小説『未完結作品のオリキャラがリリカルな世界に転生しちまったよ・・・』
作者:DFGNEXT()

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第一章「Cross of StrikerS」

第二十四話「本物の強さとは・・・」



―翌日昼


「ふん、ふん、ふふふ」

へたくそな鼻歌を歌いながら食堂へと向かう
歌は得意なんだけど・・・

(ご機嫌だな、フォル)

(ようやく紫電一閃の強化ヴァージョンが完成しそうだからな)

「いやぁ、ついに変換資質二つ使った「双剣・紫電一閃」が
 使えるようになるのか、と思うともうね!」

というわけでフォルクローレです。
今言ったとおり、もう少しで「双剣・紫電一閃」が完成しそうです。
厳密にはまだまだ完成してないけど・・・

とりあえず一ヶ月はかからないはずだ。

さて俺が昼飯を食べていたときのこと。

俺が個人的な訓練をしている間に発せられたという、
ヴィヴィオの「なのはママとフェイトママどっちがつよいの?」
という言葉がきっかけで、フォワード陣は激論を交わしていた。

俺はそれを完全にスルーし、素直に昼飯を食べていた。

「やっぱなのはさんじゃない? 航空戦技教導隊の教導官で、
 負傷ブランクがあったとはいえ10年飛び続けた歴戦の勇士なんだし。
 エースオブエースは伊達じゃないだろうしね」

νガン○ムは伊達じゃないですね。わかります。
はぁ、あいつらどうしてるかね・・・

「でもフェイトさんだって事件の現場に向かい続けて、
 手荒な現場でも陣頭に立って解決してきた一線級の魔導師ですよ!」

「空戦ランクはなのはさんもフェイトさんも同じS+ですし」

ランクなんて飾りみたいなもんらしいけどね。
でもあの二人・・・だったらなのはさんのほうが勝つんじゃないかな?
空間把握能力が段違いだし、防御硬いし

「・・・ところでフォルはどうなのよ?」

「はい???」

おっと・・・飛び火してきた。

「なのはさんとフェイトさん、どっちが強いと思う?
 ほら、あたし達は、色眼鏡で見てるかもしれないし」

「うーん、そうですね・・・
 個人的にはなのはさんだと思いますね。その二人なら。
 空間把握能力とあの硬さ・・・速さのフェイトさんは苦戦すると思います
 けど・・・・・・」

「「「「けど?」」」」

「そもそも強い、なんてて言ったら副隊長達だっていますから、
 誰が強いかなんて分かんないんじゃないですか? みんな戦い方違いますし」

「「「・・・あ」」」

そして・・・その問が、機動六課に広がった。

「司会進行役のアルト・クラエッタでーす!」

あ、ありのままに今起こったことを話すぜ!
「俺はみんながなのはさんとフェイトさんの
 どちらが強いかを議論していると思っていたが、
 いつのまにかなんか最強を決める大会になっていた・・・」

な・・・ 何を言っているのか わからねーと思うが 
俺も 何をされたのか わからなかった・・・

頭がどうにかなりそうだった… 元凶だとかお前が言うな!だとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を 味わったぜ・・・

機動六課の駐機場に集まった人々の前で、
わざわざマイクを使い話すアルトさん。

「皆!機動六課で最強の魔導師は誰か知りたくないか〜?」
「知りたいでーす!」

その場にいた全員(俺を除く)はそう答えた。
そして、アルトさんは話を続ける。

「最強候補は5人!ヴィータ副隊長とシグナム副隊長!八神はやて部隊長!
 そしてフェイト隊長と説明不要の本命! エースオブエースなのは隊長!
 最強は一体誰だーっ!?」

とまあ簡単に言えば俺の言葉が引き金になって駐機場で
スバルさんとアルトさんが司会になってフォワードとメカニック陣で
六課最強は誰か!?を調査することになった。

そして皆で調べてみようということになった。
俺は何となくスバルさんについていってみた。





聞き取り調査。
八神はやての場合。

「個人での戦闘能力?」
「はい」

ティアナ・ランスターは最強は誰かを突き止める為に聞いた。
まず最初は総合SSランクを持ち魔力量も多いはやて部隊長だ。

「私は弱いよー」

「え? でも総合SSって言ったら
 単純な魔力だけでも凄いんじゃないですか?」

「まあ魔力はな。そやけど、高速運用はできひんし、
 並列処理も苦手やからなぁ。

 大魔力と高速・並列処理は衝突するんが普通や・・・。
 例外もいるけどな・・・・・・。

 そやから私の魔力運用は「立ち止まって展開&発射」だけなんよー。
 後方支援専門に殴り合い用のスキルなんか無意味やからな。
 適性の低いスキルを鍛えた所で効率も悪いし、
 ぶっちゃけ六課の前線メンバーで私がガチンコで
 勝てるのなんてキャロくらいとちゃうかー?」

「そ、そうなんですか!!?」




聞き取り調査。
ヴィータの場合。

「個人戦技能? 個人戦ったっていろいろあんだろ・・・」

エリオ・モンディアルは最強は誰かを突き止める為に聞いた。
相手は近接最強、古代ベルカ式を使うヴィータ副隊長だ。

「えーと、取り敢えず、平均的な「強さ」ってことで・・・」

「平均的な強さぁ? 追跡戦か、決闘か、
 戦闘状況や相性の違いにだって左右される。

 どんな状況でも平均的に強いってのは、
 要はなんでも屋ってことだが。

 マルチスキルは対応力と生存率の上昇のためであって、
 直接的な強さとは関係ねぇぞ?

 ひとりの人間がその時できるのは
 いつだってひとつのことだけだ。まあ例外はいるが・・・

 まあ、それはともかく、
 それが通用しなきゃ強いとは言えねぇだろ・・・

 エリオ。お前は強くなりてーのか、便利ななんでも屋になりてーのかどっちだ?」

「あ・・・・・・」

エリオ・モンディアルは強くなりたいのだ。
だからこそこの話題に乗っかったのだった。

今回あまり収穫があったとはいえなかったが、

ヴィータの言葉にあった例外の存在に気付いた。

(そういえば・・・フォルはそういう何でも屋を目指してたな・・・
 前世でも決闘してたとか言っていたし・・・

 あとでフォルにいろいろ聞いてみよう)





聞き取り調査。
シグナムの場合。

「まあ極端なことを言えば
 隊長陣4人でトーナメントでもすれば、わかると思うぞ。
 トーナメントの回数だけ優勝者は違うだろうがな。

 そのくらい力は伯仲している」

アルト・クラエッタは最強は誰かを突き止める為に聞いた。
聞いた対象はシグナム副隊長だ。

「まあ、あえて最強というのであれば、隊長ではないが
 フォルクローレだろうな・・・」

「それは弟子だからですか?」

そう言うアルトに対し、シグナムは首を横に振り

「いや、それもなくはないが、
 考えても見ろ。テレポートで肉体に瓦礫を埋められたら?
 「氷」で凍らされたら?「極雷」で攻撃されたら?」

それを聞いてアルトは青ざめる・・・
いろいろ皆から聞いていたが、
改めてその能力の恐ろしさを知ったからだ。

「つまり、敵を「殺す」という意味では最強はフォルだろう
 だが、お前達が聞きたい「最強」とはそれではないだろう?」





さて、端末を使って調べることに
没頭しているスバルさんをぼうっと眺めていると、

「フォルくん!」

後ろから声をかけられた。

「えっ ななななのはさんっ!」

「そ、そんなに驚くことは無いんじゃないかな? スバル・・・」

「す、すみません・・・」

なのはさんはちょっと傷ついてるっぽかった。
が、すぐ気を取り直したようで・・・

「それで二人とも、グリフィス君に聞いたんだけど、
 隊長達で誰が一番強いかに興味があるんだって?」

「はぁ、俺はただ着いていっているだけですが・・・」

「すみません、その・・休み時間中のちょっとした雑談で・・・」

スバルさんは謝りつつも
最強は誰かを突き止める為に聞いた。

「隊長たちで誰が一番強いか、かぁ。よく聞かれることだけど。
 スバル、フォルくん。こんな問題聞いたことない?」

「はい?」「なんでしょう?」

「『自分より強い相手に勝つためには、
  自分の方が相手より強くないといけない』」

「えと、聞いたことないです」

「俺は・・・聞いたことはないですけど・・・
 とりあえずそれを聞いて俺なりの答えというようなものは・・・」

俺達がそれぞれ答えると、

「じゃあフォルくんは先に答えあわせね」

(念話でお願いね)

なのはさんの声が頭の中で響く。
俺は同じく念話で答える。

【はい。まずその問いは
 自分よりも強い相手・・・つまり総合力で勝る敵を倒すためには
 ということだと考えました。

 だとすれば答えは自分の特化して強い部分を用いる。

 すなわち、どんな時も相手の短所、弱点を見極め
 最大限に利用して、

 かつ、自分の長所を生かそうとしなければならない。
 俺だったらテレポートによるトリッキーな戦法・・・でしょうか

 だから、自分にとっての得意部分を誰にも負けない
 というくらいの自信を持てるくらい

 自分自身を磨き上げること。という感じなんですけど】

といってもこれはあくまでも自分よりも総合力で強い敵の話
敵が強いのが特化したものなのであれば、
また違った答えになる。

【・・・うん、いい感じ。
 あ、それ皆には教えないでね。
 ヒントくらいならあげてもいいけどね】

【了解しました】

「うん、フォルくんは合格」

「えぇっ!」

「まあ、持論・・・ですけどね・・・」

驚いた声を上げるスバルさん。
いや、人生経験はこっちのほうが上だからね。

「じゃあスバル、フォワード陣の皆で相談して、
 『この言葉の矛盾と意味をよく考えて答えなさい』
 答えが出たら訓練の時にでも教えてもらうから。
 あ、フォルくんが出すのはヒントまでだからね」

「は、はいっ、ありがとうございます・・・」

スバルさんの少し情けない声が部屋の中で響いた。




「自分より強い相手に勝つためには、
 相手より自分の方が強くないといけない・・・?」

ティアナさんが呻いている。
ヒントはまだ教えていない。

いくら前世を含めれば年上とはいえ
「なんかプライドが許さない」らしい。

「えええ? ただの言葉遊びじゃないのよね?」

「個人的には言葉遊びにしか最初は聞こえませんでしたが
 まあ、フォワード陣なら答えは出せると思います。
 そういうものです」

ティアナさんの苦悶の声に俺がと多少意地悪く答えると
ティアナさんはますます頭を抱えた。

と、そこにエリオが手を挙げた。

「あ、僕わかりました! 強い相手に勝つためには、
 訓練重ねて相手より強くなればいいんです!」

「違います。
 それだと倒してるのは自分よりも弱い相手になるし、
 そんな簡単に強くなれたら苦労しないし
 そもそも質問の答えになっていない」

「えぇ・・・うーん・・・・・・」

俺は容赦なく即答。
エリオも頭を抱える組に入った。

と、そこにヴィータさんが通りがかる。

「おお、お前ら。108行きだがちと先行しててくれ。
 訓練開始時間にはあたしも入ってるからな」

「「「「はいっ」」」」

了解の意を示し、行こうとするフォワード陣を俺は少しだけ呼び止めた。
さすがにヒントは与えておこう

「大ヒントです。問題文の「二つの強い」の意味の違いです」

「・・・わかったわ。考えてみるわね」

「ありがとね、レーヴェ!」

「はい! 訓練頑張ってきてください!」

俺は元気よく返事を返した後
ヴィヴィオが居る部屋へと向かっていった。
とりあえず・・・取っちめてやる!




ギンガ・ナカジマとの相談。
フォワード達は高町なのはの問題を解決するために
ギンガ・ナカジマに聞いた。

「自分より強い相手に勝つためには、
 自分のほうが相手より強くないといけない?」

「そうなんだよー。なのはさんが出してくれた問題でさ。
 その言葉の矛盾と意味をよく考えて答えなさいって。
 ギン姉ならなにかわかるかなーって・・・

 フォルが出したヒントだと「二つの強さ」の意味の違い・・・
 らしいんだけど・・・・・・」

「その問題の答えはわからないけど。
 母さんがこう言ってた。

 刹那の隙に必倒の一撃を叩き込んで終わらせるのが打撃系のスタイル。

 出力がどうとか、射程や速度や防御能力がどうとか、
 自分と相手のどちらが強かろうが、そんなの全部関係ない。

 相手の急所に正確な一撃。狙うのはただそれだけ。私はそう思ってる」

ギンガ・ナカジマの強さがそうであるように、人それぞれ強さの定義が違う。
だからこそ・・・高町なのはが出した問題の答えはでようとしていた・・・。




スバル・ナカジマSide

ガジェットが出てきたので訓練が中止になり、
状況確認とガジェットの撃破が終わってから帰ってきた後。

「・・・と、そんな感じなんですが」

あたしは目の前のなのはさんに向かって答えを告げた。
ギン姉の考えを聞いてから、フォルのヒントをちゃんと考えた結果だ。

「・・・ふーん。ちなみにだけど・・・
 フォルくんはどんなヒントを出したの?」

「えっと、『「二つの強さ」の意味の違い』って」

そのあたしの一言に、なのはさんはにこりと微笑んだ。

「・・・そっか。じゃあそれが正解かどうか、
 これからきちんとで確かめていかなきゃね」

・・・えっ?

「な、なのはさんっ!! 正解は教えてくれないんですかッ!?」

「明日の朝練で多分わかるよ」

「えええぇぇぇ!」

後日、フォルにも聞いてみたけど、
「あのヒントで具体的な答え出せなきゃ駄目です。
 少なくともティアナさんとエリオは答えを出しました」
と、やっぱり教えてもらえなかった・・・・・・


スバルSide out


「本物の強さ・・・か・・・」

家に帰り、ベッドの上に寝ていた俺はそう呟いた。
前世から考えていたもの・・・その答え・・・

「強さっていうのは・・・人によって違うと思うけど・・・
 本物の強さは・・・多分・・・

 「自分以外にも使える力」だと・・・俺は・・・思う」

数々の世界を回った・・・
親友と決闘をした・・・

その中で見つけた・・・答えだった・・・

それが合っているかは・・・誰にもわからない・・・



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