小説『真・恋姫†無双〜外史の守り手〜』
作者:ブリッジ()

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―――――――――前書き―――――――――

ちょっとピンク描写入ります。これからも結構入ります。

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萌将伝編第3話〜桃園の誓い、結ばれる想い〜















五胡の国から帰国し、早1週間。平和な日々が続いている。成都の街では兵も民も笑顔が溢れている。もちろん、これは良いことだ。良いことなのだが・・。

「暇だな〜・・」

この外史に戻って来てから俺は結構暇を持て余している。ぶっちゃけ絶賛ニート中だ。やる事がないわけではない。治世は治世でやる事は山積みだ。だけど俺にはほとんど仕事が回ってこない。政務等は朱里達軍師を初めとする将達が頑張ってくれているし、決済等は桃香が頑張っている。

俺の現在の仕事は会議に参加し、ご意見番の役割をこなしたり、新しく提案した政策等の俺にしか判断出来ないものの決済だ。それ以外は自主鍛練や武官や兵達の手解き(自主的)をしたり、街に出て民と話をしたりしている。1度仕事を貰いに桃香や朱里の元に行ったのだが・・。

『今まで私達はご主人様頼りきりだったから、これからは私達に任せて。もちろん、分からない事があったり、手が回らなくなったらその時はご主人様に力を貸してもらうから♪』

と、言われてしまった。そう言われてしまうと、無理にとは言えないので、『困った事があったら言ってくれ』とだけ言って俺は皆の好意に甘える事にした。今日も今日で朝の朝議を終えた後早々に手透きになってしまったので、俺は調練場に向かった。























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調練場に着くと、兵達が訓練をしていた。

「次、来て!」

鈴々が叫ぶと、兵10人が鈴々に向かっていった。

「はぁ!」

鈴々が蛇矛を一閃すると、兵が5人吹き飛ばされ、残りもすぐさま鈴々に倒された。

「次、来て!」

もう一度鈴々が叫ぶと、次の10人が鈴々に向かっていった。


















・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・


2時間程が経ち、千人程居た兵は10人1組で鈴々に挑んだが、全員鈴々に倒された。

「もう〜、皆平和ボケし過ぎだよ! もしまた何かあった時それで戦えるの?」

鈴々が兵達を叱った。しかし兵達に返事をする気力は残されていなかった。

今の鈴々相手じゃ、10人1組じゃ無理だろう・・。

「もう、しょうがないな〜、今日の訓練はここまで、解散!」

そう告げると鈴々は踵を返した。俺はそれを確認すると、鈴々の元に向かった。

「お疲れ様」

「あっ、昴! 来てたんだ!」

鈴々は俺を確認すると、俺の元に駆け寄った。

「見事だったよ」

「私だって日々強くなってるからね。もっと強くなって次の天下一品武道会で今度こそ恋と凪に勝つんだから!」

「そうか、そうだよな」

天下一品武道会・・。

乱世が終結し、治世となれば武官の必要性は少なくなる。だが武官の武を埋もれさすのはもったいないという話になり、年に1度、天下一品武道会が開催される事になった。鈴々は第1回大会は決勝で恋に敗れ、第2回大会は準決勝で凪に敗れた。第3回大会は準決勝で恋に辛くも敗れてしまった。そういや、第4回大会がもうすぐ開催されるんだよな。気合い入るよな。

「ま、頑張れよ」

「うん!」

俺は鈴々の頭を撫でた。その瞬間・・。

「「「「ヒューヒュー♪」」」」

先ほどの兵達がからかい混じりの口笛を吹いた。

「ふーん。まだそんなに元気あるならもう1回私と訓練しようかな?」

「「「「失礼しました〜!」」」」

兵達はマジ土下座をした。

「まったく・・、それじゃ昴、行こ!私お腹空いちゃったから何か食べよ♪」

鈴々は俺の手を引いて街に向かった。俺と鈴々は屋台でラーメンを食べた。容姿や言動が大人になっても鈴々の食欲は相変わらずだった。その後、服屋に行き、鈴々の服を選んだり、露店で装飾品を見たりして回ったして1日を終えた・・。





















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翌日も、相変わらずの手透きで、手伝いを申し出ても遠慮されると言った具合だ。城内をうろうろしていると、渡り廊下を歩く愛紗を発見した。

「よっ、愛紗」

「ご主人様、これからどちらに?」

「特に目的はないよ、皆が俺の事を除け者にするから暇で暇で・・」

「除け者等と! 我々はご主人様をそのような扱いをするつもりは・・!」

「冗談だから真に受けるなって」

「もう、ご主人様・・」

愛紗は口を尖らせて拗ねてしまった。

「ごめんごめん。愛紗はこれから星と翠の隊と合同訓練だっけ?」

「はい。乱世は終結致しましたが、まだちらほら賊の姿は見られますし、何かあった時の為、日々訓練を欠かす訳にはまいりません」

「うん、そのとおりだな」

「それでは私はこれで・・」

愛紗は踵を返して調練場へと向かおうとする。

「愛紗」

俺は愛紗を呼び止めた。

「何でしょう?」

「愛紗は確か明日は休みだったよな?」

「はい、そうですが・・」

「ならさ、明日2人で何処か行かないか?」

「っ// そ、それは、つまり・・」

「ああ、愛紗さえ良ければどうだ?」

「はい! 是非お願いします!」

「良かった。なら明日な。訓練も頑張れよ」

「はい! お任せください!」

愛紗は嬉々とした顔を浮かべ、調練場に駆けていった。

喜んでくれて何よりだ。

「さてと・・」

今日は街にでも行って警備隊の手伝いにでも行くか。






















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さらに翌日、約束通り愛紗と2人で出掛ける為、愛紗を迎えに行ったのだが・・。

『わ、私は少々準備がありますので、お手数ですが、ご主人様は先に城門で待っていて下さい』

と言われたので俺は先に城門で待っている。

「遅いな」

かれこれ30分くらい待っている。改めて迎えに行こうかなとか考えていると・・。

「お待たせ致しました」

おっ、来たか。俺が振り返るとそこには・・。

「随分・・っ!?」

とても艶やかなチャイナドレスに身を包み、薄く化粧をした愛紗が居た。

「ど、どうでしょうか//」

「あ、ああ、良く似合ってる。とても、綺麗だ//」

俺は視線を反らし、素直な感想を言った。

「ふふっ、それでは参りましょう」

フニュン・・。

愛紗が俺の腕を取った。愛紗の大きな胸が俺の腕に当たった。

「ああ、行こうか//」

俺は何とか動揺を悟られないように歩き出した。























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俺と愛紗は腕を組みながら店や露店見て回った。ある程度見てまわるとちょうど昼食時になったので、なかなか評判のある飲食店に入った。

「で、ではご主人様、あ〜ん//」

等と言うやり取りもありながら2人で楽しく食事をした。その後は愛紗に似合いそうな服を選んだり、街の大道芸人の芸を見たりして楽しんだ。やがて、2人で街の外の小さな小川に足を運んだ。

「賑やかな街も良いが、こういう静かな所も良いものだな」

「そうですね」

俺達は程よい大きさの石に並んで座った。

「本日はお誘いいただき、ありがとうございます」

「喜んでくれてなら何よりだ。・・そうだ、今度は愛紗の手料理でも食べたいな」

「はい! 是非腕を奮って用意致します!」

「ははっ、楽しみにしてるよ」

「・・・」

「・・・」

やがて俺達は無言になり、小川の流れる音だけが辺りに鳴り響いている。

ポスッ・・。

「愛紗?」

愛紗が徐に俺の肩に頭を預けた。

「ご主人様・・」

愛紗が俺の名を呟く。俺はそんな愛紗の頭を撫でた。

「ん//」

愛紗は一瞬体をビクッと震わせたが、すぐに俺に身を任せた。やがて愛紗は俺の肩から体を離し、そして・・。

「ご主人様・・。大好きです」

愛紗は俺に想いを告げた。

「愛紗・・」

愛紗は潤んだ目をこちらに向け、俺の瞳をただ見つめている。

「俺で良いのか? 俺は戦争しか取り柄の男だし、何より、気が多い男だぜ?」

「ご主人様でなければ駄目なのです。誰よりも強くて、誰よりも賢くて、そして、誰よりも優しいご主人様でなければ・・」

「愛紗・・」

「気が多いのは構いません。私だけを見てほしいという気持ちが無いと言えば嘘になりますが、こんな素敵なご主人様なんですから、他にも私同様に愛する人が居るのは必然です。私の事も愛していただければ、私は満足です」

「愛紗・・。ありがとう」

「ご主人・・ん・・」

俺は愛紗が俺の名を言い終える前に口付けをした。1分程の時間口付けをした後、俺は愛紗から頭を離した。

「愛しているよ、愛紗」

「ご主人様・・!」

俺が愛紗に想いを告げると、愛紗の瞳から涙が溢れた。俺はそんな愛紗をきつく抱きしめた。























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やがて日が沈み、俺達は城へと戻った。愛紗別れる前に一言・・。

『桃香様の元へ行ってあげて下さい』

と、一言だけ告げた。俺は無言で頷き、桃香の元へ向かった。






















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※※※※


桃香の居る執務室に行くと・・。

「ん〜〜〜〜! 終わった〜!」

桃香が大きく伸びをした。

良かった。ちょうど政務を終えたみたいだな。

「お疲れ、桃香」

「あっ、ご主人様♪」

桃香は俺に気付くと俺に駆け寄った。

「今日は楽しめた?」

「楽しんできたよ。」

桃香は真剣な面持ちになり・・。

「愛紗ちゃんから聞いた?」

「・・ああ、愛紗の気持ちを聞いたよ」

「ちゃんと応えてあげたんだね」

「・・俺の気持ちを伝えたよ」

「・・良かった。愛紗ちゃん、ずっとご主人様の事大好きだったのに、ご主人様にわがまま言ったりして迷惑ばかり掛けたからって、ずっと気持ちを押し殺してたから・・」

「そうだったのか・・」

俺は愛紗にはかなり助けられたんだけどな・・。

「良かった。愛紗ちゃんが結ばれて」

「・・・桃香、俺は・・」

「うん、分かってるよ。ご主人様が大好きなのは愛紗ちゃんだけじゃないんでしょ?」

「正直、不誠実だとは分かってるんだけどな」

「ふふっ、英雄色を好むって言うし、ご主人様は皆の事を真剣に考えて、真剣に愛してくれてくれているんでしょ?」

「もちろんだ」

「なら私は・・、私達は良いよ。・・でもその代わり・・」

チュッ・・。

桃香は俺の首に手を回し、口付けをした。

「しっかり私達の事を愛してね♪」

「約束するよ」

俺は桃香を抱きしめた。

「あっ、そうだ! ご主人様、ちょっと待ってて!」

「?」

桃香が俺から離れると、執務室を飛び出した。5分程待っていると・・。

「と、桃香様、もう少し心の準備を!」

「桃香、鈴々は・・!」

桃香が愛紗と鈴々を連れて戻ってきた。

「お待たせ、ご主人様!」

「愛紗と鈴々を連れてきて、いったいどうしたんだ?」

「えっとね、ご主人様にお願いがあるの」

「お願い?」

「「っ//」」

何だろうな?心無しか、愛紗と鈴々の顔が赤いような・・。

「ご主人様―――」




















「私達三姉妹をご主人様の女にして下さい♪」



















「えっ?」

「やっぱり、私達は姉妹は一緒じゃなきゃ。死ぬときも・・、結ばれる時も♪」

「・・愛紗と鈴々はそれで良いのか?」

「は、はい、桃香様と鈴々と一緒ならば//」

「り・・私も桃香や愛紗が一緒だったら・・その・・//」

愛紗と鈴々はさらに顔を赤くする。

「・・・分かった。桃香、愛紗、鈴々、おいで」

「「「ご主人様♪」」」

3人が俺に飛び付いた。























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場所変わって俺の部屋。その寝台の中央に俺が仰向けで横になり、俺の左腕を枕に愛紗が、右腕を枕に鈴々が、俺の体の上に桃香が乗っている。

全員、産まれたままの姿で・・。

何があったかは・・、自粛という事で・・。

「ご主人様♪」

「昴様//」

「昴//」

3人が俺を見つめた。

「「「幸せにして(下さい)ね♪」」」

3人は俺に最高の笑顔を向けてくれた。




















ちなみにその日の朝陽は黄色かった・・。











続く

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