小説『崩壊世界の黙示録』
作者:むぎこ(海辺のバクダンりんご)

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崩壊世界の黙示録/プロローグ……Unknown 




――嫌だ、置いていかないでくれ。

 何故、俺だけがこんな世界に取り残されなくちゃならないんだ?悪いことなんかした覚えは無いが、あの時駄菓子屋の小母さんを騙して万引きしたのがそれだたのか?それの所為で、俺はこんな酷い目に会っているのか?
 いいや、違う。それなら、あいつだってあいつだって皆共犯者だ。それなら、皆も一緒に俺と居れるはずなんだ。

 じゃあ、何でだ?
 何だ?この、こっぴどくて薄暗くてみすぼらしくて寂しくて恐くておかしな世界は。まるで子供の頃に見たSF映画そのものじゃないか。


 揺れ動く灼熱の炎も。
 汚くにごりきった、魚の腐った死体が浮く水面も。
 根こそぎ新芽を奪われた巨木も。
 この、よくわからない色の無い濃霧も。
――俺も。
――世界も。

――全部、俺が見せられている現実か?この、悪魔のような森羅万象が現実だというのか?

 孤独すぎる。惨め過ぎる。

だとすれば、俺をこんな目に会わせたのは誰だ?
 人間か?
 俺自身か?
 それとも、友達だった誰か?


――いいや、違う。

――世界だ。世界が、俺をこんなにも孤独で惨めな存在に仕立て上げやがった。


――だったら、だったら、この嫌味たらしい世界を生き抜いてやる。生き抜いて生き抜いて、全力で生き残ってやる。

大嫌いなこの世界を生き抜く。絶対に、何を犠牲にしてやろうとも。





――――世界なんて、大嫌いだ。

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