小説『織斑一夏の無限の可能性』
作者:赤鬼()

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Episode22:決着!




【セシリアside】


「ああああああっ!!!」


目の前でラウラ・ボーデヴィッヒが身を裂かんばかりの絶叫を上げたかと思ったその後に起こった出来事にわたくしは言葉を無くした。

訳が分からなかった。ブルー・ティアーズの全ビットとライフルによる同時攻撃でラウラ・ボーデヴィッヒを追い詰めていた筈なのに......。

シュヴァルツェア・レーゲンの装甲をかたどっていた線は全てぐにゃりと溶け、どろどろのものになって、ラウラ・ボーデヴィッヒの身を取り込んだかと思えば、徐々にまたその粘土細工のようなものは形を成していく。

再度、姿を露わにしたラウラ・ボーデヴィッヒに表情はなく、眼帯に隠れていた目も露わになっている。しかも色が金―――いわゆるオッドアイというやつだろうか、初めて目にする。

そして先程までのISの形はなく、シュヴァルツェア・レーゲンがさらに重装甲になったような印象を受ける。

二次移行(セカンド・シフト)......?

でも、二次移行であるのなら、何故ラウラ・ボーデヴィッヒは無表情なのだろうか? その表情には生気も感じられない。

分からない。何が起こっているのか。


『オルコット、聞こえるか? 緊急事態発生だ。試合は中止だ。今すぐアリーナから脱出しろ』


「え? あ、はい」


織斑先生からの指示に従い、場を離れようとした瞬間―――


―――警告! 敵ISからのロックオンを確認―――


突然の目の前に展開されたウィンドウで警告画面が表示される。そして四方からのビット射撃に襲われる。


「っ!?」


咄嗟の事で反応が遅れてしまい、致命傷ではないが攻撃を受けてしまう。そしてどこから攻撃を受けたのか視界を巡らせ、驚愕した。

わたくしを襲う黒いレーザービットが4基展開されていたのだ。

BT兵器の開発・そして実働させているのは我がイギリスだけの筈だ。なのに何故、ドイツのISがBT兵器を展開させているのか。―――さらに肩部からもレーザービットを4基展開させる。現在展開されているものと合わせても計8基。数だけで言えば、ブルー・ティアーズの2倍の数のレーザービットを展開させている事になる。

そのまま計8基のビット射撃を出来る限り躱していくも、躱しきれるものではなくシールドエネルギーは削られていく。

わたくしは、わたくしはっ!

こんな所で負けるわけにはいきませんの!

このままでは逃げられないというのであれば、反撃あるのみ。

シールドエネルギーの残量は心許ないが何もせずに嬲り殺しになるのだけは嫌だから。

そのままビットを展開。先ずはこの厄介なBT兵器を全て叩き潰すだけ。


「行きなさい、ブルー・ティアーズ! 紛い物は所詮、紛い物である事を証明してみせます!」


ビット射撃に〈スターライト.mk?〉によるライフル射撃を同時に展開、8基のビットを撃ち落とす。敵は動かない―――つまり、8基ものビット操作による思考制御に手いっぱいなのだろう。

初めてビットを操作する敵に負けるわけにはいかない。


「このわたくしとブルー・ティアーズの前ではこれくらいの攻撃、何ともありませんわっ」


1基、2基......展開された半分のビット4基を撃ち落としていく。

しかし、相も変わらず、ラウラ・ボーデヴィッヒの表情は変わらない。ただただ、こちらを見つめるだけ。


「―――敵ハ殲滅スルノミ......」


残ったビットを操作しながらの瞬時加速(イグニッション・ブースト)。敵は動けない、そう思っていたからこその油断だった。


「なっ!!」


右手に展開された近接ブレードは親愛なる一夏様の雪片弐型に酷似している赤白いエネルギー状の刃を形成している。

一瞬のうちに至近距離にまで詰められ、上段からの一閃―――咄嗟に構えた〈スターライト.mk?〉が両断される。


「くぅっ!」


そして体制を崩したわたくしは敵のビット射撃に晒される。そのままシールドエネルギーも削られ、絶対防御を超え、相殺しきれなかった衝撃が体を襲う。

それでもラウラ・ボーデヴィッヒは攻撃の手を緩めない。弾道型(ミサイル)ビット2基も合わせての無慈悲なビット射撃による攻撃を繰り返す。

地表に叩きつけられたわたくしの機体は既に強制解除された。見下ろすラウラ・ボーデヴィッヒの目には何も映っていないかのように虚ろだ。

そしてわたくしに止めを刺すように近接ブレードを構え、突撃してくる。


―――わたくしの生涯ただ一人の想い人、一夏様......


―――あなたにもう一度逢いたかった......


―――あなたに抱き締めてほしかった......


だからなのか、気が付けば声を出して叫んでた。自身の想い人である、その人の名前を。


「一夏様ぁっ!」


最後の瞬間が恐くて必死に目を瞑ってた。だから気付かなかった。


「セシリア、悪い。―――待たせたな」


自身の想い人である一夏様が敵の攻撃を防いでいた。




【一夏side】


危なかった。

セシリアの機体は既に強制解除にまで追い込まれていた。後少しでも遅かったら、セシリアは―――。

最悪の瞬間が頭をよぎる。恐かった。

いつも傍にいてくれたセシリアがいなくなる事が......。だから許せない。目の前の敵を。


「......許さねぇ......セシリアを......よくもよくもぉぉぉ」


相手の近接ブレードを力押しで跳ね除け、続け様に斬撃の雨を降らせる。


「鈴! シャルル!」


敵が一瞬ひるんだ隙に何だかんだで付いてきていた鈴とシャルルにセシリアの回収を頼む。


「任せなさいっ!」


二人は即座にISを展開・装着し、鈴が負傷したセシリアを担ぎ上げ、アリーナから脱出するため、出口に向かう。迫るビットはシャルロットが迎撃しながら鈴の逃走の殿を務める。


「一夏、絶対に勝って」


「分かってるっ!」


まだ不安を残すシャルルの言葉に俺は首を縦に振り肯定し、目の前のラウラと対峙する。


「織斑一夏......敵ト認定―――殲滅スル」


対峙したラウラは無表情でその視線は虚ろ。

正気でない事が一目で分かる。せめてラウラが正気の時に決着を付けたかったが今はそうも言ってられない。


「来いよ、ラウラ。俺が目を覚まさせてやる」


「織斑一夏ハ敵―――殲滅スル」


ラウラの感情の無い声を合図にビットが展開される。セシリアが半分ほど撃墜したが、それでも4基のレーザービットが残っている。

そのまま背部に装備されていた大型レールカノンが反転し、俺に照準を合わせてくる。そして巨大な撃鉄音との後に実弾による砲撃が俺を狙う。


「あたるかよっ」


旋回して、その砲撃を躱し、スラスターを吹かし、瞬時加速(イグニッション・ブースト)で一直線にラウラに迫る―――も、ラウラも読んでいたようで右手を突き出し、AIC(アクティブ・イナーシャル・キャンセラー)を展開しようとする。

しかし、こちらにはバリアー無効化攻撃が出来る単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)、零迅雷光(れいじんらいこう)がある。

点による攻撃、つまり突きによる一点攻撃であれば、AIC(アクティブ・イナーシャル・キャンセラー)を無効化する事ができるはずだ。


―――白式、応えろ。


―――単一仕様能力、零迅雷光、発動―――


瞬間、俺を包む白式の肩部、腕部、脚部、胸部、スラスターの各装甲が展開し、露出した内部装甲が赤く発光し出し、雪片弐型のエネルギー状の刃も赤白く発光する。


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


雪片弐型がAIC(アクティブ・イナーシャル・キャンセラー)に触れた瞬間、その刃は停止する事無く、結界を突き破り、ラウラの肥大化した肩部アーマーを斬り裂いた。


「まだまだ―――、っ!?」


続けて追撃を行おうとするも、展開されたビット射撃に阻まれる。

間一髪で回避に成功するも、今度はワイヤーブレードを展開してくる。


「おいおい、マジかよ......」


レーザービットに弾道型(ミサイル)ビットによる射撃とワイヤーブレードの追撃の雨を振り切りながら距離を取る。

唯でさえ、厄介なのに、何故かブルー・ティアーズのBT兵器までをも使用してくるのは流石に厄介だ。


『織斑、ラウラのヘッドギアを破壊しろ。あのヘッドギアがあのシステムの基盤になっている事が分かった』


突如、俺の頭に千冬姉の声が聞こえてくる。どうやらラウラのISの状況が解析できたらしい。しかし―――


「ヘッドギアだけを斬れ、と......?」


なんつー無茶苦茶な。下手すれば、ラウラの頭までザックリいってしまいかねない。


『大丈夫だ。斬撃による軌道修正は白式に補助させろ。それに、お前は言ったな。俺に任せろ―――と』


「あぁ、言ったな。そうだな、やってやるさ」


『一夏、お前なら出来る。ラウラを助けてやれる―――私はお前を信じているぞ』


此処で織斑ではなく、”一夏”と呼んでくれるという事は、俺を、弟である俺を信じてくれる姉の信頼の証。


「任せてくれ、千冬姉。あいつの目を今覚まさしてやるさ」


世界一の称号を持つ姉に信頼される。これだけ心強い事はない。その信頼に応えなきゃな。

俺に必要なのは速度と鋭さ。素早く振り抜くだけ。

後は白式に任せる。ヘッドギアだけを斬り裂けるように。


―――頼むぜ、相棒。


俺の想いに呼応するかのように白式の露出した内部装甲の発光が一際強くなっていく。

雪片弐型を鞘に収めるような形で腰に添え、居合いの構えでラウラを見据える。

目を閉じ、呼吸を整え、意識を集中させる。

暗い闇の中、一筋の光が差し込むイメージを頭に描く。そのイメージをさらに細く、鋭く、尖らせていく。

勝負は一閃、御剣一刀流抜刀術で決める。


「お前の仮初の強さ、俺が一刀のもとに斬り伏せてみせるっ!」


迫るビット射撃にワイヤーブレードによる追撃を躱し、ラウラへと向かう。近付く俺を迎撃しようと近接ブレードを振り下ろすも、その斬撃は俺に届かない。

ラウラの斬撃を躱し、隙の出来たラウラの正面に迫る。

そのまま鞘から抜き放つかのようにその刃をラウラのヘッドギア目掛けて一閃。ラウラの仮初の強さを断ち切る。

白式の補助もあり、ラウラのヘッドギアは断ち切られ、ラウラの身を包んでいたISに紫電が走り、強制解除される。

空中に投げ出されるような形になったラウラをそのまま優しく抱き留める瞬間、ラウラと一瞬目が合った。その目はまるで捨てられた子犬のような眼差しに見え、愛情を欲しているかのような印象を受けた。

しかし、それも一瞬の事でラウラはそのまま目を閉じ、気を失う。


「......千冬姉が教えたのはこんな強さじゃないんだぞ、ラウラ」


聞こえてるかも分からなかったが、俺はただそう呟いた。今度こそ強さをはき違えないように。




【ラウラside】


『一つ忠告しておくぞ。あいつに会う事があれば、心を強く持て。あいつはまだ半人前ではあるが、妙に女を刺激する。油断していると惚れてしまうぞ?』


私が尊敬する教官の言葉。あの時はただただ許せなかった。鬼のように厳しくも凛々しい、私が尊敬する唯一無二の存在であり、私が追い求める理想の存在、織斑千冬。

憧れる存在である彼女が弟の事を語る時は妙に女という印象を受けてしまう。

だから織斑一夏という存在を許せなかった。

憧れの存在をも女にしてしまう織斑一夏という存在が。

しかし、IS学園に来て、対峙した織斑一夏という存在は私にとって強烈だった。

IS技術云々で言えば、大した事はないのだろうが、心の強さが違った。

そんな織斑一夏を慕うセシリア・オルコット。最初は下らん種馬に現を抜かす雌だと中傷した相手は私よりも強かった。

劣勢だった状況を跳ね除けるほどの心の強さ。私はそんな強さがある事を知らなかった。

先程まで私を包み込んでいた闇ももう感じない。

沈んでいた意識が浮き上がるかのように、私は重い瞼を開ける。


「よぉ。やっと目を覚ましたな」


声がした方向に視線を向ければ、織斑一夏が椅子に腰かけていた。


「......どうして、お前がここにいる? それにここは......?」


「ん? ここは医務室だ。俺がいるのは、まぁ、その何だ。心配だったからな」


ははは、と照れ笑いを浮かべる織斑一夏。自分の存在を否定していた相手までをも包み込む優しさに不思議と鬱陶しさを感じない。


「セシリアは強かったろ?」


「そうだな......。私の完敗だ。それに―――お前も強かった」


「覚えてるのか?」


私が闇に支配された後の事はうろ覚えながら覚えてる。私なのに私じゃない感覚。まるで目の前の出来事を映画のように客観的に見ていた自分。


「一応、さっきお前のISに起きた事は極秘事項なんだけどな。千冬姉が言うにはお前のISに暴走プログラムのようなものが組み込まれてたらしいんだよ」


「暴走プログラム......?」


「あぁ、誰も知らないような技術が使われてたらしいんだ。機体の蓄積ダメージ、そして操縦者の願望とかが発動条件になってたらしいんだよ」


「願望......つまり私自身の心の弱さが招いた惨事だったというわけか......」


強いと思っていた自分自身の心が弱かった故に招いてしまった暴走。悔しさにぎゅぅっっとシーツを握りしめた。

俯く私の頭に手がぽんと乗せられ、私の髪を優しく撫でていく。

突然の事に私は思考が停止する。こいつは何をしてるんだ?


「俺だって、まだまだ弱い。人間誰しも強いわけじゃねぇんだしさ、そこはほら、一緒に強くなっていけばいいんじゃないか? せっかくIS学園に来たんだ。時間はある。三年間という時間でどれだけ強くなれるかなんて分からないけどさ」


さらに私が強いといった織斑一夏は自分が弱いと言う。訳が分からなかった。


「訳分からないって顔してるな。まぁ、俺自身強いなんて自惚れちゃいないさ。上には上がいるしな......ははは......」


自嘲気味に笑う織斑一夏の顔が何故かおかしかった。だからだろう、ここにきて、いや、生を受けて初めてかもしれない、私はそんな織斑一夏の姿がおかしかった。


「ぷっ」


「おい、笑うなんてひどいじゃないか。仕方ないだろ。あの化け物じみた千冬姉がいるんだしさ」


「ふふ、笑って悪かったな。しかし、おかしくてな......くくく」


「まぁ、でもそうやって笑ってる方がいいよ。お前、可愛いんだし」


は? 可愛い? 誰が?

あまりの出来事に私はぽかんとしてしまう。


「ん? 何かおかしい事言ったか、俺」


「か、か、か、可愛いって、だ、だ、だ、誰が?」


「ラウラが」


ボン! 顔が熱くなるのを感じる。こいつは何なのだ。馬鹿なのか?


「これからは一緒に強くなっていこうぜ、ラウラ」


仲直りの握手とばかりに右手を差し出す織斑一夏の手をそっと握る。

胸の高鳴りが収まらない。何だ、これは? 初めての感覚に教官の言葉を思い出す。


『油断していると惚れてしまうぞ?』


これがそうなのか? そうだというのか?


「取り合えず、お前も目を覚ましたし、セシリアの様子も見に行かなきゃいけないから、ここらで退散するわ。ただ、全身に無理な負荷がかかった事で筋肉疲労と打撲があるから暫くはまともに動けないだろうって事だ。だから、無理するなよ」


そう言って、織斑一夏は医務室から出て行く。

私はただただ呆然とそれを見送っていた。あまりの展開に脳の処理速度が追い付かない。

私はどうすればいいのだ?

こんな時に相談できる相手......そうだ、我が隊の副官ならば対処法が分かるかもしれない。




【クラリッサside】


私の名前はクラリッサ・ハルフォーフ。ドイツのIS配備特殊部隊「シュヴァルツェ・ハーゼ」副隊長であり、階級は大尉である。

今日も愛しのラウラ隊長の写真(※遠くから撮影された盗撮写真)を愛でながら、執務処理に追われていた。

隊長は今頃、夕食を取っている時間だろうか、と想いを馳せながら午後の書類整理に取り掛かっている時だった。携帯端末から着信音が鳴り響く。

誰だ? と思い、着信画面を見ると、見ると、見るとぉぉぉぉぉぉーーー、ラウラ隊長からであった。

すぐさま姿勢を正し、咳払いをし、声の調子を確かめる。

ん! んん! あー、あー、よし!


『ク、クラリッサ、クラリッサ・ハルフォーフ大尉。聞こえるか? ラ、ラウラ・ボーデヴィッヒだ』

「こちらクラリッサ・ハルフォーフ大尉、受諾しました。ラウラ・ボーデヴィッヒ隊長、如何なさいましたか?」


気のせいか、隊長の声が上擦っているかのように感じる。どうしたのだ?

あの冷たい殺気を放つかのような隊長の雰囲気が微塵も感じられない。


『そ、そのだな......気、気になる異性がで、できた場合、どうすればいい?』


は? 気になる異性? あの誰をも寄せ付けない冷たさを持つあの隊長を落とした兵(つわもの)がいるというのか?


「誰か気になる異性でもできたのでしょうか? しかし隊長が通うIS学園に男は―――」


言いかけて思い出す、世界でただ一人の男性IS操縦者の事を。


「織斑一夏......ですか?」


『はぅっ!』


BINGO☆

しかし、隊長は織斑一夏を敵視していた筈では......?


『隊長、先ずは状況把握をしない事には何も始まりません。状況を一から事細かに、一語一句違わずにお願いできませんか?』


「う、うむ。そ、それもそうだな......」


―――状況説明中―――


『なるほど。状況を把握いたしました。つまり隊長は織斑一夏を好きになってしまった、そういう事ですね?』


『うっ、う、うむ』


何? この可愛い生き物。今までの厳格な隊長のイメージがガラガラと音を立て崩れていく。そして再構築されていく。


も、萌えぇぇぇぇぇぇーーー!


今、私の胸は早鐘のようにドクンドクンと心臓の鼓動が早くなるのを感じる。気を抜けば気絶してしまいそうな萌えシチュエーション☆


『分かりました、隊長。このクラリッサ・ハルフォーフ、我が命を賭してでも隊長の願いを成就させるつもりです。では、先ず―――』


そして私が知る限りの萌え知識を隊長に伝授していった。


『すまなかったな、クラリッサ・ハルフォーフ大尉。これからも頼りにさせてもらうぞ』


そして通話は終了する。


コンコン。


クラリッサの執務室のドアをノックする音。


「ハルフォーフ大尉、失礼します。ここの書類の事で相談が―――って、大尉!?」


ノックの後、返答が無かったため、しばらく悩んだが急ぎの用事という事もあり、声を掛けドアを開ける「シュヴァルツェ・ハーゼ」隊員が目にしたのは、鼻血を流しながら気絶しているクラリッサの姿であった......。

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