小説『泡沫候補っていうな!』
作者:しょむ研 水野松太朗(しょむ系政治勢力研究会)

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◎なぜしょむ系候補は排除されるのか?

 しょむ系候補も有力候補や大政党所属候補と全く同じ条件で出馬しているにもかかわらず、マスコミ報道では大半は「主な候補者」として有力候補しか掲載されず、青年会議所や「リンカーンフォーラム」(松下政経塾系)らの主催する選挙候補者討論会でも、「意図的に呼ばず、抗議されても無視するように」とマニュアルに記載されるなど、しょむ系は排除されている。どうしてこのようなことが起きているのだろうか?

 かつて肥後亨や高田がん(高田巌)らが設立した「肥後亨事務所」は、候補者名を番号にした「背番号候補」や、既に死亡した人物になり済ましての立候補、対立候補に似た名前、もしくは対立候補をあからさまに揶揄した名前を通称として出馬しようとするなど、特異な行動が目立った。さらに、彼らが与党系議員から資金援助を受け、対立候補の得票を減らす目的で出馬していたことや、選挙管理委員会から支給される選挙活動に必要な道具(候補者ビラに貼る証紙など)を転売していたことなどが発覚。これらの候補に批判が相次いだ。

 また、小田俊与(総会屋、右翼活動家、兄の元代議士小田天界もしょむ系として知られる)は、郵送で立候補手続きができた時代に500回以上の選挙に出馬続け、各地の選挙管理委員会の混乱を招き、「幽霊候補」と白眼視された。

 さらに、対立候補の街頭演説中、その横で軍歌や罵声を大音量で流すなど、右翼系候補による野党候補への妨害活動も目立った。そして、酢の健康効果を訴えた「日本愛酢党」の長田正松や、納豆製造会社を経営する斉藤はるひこ等のように、選挙公報や政見放送を自ら経営する会社の広告・宣伝に使うなど、売名的な出馬の事例もあった。

 これらの動きから次第にしょむ系候補への風当たりが強くなり、有力候補以外は殆ど情報が提供されないという事態となった。

 なお、このような現状に対し、「風の会」の野村秋介や「希望」の藤本敏夫、そしてドクター中松などは、裁判やマスコミ各社への申し入れ等により抗議活動を展開している。

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