小説『フェアリーテイル〜虹の滅竜魔道士〜』
作者:冒険ファンタジー()

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『アースランド〜エドラス』


フェアリーテイル、ウェンディサイド

私は今ルーシィさんと一緒にお喋りをしています。

「777年7月7日?」
「私やナツさんに滅竜魔法を教えて貰ったドラゴンが、同じ日にいなくなってるんです」
「そう言えば、前にナツがギアスとガジルの竜が同じ日に姿を消したって言ってたかも?」
「どうゆう事なの?」
「…遠足の日だったのかしら?」
「ルーシィさんも、偶に変な事言いますよね…」

それだったら、すぐ帰ってくるんですけどね…。

「火竜イグニール、鉄竜メタリカーナ、虹竜プリズレイヤー、天竜グランディーネ…皆、今どこにいるんだろう?」

するとハッピーとルシアが来ました。
二人の手に持っているのは、魚と大きめのニンジンにリボンを巻いていた。

「「シャルルー!」」
「ん?」
「これ、オイラが獲った魚なんだ」
「僕のはおっきいニンジンだよ」
「「シャルルにあげようと思って」」
「いらないわよ!私、魚や野菜は嫌いなの!」
「「そっか、じゃあ何が好き?(オイラ・僕が)こんd「うるさい!!」っ!?」」
「私に付き纏わないで」
「ちょっとシャルル!?」

今のは酷いと思うよ!

「何もあんな言い方しなくても…ねえハッピー、ルシア」
「「………」」
「シャルル!ちょっと酷いんじゃないの!」

シャルルはギルドから出た。

「「あっ、待ってシャルル〜!」」

ハッピーとルシアがシャルルの後を追いかけた。

「何かシャルルって、ハッピーとルシアに対して妙に冷たくない?」
「どうしたんだろう…」

私は気になったからシャルルの後を追って行きました。


マグノリア


外はいつの間にか雨が降ってる!?シャルルが風邪をひかなければいいんだけど…。

「シャルル〜!シャルル〜、何処なの〜!あっ!」

前から歩いて来るシャルルを目撃したウェンディ。

「シャルル!やっと見つけた」
「ウェンディ…アンタ、傘も差さずに風邪ひくわよ」
「シャルルもでしょ」

どうしてシャルルは皆と仲良くしないだろう…。

「シャルル、私たちギルドに入ってそんなに経っていないんだから、もっと皆と仲良くしなきゃダメだと思うの」
「必要無いわよ。アンタがいれば私はいいの」
「もぉ、またそうゆう事ばかり…ん?」

こんな雨の中、誰か来ますね?杖が…5本持った覆面の人?
ウェンディの前にミストガンが現れた。

「誰?」
「…ウェンディ」
「えっ?その声…」
「!?」

今の声、どこかで…?

「まさか君がこのギルドに来るとは…」

ミストガンは覆面を外し、その素顔が晒した。
その顔は、ジェラールにそっくりだった。

「っ!?ジェラール!?」

どうして!?だってジェラールは…!?

「ど、どうゆう事!?アンタ確か捕まって!?」
「それは私とは別の人物だ」
「そんな!?」
「どう見たってアンタ、ジェラールじゃない!?」

ミストガンは語り出した。

「私は、フェアリーテイルのミストガン。7年前は、この世界の事はよく知らず、君にはジェラールと名乗ってしまった」
「えっ?」

7年前…私がジェラールに出会った…じゃあ!?

「ま、まさか…」

ミストガンはコクリと頷いた。

「あ…あなたが、7年前の…」

ウェンディは泣き始めた。

「あの時のジェラール…ずっと…ずっと会いたかったんだよ!」
「…会いに行けなくて、すまなかった」

ウェンディはミストガンに、いやジェラールに出会えた事に感涙していた。

「だが、今は再会を喜ぶ時間は無い」
「え?」
「今すぐ…今すぐこの街から離れるんだ!」

ミストガンは倒れかかった。

「ジェラール!?」
「私の任務は失敗した…」

ミストガンから驚愕の話を訊かされた。

「大きくなり過ぎたアニマは、もはや私一人の力では抑えられない…」

そして、ミストガンはウェンディに言ってしまった。

「間もなく、マグノリアは消滅する!」

えっ?消滅って…?

「ど、どういう事?全然意味解んない…!?」
「終わるんだ…消滅は既に確定している…」

何で…何で消滅するの?

「せめて…君だけでも…」
「フェアリーテイルは!?ギルドの皆はどうなるの!?」
「…全員、死ぬという事だ…」

皆が…死ぬ…?そんなの!?
ウェンディはギルドへと駈け出した。

「ウェンディ!?」
「皆に知らせなきゃ!」
「行ってはいけない!?君だけでも、街を出るんだ!」
「私だけなんてありえない!」
「!?」
「私はもう、フェアリーテイルの一員なんだから!」

ウェンディは、ギルドの皆に危険を知らせに向かった。

サイドエンド


フェアリーテイル


この大雨、いよいよか…エドラス編は。
向こうじゃ換装は使えないから、今の内に貝(ダイアル)を服の中にありったけ詰め込んでっと。
ナツとグレイは変わらずケンカ、それを眺めるジュビア、ジェットとグレイを叱るエルフマン、カナは相変わらず酒を飲んでるし、ミラはエルフマンを連れてリサーナの墓参りに行ったり、グレイとジュビアがイチャイチャしてたり、それを見ていたアルザックとビスカはドギマギしてて、マスターとエルザは100年クエストの事を話したり、セトとソルヴァは先月稼いだ金額の数えていて、イヴはクルスに関節技決めてたりとかで面白がってミオたんも参加したりとかで、平凡な時間が過ぎていった。
ギアスはふと空を見ると、雲が渦巻いていた。
やべっ!?もうすぐか!
ギアスはすぐに離瑠とミオを救出するべく動き出した。

「ギアス様!?」
「いいから中に!」

ギアスは離瑠を自分の体内に入れた。(ジュビアが自分の中にグレイを入れた様に)
良し、次はミオたんだ!
ギアスはミオに飛びかかったが、その間に誰かが通り過ぎた。

「あれ!?」
「ぎ、ギアスさん!?何ですか!?」

クルスだった。
うぉーいクルス!?何でミオたんの前に出るんだ!?
その時、ギルドが白く染まった。
中にいる人達も粒子となっていった。
まずい!?ええい、こうなりゃクルスを入れてミオたんも!

「ちょっ、ギアスさん何w…!?」
「良し、ミオたん!」
「ふみゅ?なにおn…」

ミオは粒子となって空に消えていった。
しまったぁ、遅かったぁぁぁぁぁ!!?
そしてギアスの意識を失った。
そして、ギルドごとマグノリアは消滅した。


消滅したマグノリア、ウェンディサイド


どう…なってるの…?
ウェンディは、皆にマグノリアが消滅する事を伝えようとギルドの前まで来たが、ギルドが突然歪みだした。
そして、そのまま粒子となって空に吸い込まれてしまった。
気が付くと、マグノリアは何も無い更地となっていた。

「………嘘?」

ギルドも…街も…全部…消えた…?

「そんな…一体、何が起きたの!?」

誰か…誰かいないの!?

「誰かいないのー!誰かぁーーー!!」

しかし、誰も返事が無かった。

「誰か…あれ?何で…何で私だけ…ここにいるの?」

街もギルドも全部消えちゃったのに…何で私だけ…!?
その時、近くの地面から何か盛り上がってきていた。

「ひっ!?」

地面から出て来たのは、

「ブファッ!?な、何だ!?」

ナツだった。

「な、ナツさん!?」
「あ、ウェンディ?…あれ?ここどこだ?」

私以外にも…残ってた…。

「何も、覚えてないんですか?」
「寝てたからな」

すると、また近くの地面から何かが盛り上がろうとしていた。

「ひっ!?」
「何だ?」

地面から出て来たのは、

「ブァハッ!?ハァ…ハァ…いきなり地面の中かよ!?」

ギアスだった。
ギアスさんも残ってたんだ。

「ふん!ん〜…」

するとギアスは力を込めると、

バシャアァッ

「ひっ!?」
「うわっ!?何だ!?」

ギアスの体から離瑠とクルスが出てきた。

「ゲホッ、ゲホッ、ギアスさん…いきなり何するんですか〜…」
「少し息が…続かなかったわ…」

離瑠さん…クルス君も…!

「お前ら何でギアスから出てきたんだ?」
「それが、突然ギアスさんが僕たちを体の中に入れてきて…」
「私もよ」
「ギアスさん、どうしてですか?」
「いや、ギルドが急に歪んで粒子になっていくのが見えたから、咄嗟に離瑠とミオたんを俺の中に入れようとしたんだが、手違いでクルスが入ってきちまってミオたんを救えなかった…」
「えっ!?僕を助けようとしたんじゃなかったんですか!?」

ギルドが歪んでって…それってさっきの!?

「それよりもギアス様、私たちは今どこにいられるのでしょうか?」
「そういえば…どこだここ?」
「ここ…ギルドですよ」
「はっ?」
「えっ?」

私は今さっき起こった事を皆さんにお話ししました。

「突然空に穴が開いて、ギルドも街も、皆吸い込まれちゃったんです!」
「「「!?」」」
「?」

ナツ以外驚いていた。

「本当なんです!残ったのは私たちだけみたいなんです!」
「ナツ、お前は寝てたから訳が解らないでいるけどな、俺もこの目でギルドが消えていくのを見たんだ」
「マジかよ!?」

そういえば何で私とナツさんとギアスさんだけ残ったんだろう?離瑠さんとクルス君はギアスさんの中にいて助かったみたいでしたけど…まさか!?

「もしかして、ドラゴンスレイヤーだけが残された!?」
「そうよ」
「「「「「!?」」」」」

シャルルが皆の所に来た。

「シャルル!良かった、無事だったんだね!」
「まあね。ドラゴンスレイヤーの持つ特殊な魔力が幸いした様ね。良かったわ、あなた達だけでも無事で」
「シャルル?」
「そりゃ聞き捨てならねぇな、他の皆はどうでm…って、ホントに消えちまったのか!?」
「さっきっからそう言ってるだろ」
「おーい、皆ー!」

するとシャルルが口を開いた。

「消えたわ。正確に言えば、アニマに吸い込まれて消滅した」
「アニマ!?」

ジェラールが言ってた事!?

「さっきの空の穴よ。あれは向こう側の世界、「エドラス」への門」
「エドラス?」

エドラス…それに向こう側の世界って?

「お前、さっきから何言ってるんだよ!皆はどこだよ!」
「ナツさん!?」

落ち着いてナツさん!?

「シャルル、君は何か知ってるの?」
「あなたの口ぶりから察すると、そのアニマとやらはあなたと何か関係があるみたいね」
「そういえば、何でシャルルは無事だったの?」

するとそこに、

「「(ナ〜ツ〜・ギアス〜)!」」

ハッピーとルシアが来た。

「「何コレー!?街が〜!!??」」
「ハッピー!」
「ルシアも!」
「無事だったんだね」

そして、シャルルから驚愕の事実を聞かされた。

「私は、向こう側の世界…エドラスから来たの」
「「「「「「「え!?」」」」」」」
「そこのオスネコ共もね」
「「!?」」
「ど、どういう事?」

シャルル達が、エドラスから来たって?

「この街が消えたのは…私とオスネコ共の所為って事よ…」

私たちは、シャルルの話を黙って訊いていた。

「エドラス?」
「そう、こことは別の世界…エドラス。そこでは今、魔法が失われ始めている」
「魔法が失われる?」
「何だよそりゃ?」
「どういう事?」
「魔力が枯渇してきてるって事か?」
「そう。こっちの世界とは違って、エドラスでは魔法は有限…使い続けていれば、いずれ世界から無くなるのよ」

こっちは魔力が切れても少し休めば戻るけど、エドラスは制限があるって事?

「その枯渇してきた魔力を救う為に、エドラスの王は別世界…つまりはこの世界から、魔力を吸収する魔法を開発した」
「もしかして、その開発した物が!?」
「そう、それが超亜空間魔法アニマ。さっきの、空に開いた穴よ」
「あれが…アニマ…」

あれがジェラールの言っていたアニマ…。
シャルルの話を聞いてると、6年も前からこの計画は始まってたけど、誰かがアニマを閉じていたらしい…って、もしかしてジェラールが閉めてたって事!?

「だけど、今回のアニマは巨大過ぎた…誰にも防ぐ術など無く、ギルドは吸収された」
「何でフェアリーテイルを吸収したんだよ?」
「言ったでしょ?エドラスの魔力とする為よ」

こっちの世界の魔力をエドラスの魔力にする…魔力…魔法…魔導士…そうか!?

「フェアリーテイルには強大な魔導士がたくさんいる!だから狙われたって事!?」
「そうよ」
「…ざけんなよ!」

さっきから黙っていたギアスが言い出した。

「随分と勝手な事をほざく連中がいたもんだな!」
「皆を返せよコノヤロウ!」

すると、さっきまで落ち込んでいたハッピーとルシアが顔を上げた。

「そ、それが…」
「僕とハッピーとシャルルの所為…」
「なの?」
「間接的にね」
「「間接的?」」
「私たちはエドラスの王国から、ある別の使命を与えられてこの世界に送り込まれたのよ」

送り込まれてきたって…?

「そんな筈ない!あなた、卵から生まれたのよ!この世界で!」
「ルシアもだ!」
「ハッピーもだ!俺が見つけたんだ!」
「そうね…先に言っておくけど、私はエドラスには行った事が無いわ」
「「「「「「「?」」」」」」」
「ウェンディが言う通り、この世界で生まれ、この世界で育った。でも私たちには、エドラスの知識や自分の使命が刷り込まれてる。生まれた時から…全部知ってる筈なのよ!なのに、アンタ達は何で何も知らないの!」

シャルルがハッピーとルシアを指して叫んだ。

「オイラ…」
「僕は何も…」
「…とにかくそういう事、私たちがエドラスの者である以上、今回の件は私たちの所為」
「さっき、別の使命って言わなかった?シャルル」
「…それは…言えない…」

シャルル、何を隠しているの?

「教えてシャルル」
「僕たち、自分が何者か知りたいんだ」
「言えないって言ってんでしょ!自分で思い出しなさいよ!」

するとナツさんとギアスさんが言い出しました。

「良ぉーし!んじゃ、話も纏まった事だし」
「いっちょ行ってみるか?」
「「エドラスってトコによ!」」
「纏まってないわよ!?」

こうゆう所は相変わらずですね二人とも。

「てか、アンタ達まったく理解してないでしょ…」
「僕はだいたい解りましたけど、仲間の命が掛ってる事は一番に解りました!」
「私の行く道はギアス様の行く道!」

ぐぅ〜×2

「ナツ、オイラ不安でお腹空いて来ちゃった」
「僕も」
「はは、そりゃ元気の証だろ?」

緊張感無いですね…。

「それに、そのエドラスってトコに皆がいるんだろ?」
「だったら、助けに行かなきゃな!」
「どうなのシャルル?」
「恐らく、いるとは思う。だけど、助けられるか分からない。そもそも、私たちがエドラスから帰って来れるのかどうかさえ…」
「ま、仲間がいねぇんじゃ、こっちの世界には未練は無ぇけどな。イグニールの事以外は…」
「仲間いないんじゃプリズレイヤーを探したって何も意味も無いしな」
「私も!」
「僕も!」
「ギアス様と共に!」
「皆を助けられるんだよね?オイラ達…」
「だ、大丈夫…だと…思いたいね…」

シャルルは何か決意した様だ。

「私だって…まがりなりにもフェアリーテイルの一員な訳だし…母国の責任でこうなった、疾しさもある訳だし…連れてってあげない事も無いけど…いくつか約束して」

シャルルがウェンディ達に条件を出した。

「私がエドラスに帰るという事は、使命を放棄するという事。向こうで、王国の者に見つかる訳にはいかない…全員変装する事!」
「俺らもか?」
「シャルルはそれで良いの?」
「良いの。もう決めたから」

シャルルの意思は固そうだね。

「そしてオスネコ達、私たちの使命については詮索しない事」
「あい…」
「らう…」
「三つ目、私も情報以外エドラスについては何も知らない…ナビゲートは出来ないわよ」
「うん!」
「了解!」
「分かった!」
「最後に…」

シャルルはとんでもない事を言い出しました。

「私とオスネコ達が、あなた達を裏切る様な事があったら、躊躇わず殺しなさい!」

私たちは声が出せなかった。

「オイラ達…そんなことしないよ…」
「そうだよ…僕たちがギアス達を裏切るなんて…」

ぐぅ〜×2

「てか、腹うるさい!」

何だか台無しですね…。
するとシャルルはエーラを出した。

「行くわよ。オスネコ達もそいつらを掴んで」
「飛んで行くの?」
「私たちの翼は、エドラスに帰る為の翼なのよ」
「「………」」
「行こうぜハッピー、ルシア!お前らの故郷(ふるさと)だ!」
「「……(あい・らう)!」」

では行きましょう!エドラスへ!
するとギアスが、

「なあ、エドラスに行くにはルシア達が必要なんだろ?俺らじゃ定員オーバー何じゃ?」

あっ、そういえばそうですね。
シャルルは私だし、ハッピーはナツさんだし、ルシアはギアスさんですよね?離瑠さんとクルス君が余りますね?

「だったらギアス、アンタが私たちの代わりに飛びなさい!アンタもエーラが使えるでしょ?」
「あっ、そうか!」

そういえばギアスさんは相手の魔法を覚えて自分の魔法にする事が出来るんでしたね。
そして、シャルルはウェンディ、ハッピーはナツ、ルシアは離瑠、そしてギアスがクルスを抱えて空を飛んだ。

「出来ればウェンディちゃんか離瑠の方が良かったんだがな…」
「出来れば私もギアス様の方が…」
「つべこべ言わずに行くわよ!」

一行は空高く飛んでいった。

「ギアス、オスネコ達、魔力を解放させなさい!」
「OK!」
「あいさー!」
「らーうー!」
「きゃあああああっ!?」
「うほぉおおおおおっ!」
「わぁあああああっ!?」
「くっ…」
「アニマの残痕から、エドラスに入れるわ!私たちの翼、エーラで突き抜けるの!」

稲光が道の様に見えてきました!

「今よ!」
「あいさー!」
「らーうー!」
「うおぉおおおおおっ!」

そして私たちは、異世界…エドラスへと旅立った。

サイドエンド


エドラス


アニマから抜けると、そこには…まさに異世界が広がっていた。

「「「「「「「わ〜…」」」」」」」

全員この浮島だらけの光景に目を奪われていた。
こうゆう光景って、結構好きなんだよなぁ。

「ここが…エドラス…」
「オイラ達の…ルーツ?」
「島が浮いてますね」
「これがお前らの故郷か?ハッピー」
「良い景色だなルシア」
「綺麗…」
「下の方を見ると、何だか不思議な樹や植物がたくさんありますね」
「本当に…」
「別世界…」
「すっげー!見ろよハッピー!あれ!」
「うわっ!?空に川が流れてるぞ!?」
「どうなってんだ?」

すっかり観光状態になっていた。

「ちょっとあんた達、気持ちは分かるけど、観光に来たんじゃないんだから、そんなにはしゃがないの」
「あはは…そうだね」
「「悪ぃ悪ぃ…」」

その時、エーラが消えた。

「「「「「「「あれ?」」」」」」」

翼が消えたら当然。

「「「「「わあああぁぁぁぁぁ!!??」」」」」
「「きゃあああぁぁぁぁぁ!!??」」
「サイコキネシス!」

離瑠はサイコキネシスを発動しようとしたが、

「!?浮ばない!?」

魔法が使えず、そのまま落ちていった。
綿みたいな木に落ちて、クッションみたいな大きなキノコに落ちたギアス達。

「…つ〜、皆無事か?」
「何とか大丈夫です…」
「このキノコ、やけに柔らかいわね?おかげで助かったけど」
「ムガッ…ムゴッ…ムグ〜…」
「でも、何で急に落ちたんだろ?」
「あい〜…何でか知んないけど…」
「急に翼が消えちゃって…」
「言ったでしょ、こっちじゃ魔法は自由に使えないって」

そういや魔法はともかく、悪魔の実の能力はどうなるんだろ?

「あれ?ホントだ、何か変な感じがする!?」

すると、さっきから埋まってたナツが出てきた。

「さ〜て、皆を探しに行くか!」

取り合えず、移動を始めてみた。

「ナツ〜、探すってどこに行けばいいのさ〜?」
「任せろ、んなもん匂いを嗅ぎゃ…あれ?ダメだ…嗅いだ事の無い匂いばっかしで、さっぱり解らね〜…」
「初めてこの世界に来たんだ、初めて嗅ぐ物ばかりなのは当たり前だろナツ…」
「…ホントだ、空気の味も少し違いますね」
「て事は、火も違う味なのか?」
「こっちの虹とかは?」
「私に訊かないでちょうだい!」
「オイラもお腹空いたよ…」
「僕も…」
「そう言えば僕も…」
「さっき見かけた爬虫類みたいの物を捕獲すれば良かったですか?」
「お弁当持ってくれば良かったね〜」
「緊張感無さ過ぎ!?」

このメンバーで緊張感を持てというのが難しいと思うぞ?

「それで、どこに向かって歩いてるんですか?」
「さぁ?取り合えず歩いてりゃ、そのうち何とかなるだろ?」
「何の解決にもなってないよ?」
「他に方法が無いし、仕方ないわね…」

しばらく歩き続けていた。

「それにしても、誰もいませんね?」
「森ばっかりだし…」
「変わった形の植物ばかりだし…」
「それでも、変装しておかないと」
「と言われましても、この森の中じゃどうする事も…」
「おっ、コレなんか良いんじゃね?」

ナツはそこらに生えてる植物やら草やらを使って変装した。

「ちょっと…」
「ナツさん…」
「これは…」
「無いんじゃないの…」
「こうゆうのって変装じゃなくて擬態って言うんだよナツ…」
「擬態かどうかも怪しいけどな…」
「良いじゃねえか、要は誰にも見つからなきゃ良いんだろ?気にすんなっつーの」
「何か…恥ずかしい…」
「恥ずかしさに悶えるウェンディちゃんも良い!」
「こんな時に何言ってるんですかギアスさん…」
「私も悶えた方が良いでしょうか?」
「離瑠さん、段々クールなキャラが崩れてますよ?」

ギアスはいつもの様に壊れてた。

「まぁセンスは悪いけど、アイデアとしては良いわね…」
「「「…良いんだ?」」」

ハッピーとルシアとクルスは突っ込んだ。
またしばらく歩いてると、

「おっ!さっきの変な川だ!」

空島の川雲みたいな感じだなアレ。

「川が空に向かって流れてるなんて…」
「何かロマンチックな光景です」
「そうだ!オイラお腹空いてたんだ!」
「だから我慢しなさいよ!」
「あ〜、きっとあの川には美味しい魚がいるんだろうな…」

するとウェンディちゃんが何かを発見した様だ。

「あっ、あそこ!」
「エドラスの人間みたいね?」
「良かった〜、私たちと同じみたいで」
「どんなの想像してたの?」
「あの川で釣りをしてるみたいだな?」
「良いな〜…」
「あれ?」

クルスが何かに気付いたみたいだ。

「そういえばナツさんは?」
「彼なら釣りをしている人の所に行きました」
「「「「「「ええっ!?」」」」」」

こうゆう行動力はあるよなナツは…。

「ひぃいいいぃぃぃぃぃっ!!??」

むっちゃ怖がってるなおい…。

「ナツさん…」
「何やってんのよ!?」
「あれじゃビビるよね…」
「あいつは…」
「怖がらせるだけだよね…」
「せめて変装解いてから声をかけて下さいよナツさん…」
「彼に言っても今更だと思うけど…」
「「「「「「確かに…」」」」」」

すると、

「ぎゃあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」

あまりの恐怖に逃げ出したみたいだ。

「んだよ、ちょっと話聞こうとしただけじゃねえか?」
「何考えてるの!?変なかっこしてる上に、「フェアリーテイルってギルド」何て聞いちゃ、何の意味も無いでしょ!?」
「そんじゃ、どうやって皆の場所を調べるんだよ!」
「それは…」
「もし、今の男が王国に通報したら…」
「この擬態も意味無いよね…」

確かに…。
結局変装は解く事にしました。

「とにかく、急いで皆を探さないと!」
「てかさっきの人釣竿くらい忘れてってくれれば良いのに…」
「ハッピー、それはいくらなんでも…」
「僕も野菜食べたい…」
「そこらのじゃダメなのか?」
「さすがにむやみやたらと食べてお腹を壊しては意味がありませんよ?」
「なぁ、俺なんかしたのか?」
「そ、それより、何か変な音しませんでしたか?」
「おお、また釣り人か!よっしゃー今度こそ!」
「学習能力無さ過ぎよアンタ!」

すると、近くの沼から何か出てきた。

「あっ、魚だよほら!」
「おーし、あれを捕まえて飯にで「ザパァーン!」も…」

沼から出てきた魚は、ギルド程の大きさのナマズみたいな魚だった。

「「「「「「「でかぁー!!?」」」」」」」
「大きいわね?」

離瑠…お前段々ロビンっぽくなってるぞ?

「あわわわわわ…!?」
「あいさー!?」
「らーうー!?」
「でか過ぎよ!?」
「いくらなんでも大き過ぎますって!?」
「強そうな奴じゃねーか!燃えてきたぞ!」

いきなりケンカ腰だなナツ…。

「でもナツさん、早く先に行かないと!?」
「三秒あったら充分だ!オラー!火竜の鉄拳!!」

しかし、何も起こらなかった。

「あれ?」

そしてデカナマズに弾かれて沼に叩きつけられた。

「「「ナツ!?」」」
「「「「ナツさん!?」」」」
「見事に落とされたわね」
「あれ?火が出ねぇぞ?」
「だから言ってるでしょ!エドラスでは魔法は自由に使えないって!」
「って事はアレか?」
「逃げるのよーーーーー!!」

俺達は追ってくるナマズから逃げ出した。
魔法が使えないなやっぱ。
ダイアルの方はどうなんだろうな?
とにかく今は逃げるに限る!
そしてあっと言う間に崖に追い込まれた。

「マジか!?」
「行き止まりですよ!?」
「あのナマズみたいなデカイ魚がもうこっちに来てますよ!?」
「サイコキネシスが使えれば…」
「ハッピー!飛んでくれぇぇぇっ!!」
「魔法使えないんだってば!?」

すると、ナマズが襲いかかってきた。
俺達は左右に逃げると、ナマズはそのまま崖へと飛び出し、空中の川に落ちた。

「くそ〜…魔法使えねぇだけでこれか!?」

事の重要さに気付いたみたいだなナツ。

「皆さん大丈夫ですか?」
「何とか…」
「私も」
「俺も」
「お腹は空いてるけどまだ命はあるよ」
「僕もお腹空いてるけど生きてるよ」
「アンタ達…いい加減にしなさいよ…」

その後シャルルの怒りが爆発したのか、ナツに八つ当たる様に罵倒したら、ナツが珍しく落ち込んでいた。
その後もまた歩き始めた。

「人生いろいろだよ?ナツ(ぐぅ〜)」
「ハッピー、それ慰めになってねぇ。つーか、こうゆう時に腹鳴らすんじゃねえ」
「「「「「「あっ!?」」」」」」
「「ん?」」

木の道を歩いてる若者と老婆…ってあの二人、ガルナ島にいたリオンの手下のブラーゴの民じゃねえか!?

「また見られた…」
「あれ?あの二人、どこかで見た様な?」

そりゃそうだろ、俺と一緒に見たんだから…。

「ど、どうしよう!?」
「な、何か話さないと!?」
「えっと…」
「僕たちは道に迷っただけだよ?」
「そうそう、ただの旅の者です…」

ハッピーとルシアが挨拶をしたら、

「「ど、どうかお許し下さいませ!?」」
「「「「「「「「?」」」」」」」」

まあ喋る猫=エクシードって感じだから、こうなってもしょうがないという訳か?

「エクシード様、どうか命だけはご勘弁を!」
「エクシード?」
「誰の事だろう?」

シャルルは少し焦っていた。
そしてナツが話しかけようとした時にハッピーも近くに寄ったら、

「「ひぃいいい!?御助けをぉおおおおお!!??」」

全速力で逃げ出してしまった。

「おいおい…」

さすがにナツも唖然とした。

「さっきの人達、シャルルとハッピーとルシアを見て怯えてたような?」
「ほれ、俺の所為じゃねーじゃん!」
「オイラそんなに怖い顔してたかな?」
「それともあの連中は猫を見た事が無いとか?」
「さすがにそれは無いと思うよ?」

少し歩いてると、

ボコッ

ギアスの足場が急にへこんだと思ったら、周りのキノコが盛り上がった。

「おろっ!?」
「今度は何よ!?」
「何か…」
「すごく…」
「嫌な…」
「予感が…」
「するわね」

その時、足場が急に飛び出た。

「「「「「わぁあああああぁぁぁぁぁ!!?」」」」」
「「「きゃあああああぁぁぁぁぁ!!?」」」

そのままキノコみたいな木に弾まれながら跳ばされていった。
そして、カボチャみたいな建物に落ちた。

「オエッ…」
「気持ち悪い…」
「また落ちた…」
「今日何回落ちたり弾んだりしてんだ俺ら?」
「「あう〜…」」
「どこかの建物に落ちたみたいね?」
「まったくもう…」

落ち着いて中を見ると、倉庫みたいだった。

「何だここ?」
「どこかの倉庫みたいだね?」
「やっと人の手が届いていそうな所に着いたのかな?」
「正確には落ちてきたが正解ね」
「細かい事はこの際良いだろ?」
「今更どれぐらい役に立つか解らないけど、とにかくここで、変装用の服を拝借しましょ」

取り合えず各々は服類を探し始めた。

「…おっ、面白ぇ服がたくさんあんぞ!」
「さて、どれを着ようかな?」
「似た感じの服が良いですね」

するとウェンディは、

「ナツさん、ギアスさん、クルス君、こっち向かないで下さいね…」

この時ギアスは耳を大きくしていた。
ウェンディちゃんの着替え!?直ぐ後ろでウェンディちゃんが生着替えをしてるだとぉぉぉぉぉ!!
こうしてはいられん!すぐに後頭部に目を創らねば!
ギアスはドッペルゲンガーで後頭部に目を出し、ウェンディ達の着替えを覗こうとしたら、

「覗くな!!」

シャルルがギアスの後頭部(目のある所)に蹴り出した。

「ぬぐぉあああああぁぁぁぁぁ!!??」

ギアスは両目と後頭部を押さえて転がった。
その様子を皆が白い目で見ていた。
しばらくしてようやくエドラスの住民的な格好になった一行。
するとナツが家の窓から覗いて、窓の外にある何かを見つけたみたいだ。

「ん?んん〜…あっ!?」
「どうかしましたか?」
「おおお…」

ナツが見つけた物は…、

「フェアリーテイルだ!」
「「「「「「ええっ!?」」」」」」
「ホントか!?」

外に出てみると、そこには確かにフェアリーテイルの紋章があった。
ただ違うのは、ギルドがまるで植物みたいな形になっている事だった。

「何か形変わってるけどフェアリーテイルだ!間違いねー!」
「ナツさん!?」
「見つかって良かった!」
「植物?」
「ナツー!?」
「ギアスー!?」
「まったくもう!」

そして植物の形をした建物に入っていった。


フェアリーテイル?


フェアリーテイルに到着した俺達は、そっと中には行ってみた。

「皆無事だぁ!」
「あっけなく見つかりましたね」
「良かったぁ」
「でも、どこか違和感があるわね?」
「そういえばギルドの雰囲気が随分違うね?」
「ギルドの形が変わってるのに誰も突っ込まないなんて?」
「細けぇ事気にすんなよ!」
「気にしませんかそこ?」

若干鼻声になってるぞナツ。

「ちょっと待って、様子がおかしいわ!?」

テーブルの下に隠れるギアス達は、リクエストボードの方を見た。
一応記録の為に映像貝(ビジョンダイアル)を使った。

『ジュビア、これから仕事に行くから』
『気を付けてな』
『ま、待ってよ〜ジュビアちゃん!』
「なっ!?」

ナツは驚いていた。
そりゃそうだ、だって…、

『俺も一緒に行きてぇな〜…なんて』
『…暑苦しい…何枚着てんの服?』
「んなっ!?」

パンツ一丁の筈のグレイが、見た限り5〜6枚程着こんでて、マフラーや手袋までしてる寒がりなグレイと、グレイ命の筈のジュビアがグレイに冷たくしていたからだ。

『もっと薄着になってから声かけて』
『ひ、冷え性なんだよっ!?』
『グレイの奴、ベタベタし過ぎなんだよ』
『恋する男ってのは、熱心なものだね〜』
「なんじゃこりゃ〜!!??」

ナツの頭が混乱したあまり叫んだ様だ。
まあ気持ちも解らなくないけど…普段とのギャップがあるし…。

『なっさけねぇなエルフマン!』
『また仕事失敗かよ!』
『恥ずかしいっス…』
『おい見ろ、ギルド最強候補のジェットとドロイが、またエルフマンを説教してるぞ』
『ほどほどにな』
『仕事仕事ー!』
『ナブは働き過ぎだろ?』
『だよな』

こっちでは最強扱いのジェットとドロイで、漢がトレードマークだったエルフマンがすっかり弱虫になってるし。
ナブは働き者って…。

『カナさん、偶には一緒に飲みませんか?』
『こっち来て下さいよ〜』
『何度も申してるでしょう?わたくし、アルコールは苦手でございますの』
「ぶほぉっ!?」

シャキッとしてるマカオに、禁煙してるワカバに…清楚な感じのカナ…鳥肌立つよ…。

『ビスビス〜』
『な〜にアルアル〜?』
「きゃあぁぁ…」

ウェンディちゃんが顔真っ赤にしてる…かわいい。
つかバカップルだなアルザックとビスカ。

『だいたいテメーはよぉ!』
『う…でも…だって…ぐす…』
『いちいち泣くなよ!』
『俺は、ジュビアちゃんが好きなんだー!』
『うっせーぞグレイ!てか暑苦しい!』

エルフマン…泣き虫になってるよ…。
てかリーダス細っ!?

「ど、どうなってんだこりゃ!?」
「皆、おかしくなっちゃったの!?」
「皆さんの性格が逆になってますよ!?」
「これは一体!?」
「どうなってんだよー!?」
「………!?」

皆はギルドの異変に驚愕していた。
その時、目の前に誰かがしゃがみ込んで来た。

「おい!誰だテメーら?」
「「「「「「「「!?」」」」」」」」

ギルドの皆が俺らの方を向いた。

「嘘!?」
「「ええっ!?」」
「まさか!?」
「そんな!?」
「あなたは!?」
「おいおい…」

目の前に話しかけてきた女は、

「ここで隠れて何コソコソしてやがる?」

やけにチンピラ風なルーシィだった。

「る、ルーシィ!?」
「…さん!?」
「え、え、え?」
「これは一体、どうなってるの!?」

これがエドラスってか?
ルーシィはまだ睨んでいた。

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