小説『フェアリーテイル〜虹の滅竜魔道士〜』
作者:冒険ファンタジー()

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『鉄の魂〜進撃のマカロフ』


天狼島、湿原地帯


蔓延る猛獣たちがいるが、あんまり気にせず進んで行くギアス達だった。

「ところでエルザさんにギアスさん、メストさんてどんな魔法を使うんですか?」
「そうか、お前はまだ知らなかったな?メストは…あれだ…その…?」

エルザは言い淀んだ。

「エルザさんも知らないんですか?」
「えっと…?ギアス、メストの魔法はどんなだったか?」
「おいおいエルザ、そこで俺に振るのかよ?確かメストは…メストは…あれ?」

確かあいつの魔法って…あれ?確か知ってる筈なのに…何で解らないんだ

「ギアスさんも分からないんですか?」
「あれ?」
「どういう事だ?メストの魔法が解らんとは…」

ギアスとエルザは悩んでいた。


天狼島、森、第三者サイド


リリーとシャルルとルシアは駈け出していた。

「どういう事よ!メストがギルドの一員じゃないかもしれないって!」
「メストは仲間だよ。疑うのは良くないよ」
「最初はただの勘だった。だが不思議な事に、疑えば疑うほど、メストと言う男に関する知識がはっきりしてくる」
「えっ?」
「何よソレ?まったく意味解んないわよ?」
「不自然なんだよ。ギルドに入って間も無い俺の、奴に関する知識、名前はメスト・グライダー、ミストガン…王子の弟子、昨年のS級昇格試験に選ばれるが、惜しくも失格。それだけだ。それ以外の知識は、ボヤけてあやふやだ」
「言われてみれば、メストって何時ギルドに入ったのかも分からないし、いつの間にかいたし…」
「だからあんな変態に付き合っちゃダメって言ったのにー!」
「とにかく急ぐぞ!ウェンディが危ないかもしれん!」

リリー達はウェンディの下に急ぐのだった。

サイドエンド


天狼島、別の森


しばらく探していると、レビィが倒れていた。
そうか!もうグリモアハートが来ているのか!

「レビィ!レビィ!」
「おいどうした!?ガジルは何処だ!?」
「どうしたんですその怪我!?」
「エルザ…ギアス…ジュビア…」

エルザはゆっくりレビィを起こした。

「何があった!?」
「大変なの!ガジルが…!」

レビィの事情を聞いたギアス達。

「何だと!?グリモアハートがこの島に!?」
「エルザ!向こうにガジルと嗅いだ事の無い臭い2つが向こうからするぞ!」
「良し!直ぐに向かうぞ!」

ギアス達はガジルのいる方へ向かった。


天狼島、別の森、ガジルサイド


ガジル達を襲っていたグリモアハートの先兵、武者姿のヨマズとニワトリ風のカワズがガジルと相対していた。
カワズは仕留める事は出来たが、隙を突かれてヨマズが襲ってきたが、何とか鉄竜棍で受け止めたガジル。

「負けられねえ!俺はぁ、負けられねえんだよぉっ!!」

徐々にヨマズの剣を曲げていき、

「俺は、フェアリーテイルの、魔導士だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

圧し折った。

「ぬあああっ!?拙者の刀ぁ!?拙者の魂がぁぁぁぁぁっ!!?」

そしてガジルは圧し折った刀を食い、魔力を回復させた。

「滅竜奥義!」

ガジルは頭上で両手を合わせると、合わせた両手が巨大な剣となった。

「比(ひ)ぃぃぃぃぃっ!?」

ヨマズは恐れをなして逃亡するが、

「業魔(ごうま)ぁぁぁっ!」

ガジルの振り下ろす方が早かった。

「鉄神剣(てつじんけん)っ!!」

巨大な剣がヨマズに向けて斬り払った。

「グアアアアアァァァァァァァァァァッ!!??」

ヨマズは吹き飛ばされた。
へっ、ザマァ…見やがれ…。
ガジルは気を失い、倒れた。

サイドエンド


天狼島、別の森


凄まじい轟音が響いた。
こいつはガジルの業魔・鉄神剣の音か!
急いでガジルの所に向かった。

「ガジルゥゥゥゥゥッ!?」

レビィが倒れているガジルの方へ向かった。

「これは!?」
「!?ガジル君!?」
「ニワトリに犬か、ガジルが苦戦する程か」
「ガジル!ガジル、しっかりして!」
「…ギヒッ…1人で充分だっつったろーが…」
「ガジル…」

レビィは安堵した。

「ヌハハハハハ、もう終わりだ。直に本隊が上陸する。拙者が足元にも及ばぬ魔導士達がやってくるぞ!煉獄の八眷属がなぁ!」

ヨマズが倒れながらそう言った。

「八眷属…?」

どういう事だ?確か七眷属じゃなかったのか?ってそうか!忘れてたけど悪の転生者がグリモアハートにいるって女神さま(天使だけど)が言ってたな。
という事は、俺が戦う相手はそいつだな!

「試験は一時中止だ!」

エルザは信号弾を換装した。

「総員、戦闘配備!コンディション・レッド!迎撃態勢に入れ!!」

エルザは赤い信号弾を放ち、空に赤い光を展開させた。
いよいよグリモアハートとの戦争だな。
エルザはいつもの鎧姿に換装した。

「エルザさん、ギアスさん、これからどうします?」
「取り合えず、メストとウェンディを探そう。キャンプの場所が解らず、迷ってる可能性もある」
「ウェンディちゃんが心配だ…早く探しに行かねぇと!」
「私は、ガジルをキャンプまで連れてくね!」
「ああ、頼む」
「…小せぇ癖に…無理してんじゃねぇよ…」
「1人で立てもしないのに、大きな口訊かない!」
「…たく…イカレてるぜ…」

以外に良い雰囲気だなレビィとガジルって。でぇきてるぅ〜。
エルザはいつの間にか起きてるヨマズの尋問を行った。

「さて、お前達の目的を聞こうか?」
「フン!誰が貴様らなんぞに…」

おいおい、その返答じゃ…、

ゴッッッ!!!!!

エルザが怒るぞ…ってもう遅いか…つかものすごい音だったぞ今の!?あーあ大きなタンコブが出来ちまってら…。

「ゼ…ゼレフだ…伝説の黒魔導士ゼレフ」
「「「!?」」」
「そのゼレフがこの島にいる」
「バカな!?」
「ゼレフというのは、確か何百年も昔の人間…」
「400年なり」
「ありえん!?生きてる筈が無い!だって…」

エルザからしてみれば、それでジェラールは狂気に満ちた存在になった訳なのだからな。

「生きていたのだよ!400年間ずーっとな!」
「いくら強大な魔力を持ってても人間がそんな長く生きられる訳が無いだろ!まさか400年も封印されていたからなのか?」

ギアスは前から疑問思っていた事を口にした。
つかそうだろ?どんなに魔法を極めようが、結局はただの人間だ。いずれ寿命が尽きるモノだろう?封印されて時間が止まってたとかならまだ納得できるけど。

「そうだ!他ならぬ…」

ヨマズはギアスを指差しながら衝撃の事実を口にした。

「貴様のオリジナルである、アダム・キリストによって封印されたのだ!」
「何!?」

ここに来てまたアダム・キリストの名を聞くとは!?

「俺のオリジナルが封印した!?」
「そういえば、アダム・キリストはゼレフを倒した人物。封印を施しても不思議ではない」
「マスターハデスが言うには、黒魔導士としての部分が封印された今のゼレフを、眠っていると言っておられたがな」
「信じられない話です…」

俺だって信じられねぇよ。アダム・キリスト…アンタは一体何者なんだよ…。

「ゼレフが目を覚ました時、この世界は完全なる闇へと染まる!」
「バカな事を!ここはフェアリーテイルの聖地!妖精の加護に包まれた島で、狼藉を働くつもりか!」
「ヌハハ!直に到着する、マスターハデス直属部隊、煉獄の八眷属を甘く見ない方が良いぞ!」

ヨマズは煉獄の八眷属達の事を言い出した。

「時魔導士のウルティア!ラスティローズ!拙者達のボス、カプリコ様!華院=ヒカル!ザンクロウ!メルディ!新参者でありながら煉獄の八眷属に選ばれた、ロギア・タイフーン!」

ロギア・タイフーン!?そいつが例の転生者か!…ん?タイフーンは直訳で台風…って事は…台風に関するロストマジックって事か!でもロギアってどっかで聞いた様な?

「そして、後1人は既に、この島に。ヌハハ」
「何だと!?」

後1人…大樹のアークのアズマか。一応読心して聞いてみるか。

「(ヌフフフ、アズマは今頃仕込みの作業を行っているだろうな。そうなったらこ奴らなど何も出来なくなるわ!ヌハハハハハ!)」

もろ聞こえだな。

「エルザ、ジュビア、最後の奴はアズマという植物を操る魔導士らしい」
「何!?」

ヨマズは驚愕した。

「本当かギアス!?」
「今こいつの心の中を聞いた。そいつがこの島で何かを仕込んでるって」
「何だと!?」
「貴様!?拙者の考えを!?」
「ああ、そう言う事だ」

そう言うとヨマズは急に黙ってしまった。

「答えろ!そいつはこの島で何をしている!」
「言うかバカが!」

あっ、言っちゃった…。

プチン

エルザの逆鱗に触れちまったな。

「言わんか!!」

ドゴォォォォォンッッッッッ!!!!!

さっきより強烈に殴ったぞおい!?

「かはっ…」

ヨマズは先程よりも大きなタンコブが出来た後、気絶した。

「あ…」
「強過ぎだエルザ!」
「す、すまん…」
「エルザさん…やっぱり怖い…」

仕方ないから移動するしか無いので急ぐ事にした。

「信じられんな、ゼレフが生きてこの島にいるなんて…」
「それにグリモアハート、マスターハデスの直属部隊が上陸して来るなんて…」
「煉獄の八眷属か」
「その内の1人がもうこの島で何かをしているのでしたね」
「良くない状況だな。とにかく急がねば、ウェンディとメストを探して、キャンプに戻るぞ!」

ギアス達は急ぐのだった。


天狼島沖、グリモアハートの戦艦、第三者サイド


グリモアハートの戦艦がもうじき天狼島に着こうとしていた。

「ウルティアさん、いつになく気合入ってんな」
「当然だ。私(メェ)はこれを戦争と心得る」

ウルティアが戦闘服の姿にザンクロウが呟き、カプリコが同意した。

「行こう。戦いという名の楽園(エデン)へ…」
「ビャハッハハハ!早く妖精とヤりあいてぇな〜!」
「あ…あ…じ…自分も…あ、あれっす…ウ、ウーウェ…」
「!ウル!あr「私をウルと呼ぶな!」っ!?ごめんなさい…」

メルディはウルティアに怒られて委縮した。

「しょぼくれてるメルディも良いな〜。やっぱ殺して良いかメルディ?」
「却下…」
「はいはい、楽しみは妖精たちに取っておきますよ〜」
「相変わらずだなロギアの奴は…」

ザンクロウは落ち込んでるメルディに近づいた。

「そんなナーバスになるなってば。で、どうしたメルディ?」
「…見えてきた…」
「ん?」
「妖精の島…」

メルディは天狼島が見えてきた事を言った。
一同は天狼島の方を見たその時、

「!?」

何かが巨大化していくのが見えた。

「ありゃ何だぃ?」

それは、ジャイアントで巨大化したマカロフだった。

「巨人!?」
「ウーウェ…!?」
「マジかよ!?」
「でかい…」
「ビャハッハハハ!デケーデケー!」
「ふっ、マカロフ」

マスターハデスはどこか嬉しそうだった。

『消えろっ!ここから先へは行かせんぞ!』

マカロフは戦艦を攻撃し始めた。

『フヌゥ!!』

マカロフは右腕で戦艦を殴った。

「!」
「ぐお!」
「ウーウェ!」

戦艦の右側が破壊され、傾いたのだった。

「右舷大破!?」
「強化装甲がいとも簡単に!?」
「なんて事だ!?」

グリモアハートの兵士達がそう言う。

『フン!!』

マカロフは今度は左腕で戦艦を殴ろうとした。

「速度を上げろ!」

ハデスの言葉と同時に戦艦は速度を上げ、マカロフの攻撃をかわした。

「魔導集束砲、ジュピター!」
『!?』

戦艦から強力な光線がマカロフに襲いかかろうとした。

『っ!!?』
「ほう」

マカロフは左腕でジュピターを防いだ。

『かあっ!!』

マカロフは今度は左足を上げ、戦艦を蹴った。
さすがに戦艦が今の蹴りで大破してしまった。

「船が!?」
「何て奴だ!?」
「これがマカロフ!?」

グリモアハートの兵士達が慌て出した。

「ウルティア!」
「は!時のアーク、レストア」

ウルティアの言葉と同時に大破していた戦艦は元に戻った。

「カプリコ、全員をあの島へ連れていけ」
「ハデス様は?」
「私はマカロフを片付けよう」
「了解」

カプリコは手を叩いた瞬間、周りにいたカプリコとハデス以外の人間が全て消えた。
そしてジェットがついたハンググライダーで天狼島へと向かったのだった。
マカロフはそれを見落とさなかった。

『どこへ行っても無駄じゃ!』

マカロフはそう言い、

『フェアリーテイル、審判のしきたりにより、貴様等に3つ数えるまでの猶予を与える!』

両手に光を溜め出したのだった。

「術者が敵と認識した者全てを討つ超魔法」
『1つ…』
「フェアリーロウか」
『2つ…』

数を数え続けるマカロフ。

サイドエンド


天狼島、浅瀬の沼


ギアスはふと空を見た。
あれはカプリコーン!いよいよ来るか!
すると、カプリコから大量の球が落とされた。
球からグリモアハートの兵士たちがたくさん出てきた。

「何という数だ」
「まだ空から落ちてきます」
「メンドくせぇな」

あっと言う間に囲まれた。
ギアスは今気付いた。
そうだ!メストじゃなくドランバルトだ!くそっ、解っていたのに気付かなかった!?つか今まで違和感を感じるぐらいまで解らなかったとは、恐るべし記憶操作の魔法。
出来ればアイツの瞬間移動の魔法を覚えたい所だが、多分そんな暇無さそうだしな。煉獄の八眷属はというと、

火の滅神魔法、ドラゴンスレイヤーである自分が覚えられる可能性は低いから断念。

人間隷属魔法、覚えてみたいけど現時点では断念せざる得ない。

丑の刻参り、あんまり覚える気が無い。

マギルティ=センス、このまま行くとメルディたんに会えそうだから覚えておこう。

大樹のアーク、これは覚えたいけど、多分無理っぽいかな?

具現のアーク、これは覚えたい。ベースキャンプに合流する時に覚えておこう。

唯一気になるのはロギアのロストマジックだな。
ギアスは覚える魔法の事で悩んでいた。


天狼島沖、第三者サイド


マカロフは3つ目を数え終えようとしていた。

『3つ。そこまで!』

マカロフは両手を合わせた。

『フェアリーロウ!!』

マカロフがフェアリーロウを発動させようとするが、

「止めておけ」
『?』

マスターハデスがそう言うと、手に黒い光を溜めた。

『!?』
「悪魔の法律(グリモアロウ)」
『!!??』

マカロフは驚愕した。

「この魔法は抑止力だ。無闇に解き放ってはならん。それでも互いに引かぬというなら、それは双方にとって最悪の結末となるぞ」

マカロフは驚きのあまりフェアリーロウを消した。

「そ、そんな…まさか…」
「久しいな、小僧」

マスターハデスは、マカロフの先代、フェアリーテイル二代目マスター、プレヒトその人であった。

「マスター…プレヒト…」

マカロフは震え、驚いていた。

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