小説『IS〜インフィニットストラトス―ディケイドの力を宿す者 ―』
作者:黒猫(にじファン)

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ファントムは既に次の地点


近くの公園にあるこの街の希望の像を壊そうと、力を蓄えていた


しかし、一発の弾丸がそれを許さない


「誰だ!」


ファントムが振り向いた先、そこに操馬 晴人がたたずんでいた


「負け犬魔法使いが!また絶望するために来たのか……」


「違うな」


その言葉に間髪入れずに否定する声


俺、神谷士だ


「この街でたった一人だけ、たとえ全ての人が絶望しても希望を信じてる男がいる


その男がいる限り、この街が絶望で染まることはありえない」


「ほざけ。この男だって絶望した。そのことには変わらないだろう」


腕を振るい怒鳴るファントム


「確かに絶望もした……だけど、その絶望すらも希望に変えることが出来る。自分の絶望を変えたこの男だからこそ、皆の絶望も希望に変えられるんだよ!」


俺はドライバーを腰部に


「なぜなら、この男は常に絶望と向き合って、いつだって希望を信じているからだ……絶望が希望に勝ることなんて……」




―――絶対にねぇ!!






『シャバドゥビ・タッチ・ヘンシーン!シャバドゥビ・タッチ・ヘンシーン!シャバドゥビ・タッチ・ヘンシーン!』


レバーを操作し、右に傾けた晴人さんが前に出た


その瞬間、ライドブッカーがエンジン音を鳴らしカードが三枚飛び出す


上手く、掴むと同時に光り輝き、ウィザードのカードに


「もう俺は、絶望しない」


リングの目に当たるカバーを下ろす


「それでいいんですよ」


カメンライドのカードをかざした


「貴様、何者だ!」


「通りすがりの仮面ライダーだ!覚えておけ」


カードの向きを指で変える


「「変身」」


『フレイム・プリーズ!……ヒー・ヒー・ヒー、ヒー、ヒー!』


『KAMEN RIDE・DECADE』


マゼンダの戦士と魔法使い……手を弾くように叩き、手の甲と向ける者


「ロマンはどこだ」


「さぁ、ショータイムだ」


「貴様らぁ!」


魔石を放る


すると、グールが大量に……


「グールは俺に!晴人さんはファントムを!……負けないでくださいよ!」


「後輩にそう言われちゃ……負けらんないでしょ」


『シャバドゥ、ハリケーン・プリーズ!……フー・フー!フー、フー、フー、フー!』


頭部の形状はカマキリのような逆三角形に、基本カラーを緑にしたハリケーン


晴人さんは風を纏い、空を舞う


俺も行こうか


『KAMEN RIDE・FOURZE』


フォーゼに変身し、走りこむ


『ATTACK RIDE・CHAINSAW』

『チェーンソー・オン』


『ATTACK RIDE・SPIKE』

『スパイク・オン』


『ATTACK RIDE・SCISSORS』

『シザース・オン』


『ATTACK RIDE・CIAW』

『クロー・オン』



四肢に装備


右腕にはクロー


左腕にはシザース


右脚にはチェーンソー


左脚にはスパイク


を装備する


「フル装備だぜ?」


クローで掻き切り、スパイクで蹴り飛ばす


「まだまだ!」


チェーンソーで回し蹴りを、シザースではさみ飛ばす


「よく飛ぶべ」


装備を解除してさらに、カードを挿入する


『ATTACK RIDE・GIANT FOOT』

『ジャイアントフット・オン』


巨大な靴型装置を右脚に


「一気に片付ける」


その靴で地面を踏みつけた


すると、気の屈折によるモジュールの幻でグールが踏み潰される


「ほーれほれ!」


『ビッグ・プリーズ!』


晴人さんもランドスタイルで魔法陣を通し、手を巨大化させてファントムを殴る


「フィナーレだ」


『コネクト・プリーズ!』


魔法陣からウィザーソードガンを取り出した


ソードモードへ


手形型のハンドオーサーにランドスタイルの変身リングをかざした


『キャモナ・スラッシュ・シェイクハンズ!キャモナ・スラッシュ・シェイクハンズ!』


光り輝き、剣は黄色に輝る


『ランド!スラッシュストライク!ドッ!ドッ!ドッ!』


「はぁ!」


剣を逆手に持ち、突き刺した


すると、盛り上がった土がファントムを拘束する


「な、なんだ!?」


その状態で土ごと一刀両断した


「ふぅ……」


剣を器用に回し、肩を叩く


「やりますね……」


「まあね」


俺もディケイドに戻り、手を弾く


すると


「士!早く来て!」


夏海が駆け寄ってきた


「どうした?」


「み、皆が!」


しまった!


そういや……


「晴人さん!」


「行くぞ!」


走り出す






現状は酷いもので、皆が蹲り地面に倒れこんでいる


「皆……」


俺が呟くと


「大丈夫だ……約束した。俺が皆の、最後の希望だ!」


すると、右腕に魔法リングを嵌める


「晴人さん……」


『ルパッチ・マジッ……コピー・プリーズ!』


すると、晴人さんが魔法陣をくぐると同時に二人に増えた


さらに


『コピー・プリーズ!』

『コピー・プリーズ!』

『コピー・プリーズ!』

『コピー・プリーズ!』



すると、二人、四人、八人、十六人、三十二人と増えた


晴人さんが、皆の元へ駆け寄る


「約束する。俺がお前の最後の希望だ」

「約束する。俺がお前の最後の希望だ」

「約束する。俺がお前の最後の希望だ」

「約束する。俺がお前の最後の希望だ」


エンゲージリングの大売りだな


俺も行くか


『ATTACK RIDE・ILLUSION』

『ATTACK RIDE・ILLUSION』


あ、真似できた


「よし、行きましょうか」


「ああ」


そうして俺は、アンダーワールドへ入る







「ここが、この人のアンダーワールドか……」


いや、絶望した場所は誰も同じか


すると、人のひび割れから怪獣が出てきた


「くそ、あいつか……」


あんなのと戦ってるのか……


響鬼みたいな


「ファントムが現世に出る前に撃破しないと、死んじまう。頼むぞ」


晴人さんが俺の肩を叩いた


「はい。やりましょうか」


俺はついさっき、使えるようになったカードを挿入した


『FINAL FORM RIDE・wi,wi,wi,WIZAED 』


「ちょっとくすぐったいですよ」


背中に両腕を突き刺すようにして、腕を広げる


「は?おい、ちょ……!」


すると彼は、ドラゴンの姿をした晴人の巨大ファントム『ウィザードラゴン』へ


「行きますか」


『ATTACK RIDE・AUTO VAJIN』


スマートブレインモーターズ製の可変型バリアブルビークルを召喚


ウィザードラゴンの背中に合体させた


「いっけーーー!!」


空を舞い、ライドブッカーをソードモードへ


「おらおらっ!」


ドラゴンは火を吐き、動きを止め俺が斬りつける


「止め行きますよ!」


『FINAL ATTACK RIDE・wi,wi,wi,WIZAED 』


ストライクフェーズに変形したウィンガーウィザードラゴンを右足に合体させ、巨大な自身の幻影を纏いながら跳び蹴りを叩き込んだ


晴人さんはウィザードへ姿を戻し、俺たちは現世へ帰る


そのタイミングで他の皆も帰ってきた


「お疲れさん」


俺の労いの言葉と同時に姿を消した


「……やっぱり、これはこのままか」


晴人さんが悲しげに呟いた


それは、例のタワーに向けられたものだ


「……夏海、行こうか」


隣に立った夏海に声をかける


「貴方も世話焼きね」


「うるせぇよ」


『ATTACK RIDE・DEN LINER』


すると、時の列車デンライナーが少し離れたところに停車した


「お前ら……どこ行くんだ。その列車は?どうして……」


晴人さんは驚愕の反応だ


それもそうか


「俺の魔法さ」


晴人さんを指差し、言い放った


「ちょっくら、直してきますね」


そうして、デンライナーに乗った








士side out-


あれから、数日


奇跡と呼ぶべきかあの希望の塔は修復されていた


晴人の正体を知っている者は皆、彼に感謝したがもちろん彼じゃない


「まさか……」


あの日から姿を消した、あの二人が……


そうして、晴人は悟る


「魔法使いは俺だけじゃないんだな〜」


プレーンシュガーのドーナツをかじる


「んんん〜〜」


大きく伸びをして、彼はまた歩き出した


右手のリングがまた輝いている













士side-


「やることやったし、今日一日寝ればまた学園に戻れるだろ」


寮の部屋と同じなのに内装がレトロなその部屋で俺は夏海に言った


夏海も頷いて、ベッドに


俺も隣のベッドに横たわる


「デンライナーで過去に行ってタワーが崩れる前に戻ってファントムを倒すなんて、無理するわね」


「そうかな〜」


ドーナツをかじった


「ふふっ、貴方らしいわね」


「疲れたよ、お休み」


「ええ、おやすみ」


そうして、次の日学園に戻れた俺たちが寝坊し、お姉様に愛の拳骨をもらったのはまた別の話

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