小説『俺はとんでもない人に好きになられたかもしれない!』
作者:72マヨ()

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14話「彼ガ彼女ヲ守ッタコトヲ彼女ハドウ思ウノダロウ」



やってしまった。




真登ちゃんの前で
姉ちゃんに会った。



いや、会うのはいいんだけど…


まさか、真登ちゃんが姉ちゃんの悪口言うと思わなかったし…。





今俺がどうなってるかって?



姉ちゃんを守ったことで、
真登ちゃんは俺から離れました。


姉ちゃんを守ったことで
姉ちゃんは俺から離れました。


結果道路で一人ぼっち。




姉ちゃんが俺のこと嫌いなんてそんなこと知ってる。
写真破いてたりは知らなかったけど…。






家へ戻ると俺の部屋には江島がいた。


「なんでお前ここにいるんだよ」

「なんでって、真登に聞いたから」



……聞いたのか


「やっぱお姉ちゃんが一番なのかよ」
「いや…そうでもないんだけどよ…」



俺がそう言うと、江島は眉をぴくりと動かした。



「うん。後悔してるよ。姉ちゃんの悪口言われて本当一瞬我を忘れた。ごめんな」


江島は真登ちゃんの兄貴だ。
俺が後悔していることは一応早く伝えた方が良い。


そう思ったのだが、選択を間違えたようだ。
江島が机の上に置いてあった鉛筆をボキッと折った。



「…え?」

「後悔してる?一瞬の迷い?一番じゃない?」


「…?」



「一瞬の迷いなんかで真登泣かせんな!あと、嘘でも姉弟が一番だぐらい言っとけば許したのに!」


江島が何を言ってるか分からなかった。
まぁ、真登ちゃんを泣かせたのは本当に悪いと思うけど、
姉弟が一番って言ってたら許したって……なんで?



「丞ー!!!!!!」



分からなくて頭を抱えているとそんな声がして、
歴同会のみんなが部屋の中に突入してきた。




「なんだよみんなして!」

「…いや…」


「というか、江島の言ってる意味が分かんないんだけど俺!」

「…。なに言われたのお前」

「え?姉弟が一番って言ってたら許してやったって…」


「……」

歴同会一同がため息をつく。




「よーく、聞けよ丞」


「お、おう…?」



「えっとな、……おい、江島。お前真登ちゃんのことどう思ってる」


江島が真登ちゃんのことを…?
何でそんなこと聞く必要があんだよ。
意味わかんねーな。


「は?さっき言ったろ…。死ぬほど愛してるよ」




……………………。




「は、は……はぁぁぁぁぁぁぁ????」




俺は絶叫した。

江島が真登ちゃんのこと死ぬほど愛してる?


シスコン?


俺以上のシスコン?


何じゃそりゃ!

なんだそのオチ!



………。

笑えねぇ。




「うるっさいな!死ね!」



絶叫した俺に俺の姉はそうピシャリと言ってドカドカと階段を下りていった。



俺は江島から一歩離れた。




-14-
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