これでいいかな?
<はい。・・・・・・それでは、今度はタイムトラベライザーを持ってみて下さい。
ケースの横の方についているボタンを押すと、ケースが開きます。
中にコードが入っていますので、確認して下さい>
・・・・・・ケースの横のボタン・・・・ね。
あった・・・・。これだな。
Bluesの言うようにボタンを軽く押すと、小さなケースはパカッと開いた。
その中には、Bluesが確認しろと言ったコードが2本・・・・と、様々な種類のスイッチが、幾つも並んでいた。
Blues あるよ・・・・。コードは2本だ。これでいいの?
<はい。2本あれば、それでOKです。それでは、一度そのケースは閉じて、しまって下さい>
――― えっ? しまうのか? どうしてさ。
<今から、タイムトラベルのデモンストレーションを行うからです。
もし、そのデモンストレーション中に、タイムトラベライザーが作動してしまうと、とても危険だからです。
間違った設定下で作動しないように、充分注意することが必要です>
・・・・そりゃ、まぁ・・・・、そうだよな・・・・・・。
俺だって、変なとこには行きたくないし・・・・。
<そうでしょう? ですから、私の説明する通りに行って下さい>
ああ、わかったよ。
・・・・・・ほらっ、ケースはしまったよ。いいだろ?
<ええ、結構です。では、デモンストレーションと行きましょう。
ピアノの蓋を開けて下さい。鍵盤の見方はわかりますか?>
・・・・・・ドレミファソラシドくらいは、わかるけど・・・・・・。
あんまり自信ないなぁ・・・・と思いつつ、俺はピアノの蓋をゆっくりと開け、カバーを取って、鍵盤を眺めた。
・・・・うん、一応わかるみたい・・・・・・。
<そうですか。それでは、A(アー)の位置はわかりますか?>
アー?
なんだよ、それ? そんなの知らねぇよ?
<ああ、すみません。A(アー)っていうのは、ドレミで言いますと・・・・・・>
Bluesが言いかけた途中で、音楽室の重いドアが、ガチャッと音を立てて、勢いよく開いた。