夕日色に映えるワンコートのストリートバスケの公園。
通称、バスケ公園。
ここが、俺らのいつもの秘密基地。
三人とも中三で部活は引退しており、俺らはいつも放課後ここで集まってはバスケをしたりトークをしたりしている。
『がこん』
俺の放ったシュートは、リングを通ることなく弾かれて床に落ちる。
『パシュ』
桃音の放ったシュートは、綺麗な放物線を描いてリングを通り抜ける。
縄を巻き上げるときの、パシュっという爽快な音が、下手な俺をからかっている様で少し苛立つ。
「ホントに下手ね」
『パシュっ』
「うるさいっ!」
『ガコッ』
桃音はニヤニヤとからかいながら、シュートを打つ。これまたボードに当たらず綺麗に入る。
それに対して、俺のシュートはやはり外れる。
「くそっ!いくらバスケやってたからって入りすぎだろ!」
「アンタが下手すぎなのよ」
「くそっ!少しうまいくらいで!姫野さぁん〜!何か言ってやってよ!」
「……私はバスケに興味ない」
姫野は携帯教科書を読んだまま、静かに答える。
俺は姫野さんと言っているものの、年は同じ十五歳である。
「ちぇ!いいし!いつかお前よりうまくなってやる!」
「いつになるのかしらねぇ〜?」
「くそっ!はいれっ!」
『がこっ!』
こうして今日もいつもの調子で、三人の時間は過ぎていった。