昔、昔、世の中には魔法がありました。
魔法は悪しきものを挫き、弱きものを助ける。
そう、人々の光でした。
しかし、魔法は才能がある人にしか使えませんでした・・・
当然、快くないものが現れてきます。
その者達に賛同する者も増え、遂には魔法そのものが追放されることになりました・・・
「あなたは生きなさい、生きて人々の『希望』になりなさい」
そう、私を育ててくれた人は言ってくれた。
私を育ててくれた人は私が化け物でも・・・みんなに恐れられていても、ただいつものように接してくれていた。
周りが騒がしい、人の悲鳴が聞こえる。
思うことはできても口がいうことを聞いてくれない。
「あなたは私が愛した娘。それだけは忘れないでね。」
嫌だ!言葉が出てこない。
なぜ?私は化け物だ、周りの人々からも嫌われていた、なら、私が化け物の役目を果たせばいいだけだ。
・・・なのに、なぜ?
「さぁ、・・・なさい・・・エ・・・リ・・・。」
意識はやがて周囲の音を聞き取れなくなり、視界は暗闇に閉ざされていった。