小説『夜天と勇気と決闘者』
作者:吉良飛鳥(自由気侭)

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 Side:裕奈


 「「「「「「「「「古代遺跡?」」」」」」」」」

 「そうなのにゃ。今度の日曜日、課外授業として如何かにゃ?」


 ある日の放課後、もうお馴染の溜まり場になってる店長の店で大徳寺先生から古代遺跡探検のお誘いが…
 古代遺跡ねぇ…てかそんなモンまであんの、このアカデミア島って?


 「私は聞いた事無いわ。」

 「俺も無いな…」


 明日香と準は聞いた事無いと…雪乃んと委員長は?


 「私も無いわ…」
 「申し訳ありませんが私も…」

 「だってさ。知ってる人居ねーみたいだけど、マジであるの大徳寺先生?」

 「勿論にゃ。ただ余り人が寄り付かない場所だから知られていないだけなのにゃ。」


 成程ね。


 「まぁ、良えんとちゃう?偶には古代のロマンに浸るのも悪ないやろ。」

 「確かに、偶には良いかもね〜。」

 OK、じゃ全員参加で。


 「課外授業か、まぁ頑張ってきな。」
 「精々遺跡の呪いなんかに喰われん様に気を付けるがいい。」


 サラッと怖い事言うなやエヴァちゃんや…











  遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX35
 『古代遺跡→異世界?』










 つー事でやってきました日曜日!
 参加者は私と裕奈、十代と準と翔君と隼人。
 それから雪乃んと委員長と明日香。
 引率は勿論大徳寺先生……なんだけど…

 「先生〜〜、マダつかねーの?」

 「私等は兎も角、隼人君がグロッキー寸前やで〜〜?」


 道程が長いっての!
 私とはやては体力に自信あるし、準も体力はあるし十代は『永久機関』内蔵してっから大丈夫だけどさ…

 「隼人は体型的にこの道程はキツイっしょ?雪乃ん達も大丈夫?」

 「グロッキーとまでは行きませんが…流石に少しばかりキツイですね…」
 「古代のロマンと触れ合うのも、楽じゃないのね……其れも魅力だけれど。」


 うん、この2人は大丈夫そう。

 てかさ、先生〜マジでマダなの?
 レッド寮出てからそろそろ1時間以上経つよ?


 「もうすぐなのにゃ……ほら、アレにゃ!」

 「やっと到着…っておい…」

 洞窟?
 ちょいと、大徳寺先生マジであそこが遺跡なの?
 私には如何見ても只の洞窟にしか見えねーんですけど…


 「心配無用なのにゃ。見てくれは只の洞窟でも、内部には壁画とか色々あるのにゃ。」

 「まぁ、ある意味古代遺跡のお約束やな♪」


 ふ〜ん…魔法世界の遺跡群みたいの想像してたからちょっと拍子抜け〜。
 ま、マジモンの古代遺跡ってのも初めてだし楽しんでみようかな〜♪



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・



 「此れってブラマジ?」

 「こっちは社長の嫁そっくりやなぁ…」


 内部に入ってびっくり仰天!
 スッゲー壁画の数……しかもなんかデュエルモンスターズのモンスターに似た絵まであるし。
 お〜〜…これなんかアインスじゃん?


 「ホンマや。驚いたなぁ♪」

 「デュエルモンスターズは生みの親である『ペガサス・J・クロフォード』が古代の遺跡の壁画からヒントを得たと言う話は聞いたことがあるが…」

 「その話もあながち眉唾な噂…という訳でも無さそうね。」


 ですよね〜〜。
 あ、此れスターダストだ。


 「驚いたかにゃ?実はこの遺跡は、まだ世界の考古学者達も知らない『隠れた古代遺跡』なのにゃ。」

 「は!?其れって凄くね?」

 大発見じゃん。
 何で発表しねーの?大徳寺先生一躍時の人になっちゃうよ?


 「ん〜〜名声には興味無いのにゃ。ただ、世間様に発表するにはちょっとこの遺跡は古代エジプト遺跡に似すぎてるのにゃ。
  余りにも似すぎていると捏造と取られかねないし、そうでないと証明するには色々と面倒な事が多すぎるのにゃ〜…」


 成程、意外と面倒なんだね考古学ってのも。
 にしても不思議な遺跡……なんつーか不思議な力が満ちてるって言うか…


 「なぁ、大徳寺先生〜。」

 「十代君、どうかしたのかにゃ?」


 どったの十代?
 ……なんだこの目玉模様?


 「気のせいかしら?何処かで見た様な気がするわ…。」

 「私もです………え〜と…確か幽霊寮に出た『タイタン』が持っていた催眠術の道具に似たような模様が描かれていた気がします。」


 あ〜〜〜…言われてみりゃ若本が持ってた逆ピラミッドのアレに描かれてたのとそっくりだわ。
 此れ何?


 「此れは『ウジャト眼』と呼ばれる紋様にゃ。此れも古代エジプトの遺跡にもあるものなのにゃ…謎は深いにゃ。」

 「ホンマやねぇ…凄いなぁデュエルアカデミアって。」


 マジでね。



 ――ヒィィィィィン…



 ん?

 「は!?何事!?」

 「ウジャト眼の紋様が光っとる!?」


 スッゲーやな予感がすんだけど…



 ――カッ!!!



 「「「「「「「「「「!!!」」」」」」」」」」


 やっぱしお約束的に閃光炸裂!?
 一体なんだってのよ……!








 ――――――








 Side:はやて


 う〜〜〜ごっつ眩し…どないなっとんねん?
 皆無事か〜?


 「お〜〜大丈夫だぜ?」
 「メッチャ眩しかったっす…」
 「ちょっと目が眩んでるんだな…」

 「つか、遺跡の謎紋様からの閃光って…厄介事な予感しかしねーんだけど…」

 「せやなぁ…ん?」

 あ、アレ?かがり火?
 こないなモン有ったっけ?懐中電灯つこてた筈やで?


 「此処は先程の遺跡内部とは違う場所のようです。」

 「アインス…そうなんか?…ってアインス!?」

 「はい?」


 いや、『はい?』よのうて何で『実体化』してるん!?
 何時もの精霊状態とちゃうやん!普通に触れるやん!!


 「おぉ、本屋ちゃんと朝倉も実体化してる…なんつーか物凄く久しぶりな感じ?」

 「はい、久しぶりですね♪」
 「80年ぶり位かね、私等的にはさ?」

 「ゆーな、私も〜〜♪」

 「エフェも実体化したのか〜…ってやっぱちっさいね〜♪」


 本屋ちゃんと和美ちゃんまで!?オマケにエフェまでかい!
 と言う事は…若しかして…


 「勿論♪」
 「私達も居るよ?」

 「やっぱしなのはちゃんとフェイトちゃんもか!てか全員実体化かい!人数が一気に倍になったで此れ!?」

 ホンマにどないすんねん…
 って、オーガは我慢してや!!出て来たら偉い事になるから!!


 「まて、お前は出てくるな光と闇の竜!洞窟が壊れる!!」
 「って、アンタとスターダストも駄目!!我慢して!!」


 準と裕奈も大変やなぁ…全部人型の十代がうらやましいで。


 「ユベル、ハネクリボーあんまり抱きつかないでくれよ〜。」

 「連れないね、滅多にあることじゃないんだから良いじゃないか?」
 「クリクリ〜〜♪」


 愛されとるなぁ…
 まぁ、其れは其れとしてや、さっきとはちゃう場所てどういう事や?


 「はい、私達カードの精霊が実体化して存在している事から、此処は異世界――精霊世界と思われます。」

 「「「「精霊世界!?」」」」


 私を含め、精霊カードの所持者はそら驚くわ。
 そんな世界が有るとは聞いてたけど、自分が其処訪れるなんて夢にも思わへんかったからね。


 「精霊世界か!何かスゲェな!!」

 「十代…いや、確かに凄いんだろうが何故こんなところに?」

 「我が主やお前達の持つ精霊のカードに、あの遺跡のウジャト眼が反応したのだろうな。
  カードの精霊と古代遺跡……不思議な力同士は互いに引き合うのかもしれない。」


 さよか。
 んで、何時の間にか周りを取り囲んでるこの人達は一体誰〜?
 な〜〜〜〜んか見たことある上に嫌な予感がするんやけど…


 「墓守の一族…この場は彼等が守る場所――王墓だったようですね。」

 「成程〜〜って!其れ滅茶苦茶やばいやろ!!」


 「見慣れぬ輩だな……さては墓荒しか?」


 「「「「「「「「「墓守の長!?」」」」」」」」」


 ホンマに墓守の…アレ?大徳寺先生どないした?


 「にゃ〜〜〜!放して欲しいのにゃ〜〜!!」

 「「速攻で捕まってる!?」」


 何しとんねん引率者!
 てか長のおっちゃん、ちょう待って?私等墓荒しとちゃうで?


 「見え透いた嘘をつくな。我らの目をかいくぐり、王墓に進入するなど、墓荒しでなければなんだと言うのだ?」

 「いや、嘘じゃねーから!」

 「俺達は訳も分らず行き成り飛ばされたんだが…」

 「この期に及んでまだ言い逃れをするか!」


 いや、言い逃れとかやないから!!
 ちょっとは人の話し聞いてや!


 「ヴィータちゃん、O・HA・NA・SHI聞いてもらった方が良いよね♪」

 「おう。一発ブチかますか。」

 「なのはちゃんとヴィータ、スト〜〜〜ップ!!シグナムもカートリッジロードせんといてぇぇ!!」

 暴れたら本気でホンマモンの『墓荒し』になってまうから!!
 せやけど、どないしよ?
 話しても信じてくれそうにないしなぁ…


 「我が主、私にお任せを。」

 「アインス?」

 なんか策が有るんか?


 「策と言うか、私という存在ならば或いは。」


 …分った。
 任せるでアインス!


 「はい。……少し落ち着け墓守の長よ。この者達の言う事に嘘偽りはない。」

 「?お前は…?」

 「我は『祝福の風』……この名、墓守の者ならば詳しく語らずとも分る筈だが?」

 「!!!」


 お?目に見えて長のおっちゃんの感じが変わったな?
 どう言う事やろ?


 「祝福の風…!かつてファラオと共に厄災に立ち向かった精霊の一柱…神に匹敵するとまで言われた伝説の精霊…!」


 は!?
 いや、厄災に立ち向かった言うのは5年前の再会の時に聞いたけど、其処まで強かったんか!


 「アインスすげーね……流石は魂の精霊化とカード化できるだけはあるっつーか…」

 「おぉ、何かスゲー事みたいだ!!」

 「私も吃驚仰天やで…」

 せやけど納得。
 そんだけやったら墓守の一族には絶大な効果ありそうや。


 「如何にもその通りだ。我等は全くの偶然で、此処に飛ばされたのだ…私とて戦友である王の墓を荒しなどはしない。
  ただもとの世界に戻れればそれで良いんだ……できれば穏便に済ませてくれないか?」

 「うぅむ…お前の、否貴女の姿は確かに壁画に残る『祝福の風』そのもの…その身の力も確かに神に及ぶ勢い…。
  だが…矢張り見逃す事はできん!墓守の掟に従い、お前達には儀式を受けてもらう!!」


 く…駄目やったか!
 にしても…

 「儀式やと?何をさせる心算や?」

 「難しい事ではない。お前等の代表者が私とデュエルをする其れだけだ。
  もし、お前達の代表者が勝てばこの場は見逃し、元の世界への帰還にも力を貸そう。
  だが、私が勝った場合は既に捕らえたその優男共々、我等墓守の神に捧げる生贄になってもらう。」


 滅茶苦茶やな…!
 けどデュエルか…それやったら…


 「なればそのデュエルはこの私が受けよう。」

 「「「「アインス!?」」」」
 「「「アインスさん!?」」」
 「お姉ちゃん!?」
 「あらあら…♪」


 ちょお待って!
 受ける言うてもデュエルディスクもデッキも無いやん!


 「ご安心を。デュエルディスクとデッキは此処に…」


 ――ギュイン…


 おぉ…一瞬でデュエルディスクが…

 「ってナハトヴァール!?」

 「おぉ、カッコイイ!」


 ノーテンキやな十代!!
 何でよりにもよってナハト!?


 「形だけですのでご安心を。何故か何度構築し直してもこの形になってしまうのでもう諦めました。」


 形だけやったら大丈夫なんやろか…?


 「「「「「「……………(汗)」」」」」」


 なのはちゃん達も冷や汗掻いとるよ?


 「大丈夫です、本当に形だけですから。」

 「さよか…」

 まぁ、確かに嫌な感じはしないし大丈夫かな?
 …やったら任せる。

 私等の運命、アインスに託すで?


 「お任せを。…墓守の長よ、その儀式、私が代表として受けよう。」

 「祝福の風が相手とは…相手にとって不足無し。だが手加減はせん!!」

 「無論、手加減など不要だ。」






 「アインス…大丈夫だよね?」

 「大丈夫や裕奈。アインスは相手との力量差を見極められない様な子やない。勝算があるから出てったんや。」

 「なる。…なら私等はアインスを信じて応援すりゃ問題ねーわけね?」


 せや。
 頼んだで、アインス!!








 ――――――








 Side:アインス


 我が主と、仲間の為にもこのデュエルは負ける事は出来ない。
 このデッキ…実際に使うのは初めてだが負ける気がまるでしない。


 さて長よ、この王墓内部はデュエルをするには些か狭い。
 召喚したモンスターによっては内部が崩れかねないな?


 「む…確かに…」

 「其処でだ、こんなのは如何だ?」


 ――パチン………シュン!!


 「な、此れは…!!」

 「転移魔法。全員を王墓の外に移動させた――此れならばどんな巨大なモンスターを召喚しても大丈夫だろう?」

 「違いない。」


 洞窟が崩れて皆に危険が及ぶのも避けたいしな。
 …では、始めようか?


 「うむ……では墓守の掟に従い儀式を始める!行くぞ祝福の風よ!!」

 「来い、墓守の長…!」


 「「デュエル!!」」


 アインス:LP4000
 墓守の長:LP4000


 「先攻は私から。…手札よりフィールド魔法『王家の眠る谷−ネクロバレー』を発動!!」


 ――ゴゴゴゴゴゴゴゴ…


 行き成り来たか…
 予想通りデッキは『ネクロバレー軸』の様だな。


 「モンスターを裏守備でセット。カードを1枚伏せてターンエンド。」


 裏守備モンスターと伏せ1…何を伏せた?
 いや、どんな戦術だろうとも突破するだけだ…!

 「私のターン。」

 我が主と皆を無事に元の世界に戻すためにも…勝たせて貰うぞ墓守の長よ!














   To Be Continued… 




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