小説『ハイスクールD×D 〜銀白の剣士〜』
作者:strik()

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〜第34話〜




Side リアス


「エクスカリバーの破壊ってあなたたちね・・・・・・・」

 私は額に手を当てて、顔をしかめる。

 力の流れがおかしかったので、ソーナと原因を探りに行ったら、そこにいたのはナギとイッセーと小猫とソーナの眷属のサジくんだった。とりあえず、場所を変えることになり近場の公園へと移動する。

 現在その四人は、移動した公園にある噴水の前で正座をしている。いえ、正座をさせているわ。ソーナは一対一で話している。私は左から順にイッセー、ナギ、小猫の順番で正座させていた。

「サジ。あなたはこんなにも勝手なことをしていたのですね? 本当に困った子です」

「あうぅぅぅぅ・・・・・・・。す、すみません、会長・・・・・・・」

 ソーナは自分の眷属に冷たい表情で詰め寄っていた。サジくんは余程恐怖を感じているのか、顔の色が真っ青ね。

「祐斗はそのバルパーを追って行ったのね?」

「はい。ゼノヴィアたちと一緒だと思います。・・・・・・・な、何かあったら連絡をよこしてくれると思いますが・・・・・・」

 発案者であるイッセーに質問をする。いつもの祐斗なら連絡をくれるでしょうけど、今は無理でしょうね。

「復讐の権化と化した祐斗が悠長に連絡をよこすかしら?」

 イッセーは「その通りです」といった表情を浮かべた。私はため息をつきながら、小猫へと視線を移す。

「小猫」

「・・・・・・・・はい」

「どうしてこんなことを?」

「・・・・・・・祐斗先輩がいなくなるのは嫌です・・・・・・・」

 小猫の正直な想いに、怒りと言うよりも困惑の感情が出てくる。小猫は小猫なりに思うところがあったようね・・・・・・。

「・・・・・・過ぎたことをあれこれ言うのもね。ただ、あなたたちがやったことは大きく見れば悪魔の世界に影響を与えるかもしれないのよ? それはわかるわよね? 」

 確かにナギは人間だけど、彼はほぼ悪魔側の陣営と言っていい。

「「はい」」

「・・・・・・・はい」

 3人で声をそろえて返事をされた。

「すみません、部長」

「申し訳ありませんでした」

「・・・・・・・ごめんなさい、部長」

 3人が頭を下げる。はぁ、どうやら3人とも反省しているようね。

―ペシッ! ペシッ! ペシッ! ペシッ! ペシッ!

 何の音かしらと思って音源の方を見ると、ソーナがサジくんお尻を叩いていた。高校生がお尻を叩かれている光景は、見るに堪えないわね・・・・・・・。

「あなたには反省が必要ですね」

「うわぁぁぁぁぁぁぁん! ごめんなさい、ごめんなさい! 会長、許してくださいぃぃぃぃ!」

「ダメです。お尻を千叩きです」

―ペシッ! ペシッ! ペシッ! ペシッ! ペシッ!

 ソーナったら、手に魔力を込めているわね・・・・・・・。あの子のお尻大丈夫かしら?

「イッセー、余所見をしない」

「は、はい!」

 チラチラとソーナたちの方を見ていた。イッセーを注意する。

「使い魔を祐斗の探索に出させたから発見しだい、部員全員で迎えに行きましょう。それからのことはそのときに決めるわ」

「「「はい」」」

 3人の返事を聴いて、そのあと私は3人をまとめて抱きしめた。

「バカな子たちね。本当に心配ばかり掛けさせて・・・・・・・・」

 抱きしめたイッセーと小猫の頭を撫でる。ナギは私の胸の中だわ。イッセーは横目で羨ましそうな目で見ているわね。べ、別にナギのことは誘惑しているわけじゃないわよ!

「うわぁぁぁぁん! 会長ぉぉぉ! あっちはいい感じで終わってますけどぉぉぉぉぉ!」

「よそはよそ。うちはうちです」

―ペシッ! ペシッ! ペシッ! ペシッ! ペシッ!

 よく親が言いそうな言葉を言いながら、ソーナはお知りを叩き続けた。

「さて、イッセー。お尻を出しなさい」

「え? 部長・・・・・・許してくれたんじゃ?」

 私はニッコリ微笑みながら、イッセーに言う。

「下僕の躾は主の仕事。あなたは発案者なのだからお尻叩き千回よ♪」

 私はソーナにならって、手に魔力を纏わせた。


Side out





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Side 一誠


「下僕の躾は主の仕事。あなたは発案者なのだからお尻叩き千回よ♪」

 部長は紅い魔力で包んだ右手を俺に向けてくる。

(バ、バカなぁぁぁぁぁぁぁぁ! お、俺も匙と同じように尻を叩かれるのか!? 魔力の込められた手で!?)

 俺に向かった告げられた一言に、驚愕する。

(しかも、部長の魔力は消滅。俺の尻が死んでしまう! 何とか・・・・・・何とかしなくては!)

 普段はエロいことにしか使うことのない脳みそをフル回転させ、どうにかして知りを叩かれるのを回避しようと考える。

 そんな中、先ほどの光景を思い出す。そう、渚が部長の胸に顔をうずめていたときのだ。羨まし―――じゃない。今考えるべきことはそれではない。

とにかく、俺が発案者なら渚は実行犯だ! これを指摘すればいいんだ! 仮に同罪になったとしても、実行犯の渚の方が先に罰が執行されるはず。その間に何とか逃げ出せれば問題ない!

(イケる! これなら俺の尻は無事だ! すまない、渚。俺の尻のために犠牲になってくれぇぇぇぇぇぇ!)


Side out











Side 渚


(く、くるしい・・・・・・息が・・・・・・・)

 3人抱きしめられる際に、僕の顔はリアス先輩の豊かな胸へと埋められてしまい、呼吸ができなくなっていた。ある意味羨ましいだろうが、このままでは死んでしまう!

「下僕の躾は主の仕事。あなたは発案者なのだからお尻叩き千回よ♪」

 リアス先輩がそう言って、離れて行った。

(プハ! ようやく呼吸できる・・・・・・・)

 酸素のありがたみを感じながら、呼吸を繰り返していると、兄さんがこちらをすまなそうに見ていた。なんだろう?

「部長、俺より部長のおっぱ―――じゃなくて、俺が発案者だとしたら渚は実行犯です! ここは実行した渚の方が悪いと思いますっ! 同罪だとしても、教唆した俺より実行犯の渚を先にするべきですっ!」

 え? 兄さん何言ってるの? ていうか、今「おっぱい」って言いかけたよね? 何を言うつもりだったんだ?

「そうね・・・・・・・。それもそうかしら(イッセーったらもしかして私のサポートを? このチャンスを活かせということね!)」

(あるぇ〜? もしかして、売られた・・・・・・?)

 そんな風に考えると、兄さんが僕の方をドヤ顔で見てきた。弟を売って、ドヤ顔なんかするんじゃないよ・・・・・・・。

「それじゃあ、この件が終わったらナギは買い物に付き合うこと。いいわね?」

「・・・・・・・わかりました(あれ? 思ったよりきつくなさそうだな。荷物持ちってところだろうか?)」

 兄さんも「バ、バカな・・・・・・」と言った表情をしている。

「さて、これでナギへの罰は決まったわ。イッセーお尻をこっちに向けなさい」

 今度は、こっちが兄さんに向かってドヤ顔をしたやった。しかし、兄さんはこれからやってくる尻の痛みに恐怖していて、こちらを見る気配がない。チラッと小猫ちゃんのほうを見ると、やれやれといった感じで肩をすくめていた。

「ア、ア、アアアアァァァァァァァァァァァァッッ!! くぁwせdrftgyふじこlpッッッ!!!」

 兄さんの悲鳴が公園に響き渡った。・・・・・・最後の方は何を言っているのかわからなかったけど・・・・・・。

「・・・・・・・南無」

 小猫ちゃんが兄さんに向かってつぶやいた。別に兄さん死んでないからね?

「それより、小猫ちゃん。リアス先輩は何を買うつもりなのかな?」

「・・・・・・・鈍感です」

 小猫ちゃんがぽつりとつぶやく。

「鈍感? いやいや、それが恋愛のことを言ってるんだったら勘違いだよ。僕みたいな女顔がモテるわけないだろう?」

「・・・・・・・自覚があるようで自覚がないんですね」

 小猫ちゃんの少し憐れみを含んだ視線が僕に向けられた。僕は当然のことを言っただけだと思うのだが・・・・・・・・・。

―ペシッ! ペシッ! ペシッ! ペシッ! ペシッ!

「尻がぁぁぁぁぁ! 尻が死ぬぅぅぅぅぅぅぅ!」

「会長っ! 許してくださいぃぃぃぃぃぃぃ!」

 リアス先輩と会長さんがお尻を叩く音と、2人の悲鳴はなおも続いていた。それをBGMに聞きながら、僕と小猫ちゃんはもう少しで日が暮れそうな空を2人で見上げた。虚しい。


Side out





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後書き


これが今年最後の更新になります。次の更新は早ければ明日になる予定です。

なんとか冬休み中に3巻は終わらせたいので、頑張ります!

それではみなさん、よいお年を!

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