小説『ボーンシルヴィアの罪』
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事故の規模は。
けが人は。
死者の数は。
坑道に取り残されている人の数は。
救助活動の状況は。
瞬間的にいくつもの疑問が脳裏を奔る。
事故があった坑道にはまだシャーリィがいる。
本能は必死に否定しても理性がそう主張している。
最悪の事態が頭をよぎる。
莫迦な。そんなことがあってたまるか!
泣き出したい気持ち、叫びだしたい欲求を必死に押さえつけて僕は駆ける。

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