小説『泡沫候補っていうな!』
作者:しょむ研 水野松太朗(しょむ系政治勢力研究会)

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 増元照明(拉致被害者家族会事務局長、自民公認漏れ)、東條由布子(本名:岩浪淑枝、元新風講師、東條英機の孫娘)、小川卓也(元アメリカ外交官)、十河豊(翻訳業)、佐々木賢治(投資会社社長、学生時代は学生運動妨害で名を馳せる)、平松重雄(「憲法改正同志会」会長、ねずみ講「国利民福の会」「天下一家の会」等に関与)、藤本豊(「市政の友の会」代表、福岡の右翼活動家)など、政策・主張の重なっている候補者へも対立候補をぶつけることが多く、大抵はその対立候補より少ない票しか得られない状況が続いている。そのため、主張の近い対立候補がいる地域では、独自候補を立てず対立候補を公認・推薦・支持・支援すべきとの意見も少なからずある。ただし東條については、兵頭二十八(よろずライター、自称「軍学者」)が「東條は保守派の運動を自分の商売に利用している」と非難し、支援しなかった新風を擁護している。

 長らく選挙区・比例区共に最下位が定位置だったが、2007年参院選のみ、比例区で共生新党を抜きブービーだった。

 党友には西村真悟(元改革クラブ代議士)、若泉征三(民主党代議士)らがおり、赤池誠章(元自民党代議士、松下政経塾出身、元民主党)らとも親交がある。一方、小山和伸(経済学者、神奈川大学教授、元副代表)のように、自民党など他党に移籍する者もいる。大規模な講師団を抱えており、講師には東條や兵頭のほか、田中正明(「株式会社イオンド大学」教授)や戸塚宏(戸塚ヨットスクール校長)らがいる。

○共生新党

 財界・宗教系右翼団体「日本会議」代表委員で建築家の黒川紀章が、盟友石原慎太郎の都知事多選阻止を目指して結党。2007年の都知事選と参院選に出馬した。

 参院選の候補者には若尾文子(女優、黒川の妻)や元地方議員、自民党公認漏れの選挙出馬経験者などもいた。ガラス張りで円形の選挙カーやクルーザー、飛行機などを使った派手なパフォーマンスを展開したが、得票増には余り効果を発揮できなかった。結果は最下位で全員落選。毎回最下位だった維新政党・新風にすら負けるという大惨敗だった。

 黒川は2009年衆院選にも出馬への意欲を燃やしていたが、2007年10月12日死去。都知事選出馬から死去までの期間が短かったことから、「突然の活発な政治活動は、自身の死期を悟ってのものだったのでは」との見方もある。黒川の死去後は共生新党のサイトも閉鎖され、事実上活動停止状態となっている。

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