だけ屋上に来てはいけない

ようにするで候」


「えー、それじゃあ準とトーマもこられないよー」


「大丈夫だよ。3日も経てばまた一緒に屋上で食べれる」


「うー・・・・・分かった」


「「「「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」」」」


「・・・・・ある意味、準と冬馬は運が良かったな」


今頃、地獄の体罰を受けているであろう大和達に心の中で合掌をする。

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