小説『異世界旅行券が当たったのでISの世界行ってきます』
作者:読む短刀()

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第23話 五反田食堂



修司Side
クラス対抗戦から数日たった週末。
俺はある場所に向かう為、学園の敷地外の街に出ている。怪我の方はほぼ治った。数日で骨折が治ったから一夏達がすげえ驚いた。
「確か、この辺に在るんだよな。」
「何が?」
「いやな、一夏の友達の家が飲食店やっててな。」
「それって、[五反田食堂(ごたんだしょくどう)]?」
「そ。んで、一夏がいるから俺も行こうかと…!?」
何故会話になっている。俺は1人で向かってた筈だ。まさか楯無か?
俺は声のした後ろを振り返る。
「って、美羽?」
俺の後ろにいたのは楯無ではなく美羽だった。服装は想像に任せる。
「こんにちは、修司くん。」
「おう。何してんだ?」
「この世界の私の家がこっちの方に在って、家に久しぶりに帰ろうかなって思ってね。」
「俺はさっき言った通り五反田食堂に行こうかと。」
しかし美羽の家がこの辺に在ったとは。
「あのさ、私も一緒に行っていいかな?」
「一緒にって、五反田食堂にか?」
「うん。」
「いや、別に飲食店だから問題ないが、家に帰るんじゃなかったのか?」
「家には五反田食堂に行ってから行けば問題ないから。」
「なら行くか。」





一夏Side
俺は今、中学からの友達[五反田弾(ごたんだ だん)]の家であり、飲食店でもある五反田食堂で昼飯を食べている。
「んで、他には何かないのかよ。」
「何かって言ったって、俺がIS学園に入ってからの事は殆ど言ったぞ。」
「小学校の頃の幼馴染みに再会したり、クラス代表を決める為に戦ったり、鈴と再会したとかだろ。俺が聞きたいのはそうゆうんじゃないんだよ!!」
「じゃあいったい何が聞きたいんだよ?」
「それは勿論、IS学園に通う女の子についてだ!!」
「そんな事聞いてどうするんだ?」
「その中から何人か紹介してほしいからに決まってんだろ!」

ヒュッ、ガン!!

「ぐはぁ!?」
「うるせーぞ!!静かに食わねえなら飯下げるぞ!!」
「わ、悪かった爺ちゃん。」
今弾にお玉を投げつけたのは、弾の祖父の[厳(げん)]さん。結構な年齢だが、そんな感じを見せない。
「すいません一夏さん。ウチの馬鹿兄が。」
今弾を馬鹿兄と呼んだのは妹の[蘭(らん)]。中学3年生だ。
「別に問題ないぜ。それより、着替えたんだな。どっか出掛けるのか?」
さっき弾の部屋に来た時はラフな服だったんだけどな。今はオシャレな格好になっている。
「えっと…その…。」
「もしかして、デート?」
「違います!」
うおぉ、全力で否定された。結構自信あったんだけどな。
「随分賑やかだな。」
ん?この声は。
「シュウ。それに天音さん。」
「こんにちは、織斑くん。」
「いらっしゃい!」
「おい一夏。誰だよ?」
「え?ああ、俺と同じでISを起動させた男子の…。」
「尾上修司だ。宜しく。」
「隣の娘は?」
「あっちは2組のクラス副代表の…。」
「天音美羽です。宜しくね。」
「ご、五反田弾です!!宜しくお願いしまふ!!」
噛んだな。





修司Side
「ぼっち…ぼっちって、マジかよ一夏。お前初めて会った奴にそんなからかい受けたのかよ!!」
「う、うるせぇ!!シュウ、何で話したんだよ!?」
「俺とお前の出会いと言えばこれだろ!!」
「だからって、普通にドイツでモンドグロッソ見に来てその時に会ったで良いだろ!!」
「大変だったんだね。織斑くん。」
「ああ、まあな。」
今俺は弾から一夏とはどんな出会いか聞かれたから、あの日をそのまま言っただけだ。
「でも修司くん。どうしてそんなからかいをしたの?」
「いや別に、ただ何となく。」
「何となくだったのかよ!!」
「まあな。」
しかし、思い出す度に笑いが込み上げてくるな。我ながらよく思い付いたなあのぼっち弄り。「そういや、ドイツと言えば一夏。」
「何だよ、弾。」
「お前ドイツに女の子の知り合いとかいないのかよ?」
「はあ?何だよ急に。」
「いやな、ドイツって聞いてさ、千冬さんが1年ほどドイツに行ってたのを思い出してな。」
「千冬さんがドイツに?どうゆう事だ一夏。」
「ああ、モンドグロッソの時にいろいろあってな、千冬姉はドイツ軍に借りがあったんだよ。それで、それを返す為に1年ほどドイツに行ってたんだよ。」
それでか、モンドグロッソ決勝戦の日、一夏を会場まで運んでる時に千冬さんと会ったのは。最初は何も思わなかったが、楯無達の所に戻ったら千冬さんが表彰式の途中に会場を飛び出した。って聞いて千冬さんはどうやって情報を?と思ってたんだが、ドイツ軍が伝えたんだな。既に俺が助けていたけど、弟が誘拐された情報をくれたドイツ軍に借りを返す為にドイツに…つまり結局、俺がやったことは無意味だったのか?
「どうしたの?修司くん。」
「え!?あ、何がだ?」
「その…急に百面相始めたから。」
あ、ここ店内だった。
「取り敢えず、死ぬか?弾。」
「うおぇ!?何で俺!?」

ヒュッ、ガン!!パシッ。

「ぐはぁ!?」
「うるせーぞ!!弾!!…やるな、坊主。」
「恐縮です。」
まあ、今は考えても仕方ない。ラウラが来た時の動きで判断しよう。

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