小説『IS〜インフィニットストラトス―ディケイドの力を宿す者 ―』
作者:黒猫(にじファン)

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前書き


黒猫です


さて、今回から野球回です

巨人ファンの俺ですが頑張って書いていきたいと思います!皆さん、よろしくお願いします


ISメンバーで野球とか面白そう!ってことですね

まぁ、剣道娘の箒に貴族のセシリア、実は金持ちのシャル、軍人のラウラと
とても野球なんてしたことなさそうなメンツですがこの話ではプロ級ですww

ご了承ください
まぁ、鈴は一夏絡みでやってそうですし……

完全に俺の自己満足ですのでご了承ください

色々、無理矢理ですが……

何話か続きますので応援のほどよろしくお願いします





IS〜インフィニットストラトス―ディケイドの力を宿す者 ―77話


「球技大会です!」


HRで山田先生が大きな声でそう告げた


皆は


「どの種目出る?」

「アンタは?」

「私は、バスケかなー」



なんて話してるけど……


え?この学校球技大会とかあるの?


隅にいた千冬姉が唐突にそう言った


「まぁ、野球で勝てば優勝は決まりだな……我々1組には代表候補に加え、専用機持ちまでいる……なんとしても勝て!!」


今日の千冬姉は熱いな


「織斑先生は今までの全員参加性のイベントでは勝ったことがないんですよ……今年は唯一のチャンスかも知れないですからね」


麻耶が耳元でそう呟いた


なるほど……なんとしても勝ちたいわけだ


「出場種目とその種目でのポジションは明日決める!……ただし、専用機持ちは強制的に野球だ!覚悟しておけ!」


待て待て


俺はともかく、箒は剣道


セシリアは貴族


シャルは金持ち


ラウラは軍人だろ?


野球なんて………


「ふふん、任せておけ!」


「わたくしにかかれば野球なんて、猫の遊びと変わりませんわ!」


「久しぶりに腕がなるね!」


「嫁にいいところを見せねばな!」


「面倒ね……」


……あれ?




その夜


「球技大会か〜。野球なんてホントに久しぶりだな〜」


窓に向かってシャドーピッチする俺


「私は、テニスにしたわ」


夏海がベッドに横になりながら答えた


「え?専用機持ちは野球じゃないの?」


腕を撓らせる一歩前で動きを止める


「私は野球なんて出来ませんって言ったら通ったわ」


なんじゃそりゃ





よくじ〜つ

「よしっ。野球はこの面子、打順でいくぞ!」(これはお楽しみです)


千冬姉がそう叫ぶ


皆もどこかやる気に満ちた表情


すげぇ〜な


ちなみに、戦力が圧倒的になることを心配した俺が千冬に尋ねると

「それは心配いらん」

との返事。どういうことだ?


早速、今日の体育の時間は球技大会の練習


俺達、野球出場者もそれぞれの練習に


俺はとくにバッティングを練習したが……


「案外、飛ばせるもんだな」


なんて関心する


バットが軽い軽い


いつもいつもタイタンソードとかドッガハンマーだの……挙句の果てには、ロケットとかつけてるもんな


俺、超苦労人じゃん


「でも、まぁ……やってやるか」






球技大会当日


全ての競技が何日間かに渡って行われる


八組まである一年は一回戦、二回戦、決勝になる


俺達一組の初戦の相手は……


「ふふ、士。今日は勝てせてもらうわよ!」


鈴がいる二組だった


ったく、初戦からまた面倒な……


「はぁ〜」


思わずため息が出る


「どうしたの?士」


シャルが腕を十字に組んで肩甲骨を伸ばしながら問うてくる


「んにゃ、何にもない。頑張りますかね」


そう言って頭を撫でた


『ただいまより、球技大会。種目、野球の一回戦を行います。それでは各組のスターティングメンバーです……二組、一番セカンド、鳳さん……二番、ショート、ハミルトンさん……』


アイツ、一番かよ……


『それでは、一組のスターティングメンバーです。一番、セカンド、ボーデヴィッヒさん』


ここで、何故このメンバーになったかを説明しておこう


まずラウラは軍人ということもあり、反射神経など体の感覚が異常なまでに高いことを買い、出塁率の高さなども考え一番へ


『二番、ショート、デュノアさん』


小技の効くシャルはバッティングではバントやわざとファールにする粘り強さに選球眼、エンドラン、塁に出れば盗塁からゆさぶりなどの得意さから


『三番、センター、櫛灘さん』


臨海学校でのビーチバレーで「七月のサマーデビル」で有名な櫛灘は自称にも関わらず身体能力は高く、走攻守全てにおいて高い信頼から三番


スゲ〜球、打ってたからな


『四番、キャッチャー、神谷君』


やっぱり四番は俺。単純な飛距離では他とは圧倒的な差をつけたことから四番に採用


ポジションは俺がやってみたかっただけ……


『五番、ファースト、篠ノ之さん』


俺の次にパワーがあるのは箒だった。どうやら、ボールの運び方が上手いらしい。捕球の上手さからファーストへ……


ショーバンの処理、プロレベルだったしな


『六番、レフト、オルコットさん』


射撃専用のISということもあり、実は重要な二人目の五番と言われる六番にはミートの上手いセシリアが出る。守備には若干の難があるらしいが


『七番、サード、鷹月さん』


クラスのしっかり者と呼ばれる彼女はその堅実さからサードに採用。バッティングも割と得意らしくミート打ちで確実に後へ繋げる役目だ


『八番、ライト、布仏さん』

一番謎だ……全く持って分からない……ただ、打球は割と飛ばしていた。問題は守備なのだが……


『九番、ピッチャー、相川さん』


ハンドボール部の相川さんにはピッチャーを。コントロール、球威共に申し分なく球も130台と早い


これは期待できそうだ


『以上のメンバーであります』


ちなみにこのアナウンスは麻耶が、主審は千冬がすることになっている


『一回の表、二組の攻撃は……一番、セカンド、鳳さん。背番号4』


軽いボール回しを終え、それぞれの位置についた後、山田先生そう告げ鈴が右のバッターボックスに入る


「プレイボール!」


千冬姉が高らかに告げた


同時にサイレンが鳴り、相川さん……清香が大きく振りかぶる


俺がしたサインはストレート


様子見様子見


俺のミットがいい音を鳴らす


アウトコース一杯の直球


ストライクが告げられた


いいね〜


走ってるね〜


もう一球


俺はまたもストレートのサイン


これも際どいところだがよく見送ったと思う


実際、手も出かけてたしな……


少し外れてボールだ


なら……


俺はカーブを要求


インコースに構えた


これだけ外意識させられて、挙句緩い球は見送るだろ……


投げられたボールは注文どおりのいいカーブだった


鈴もバットを出した


「(かかった!)」


俺は少し、ミットを下げて





―――カキーーン!!







金属バットが激しく音を鳴らす


それは箒が守るファーストでもなく、ラウラが守るセカンドでもなく


しかも、櫛灘、本音ちゃんが守る右中間をも破る強烈なフェンスダイレクトだ


櫛灘はその強肩を活かし、直接二塁についたシャルへボールを投げるが鈴は悠々と二塁を踏んだ


いきなりかよ……


ノーアウト二塁……


配球がまずったか……?


いや、球威がなんか……


『二番、ショート、ハミルトンさん』


二番は鈴のルームメートらしいティナ・ハミルトン


そのティナは初球からファーストへ転がすバント


走りこんだ清香が箒へと投げ、ボールを構えたが鈴は三塁へ到達していた


鷹月が大きく手で×を作っている


ワンナウト三塁


三番の奴は左のバッターボックスに入る


一球目、カーブを内角に入れストライク


いい球だ……落ち着いてる、大丈夫だな


二球目は外に外したボール球に手を出しストライク


「これで……どう!」


三球目も外に逃げていくカーブで三球三振に倒した


「っし!」


ガッポーズの清香


俺も鷹月へボールを送った


あとは四番を打ち取れば


そうしてバッターボックスに入ったのは


……でかいな、おい


本当にIS乗れんの?


そう思うくらい、でかい


整備課か……


とりあえず


一球目は様子見のストレート高く浮かしたつり球だ


しかし……


ガッキン


鈍い音の後、ボールは低く、浅く浮く


そのボールは鷹月が懸命に走ったが間に合わず、後ろから走りこんできたセシリアが中継のシャルへボールを投げる


鈴はその間に軽く、ホームイン


一塁ベースでは


「やりー!」


「ナイスバッティン!」


と歓声と共に聞こえてくる


それは開始まだ十分にも満たない先制点だった


その後、五番をセカンドフライに打ち取った一組はベンチへと身を退く


くそ……!


やっちまったか……


ベンチへ戻る清香に俺は肩に手を置きながら話した


「大丈夫。球は走ってるし、カーブもよく曲がってる……あとは、気持ちで押すだけだよ」


「う、うん……」


まだ暗い顔の清香


どうしたもんか……


そのとき、ベンチで


「士くん!士くん!」


と、クラスの女子に呼ばれた


「どったの?」


「清香なんだけどさ……その〜」


そうして聞いた事実は俺を納得させるものだった


なるほど


だから練習より球威がなかったのか……


「よしっ!皆!取り返すぜ?」


「当然だ……任せておけ」


頼りになる声で低く言ったのはラウラだった


メットを軽く抑えながらベッターボックスへ向かう彼女はとても勇ましい


「かっちょい〜」


『一回の裏、一組の攻撃は一番、セカンド、ボーデヴィッヒさん』


「よし!」


気合いを入れたラウラが右のバッターボックスに入る


ピッチャーは小さくモーションをとったあと……


外角へ……あれは……


「スライダー!?」


シャルがネクストバッターサークルから叫ぶ


「くっ!」


初球から狙っていたラウラはもちろんバットを回し、ストライク


逃げていくようなスライダーに泳がされた


あんなに、変化量があるのか……


二球目は内角へストレート。これはわずかに外れ、ラウラも見送る


三球目……ラウラはまたもスライダーへ手を出す


しかし




ガキーン!


大きな音を立てて、ボールは三遊間を突き抜ける


『っしゃあああーー!!』


皆が声を上げて立ち上がる


上手く、引っ張ったな〜


「嫁よ!見ていてくれたか!」


ラウラもピョンピョン飛び跳ねながらこちらに手を振っている


『二番、ショート、デュノアさん』


シャルは左のバッターボックスに入り、早くもバントの構え


ピッチャーもワンアウトをもらうつもりで低めにストレートを放る


しかし


「(きた!)」


シャルはそのバットを戻し再び構え、その球を打つ


バスターエンドラン


ラウラは一塁を離れ、二塁へと走っている


ボールはいい音を立てたが、運悪くセカンド鈴の真正面


「甘いわっ!」


鈴は素早くボールを掴み二塁は間に合わないと判断し一塁へ


「アウト!」


一塁審が声をあげる


「よしよし、ワンナウト二塁だ」


それでも得点圏にランナーを置けたことは大きい


箒がベンチから身を乗り出し、シャルへタッチした


『三番、センター、櫛灘さん』


櫛灘は大きなフォームでピッチャーを睨む


その初球


内角一杯のストレート


それを上手く打った櫛灘の打球は


セカンドベースを越え―――










パシッ!!


なかった


鈴が飛び込んだのだ


塁を飛び出しているラウラを尻目に二塁を叩いた鈴はボールをマウンドの方へ投げベンチへ戻る


なんて反応速度だ……


ワンナウト二塁のチャンスはセカンドライナーのゲッツーで終わる



さらに二回の裏


六番にセンター前ヒットを許し、七番はバントでワンナウト二塁


八番はファーストゴロに抑えるも、九番には前進守備が裏目に出たレフトオーバーの二塁打


さらに打順は一番返って鈴


カーーン!!


大きな音を立て、打球はセンターへ


櫛灘も鈴を警戒して前に出ておらず、バックホームの間にランナー二塁へ進め挙句、三点目を渡す


ティナは三振に打ち取り俺はホームにボールを置いてベンチへ


二回の表にして3−0


かなり厳しい状況下


裏の攻撃、打順は俺から始まる

-77-
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