小説『魔法先生ネギま 〜Anoter story〜』
作者:じーく()

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8話 グレート=ブリッジの戦い




























一行は連合の喉元であり……陥落されてる巨大要塞グレート=ブリッジの傍、トリスタンに拠点を置いていた。


「んで……?あれを奪還しようってのか?」


ジークは【眼】でその橋を見ていた。

どうやら、警備は相当なものだった。

多数の鬼神兵。そして無数の戦艦……。

「ふ〜ん……中々の戦線だな。こりゃ、骨が折れそうだ。」

呟くが……。


「何処となく楽しそうなのは気のせいでしょうか?」


アルは、やれやれと言ったご様子でジークを見ていた。


「アホ。そんな気楽に見てなんかいねーよ。ただ、ぶっ壊せばいいって訳じゃないんだろ?囚われている捕虜だっているみたいだしな?遠距離でぶっ飛ばすより白兵戦で行った方が良いか……?」


ジークはプランを頭の中で……。


「頼りになるな……。頭の良い馬鹿は。」

詠春が……くる……って!!


「誰が頭の良いバカだ!コラァ!いい加減へんな呼び方止めろ!生真面目剣士が!」

「始末に終えないんだよ!お前らは!何度山やら谷やらを壊したと思ってんだ!少しは自重しろってことだ!そして、真に後始末するものの苦労を考えろ!それが出来たなら考えてやるよ!」


詠春の言った事も……ごもっともだ。


「ぬぅ〜〜〜……返す言葉も無い……。」


相当に暴れたから……。


売られた喧嘩は買ってしまうから……。


「アホやってないで、さっさとするぞい?」


ゼクトもやってきて……。

仲間全員揃った。









「ジークじゃないが流石に圧巻じゃな。鬼神兵、一体何体おるんじゃ……。」

ゼクトも腰をかけながらそう呟く。

「いいじゃねえか。オレァ燃えてきたぜ?素手でやりてえ。」

ジャックはあっけらかんとしていた。

「お前らしいと言えばお前らしい……。隠密なんざ無理だし、とりあえずオレ達……ナギとジャックとオレは派手に暴れて、その隙にアルたちが中を攻める。こんなところだがどうだ……?」

ジークがそう言う。

「そりゃいい!一番面白そうだ!」

「オレも賛成だ!」

ナギもジャックもはっきりと。

「……ふむ、下手に動き回るよりはそちらの方が良いですね。戦力を削ぐのも効果的でしょう。」

アルも…。とりあえずは同意していた。

如何せん戦力差はある。

いかに無敵だと謳っても……最強だとしても、

物量で押し切られてしまうことだって……。

「アル。お前もいい加減心配性は止めろよ。オレ達だぜ?最強のメンバーがんなとこでやられるわけねーだろ?」

ナギはアルが心配しているのを言い当て……。

そしてニヤッ!っと笑った。

「な〜んも 考えずに暴れりゃそら楽だわな。アルが心配して、大胆作戦から小難しい作戦に変えられでもしたら最悪だもんな?」

ジークは、ナギの頭ん中を想像し、そういった。

「うっ……。」

どうやら図星のようだ。

「がっはっは!オレもそれはゴメンだな。ガチで勝負する方がおもしれえ!」




“ガツンッ!!”




拳を合わせる!!

「……気合をいれるのは勝手だが、衝撃波はヤメロ。」

横でいて、被害を受けたわ!


「フッ……あなた方は本当に楽観的ですね。まあ、良いでしょう。」

「じゃな。さっさと終わらそう。」

「うむ!」


そして皆は一斉に飛び掛った!!













「いっくぜーーー!!!」

ナギはすぐさまに詠唱を開始!

「……あんちょこ読みながらって……おい。」

隣で見ていたジークは呆れていたようだ。

と言うか、そんなことしながら詠唱って結構難易度高くないか?

とも思ってしまう。

「うっせーなっ!ジーク!オレぁ 魔法学校中退なんだよ!」

「……?学校中退と記憶力とどう関係してんだ?覚えりゃいいじゃねえか?」

ジークは、そうつっこむが……。

「はいはいはい。こんな時に、喧嘩は止めてください。」

アルがすぐさま仲裁に……。

なぜなら……。

「……こんだけ囲まれてるのに、気楽なもんだ。」

鬼神兵やら、軍艦やら……

囲まれているのだ。

そりゃもう、一斉放射!!って感じで。




≪目標!赤き翼!主砲撃ぇぇぇ!!!≫





その次の瞬間!一斉に砲撃をしてきた!



“ドウドウドウドウドウドウドウッ!!!!”




「っと。」

ジークは直ぐさま、防御結界を展開。





“ガキィィィィ……!”





防ぐ事はできたが。

「おい、結構腕がしんどいんだから さっさと行け。」

ジークは、横目で仲間達を見ながらそう言う。






「余裕で防いでるように見えますが……。まあいいでしょう。頼みました。」

アル、そして。

「ここは任せるぞい。」

ゼクトも飛び出し…。

「任せた!」

詠春も行った。


んで……。

「おい!ジーク。もう解いていいぞ!これが邪魔で出て行けない!」

ナギはジークにそう言っていた。

「おいおい……迂回していったらいいじゃないか。」

「正面から叩き潰すんだよ!」

「右に同じッ!!」

ジャックもナギも……

「はいはい。解いたら集中砲火だぞ?」

そう言うけど……。

「全然オッケー」

「むしろさっさとやれ。」

問題視してないようだ。

「へいへい……。」


ジークが結界を解いた瞬間!





“ズガガガガガガガガガガガガガガッ!!!!!!!!!!”






ジークの周囲を根こそぎ薙ぎ払った。













「んじゃ!オレぁ あの鬼神兵貰うぜ!」

素手で飛び掛る!!

「んじゃ、オレはあの軍艦の集団!」


「お〜 頑張れ。」

ナギとジャックは標的を……決めた。


「んじゃオレは……。」

視界を落とすと……。




「いたぞ!連合の奴らだ!」

「捕らえろ!!」

「捕まえろ!!!」






わらわらと沸いて出てきた魔法使いや兵士達だ。

残ったのはジークだけだから必然的に相手になるのはあいつらだ。

「やれやれ、どうなっても知らんぞ……。」

ジークは、それらを見ると……。

降りて行く。



「一応言っておくぞ?怪我したくなかったら引っ込んでろ。」


……勿論そんな事で引っ込む輩などいるわけもなく。


≪ふざけんなーーーー!!!!≫


怒声をもって……襲い掛かってきた。



「はぁ……」

右手に力を込める。

それは雷の様に“バチッ……バチッ……!”と放電しだした。


「行くぞ……?」


と言っても、聞く奴はいないから……。


「……エル・ヴァジラ≪神の怒涛≫」


まるで膨張したようなジークの右腕。

それは光り輝く青白色。


それはまるで光線の様に……



“キュンッ!!!ズガアアアアアアアアアアッ!!!”

≪ぎゃああああああ!≫



要塞を貫きながら兵士達を吹き飛ばした。


「ん……ま、死んじゃいないだろう。」

所々見ても目を回しているだけのようだ。

………火傷とかはおっているようだが?



そして……。









「おおおらああああああああああ!!!」


“チュドーーーーーーーーーン!”


「どりゃああああああああああああ!!!」


“チュドーーーーーーーーーン!!”



ナギとジャックの互いの大技が炸裂!

んでもって、戦艦やら鬼神兵やらをゴミのよーに……。

とまではいかないが……。

手酷くやっちゃったみたいだ。

暴れている間に、

要塞内は中に突入していったメンバーが中を制圧。

その頃には、こっちも無事に終わった。













戦いも一段落……

その時だ。

「やれやれ……相変わらず凄まじいな……。」



終わってくつろいでいるところに、誰かが来た。

「誰だ?お前。」

ジークはそう聞く。

……見ているだけでわかる。

相当な使い手のようだ。

見かけはハンドポケットで隙があるように見えるが……。

剣を構えているような感じがしていた。

「ああ、彼はガトウです。元王国捜査官である。」

アルが説明をしてくれた。

「ふ〜ん……。」

ジークはそのまま視線をガトウに。

「ああ、ヨロシクな。お前の事は聞いている。何でもナギ・ジャックの馬鹿どもと遣り合える程の者らしいな。よろしく。」

手をポケットから出し、握手を求められた。

「ああ、よろしくな。」

初めは警戒していたが……アルが言うなら問題ないだろう。

とりあえず、警戒を解き、2人は握手を交わした。












そして、暫くして……。

「やれやれ……相当に壊したな?」

ジークはグレート=ブリッジを見ながらそう言う。

「半分以上はお前だろ?あのビームみたいな奴の影響だ。」

ナギは反論!

「そうだよなぁ。オレは鬼神兵と遊んでたし。」

ジャックも、……というかあれで遊んでいたんだ。

「それよりよぉ……ジーク。オレは気になることがあるんだが……。」

なにやら、ナギが神妙な表情をしていた。

らしくない顔だった。

「ん……?何がだ。」

だから、茶化さず聞いた。

「オレの故郷のある旧世界ではもうこんな大戦は起こらない。なぜなら、超強力な科学爆弾が発明されてて、戦なんかした日にゃまとめて皆滅んじまうからだ。」

ナギは、まだ煙の立ち上るブリッジを眺め、そう言う。

「ふむ……。」

ジークもナギの傍に行く。

「こっからだよ。こっちのこの戦はいつ終わる?帝都ヘラスを滅ぼすまでか?」

攻めて攻めて、やられてやられての繰り返しだった。

今までの戦況を見てもそうだ。

ジークは後から参加した為、そこまでの内部情報は持ち合わせてなかったが……。

大体は理解していた。

「旧世界にゃ、確かにあるな。げんし爆弾だかすいそ爆弾……とかな。でもこっちの世界だってあるだろ?その気になりゃ。」

ジークもそう答える。

実際に、この目の前のナギにしたってそう。

ジャックにしてもそう。

この仲間たちもそう。

一個人であれ程の破壊力を秘めた攻撃が出来るのだ。

だから……

「だろ?やる気にさえなれば、そのげんしだか乱視だかしらねえが、それを上回る大魔法はある。こんな事続けたって意味ねえぜ?……まるで。」

その先はアルが答えた。


「―――……まるで 誰かがこの世界を滅ぼそうとしているようだ……。―――ですか?」


“ぴくんっ……”


その言葉にジークが真っ先に反応。

「……だろうな。そう言う感じだ……。【奴】もそこに……」

最後の方は言葉が小さく……。

誰にも聞こえなかったようだ。


ジャックはジャックでど〜でもいい〜と言わんばかりに興味がない。

そこに……。

「ある意味……その通りかもしれんぞ?」

ガトウ、そしてその弟子であるタカミチがやってきた。

「ガトウ。」




「オレとタカミチ少年探偵団の成果がでたぜ?……やつらはやはり、帝国・連合 双方の中枢までに入り込んでいる。秘密結社【完全なる世界】だ。」




……標的の名がそれのようだ。

「……【ここ】にいる事はわかっていた。……逃さないぞ。」

ガトウの言葉を聞き……。

そう確信した。

なぜなら、彼が追うものはいつも争いの真っ只中にいるからだ。

破壊を欲するものだから……。















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