小説『泡沫候補っていうな!』
作者:しょむ研 水野松太朗(しょむ系政治勢力研究会)

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

○フランス

 フランスは小選挙区制だが、全候補者が過半数に達しない場合は上位者(12.5%以上得票の候補)で決選投票を行なうため、比較的多様な政党が議会に進出している。

 左翼は反資本主義新党(トロツキー系、旧「革命的共産主義者同盟」)や「労働者の闘争党」(トロツキー系)などがあり、これらは近年ではフランス共産党を上回る支持を獲得している。環境政党は左派寄りの「緑の党」や右派寄りの「環境世代」などが存在。

 右翼は国民戦線や、そこから分裂した国民共和運動などが存在。国民戦線は2002年大統領選で党首ジャン・マリー・ルペンが決選投票に進出し、「ファシストの大統領が誕生するのでは」と国内外に衝撃を与えた。他には「伝統保守」を掲げる「狩猟、釣り、自然、伝統」、性の自由化などを訴える「快楽党」などがある。

○イタリア

 上下両院とも比例代表制を採っていたため、左右共々多くの政党が存在。ただし与野党対決の構図は、ほぼ「野党共産党vsそれ以外の全政党」というものであった。

 西ヨーロッパ最大と言われた「イタリア共産党」はリベラル系の「左翼民主党」(後にカトリック系保守政党と合併し「民主党」)となる際、共産主義路線堅持を主張する「共産主義再建党」が分裂。さらに左派連立政権への評価をめぐり、離脱派の再建党と残留派の「イタリア共産主義者党」とに分裂している。

 極右の旧ファシスト党もネオファシストとして活動。政権与党にもなっている「国民同盟」(旧「イタリア社会運動」)や、アレッサンドラ・ムッソリーニ(ベニート・ムッソリーニの孫娘。欧州議会議員、女優、外科医)が党首を務める「社会行動」などがある。かつては「君主党」など、王政復古主義の政党も活動していた(現在は国民同盟に糾合)。

 ポルノ女優から議員となったラ・チチョリーナ(シュターッレル・アンナ・イロナ)も、環境政党の「緑の党」(現「緑の連盟」)およびリバタリアン系の「急進党」(現「イタリア急進主義者」)出身であり、後にモアナ・ポッツィ(ポルノ女優)と「愛の党」を結成している。

 サルディニア地方や南チロル地方では地域政党の活動も活発。

-51-
Copyright ©しょむ研 水野松太朗 All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える