時は過ぎ、現代・・・
時計の鳴り響く音が聞こえる。
「・・・うぅ?」
寝ぼけながら頭を上げると目覚まし時計が鳴っていた。
「ったく、誰だよ。って俺が設定したんだよな。」
全く、学校なんかなくなればいいのにっと思う。
だが、しかし行かなければならない。
俺は眠い目をこすりながらも布団から起き上がる。
「ナオキ〜!!起きてるの〜?」
玄関からよく通る声が部屋まで響く、相変わらず元気だな。
「起きてるよ!」
「朝ごはんの用意をしておくから早く支度してよ!!」
忙しい足音が居間へと向かっている。
「ふぁ、」
4月も半分が過ぎ俺の高校生活2年目は順調に過ごしている。
・・・あぁ、そうそう俺は『五刀 直樹』。
平和を心から望むただの高校生だ。
あいつからは『ジジくさい』って言われるけどな。
「直樹〜!!遅刻しちゃうよ!!」
「はいはい、すぐ行くって!!」
身支度を終え、居間へと向かうと味噌汁のいい匂いが鼻の中を抜けた。
「お、今日も美味そうだな♪」
「お母さんが煮物を少し工夫してみたからって言ってたよ。」
台所から茶碗にご飯をよそってきてくれたのは、幼馴染の『村江 香苗』だ。
香苗は両親が家を空けている俺の家に朝ごはんを作りに来てくれる。
「ん、上手いな。野菜ばかりの煮物もいいけど鶏肉も中々・・・」
「そっか、じゃあお母さんに言っておくね。」
「あぁ、いつもありがとって伝えといてくれ。」
香苗も俺の向かい側に座り、朝ごはんを食べ始める。
「そういえばさ、クラスはどうなの?友達はできた?」
「まったく、そんなに心配するなよ。大丈夫だって、去年から一緒のやつだっているからな。」
香苗とはクラスまでは違うが同じ学校だ。
で、結構この幼馴染は世話好きらしい、しょっちゅう俺のことを聞いてくる。
「俺の事は平気だから、香苗はどうなんだよ?」
「私?私はいつもどおりだよ。」
「変わんねぇじゃねぇかよ・・・」
「なんか、言った?」
「いえ、何も言ってません。」
香苗には口では絶対に勝てない、昔からそうなのだ。
かと言って、手を出すわけにはいかない。
こいつが男だったら容赦なくやっているんだけどな・・・