小説『未完結作品のオリキャラがリリカルな世界に転生しちまったよ・・・』
作者:DFGNEXT()

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第一章「Cross of StrikerS」

第二十三話「桜井義人の考え方」


次の日・・・

六課に寄ってみたら、
なのはさんとフェイトさんをママと慕うヴィヴィオの姿があった。

「あ、フォル!」

「よっ、ヴィヴィオ」

俺を見て顔を輝かせるヴィヴィオに軽く手を挙げて挨拶。
顔はもちろん、スマイル、スマイル

ホント、この世界きて笑うようになったな・・・

「またおはなしきかせて!」

「了解、聞かせてやるよ」

「わーい!」

ヴィヴィオは俺の言葉に手を挙げて喜ぶ。
するとやや遠くから声が聞こえた。

「それじゃあ今日の訓練は終わり!」

「「「「ありがとうございました!」」」」

「そういや今日行ってなかったな・・・」

今日は学校行ってたからな。
訓練してないや・・・
まあ明日でいいか・・・


すると部屋にエリオ達が入ってきた。

「あ、フォル! 来てたんだ」

「ついさっきな。訓練お疲れ」

エリオの声に返事を返す。

「それよりさっさとシャワーを浴びてこい
 汗臭い男は嫌われるぞ?」

「わかってるよ。」

急かす俺にエリオは返事を返す。
その後すごいスピードで走って行った。



「やっほー」

「こんばんは」

「・・・あれ? お二人さん何故こちらに?」

ヴィヴィオに昔話をしていると
スバルさんとティアナさんがエリオとキャロに続けて現れた。
四人ともシャワーを浴びてすぐに来たのか、少し頬が赤い。

「二人が面白いって言うからさー」

「どんなものか興味があって」

あっそうですか。
そういや二人も聞いてたっけか



「じゃあ今日は・・・ちょっと早いですが、こわ〜い怪談でも・・・」

「へぇ〜フォルってそういうのも知ってるんだ」

「でも私たちを怖がらせることはできるかしら?」

「さすがにそれはわかりません。というよりヴィヴィオが居るんで
 あんまし濃いのはやりませんよ?」

そう言っていたらヴィヴィオが俺の腕をつかみ

「・・・怖いの・・・?」

「そうだよ、一応・・・ヴィヴィオは聞くのやめとく?」

そういうとヴィヴィオは首を横に振り

「ううん、聞く!!」

「そう、じゃあ始めますよ」

そう言うと俺は話をし始めた・・・


 これはほんの数年前の話になります。

 私はクラナガン・某区のアパートを借りたのですが、
 このアパートの様子が今となってはかなり変でした。

 築年数はそんなに古くなく、
 ちょっと日当たりが悪いもののそんなにひどい環境ではありません。

 ただ、ちょっと水はけが悪かったり、
 珍しい木造のせいかたまにきしみが聞こえてくる事はありました。

 住み始めて六ヶ月ほどは何もなかったのですが、
 ある日、友人が泊りがけで遊びに来た時、
 友人はふとこんな事を話していきました。

 彼女が言うには、「何か動物の鳴き声のようなものが聞こえる」との事。

 それはどうも彼女にしか聞こえないようで、
 私には全く聞こえていません。

 しかも、忘れた頃に近くから聞こえてくる感じだそうです。

 そのアパートはペット禁止で誰も飼っていないはずです。
 でも、彼女は確かに聞こえると断言します。

 私はそういう不気味な話がニガテなので、
 何度も彼女に向けて「やめて」とお願いしました。

 もちろん彼女もわかってくれたのですが、
 それでも、声が聞こえたらしい時に、
 顔を上げたりするため、私にも聞こえたというのがわかってしまいます。

 結局、その晩は私達が寝る頃まで何度となく聞こえたようで、
 布団に入ってからも、たまに「あっ」とか声を漏らしていました。
 だんだん腹が立ってきた私は布団をかぶり無理矢理眠りました。

 翌朝、起きて私は驚きました。
 起きて来た友人がの顔色が悪いのです。

 私は友人にどうしたのかを聞きました。
 どうも、彼女はまともに寝られなかったそうです。

 それ以上追求しても答えてくれなくて、
 その日は結局、そのまま解散してしまいました。

 この時点では、相変わらず私には動物の鳴き声など
 全くと言って良いほど聞こえてはいませんでした。

 ところが、それから二、三週間くらい経った日の夜、
 私は布団でゆっくり寝ていました。
 突然、私の耳に猫の鳴き声が聞こえてきました。

 それは死にかけているような弱々しいものでした。
 この頃には、あの友人の話もほとんど忘れかけていたので、
 あまり深く考えず、素直に猫の居所を捜してしまいました。

 声は、隣の部屋の押入れの奥から聞こえてきます。
 壁の向こうから、かすかニィニィという声が聞こえました。

 最初は、お隣の部屋に猫が居るのではないかと思いました。
 私は、大家さんに電話で事情を説明して、
 隣の部屋を調べてもらえるようお願いしました。

 しかし特に何もなかったという報告を聞いて
 私は数日前の友人の言葉を思い出しました。

 急に怖くなってきた私は、
 その日は家の中の用事を手早く済ませ、
 あの時の人とは別な友人の家に泊まる事を決めました。

 そのための準備をしようとしましたが、
 着替えが置かれているのが寝室に使っている部屋なので
 あの声が聞こえる押入れを嫌でも見なければなりません。

 そうして見にいくと、いつのまにか、
 となりの襖が開いていたのです。
 その隙間からは口で言えないくらいの
 不気味な空気・・・非常に嫌な空気が漂って来ていました。

 着替えなどの荷物を取るために、
 どうしてもその近くに行かなければならないので、
 私は、なるべくすぐ立ち去れるような姿勢で、タンスを開けました。

 その時、突然肩がズシッと重くなり、
 すぐ耳元で、女性のうめき声が聞こえました。

 多分、タンスを開けてから数秒もなかったと思います。
 私は、もう一歩を動けなくなり、そのままじっとするしかありませんでした。
 そして、しばらく経って、その今までうめき声だと思っていたものが、
 うめき声ではなかった事に気付きました。


助けて

苦しい

欲しい


 死んで欲しい


 ずっと、そんな感じで繰り返しているのです。

 私は驚くを通り越して硬直していました。
 急いで準備をし、逃げるように友人の家に行きました。
 しかし、友人の家に行っても朝起きるまで
 肩への重さは取れませんでした・・・

 翌日、大家さんに事情を説明し、
 昔この部屋で何かなかったか尋ねましたが、
 話をはぐらかされるだけで結局何もわかりませんでした。

 結局、私はもうこの部屋には居たくなかったので、
 複数の友人の家を転々として、お金を貯めすぐに引越しました

 今でも、そのアパートと部屋は健在です。
 その近くを通りかかったときにあらためて外から見ると、
 なんでこんな不気味な所に住めたんだろう、という気すらしてしまいます。

 その部屋に今誰か住んでいるか、昔なにかあったのか

 それは今でもわかっていません・・・


「・・・てな感じなんですが・・・ってあれ?」

「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」

おや、皆さん黙りこくっちゃって

「正直自分はあまり怖くはない話だったんですが・・・」

「フォ、フォルがそれ作ったの?」

エリオはそういう・・・だけど

「いんや、前にどこかっで見たことが
 あるような話しを思い出していただけ」

厳密には想造主が、だけどね。

「・・・は、ははは・・・」

「意外と皆さん怖がりなんですね」

ティアナさんまで・・・

「「「「はははは・・・」」」」

他の皆も大体同じような感想のようだ。



「じゃあヴィヴィオ、また来るからなー」

「うん!」

笑顔での見送りを受けて、部屋を出る。
なぜかエリオがついてきた。
少し口ごもりながら話しかけてくる。

「あのさ、フォル・・・」

「ん? なに?」

「ヴィヴィオのことなんだけど・・・」

真剣な表情でエリオが言うので、取り敢えず向き直った。

「出来ればどんなことがあっても、彼女が何者でも、
 友達として側にいてあげてほしいんだ」

「彼女が人造魔導師であっても・・・か・・・お前と同じ・・・」

「!!??」

俺のその言葉に驚くエリオ
だが俺は職業柄もあるがなにより
フェイトさんから直接聞いているのだ。

知っていたのはある意味で必然だったが・・・

「・・・知ってた・・・の・・・?」

「あぁ・・・前にフェイトさんから聞いてたからな」

「・・・ねぇ・・・フォルはそれを聞いて何か思わなかった?」

エリオは恐る恐るといった感じで聞いてくる。
まあ確かに本人は気にするよな、でも・・・

「別に?こっちの世界でも
 いるんだなぁってくらいにしか・・・」

・・・あっやば!

「こっちの・・・世界・・・?」

あぁ言っちまった・・・
父さんのとき見たくやっちまったな・・・
まあいいか、そこまで問題でもあるまい。

「・・・知りたい・・・?後戻りはできないよ?」

「・・・うん、大丈夫だよ・・・。
 知りたい。フォルについてもっとよく・・・」

「そう、じゃあ言うよ。
 もちろん今から言うことはすべて事実だ。
 だから信じてくれよ?」

「うん、信じるよ」

そう言って頷くエリオ
俺はきちんと向き合う。

「じゃあ、言うぞ・・・俺は・・・」

「俺は・・・?」

「・・・転生者・・・なんだ・・・」

「転生・・・者?それは一体?」

「簡単に言えば、別の世界で一生を終えた
 人間が再びよみがえる事。
 そういう場合は輪廻転生と呼ばれることが多い

 対して俺のは記憶も魂も能力も元のまま受け継いだ
 転生さ・・・」

「別の世界の・・・人間だったってこと?」

「そうなる。そして向こうにも魔法があった。
 こちらのものとは根本的に違うが、な・・・

 俺が持ってるデバイス二人も向こうの世界の道具だし
 グリーンフォースとテレポーテーションは向こうの魔法だ。

 ・・・まあグリーンフォースは俺のレアスキルで在ってるが・・・」

「どうして・・・この世界に?」

「知らん、俺を勝手に転生させた神様が勝手に送っただけだからな」

「そう、じゃあどうして・・・死んだの?」

少し口ごもるエリオ
まあ人の死を語るのは確かにつらいわな

「親友との決闘で負けて・・・。だな・・・

「親友と決闘?どうしてそんなことしたの?」

エリオは普通の人間なら当然思い浮かぶ疑問を投げかける。

「俺が向こうの世界で不治の病を持っていたから。
 最後にあいつと本気で戦いたかった。ただそれだけ・・・」

「その親友は止めなかったの?親友なんでしょ?」

「あいつは優しいからな。
 事情を察して二つ返事で了解した。
 まあ裏があったが・・・】

「裏?」

「そいつは寿命の半分を犠牲に人を蘇生できる。
 別世界の使者によって身につけた望まざる力・・・だ。

 それを使うことで死んだ俺を蘇生。
 かつ病気を治す予定だった・・・らしい・・・」

「でもそれならなぜフォルは死んだの?」

「さっき言った通りこちらの世界の神様が勘違いして
 俺を転生させようとしたから」

「なるほど・・・でも・・・
 人造魔導師がこっちの世界にも居るっていうのは・・・?」

「言葉通りの意味。
 まずそもそも俺達の世界はクローン製作が一部認められているんだ。
 ある一人の科学者がある人物・・・まあさっき言った俺の親友
 彼のクローンは作っていいんだ」

「へぇ・・・でも良く認められたね。
 普通はそういうのって倫理的問題から
 反対されたりするものじゃない?」

「確かにそうだけど・・・まああの世界は特別仕様だし
 そもそも研究用クローンは意思を持たせることは
 禁じられてるし、万が一意思を持ってしまったらそのときは
 普通の生活ができるようにアフターケアしてくれるしね。
 少なくとも正規で作られたクローンは
 程度の差は有れ幸せだっただろうよ。」

そもそも生まれたこと自体恨んでる人も居たかもしれないが
そんな感情程度なら普通の生まれでも発生するもの・・・
だから特別問題視はされなかったな。

「なるほど・・・確かにそれだったら幸せだったと思う・・・
 僕はクローンを突き止めた研究機関の人によって
 研究施設で・・・いろいろ醜い目に合っていて
 一時期は重度の人間不信だったし・・・

 研究施設にいた頃は完全に監禁された状態で
 星すら見たことが無かった・・・から・・・」

「そうかい・・・」

「でも・・・そういえばさっき言ったのは正規のクローンだよね?
 それとは違うクローンは・・・どうしたの・・・?」

「少なくともクローン人間55553人は・・・・・・
 ・・・・・・・・・俺が・・・誕生前に虐殺した・・・・・・】

「・・・えっ!?フォルが!!??嘘でしょ!?」

エリオは信じてくれていないようだ・・・
ありがたいな・・・少なくともこれはフォルの罪じゃないから・・・

「・・・さっき言ったとおり
 こっちの世界では病気の研究の目的のために
 俺の親友・・・「八神堅児」のクローンを作ることは
 国際法で許可されている。

 だけど悪いやつはいるもんで、
 そのヒトゲノムデータを盗み
 計55556体の戦闘用クローンを量産していた奴が居た。

 こちらの世界では意思を持ったクローンは人権を保障される。
 かわりにその前はもの扱いすることができる。

 だから意思を持つ前に・・・。
 全員を・・・正確には一人を残して殺した・・・」

俺は俯き・・・下のほうを見る。

「そう・・・なんだ・・・」

「わかったか、俺はそういう殺人鬼だよ。
 罪(Crime)ではないが罪(Sin)だ・・・

 だからお前がクローンだろうがなんとも思わない。
 俺が知ってる「エリオ・モンディアル」は死んだほうではなく
 おまえ自身なんだから・・・」

「そう・・・ありがとう・・・」

「それを言うのはこっちのほうさ・・・
 さっきと逆になるけど・・・

 こんな俺だけど・・・これからも友達でいてほしい」

そういって俺はエリオの目を見ていた。
エリオはその言葉を聞いて答えを返す。

「もちろんだよ。今までも・・・これからも・・・
 ずっと友達・・・あの時会ったときからね」

「そうか、ありがとう・・・」

「うん、ところで・・・前世ではなんて名前だったの・・・?」

「ん?あぁ・・・前世でのね・・・僕の名前は「志村圭哉」
 享年16歳・・・家族はいなかった」

「そう・・・なんだ・・・」

「ついでにネタバレしておくよ・・・

 俺は機動六課諜報特別秘密部隊 特別隊長 フォルクローレ・シュテンゲル。
 さらに機動六課ライトニング部隊 ライトニング5・・・

 お前と同じ・・・隊員だ・・・」

「えっ?」

突然のカミングアウトに驚くエリオ
俺はその顔にクスリッと笑い

「じゃあ、そういうことで
 ちなみに転生のことは
 はやてさん、シグナム師匠、ティアナさんが知ってるし
 さっきの俺が六課メンバーだっていうのは
 三人以外にフェイトさん、リインさんが知ってるよ」

そう言って俺は手を振りながら・・・

「それじゃね。あとヴィヴィオのことは任せといて」

そう言うと俺はテレポートで家へと帰った。

「ありがとう・・・フォル・・・」

エリオはその姿を見た後目元に涙をためていた・・・。





:後書き

作者「久々投稿でちょっとグダグダ・・・かな・・・?」

フォル「確かに・・・」

作者「ところで今回出てきた怖い話って前にどっかで聞いたか、見たことがある話
   をもとに作ったんだけど・・・これって盗作になるのかな?」

フォル「さぁあ?」







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