小説『フェアリーテイル〜虹の滅竜魔道士〜』
作者:冒険ファンタジー()

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『妖精狩り』


エドラス、フェアリーテイル


「おい!誰だテメーら?ここで隠れて何コソコソしてやがる?」

俺達は今、怖そうなルーシィに睨まれています。

「ど、どーしちまったんだよ皆?」
「ルーシィさんが怖い…」
「「あわわわ…」」
「皆さんは一体…」
「まずい状態ね」
「だな」

ルーシィはじぃ〜っとナツを見つめた。

「…ナツ?」
「!?」

全員が息を飲んだ。
するとルーシィは、

「よく見たらナツじゃねーかお前!」
「ぐもっ!?」

ナツに抱き着いた。

「ナツだって?」
「何だよその服?」
「…ナツ、今まで…どこ行ってたんだよ…心配かけやがって…」
「…ルーシィ?」

そして、

「処刑だっ!」
「んぎゃあー!!?」
「出たー!」
「ルーシィの48の拷問技の一つ、ぐりぐりクラッシュー!」

ナツを身動き取れない様に絡めて、こめかみをぐりぐりしてるルーシィ。

「「うえぇー!?」」
「「ナツさーん!?」」
「「「………」」」

俺達はナツのされるがままを眺めてる事しかできなかった。

「あまり虐めては、可哀そうですわよ?」
「うわ…とてもカナとは思えない…」

ハッピーがカナの事に突っ込んだ。

「うう…ぐす…」
「こっちはもっとだ!?エルフマンとは思えない!?」

ルシアがエルフマンの事で突っ込んだ。

「「いつまで泣いてんだテメーは!!」」
「申し訳ないっス!?」
「わ、訳が解らないよ…」
「確かに不思議ね?」

クルスも離瑠も訳が解らないでいた。

「とにかく無事で良かった。ねっ、ジュビアちゃん!」
「うるさい」
「これ…全部エドラスの影響なの!?」
「何から何まで全部逆になってるよ!?」
「………」

シャルルは何か考えているようだ。

「ナツ〜、お帰りなさ〜い!」
「あっ、ミラだ」
「いつものミラだ」
「ある意味つまんないね」

そう言うなよ、こっちのミラは最初悪女的な感じだったのが天然になってる訳なんだからな。
…待てよ?て事はじゃあ、あのミラはいつか…あんな感じになったりして…。

「ところで、そちらの青年とお嬢ちゃん達とお坊ちゃんとネコは誰です?」
「ネコ?」
「「………ネコ!?」」
「ネコがいますよー!?」
「「「「「「「「「「ネコー!?」」」」」」」」」」

そういやこっちの連中はネコはエクシード扱いなんだったな?

「どういうこった!?」
「こんな所に何でエクシードが!?」
「うえええ〜!?」
「エクシード!?」

ギルド内が騒がしくなった。

「「何だよぅ…」」
「どうなってんだよコレ!?」

さっきまでナツをぐりぐりしてたルーシィが手を止めてルシア達を見た。

「…つか、何でこっちの連中はエクシードて聞くとビビんだよ?エクシードって何なんだ?」
「シャルル…」

ウェンディちゃんが心配そうにシャルルを見た。
するとミラが近づいてきた。

「ホントそっくり」
「「えっ?」」
「あなた達って、エクシードみたいね」
「「いや…みたいと申しますか…」」
「その物じゃないか?」
「姉ちゃんの言う通りだよ。エクシードにそっくりなだけだよ」
「それもそうね」
「そうかな〜?」
「どう見てもネコその物だけどな?」

取り合えず、この場は何とか落ち着いたみたいだな。

「………(じぃ〜)」
「ルーシィさんが怖い…」

いちいち声に出さなくても良いんだよウェンディちゃん。

「さあ言えよ!散々心配かけやがって、どこで何してたんだよ!」
「何って言われてもなぁ…」
「ナツ、そこはちゃんと説明しないとダメだよ」
「あ〜ん、つまりアレだ…ほれ何つったっけ?」
「ああん?相変わらず焦れってぇなお前は!」
「ぐぽぉ〜!?」

ナツの関節を決めて、肘でこめかみをぐりぐりするルーシィ。

「出た〜!」
「今度はぐりぐり、肘クラッシュ!」
「「「「肘が付いただけ(だよ・じゃ・だろ)?」」」」

ハッピー、ルシア、クルス、俺が突っ込んだ。

「ビスビス〜」
「な〜にアルアル〜?」
「そろそろ、二人っきりで仕事行こっか?」
「行こ行こ〜、アルアルは何の仕事が良い〜?」
「あ〜そうだな〜、ビスビスの好きな仕事に行こ〜よ〜」
「イ〜ヤッホ〜、アルアルってば、や・さ・し・い〜」

見ててイラッと来るなこのバカップルは…。

「…も、ものすごく仲が良いですね…」
「いくら逆と言っても、限度って物があると思うけどね…」

ウェンディとハッピーはアルザックとビスカを見てそう言った。

「なぁジュビアちゃん、さっき仕事行くって言ってただろ?俺も一緒に行きてぇな〜」
「だから近寄らないでって言ってるでしょ、暑苦しい。仕事はジュビア一人で行くのよ、アンタなんか全然役に立たないんだから」
「グレイが好きなジュビアが冷たいね…」
「みたいね」

グレイとジュビアのやりとりをルシアと離瑠がそう言った。

「グレイさん、そろそろ諦めたらいかがです?」
「リオン君もそうでしたけど、どう見ても脈無しですよ」
「あの着膨れナンパ男の名前出すなよ…ジュビアちゃ〜ん、頼むからさ〜」
「うるさいってば!!」
「ぐおっ!?」

ジュビアに蹴っ飛ばされたよグレイ…つかリオンも着膨れしてるのかよ。
そして蹴っ飛ばされたグレイは転がっていき、ハッピーに向かっていた。
すると、細いリーダスに当たった。

「リーダス?」
「ったく、ウロチョロしてんじゃねーよ。怪我するぜ、エクシードモドキが!」
「モドキって!?オイラよく解らないけどモドキは無いよ!」

そして壁にぶつかるグレイ。

「グレイ!だらしねーぞテメーは!起きろ!」
「こうやってうずくまってるとヌクヌクして温かいんだよな〜」
「だらしねーし情けねー!」

情けないグレイとかなり強気なリーダスだな。

「まったく、静かに本も読めないわね」
「あれって、イヴさん!?」
「何か知的そうですね!?」

眼鏡を掛けて哲学書を読んでいるイヴを見つけた。

「イヴ君、勉強は頑張ってるかね?」
「はい、ギド先生」
「もしかして、ギドさん!?」
「つか、若っ!?」

こっちのギドは若い!?髭も無いし、髪も黒いし!?

「ねぇねぇ!セツナちゃんお腹空いた〜」
「またなの?セツナは相変わらず子供ね…」
「まあそう言わないでミオさん、確かに日頃から精神年齢の低いセツナさんを甘やかしていますけど、このままほっとかれたら駄々こねて騒いでしまいますから、その前によく犯しとかあげておけば大人しくなるのですから宜しいのではなくて?それにセツナさんがこのままでいるというのも結構愛くるしくて仕方ない部分もありますけども、ここは敢えて心を鬼にした方がよろしいのか迷ってしまう事も…」
「もういいわよクチアリ、というよりあなた喋り過ぎよ?」

セツナが…大人なのに子供っぽい性格になってるし、クチナシは喋り過ぎというか…何故名前がクチアリ?
そして…何故…何故ミオたんが大人の姿なんだぁああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!???世界の損失じゃないかぁああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!????

「技の35、えげつないぞ固め!」
「ぐぽっ!?」
「技の28、もう止めてロック!」
「ギブギブギブ〜!!?」

ルーシィがことごとくナツにサブミッションを喰らわし続けた。

「ルーシィさんが怖い…」
「逃げんなナツ!何処に隠れた?」
「仕事仕事〜!」

ルーシィの関節技から逃げたナツは身を潜めた。

「う〜んダメか…伝導線がアウトしてんじゃん…」
「次の仕事〜!」
「…うるさいよクソナブ!」
「んだとコラ!クソとはどういうこったレビィ!」
「見りゃ解んでしょ!今微妙なメンテやってんのよ!ガタガタ騒いでっと、集中出来ないでしょうが!」

文系(アースランド)のレビィと違って理系だな。つか口が悪ぃ。

「出て来いナツ!新技かけてやっからさ〜!」
「うるさいよこのクソルーシィ!」
「何だとコラ!」
「メンテ中だって言ってんでしょうが、この怪力ゴリラ女!」
「だったらさっさとやれよ、このひょろひょろメカニックが!」

このやりとり、こっちのナツとグレイだな…。

「まあまあ、二人とも落ち着いて」
「よろしく頼みますよレビィさん。貴女のその技術が無ければこのギルドは…」
「ちぇ…早いとこ頼むわ…」
「分かればよろしい」

何か満足気だなレビィ。

「あれ?そういえばエルザさんやギアスさんがいないみたいだけど?」
「ああ、そういやセトやソルヴァもいないな?」
「冗談じゃねぇ…」
「ねぇねぇ、こっちではエルザってどんな感じなのかな?」
「そりゃおめぇ…やっぱ逆だろうよ…」
「ナツさん…」
「ルーシィさんの関節技がトラウマになってしまったんですね…」
「あのルーシィはエルザみたいな感じだからな…」

テーブルの下でうずくまってるナツとハッピーが呟いた。

「エルザの逆ってどんな感じさ?」
「そうだな…」

ナツは、かなり気弱なエルザを想像…というより願望をした。

「とか?」
「それただのナツの願望だよね?」
「んだと…じゃあハッピー、お前はどうなんだよ?」
「オイラはこう思うよ、きっと…」

ハッピーがマスター的立場の想像…というより願望をした。

「とか?」
「いやいや、お前の願望の方が酷くねーか!?」
「う〜ん…私はこう思います!」

ウェンディちゃんが、エルザがパティシエになってる想像をした。

「とか?」
「「「「「そう来たか!?」」」」」

思わず突っ込んじゃったよ!?

「僕はこう思います」

クルスは、笑顔を絶やさないウェイトレス(ミラ風)なエルザを想像した。

「とか?」
「「「それはそれで怖い!?」」」
「あっ、私としてはそっちが良いかも!」
「賛成なんだ…」
「私はこうだと思います」

離瑠は、かなり危ない殺戮者的なエルザを想像した。

「とか?」
「「「「「ひえぇ〜!!??」」」」」
「怖いから!?その発想怖いから!?」
「それじゃあギアスさんはどうなんですか?」
「俺か?俺はそうだな…」

ギアスは、大人びてるやんちゃな女の子的な子供エルザを想像…というより願望をした。

「とか?」
「ある意味予想通りでしたね…」
「「「「「うんうん」」」」」

そこで頷くのかよ!?

「揃いも揃ってつまんない事妄想してんじゃないわよ!」
「あはは…」

シャルルに突っ込まれました…。

「でも、逆な感じのエルザさんて…」
「実際のとこどうなんだろ?」

こっちのエルザはフェアリーテイルの敵だからな…。
するとルーシィがナツを見つけた様だ。

「ナツ見〜っけ!」
「おいコラ!?」
「お〜っし、新技かけっぞ!」
「止めろって!いい加減にしねーと、いくらルーシィでm「へぇ…」あっ!?」
「やろぉってのか?上等だよ!オラァッ!オラァッ!!」

抵抗しようとしたナツに容赦なく攻撃するルーシィ。

「つ、強い!?」
「ナツ〜、大丈夫?」
「大丈夫…じゃね…」
「根性足りね〜んだよお前は!」

すると、ギルドの皆が驚いていたようだった。

「ナツさんがルーシィさんに口応えなされるなんて…」
「珍しい事もあるんだな…」
「つかアホだろ…」

確かにこの世界のナツは臆病だけどよ。

「さあ言え!どこで何してやがった!あん!」
「だから…あのそれが…ハッピー、助けて…」

ナツはハッピーに助けを求めるが、ハッピーは目を逸らした。
するとその時、ナツに救いの手がさしかかった。

「ルーシィ!またナツを苛めて、ダメじゃない!」
「!?」

ナツは驚愕した。

「ちぇ、分〜ったよ」
「う…嘘!?」
「アレって!?」
「まさか!?」
「「「?」」」

一応ここで驚いておかないとな。何せ、目の前にいるのは、

「おっ、戻ったのか」
「お帰りなさい、リサーナ」
「ただいま、ミラ姉、エルフ兄ちゃん」

2年前に死んだ事になってるこっちのリサーナが居るんだからな。

「リ…リサーナ…」

ナツとハッピーはうっすらと涙を溜めていた。

「ジェットもドロイも、エルフ兄ちゃんを苛めないの!」
「「だってよ〜…」」

そして、

「見つけた…」
「?……ひっ!?」
「「「リサーナぁ!!」」」

ナツとハッピーとルシアがリサーナに飛びつこうとした。
つか何でルシアまで?

「クォラァー!!」
「「「はぶぁっ!?」」」

ルーシィの回し蹴りを喰らった三人だった。

「お前、いつからそんな獣みてーになったんだ?あ?」
「だって…リサーナが生きて…そこに…」
「何言ってんだお前?」

その気持ち解らなくもないぞナツ。

「いいから座れよ、久々に語り合おうぜ。友達だろ?」
「服脱げよグレイ…」

ナツが泣きながら言った。

「お前らホント仲良いよな。いつもベタベタしてさ」
「ルーシィは、レビィとケンカし過ぎなんだよ」

そういやこっちのグレイとナツって、こっちのルーシィとレビィみたいだな。

「な、何でリサーナがいるんだ?」
「だってリサーナは、2年前に死んじゃってるのに?」
「ミラさんの妹の…確か亡くなった筈だよね?」
「それだったらどうして?」
「皆が逆になってる訳じゃないって事ね」

シャルルが何か分かった様に言った。

「「「「!?」」」」
「まさか!?」
「多分、クルスの思ってる事が正解だと思う」
「クルス、何を考えたんだ?」
「ここにいるギルドの皆、違うって事です…」
「「「「えっ!?」」」」

やっぱクルスってこうゆう時の頭の回転は速いな。

「ミラはあの通り、全然変わってないわ。決定的なのはアレ」
「「「「「?」」」」」

シャルルが指差した方に向くと、そこにいたのは、

「あの子、少しお前に似てね?ウェンディ」
「そう?」
「雰囲気とか近いよな?」
「私っ!!?」

大人になってるウェンディがいた。
ギアスはorzになった。

「ぎ、ギアスさん!?どうしたんですか!?」
「な…何か…ウェンディちゃんが…すっごくつまんない存在になってしまったと思って…」
「それ酷くありませんか!?」

だってぇ…ミオたんといいウェンディちゃんといい…ここは地獄しかないのかよ!?

「ギアスさん…そんなに落ち込まなくてm「ぐいぐい」ん?何…えっ!?」
「ん?どうしたクr…なっ!?」

クルスが誰かに引っ張られたと思って振り向くと、そこにいたのは、

「あっ、あの…」

クルスの女装版、山田撫子がいた。
!?天使が舞い降りた!地獄に仏とはこの事だぁ!

「ぼ…僕?」
「山田ちゃ〜ん!」
「ぴっ!?」

ギアスは思わず山田(仮)に飛びかかったその瞬間、

「私の妹に何をしているんだお前はー!」
「ぐぶぁっ!!?」

ギアスは誰かに殴られた。

「何しやg…なっ、テメェは!?」
「貴女は!?」
「ね、姉さん…!?」

ギアスを殴ったのは、クルスの姉、アルカだった。

「アルカ!テメェ、何でここにいやがる!」
「何を言っている?私は元々フェアリーテイルの一員だ!」
「何だと!?」
「それよりもお前!よくも私の可愛いクルスを襲おうしたわね!」
「ああ!こんな魅力的な子を前にして黙ってろって言いたいのかテメェは!」
「確かにクルスは魅力的だけど、それは姉である私の特権だ!」
「なんだそりゃ!?」
「それ以前に…あっちの子もクルスって名前に疑問を持ちましょうよ…」

ギアス(ロリコン)とアルカ(姉バカ)のやりとりにクルスは嘆いていた。

「こちらのアルカは家族を大事にしているみたいね」

と離瑠がそう言った。
するとその時、

「アギトー!帰ってきてくれたのねー!」
「がぁっ!?」

誰かがギアスに抱き着いた。

「いてて…誰だいきなり抱き着いて…きた…のは…」

おいおいおいおいおい…こっちではこうなのかよ!?
抱き着いたのは、

「アギト…私、ずっと待ってたんだよ?」

女性化ギアスだった。
こっちの俺は女なのか!?あっ、でも胸が無いな?
見た目はスレンダーな女ギアスだった。
つかさっきから言ってるアギトって誰だ?

「アギト…」

つーかいつまで抱きついてるんだろ?

「え?え?」
「逆…じゃなくて、違うのよ…」
「そ、それって…」
「そうよ。この人達は…私たちの探してる皆じゃないわ!」
「やっぱり…」
「別人、エドラスに…最初からいる人達よ」

俺とクルス以外全員驚いてるな。

「ありえない話じゃないわ。パラレルワールドのようなものよ。エドラスには独自の文化や歴史があり、フェアリーテイルが存在する可能性だって…」
「そんな!?」
「ここは、エドラスに元々あったフェアリーテイル!?」
「じゃあ…俺達の知ってる皆は、どこにいったんだよ!?」
「ごちゃごちゃ何言ってんだぁ?」
「知らないわよ!それをこれから見つけるんでしょ?」

ナツは黙ってしまった。

「これ以上ここにいるのも面倒ね、行くわよ!」
「「わっ!?」」

シャルルはハッピーとルシアを連れて外に出ようとした。

「シャルル、どこへ!?」
「王都よ!吸収されたギルドの手がかりは、王都にある筈!」

シャルルはギルドに出ようとしたその時、

「妖精狩りだぁーーーっ!!妖精狩りが来たぞぉーーーーーっ!!」

ナブがそう叫んだら、ギルドの皆がざわついた。

「そこのネコ!どこへ行く気だ!外はマズイ!」
「「「えっ?」」」
「ちくしょう!」
「もうこの場所がバレたんだ!」
「王国の方達、またわたくし達を追って…」
「「えらい事ですよ!?」」
「「王国…」」
「私たちを、アースランドに送り込んだ奴等よ」
「それじゃあ僕たち…」
「フェアリーテイルの敵なの?」

ルシアとハッピーは嘆いていた。

「リアクター点火準備、座標設定、誤差修正まで…5…4…3…2…1、マーカーにコネクト!ショックアブソーバーに、魔力供給!」
「転送魔法陣はまだなのレビィ!」
「今やってるよクソルーシィ!」
「遅いんだよ!妖精狩りが来るんだぞ!」
「だから分かってるって!」
「「喋ってねえで早くやれよ!」」

転送の準備をするレビィ。

「転送臨界点まで、出力40%!43…46…51…」

ギルド内が慌てだす。

「早くしろレビィ!」
「もたもたしてんじゃねー!」
「うるさい!出力61…63…転送まで後2分!」

すると、何かが近づいて来る気配がした。

「来るぞぉーーーっ!」

エルフマンがそう叫ぶと、巨大な獣が飛んで来た。

「な、何だアレは!?」

ナツがそう叫んだ。

「妖精狩り…!?」
「何なの…!?」
「巨大過ぎる…!?」
「あれが妖精狩り…!?」
「王国がフェアリーテイルを狙ってる?何の為に…」
「そんなの決まってるじゃない」
「えっ?」

エドウェンディが言ってきた。

「王の命令で全ての魔導士ギルド廃止された。残ってるのは世界でただ一つ、ここだけだから」
「えっ!?」
「知らないでナツについて来たの?つまり私たちは、闇ギルドなのよ!」
「っ!?」

フェアリーテイルが闇ギルドだという事に驚愕するウェンディ。

「良し、臨界点到達!ショックアブソーバー作動!転送魔法陣…展開!!」

体が浮かび上がってきた。

「今度は何だぁ!?」
「か、体がぁ!?」
「浮んでくよー!?」
「わわわ!?」
「ギアス様!?」
「取り合えず、ウェンディちゃん、離瑠、俺に掴まれ!」
「ドサクサに紛れて何言ってるんだよギアスぅ!?」
「皆、何かに掴まれ!」
「ジュビアちゃんに、捕まりたいよー!」
「止めてよ暑苦しい!」

なんかもう色々と騒がしくなってるよおい!?

「転送開始!」
「ああ…無事転送されるでしょうか?」
「カナさんは私が守ります!」
「いえ私が!」

カナを守ろうとするマカオとワカバ。

「姉ちゃん、リサーナ、俺にしっかり掴まって!」

エルフマンはミラとリサーナを守ろうとしていた。

「揺れる…揺れてる!?…うぷっ…」

今酔わないでくれナツ!?俺も…気持ち悪く…なってきやがった…。
そして、ギルドは別の地に転送した。


エドラス、砂漠地帯、闇ギルド・フェアリーテイル


何とか無事に転送出来たみたいだな?

「野郎ども、引っ越し完了だ!」
「助かったぁ…」
「無事転送できたみたいだなぁ…」
「皆無事か?」
「おお…」
「あたたた…」

ギルドの皆も無事みたいだな。

「引っ越し?」
「ギルドごと移動したのか?」
「すごい…」
「こんな魔法、僕らの世界にありましたか?」
「少なくとも私は知らないわね」

瞬間移動の魔法なら評議院にいる奴が使えるけどな。

「ほらぁジュビアちゃん、厚着だって役に立つだろ?」
「取り合えずお礼は言っとくわ」
「相変わらず滅茶苦茶…」
「「大丈夫ですかカナさん!?」」
「ええ、何とか」
「あたた…」
「リサーナ、怪我は無い?」
「大丈夫よ、エルフ兄ちゃん」

向こうの方も大丈夫みたいだな。

「テメェ!何モタモタしてんだよ!危なかっただろ!」
「うっさい!偶には自分でやってみろ!」

またケンカしてるよルーシィとレビィ…。

「何だったんだ?さっきの奴は…」
「どうしちゃったのナツ?久しぶりで忘れちゃった?」
「な訳ねーだろ!」

リーダスが突っ込んだ。

「あれは…王都魔戦部隊、隊長の一人…」

そしてミラは、その隊長の名を言った。

「エルザ・ナイトウォーカー、またの名を…妖精狩りのエルザ」
「「「「「「「!?」」」」」」」
「何だと!?エルザが…敵!?」

ナツ達は、エルザが敵対している事に驚愕していた。

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