小説『ボーンシルヴィアの罪』
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過酷極まりない業務であったが、夏はなんとか耐えられる。

だが、寒風吹きすさぶ真冬の寒さは根性で耐えられる領域を超えている。
マイナス1度にもなる夜を毛布無しに乗り切る事は不可能であった。

だが、毛布は1枚20セドル。1週間のタダ働きを強いられる金額であった。

僕は2週間のタダ働きの対価として毛布を2枚購入した。
紙の様な毛布だが、ないよりは良い。

僕とシャーリィは毛布を2枚重ね、凍死しない様に体を寄り添って寝る。

安らかな寝息を立てるシャーリィ。

父を喪なった。
母を喪なった。
だが、シャーリィはこの腕の中で眠っている。

父と母を救えなかったが、シャーリィだけは救ってみせる。
安らかな寝顔に僕はそう誓ったのだった。


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