小説『IS〜インフィニットストラトス―ディケイドの力を宿す者 ―』
作者:黒猫(にじファン)

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

『FINAL ATTACK RIDE・fa,fa,fa,FAIZ』



右脚に装備したファイズポインターから円錐状の赤い光を放ってシャルをポイントする



「はああああああ…………らぁ!」



その円錐の中に跳び蹴りを叩き込む



「ぐうぅぅ……!」



シールドエネルギーがゼロになったシャルはそのままISの展開を解除した



「士!私を忘れているぞ!」



箒が「空割」を両手で握り、突進してくる



慌てて腰のライドブッカーに手を持って行き、カードを挿入する



『ATTACK RIDE・AUTO VAJIN』



オートバジン・バトルモードを召喚し、箒と俺の間にその体を滑り込ませる



「頼むぜ、オートバジン!」



俺の言葉に小さく頷き、前輪・バスターホイールに仕込まれた16門のガトリングマズルから、12mm弾を発射する



「そんなもので……私は止まらんぞぉ!」



しかし、箒は両肩の展開装甲をクロスボウ状に変形させて発射する2門の出力可変型ブラスターライフル「穿千(うがち)」を装備し、放つ



「っ!避けろ!オートバジン!」



俺の叫びと同時に俺は右に、オートバジンは左に体を滑らせる



すると、俺達が立っていたアリーナの地面を焼き払われていた



oh……



「やるじゃねぇか!箒!」



束さんとの一件以来、箒の成長は誰の目から見ても一目瞭然だった



「ふん!お前も一回くらい負けてもバチはあたらんと思うぞ……」



と、ニヤニヤと笑いながら言ってくる



くそーーーーーーーーーー!



ムカつくこと言う様になりやがって!



「そういうわけにもいかねぇよ!観客だっているんだ……格好つけさせてもらうぜ!」



夏休みなのに、なぜかアリーナは満席



訓練してるだけだよ?



「それ以上格好よくなったら………………では、ないか!」



「なんて!?」



何か、よく分からんこと言いながら顔を真っ赤にして突っ込んでくる



さらにその両手には先ほどとは違い「空割」に並び、「雨月」も装備してくる



「くそっ!……来い!オートバジン」



突っ込んできた箒を避えたポイントにはすでにオートバジンがハンドルをこちらに向けて立っていた



「本当、役に立つよ!お前は」



そのハンドルを抜き取り、バイクハンドル型エネルギーブレード「ファイズエッジ」を装備する



「行くぜ!」

「行くぞ!」



二人の声が重なる



数撃斬り合うが、シャルとの戦闘もあり、



「おっと……危ねぇ……ちょいキツイな」



押されてしまう



二刀はキツイんじゃない?



もう、箒も専用機持ち……変な加減も必要ないか



なら……



「俺も本気で行くぜ!」



『KAMEN RIDE・HIBIKI』



ファイズになっている俺の体に紫色の炎が全身を包む



「はああああ………はぁ!」



右腕を振り払い、炎が消えた瞬間



ファイズから音撃戦士、仮面ライダー響鬼になる



手を払うようにして叩き、さらにカードを挿入する



『ATTACK RIDE・ONGEKIBOU REKKA』



音撃棒・烈火を装備し、「鬼棒術・烈火弾」を発動



音撃棒の先端の鬼石から火炎弾を放つ



箒は空中で器用に火炎弾を避けたり、切り裂いたりするが全ては防げず



「ぐっ!……なら!」



「空裂」の斬撃そのものをエネルギー刃として放出し火炎弾を相殺し、さらに俺には「雨月」の刺突の際のレーザーを放出してくる



音撃棒の鬼石に炎の気を収束させ、炎の剣を作り出す「鬼棒術 烈火剣」でそのレーザーを潰す



「やはり通らんか……次は!」



空中にいる箒は二刀を十字に構え、接近してくる



「いいぜ……迎え撃ってやらぁ!」



『ATTACK RIDE・ONIBI』



口を開き、紫色の炎を吐き出す「鬼法術 鬼火」を発動し、箒に向けて吐く



「あっつぅう……」



まだだ!



『ATTACK RIDE・ONIZUME』



手の甲から鋭い爪を生やす「鬼闘術 鬼爪」を発動し、箒を切り裂く



「ぐはぁ!」



そろそろか……



手を弾くようにして叩き、新たなカードを挿入する



『FORM RIDE・HIBIKI・KURENAI』



炎の気を極限まで高め、全身を真紅に染めた強化形態「響鬼紅」になる



「さぁ、終幕だ……お前の紅(あか)と俺の紅(くれない)どっちが上か……」



「くうぅ……いいだろう………行くぞ!士!」



箒が展開装甲のエネルギー全てをエネルギーソードに使い、



「はあああああ!!」



構え、来るっ!



『ATTACK RIDE・ONGEKIKO KAENDUTUMI』



音撃を叩き込む際に使用する太鼓「音撃鼓 火炎鼓」を装備し、



「っ!!」



箒の斬撃を避けるすれ違いざまに体に貼り付ける



すると、



「な、なんだ!?コレは!」



巨大な太鼓として展開した火炎鼓に動揺した隙に一気に近づき



『FINAL ATTACK RIDE・hi,hi,hi,HIBIKI』



「豪火連舞(ごうかれんぶ)の型!!………らぁ!」



火炎連打、一気火勢、猛火怒涛の三種類を複合させた最強の音撃打「音撃打 豪火連舞の型」を浴びせる



右、両方、左…という叩き方で叩き続け



「はぁぁぁぁぁぁぁ……………………はぁっ!!」



止めを両手で叩く



「ぐわぁぁ!」



『勝者 神谷士』



その表示の確認のあと、士は倒れた

-32-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える