小説『ボーンシルヴィアの罪』
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連日最も過酷な鉱石運搬の業務にあたっていた僕の体はもはや限界に近かった。

35キロにもなる籠は両肩に食い込み、4キロもの距離は果てしなく遠い。

両肩の痛みなどもはや痛みを通り越している状態だった。
そして運の悪い事に鉱石を積んだ籠を落とす所を兵士に見られた。

その兵士は僕を激しく罵倒し、僕を激しく暴行した。
兵士に蹴られている間、僕は背中を丸めて耐える事しか出来ない。
さらに運の悪い事に、そこにサンチェス=エベールが姿を現した。
サンチェスは人畜管理を任務とする兵士達の中で最も残虐で、最も評判、素行が悪い兵士だった。

結局僕は懲罰室に3日間監禁され、サンチェスからさらに暴行を受けた。

『ゴミが。貴様らには惨めな未来しか残っていないんだよ!』

――――違う。

『生きる価値なんかねえ!だから人畜なんだよ!』

――――違う。

『貴様も貴様の妹もこの国から見捨てられた存在だ。違うか』

――――違う!

「なんだ、その目は。違うとでも言いたいのか。貴様になにが出来る。ここでのカスみたいな労働の他になにが出来るんだ」

――――シャーリィを救う。薄汚い貴様らから解放する!

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