小説『夜天と勇気と決闘者』
作者:吉良飛鳥(自由気侭)

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

 Side:はやて


 「そうやさ、そろそろじゃなかったけノース校の人達が来るのって?」

 「そう言えばそうやったな?今夜は交流会で、明日が対抗戦や。」

 いよいよ、対抗戦やな。
 準も気合充分で、私等や店長と特訓デュエルしとったし先ず負けることはないやろ。

 それにしてもや、直前までノース校の代表が分らんのは何でやの?


 「サプライズの心算かもよ?」

 「当日相手が分るって?」

 まぁ、其れもありかも知れへんね。

 ん…もうそろそろ到着時刻やな。
 ほな、埠頭に行こか?


 「だね。ノースの代表の顔、拝ませてもらいましょう♪」

 「せやな〜♪」

 さ〜て、準の相手はどないやろな?











  遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX33
 『対抗デュエル開始!』










 ――ぶぉ〜〜〜〜


 ん〜〜、船独特の汽笛も風情があるもんやなぁ。
 偉い久々に聞いた気分やけどね。


 「そりゃ、私等入学式の時以来だもん。当たり前じゃね?」

 「言われてみればそうやな。…って十代少し落ち着いたほうがええんと違う?」

 「え?いや〜、だってどんな奴が来るのかワクワクするじゃないか!」


 そらそうやけど十代がデュエルするわけや無いんやから少し落ち着こか?
 てか、そないに岸壁に居ったら危ないて。


 「間も無く船が接岸いたします。白線の内側まで下がってお待ち下さい〜。」

 「何で電車のホームアナウンスやねん?」

 いや、あながち間違いとも言えへんけど。
 て、そろそろ本気で下がらへんとアカンよ?


 「分ってるって。」

 「お前と言うやつは…」


 準の方が落ち着いとるね。
 さてさて、接岸したけど………マテこら。


 「うわ…マジンコで?ガラ悪ぃ…ついでに目つきも悪いなぁ…」

 「ホンマやなぁ。デュエリストよのうて不良の集団みたいや。」

 実際そうとしか見えへんし。
 こらこら、初対面の相手にメンチ切りはアカンよ?


 「整列〜〜〜〜!!!」


 へ?
 ちょ、何?何か始まった!?


 「サンダー連呼用意!!」

 「「「「「オ〜〜〜ッス!!」」」」」」



 「お、何か始まったぜ!」

 「何なんだ一体?まるで暴走族の決起集会だな…」

 「つかサンダーって何よ…」

 「伝説の鳥ポケやろ。」

 「10万ボルト!?ってそりゃねーでしょ流石に!」


 ナイス突っ込みや裕奈♪
 さた、何が来るんやろ…?


 「「「「「サンダー!サンダー!サンダー!サンダー!サンダー!サンダー!サンダー!サンダー!サンダー!」」」」」

 「サンドゥアァァァァァァ!!!!」


 ――バサァ!


 「デュエルアカデミアノース校代表デュエリスト、地上目サンダー、四露死苦!!」


 「「「「「「……………」」」」」」


 ――ひゅぅぅぅぅ〜〜〜…


 うん、空気が死んだ。
 よりにもよってノース校の代表はエリート(笑)かい!!
 てか、アカデミアから居らんようになった思ったらノース校に流れ着いてたん?

 アカン、伝説の鳥ポケよのうて『伝説の鳥頭』が出てきてもうたわ。


 「こりゃ準の勝利は確定だよね…」

 「デュエルに絶対はないから何とも言えんが…少なくとも負ける気は全く無いな。」


 そやろな、相変わらず頭悪そやし。


 「おぉ、おもしれぇ!…で、誰だアイツ?」

 「「うわ〜お…」」


 流石は十代、存在すら忘却の彼方や♪


 「待てコラ貴様!!この地上目サンダー様を忘れただとぉ!?」

 「忘れると思うよ十代なら。基本強いデュエリストの事しか覚えてないみたいだし。」

 「てか何しとんの自分?地上目サンダーとか厨二全開の名前を恥ずかしいと思わんかいこのヘタレ。」

 それ以前にコイツが代表とか、ノース校のデュエルレベルはドナイなってんねん。
 何があったか知らんけど、コイツが代表なんて大問題や!!


 「黙れ!この俺様を誰だと思っている!ノース校の頂点にしてノース伝説のカードを操る男『地上目瞬』だぞ!
  幾多のデュエルを勝ち抜き、最強のカードを手にした俺様に敗北などは無い!!覚悟しろ万丈目!!」

 「フン、弱い犬ほど良く吠えると言うが、其れは事実らしいな。
  強くなったと言うなら吠えるよりもデュエルで示せ、明日の対抗戦、以前のように叩き潰してやる。」

 「舐めるな、まぐれで俺に勝った奴がぁぁぁ!!」


 いや、実力やろ。
 そもそも3vs1で準に負け、カード貰ったにも拘らずアホミスで十代に負け、入れ替え戦で三沢に負け…どの面下げてきとんねん。
 はっきり言うで地上目、アンタじゃ準には絶対勝てへんよ?


 「ふん、以前の俺様と思うなよ!明日の対抗デュエル…血祭りに上げてやるぜ万丈目!」

 「やってみろ。出来るならな。」


 なんやろね…名前は似ててもここまで違うか?
 準からはひしひしとデュエリストのオーラ感じるのに地上目からはゼロやで?


 「それが質の違いっしょ?ぶっちゃけノースの生徒はガラ悪いかもだけどデュエリストとしては…ねぇ?」

 「せやな。まぁ、明日のデュエルがその差をハッキリさせてくれるやろ。」








 ――――――








 Side:裕奈


 で、翌日。
 対抗デュエルはアカデミアのデュエルリング――入試試験とか定期試験の実技やるとこでやるのね。

 つーかやっぱり皆、少なくともレッド生は間違いなく準が勝つと持ってるよ〜。
 昨日秘密裏に行ったレッド寮のアンケートでは準の勝率100%だし。

 「だ〜れも準が負けるとは思ってねぇわけです。」

 「ならその期待には応えなければいかんな。」


 バッチリ応えてくれると信じてっけどね。


 「勝てよ万丈目!」

 「全力でやったれ!」

 「言われなくてもその心算だ。このデュエル、勝つのは俺だ!」


 おぉ、言い切った!
 頼むよ準、私等は客席で応戦してっからさ♪


 「あぁ、最高のデュエルをしてみせる!」


 う〜〜ん、やっぱ格好いいね準。
 こりゃ相手に不満があっけど期待するって!

 んじゃ、客席上がろうぜ!

 「せやね。」

 「万丈目のデュエル…楽しみだぜ!」



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・



 『其れで〜ハ、此れよりデュエルアカデミア〜と、アカデミアノース校〜の対抗デュエルを始めるの〜ネ!
  アカデミア代表デュエリストはオベリスクブルー1年、万丈目準〜〜!!
  対するノース校代表は、元アカデミアのオベリスクブルー1年、地上目瞬なの〜〜ネ!
  先攻はノース代表、地上目からなの〜ネ…それで〜は、対抗デュエル…スタートなの〜ネ!』


 「「デュエル!!」」


 万丈目:LP4000
 地上目:LP4000



 始まった始まった〜!
 先攻はエリート(笑)からだけど、如何だろ?
 本人は偉く強くなった気で居たけどさ?


 「そら見てれば分るやろ?その自信が本物か只の自惚れかはな?」

 「ま、そうだよね。」

 さて、初手は如何来るかな?


 「俺様のターン!…『仮面竜』を守備表示で召喚!」
 仮面竜:DEF1100


 「カードを1枚伏せてターンエンド!」



 ……ねぇはやて、駄目っぽいよね?

 「てか駄目だよね?」

 「せやな。何処の世界に先攻1ターン目でリクルーター表側で出す奴がおんねん!
  ドナイな戦術狙ってるか、バレバレやん!…たく、相変わらずデュエルタクティクス高ないなぁ…」


 ホントだよね〜。
 相手にリクルーターで相打ちに持ち込めるモンスターが居るってんなら自爆からの展開とか確かに有る戦術だよ?
 けど、先攻ターンでのリクルーター表は無いでしょ?
 仮に戦術だとしても、伏せカードが本命ってのもばれやすいし…

 こんな分り易い戦術に対して準は如何出るかな?


 「何も進歩していないな貴様は…俺のターン!手札から魔法カード『クロス・ソウル』を発動!
  このターン、俺は貴様のモンスターをリリースする事ができる!」

 「なに!行き成りそのカードだと!?」

 「表側のリクルーターをむざむざ攻撃する奴が居るか、貴様の仮面竜はアドバンス召喚の為にリリースさせてもらう!」


 流石、良く分ってるね準は。
 此れでリクルーター除去しつつ、準お得意の上級ドラゴンか…今回は何が出てくっかね?


 「貴様の仮面竜をリリースし、来い『氷鎧竜(ひょうがいりゅう) グレーシャ』!」
 『クァァァァァァ…』
 氷鎧竜 グレーシャ:ATK2400


 「氷鎧竜 グレーシャの効果発動。このカードの召喚に成功したとき、相手フィールドの魔法罠カードを2枚まで破壊できる!
  この効果でお前のフィールド上のその伏せカードを破壊する!凍てつけ…!」


 ――バリィィィィン!!


 おぉ、現れた氷の竜の一息でリバース粉砕か〜。
 帝に似た効果のドラゴンだね?


 「せやね。1度出た後はバニラやけどその分召喚時の効果が強烈や。
  クロス・ソウル使たからバトルは出来へんけど、行き成り2400で相手のリバースも破壊…此れは大きいで?」

 「速攻で攻撃力2400の上級ドラゴンか…やっぱ万丈目はスゲェ!!」


 だよね。
 しかも今破壊したのは『魂の綱』。
 仮面竜に攻撃してたら一気にレベル7以上を召喚されてたかもだもんね。


 「クロス・ソウルを発動したターンは攻撃できん。カードを2枚伏せてターンエンドだ。」


 余裕たっぷりだね。
 手加減不要よ準!


 「くそ…俺様のターン!!」


 思い切りやっちまえ!!














   To Be Continued… 




-33-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える