小説『鬼畜の宴』
作者:ウィンダム()

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X氏はタバコを吸いながら説明を続ける。
  
  次に『音響』を利用した手口ですが、これは『ノイズキャンペーン』と呼ばれ『光』と同様に『音響』による神経工作で、
  具体的には、

   ■クルマのエンジンを蒸かす

   ■クラクションを鳴らす

   ■窓やカーテンをこれ見よがしに音を立てて閉める

   ■物凄い音を立ててシャッターを閉める

   ■狂ったように布団を叩きまくる

   ■犬を鳴かす、吠えさせる、あるいは子供を騒がせる

   ■笑い声、奇声を発っする

   ■背後からコツコツと足音を聞かせる、せき込む、あるいは汚らしく痰唾を吐く

   ■天井から物音を聞かせる

   ■近隣から電気ドリルなどの騒音が立つ。

   ■クルマやバイクが爆音を轟かせる

  と、まぁ、こんなところです。
  これもあらゆる『音響』を悪用した神経工作で、これもQさんの体験を基に話しますが、
  Qさんが外出時や帰宅時に、決まって自宅近辺に停車している不審な車両があり、
  Qさんが姿を現すとその不審な車両がエンジンを空蒸かしさせたりクラクションを鳴らしたりする。
  また、外出時や帰宅時にQさんが姿を現すと、決まって特定の近隣住戸が窓をピシャリと音を立てて閉めたり、
  カーテンをシャーッと故意に音を立てて閉めてみたり、近隣から騒音が立ったりする。
  また、外出時など路上を歩いていると背後からコツコツと音立てて付け来たり、せき込みや痰唾を吐く。
  室内にいればいたで天井から物音がする、それも普通の物音ではなくコンクリート床を直に叩くような音をさせる。
  Qさんは集合住宅ですから部屋の作りは一階から最上階まで同じなはずで、
  Qさんの居室の和室の天井はその上階も同じである以上どのような物音を立てようとも、
  コンクリートを叩くような音が出るはずがない。
  にも関わらず和室の天井からコンクリートを直接叩く音がする。
  これはどう考えても上階が畳を引きはがし剥きだしになったコンクリート床を、
  器具か何かで直に叩いているとしか言いようがない。
  また、室内の部屋の空気を入れ替えようと窓を開けると、なぜか近隣からバシバシと狂ったように布団を叩をさせてみたり、
  管理会社の清掃員が出てきて掃き掃除したりする。
  さらに不思議なことは、ネットの集団ストーカー関連サイトの掲示板に、
  自分の被害を詳細に投稿したり意見交換していると、
  どうゆうわけか自宅前の道路を暴走するクルマやバイクが凄まじい爆音を立てて走り去る。
  それもQさんの居室前で最も凄い騒音を立てたりする。
  『光』の場合と同様に、こうしたことが毎日のように行われるわけです。
  そしてこれらの神経工作は、たいてい『光』と『音響』のワンセットで行われることが多く、
  これを何回もやられると忌々しいどころか、やっている奴に怒鳴りつけたくなる誘惑に駆られます。
  こうして『光』や『音響』を悪用した当てつけめいた神経工作が毎日のように続いていけば、
  大概の人間は苛々が高じて怒鳴ったり、やり返したくなってくるはず。
  ですが、これこそが『鬼畜ども』の狙うところです。
  うっかり怒鳴り散らしてみたり、やり返したが最後、『鬼畜ども』はそれを持って鬼の首でも取ったかのように、
  被害者を『粗暴で反社会的な人物』と囃し立て近隣を感化洗脳するわけです。

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