小説『IS〜インフィニットストラトス―ディケイドの力を宿す者 ―』
作者:黒猫(にじファン)

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え?なに、この状況


「ふふっ♪士」


俺の名を呼びながら胸元に顔を埋めてくる千冬姉


あら、可愛い


……じゃなくて!


「あの、千冬姉?」


「なんだ?」


「もう少し、離れてくれると嬉しいのですが……」


このままじゃ、不味い


理性とか、理性とか、理性とか


「つ、士は……私がこうやって抱きつくのは、嫌か?」


うっ!


涙目+甘えた声+上目遣い


だめだ……勝てない


「い、いや……そういうわけじゃ……」


「傍にいてくれというのは……嘘、だったのか?」


おいいいいいいいいいいいいい!!


誰だよ!コノ人!


可愛すぎんだろ!


「ち、違うよ!そういうわけじゃないって!」


「じゃあ、このままが……いい」


そう言ってまた、頭を俺の胸元にうずめる千冬姉


その姿はパジャマ姿


皆、想像できるか?


あの、千冬姉のパジャマ姿


白を基調として、水色の水玉がついたそんなパジャマ


ボタンまでちゃんと留めて、めちゃくちゃ可愛い


まぁ、外されても困るんだけど


ちなみにここは、千冬姉の部屋


半分、連れ去られるようにやってきました


そうして、色々あって


この部屋に来て、約1時間


こうやって過ごしてる


「そ、そろそろ帰ろうかな……夏海も待ってるし……」


頬をポリポリと掻きながらチラッと千冬姉を見る


すると、千冬姉は頬を膨らませ、ジト目で俺を睨んでいた


「うっ……」


「そんなに、アイツが大事か……」


「い、いや……」


「家族の私より、大事か?」


その聞き方は、ずるい


「で、でも……」


「今日は、帰さんぞ……」


また、力を強める千冬姉


それは姉なのに……やっと親を見つけた子猫のような……そんな力強さだった


はぁ〜


息を静かに吐いた俺


「わーったよ。今日は、泊まってく」


「ほ、本当か!?」


パアァ


花が咲いたみたいに笑う千冬姉


珍しいな……てか、可愛い


「ジャージだけ貸して。シャワーだけ浴びるわ」


汗、かいたしな


「シャ、シャワー!?」


千冬姉の頬が真っ赤になった


イチゴ+リンゴ+紅椿くらい赤い


……よぉ、分からんな


「じゃ、借りるぜ〜」


そうして、シャワーを浴びに行く














十五分後


「ふぃ〜〜」


さっぱりした……


おっ


ジャージあんじゃん


借りまっせ〜


「うっ……」


着て気づいた


これ、普段千冬姉が着てるやつだよな……


すげー、いい匂いすんだけど……


寝れるかな……


そうして、部屋に戻ると……


ベッドのシーツをせっせと綺麗にしてる千冬姉が


「どうしたの?」


「ひゃ!」


えらい、可愛い声でたな


「も、もう上がったのか……」


「おう……なんか、飲み物頂戴。冷蔵庫開けるぞ」


そうして、冷蔵庫からお茶を取り出した


「……プハッ。うめ〜」


「…………………////」


あれ?


千冬姉の顔がまだ赤いぞ?


「どうした?」


「そ、その……恥ずかしながら、初めて……だから、その……」


ん?


一口煽る


「……優しく、してくれ」


「ブーーーーーーーーーーーーーーー!!」


思いっきりお茶を吹き出してしまった


「なに、言ってんの!?」


「そ、そういうことじゃないのか!?」


「いやいやいやいや!普通に汗掻いたから、シャワー借りただけで、変な意味じゃ!」


「〜〜〜〜〜〜〜〜〜///////////」


うわ〜


やらかしたな……


「そ、そんな……私の、勘違い?」


「ま、まぁ……そういうこと……かな」


「ふぁ〜〜〜〜〜」


あ、しぼんだ!


「あ、あの……千冬姉?」


すると、千冬姉はガバッと顔を上げて


「……いっ、一緒に寝るぞ!」


「へ?」


そうして、ベッドに引きづり込まれた


あ〜れ〜







あ、あの〜


どうして、こうなったんでしょうか……


「士♪」


くそ、可愛い


てか、めっちゃ抱きつかれてるんですけど


脚を絡ませるのやめて


まじ、やばいって……


「ずっと、こうしたかった……」


ふと、語るように千冬姉が呟いた


「でも、できなかった……私は、お前の姉だから……」


千冬姉はそこで、一瞬黙って


「でも、こうできて……私は今、幸せだ」


にっこり笑った


「千冬姉……」


「俺もだよ……」


静かに言葉を返した


「士、あったかいな」


そうして、また胸元に頭を埋めた千冬姉


もう、可愛いな〜


チョーイイネ!チフユストライク!サイコー!


……うん。よぉ分からん


「ずっと、こうしていたい」


……シャバドゥビ・タッチフユ・ヘンシーン!


「ふふっ……士」


「ん?」


「呼んだだけだ♪」


……ルパッチフユ・マジック・タッチフユ・ゴー!


「な、なんだそれ……」


「士も、呼んでくれ」


「……千冬姉」


「違うだろう?」


うっ


「……千冬」


「士……」


……キャモナ・チフユ・シェイクハンズ!


くそおおおおおお!!


完敗なんだけどぉ!?


勝てないよ!


コノ人、可愛すぎる!


は、反撃せねば


「それより、千冬姉はさ……」


「なんだ?」


「弟を好きになるなんていけないお姉ちゃんだな〜」


ニヤニヤしちまうな〜


「なっ!?」


「ん?」


「い、いや……それは……」


「ん?弟が好きになっちゃってさ〜」


「だ、だって………ううぅ……」


千冬姉……実は、M?


あんまり、反撃してこないけど


「ほれほれ、気持ちええか〜?」


首のあたりを撫で回す


猫にしてやるみたいに……


「う、ううう」


「弟に良いようにされちまって、あの世界最強の千冬さんがさ〜」


「あっ……はうっ……」


「可愛いな〜、千冬姉は」


「っ………」


そろそろ、勘弁してやるか


「なんてな……そろそろ寝ようか……」


「お、覚えていろよ……」


「はいよ……おやすみ」


和んだ和んだ


















翌朝


「で?織斑先生の部屋で……ねぇ」


「申し訳ございません」


忘れてた……


夏海の前で正座する俺


情けない……


でも、夏海さんはめちゃくちゃ怒ってらっしゃる


「大体ね……私がどんだけ心配したか……」


そのあと、説教が一時間くらい続いた


「……今後は気をつけなさい」


「はい」


うっ……足が……


「へ、変なこと……してないでしょうね」


夏海がバツが悪そうにそっぽを向いた


「えっ?」


「だ、だから!変なことしてないでしょうね!?」


「してねぇよ!」


千冬姉か!


「よ、よかった………貴方の初めては………その、私の初めてで………だから、あの……それで……えっと……」


何を言っとるんだ


「と、とにかくそう言う事よ!ほら、学校行くわよ!」


「お、おい!着替えないと!夏海さん!?お〜い!」


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