小説『Lost Magic』
作者:イズミ()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

昔、昔、世の中には魔法がありました。
魔法は悪しきものを挫き、弱きものを助ける。
そう、人々の光でした。
しかし、魔法は才能がある人にしか使えませんでした・・・
当然、快くないものが現れてきます。
その者達に賛同する者も増え、遂には魔法そのものが追放されることになりました・・・


「あなたは生きなさい、生きて人々の『希望』になりなさい」

そう、私を育ててくれた人は言ってくれた。
私を育ててくれた人は私が化け物でも・・・みんなに恐れられていても、ただいつものように接してくれていた。

周りが騒がしい、人の悲鳴が聞こえる。
思うことはできても口がいうことを聞いてくれない。

「あなたは私が愛した娘。それだけは忘れないでね。」

嫌だ!言葉が出てこない。
なぜ?私は化け物だ、周りの人々からも嫌われていた、なら、私が化け物の役目を果たせばいいだけだ。
・・・なのに、なぜ?

「さぁ、・・・なさい・・・エ・・・リ・・・。」

意識はやがて周囲の音を聞き取れなくなり、視界は暗闇に閉ざされていった。

-1-
Copyright ©イズミ All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える