小説『夜天と勇気と決闘者』
作者:吉良飛鳥(自由気侭)

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

 Side:はやて


 三沢君がタニヤに負けた翌日の早朝、裕奈、十代、準と一緒に昨日のコロッセオに来とります。
 昨日は大人しく退いたけど、やっぱ心配やからねぇ?


 「まぁね…つーか三沢が干からびてないと良いんだけど…」

 「お前…あまり女性がそういう事を言うな。」

 「こりゃ失敬。でもさぁ婿として拉致られたとなったら流石に気になんじゃん?」

 「だから…、いや、そうかもしれないが…」

 「?え〜と、どう言う事だ?」


 …十代は分らへんか、まぁ十代やしな。
 せやけど乗り込んで三沢君奪還する言うのも何か気が引けるなぁ…如何したモンやろ?


 「あれ?誰か出てくるぜ?」

 「アレは…三沢!」


 何と三沢君!…どうやら無事みたいやな!

 「………」

 「…三沢君?」
 「三沢?」

 「………」


 ぼ〜〜〜っとしてるな?
 ドナイしたんやろ?


 ――コンコン!


 「…………」


 叩いても反応なし――こら相当に重症やね……ホンマに一晩の間に何があったんやろ?











  遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX44
 『熱血!女の決闘!』










 「………………」

 「完全に『ぼ〜〜〜』っとしてるっすね。」
 「あんな三沢君は初めて見るわ。」


 やろ?
 寮まで戻ってきたけど、三沢君は相変わらず心此処に在らずな感じや。


 「ふむ…完全に腑抜けているな?」

 「せやなぁ…って!」

 何してんねんエヴァちゃん!それタバスコやで!?


 「……………」(ごくごくごく)

 「普通に飲んだ!?」
 「マジ!?ありえねぇ…」

 「…此れは相当だな。味覚も痛覚も麻痺してるぞこのぼーやは…」


 其れ確かめる為かい!
 麻痺してなかったら偉い事になってたでこれ!?


 「其れは其れで面白いものが拝めるだろう?」

 「まぁな?ってちゃうわアホ!!あないな刺激物飲ませて脳味噌破裂したらドナイすんねん!!」

 「『死者蘇生』で何とかなるだろ?」


 ならんわアホンダラ!何してんねんこの真祖、長生きしすぎて脳味噌煮えたか!?
 自分基準で物事考えんなや、このウスラトンカチ!


 「ほう…流石は関西人、見事な突っ込みだな?」

 「やかぁしいわボケ!!」

 はぁ、はぁ…アカン、エヴァちゃんと話すんは王様と話すのと同じくらい疲れるわ…


 「お疲れはやて…」

 「裕奈…はぁ…まぁ、えぇわ。で、一体ドナイした三沢君?」

 「…分らなくなってしまったんだ。」


 何が?


 「闇のデュエリストは全てがカミューラの様な卑劣な手段を使ってくると思っていたが、タニヤは違った。
  正々堂々と、正面からのデュエルで俺を倒した……小細工も何もなしに…」

 「へ〜…良かったじゃないか三沢!」


 十代?


 「だって、そんな強い奴とデュエルしたんだろ?なら、悩む事無いぜ!良いデュエルが出来たって思えば良いんだ!」

 「お〜〜!流石は十代!純国産デュエル脳は考える事が違うね!」

 「せやなぁ。確かにタニヤは小細工や卑劣な手段使わずに挑んできたホンマモンのデュエリストや。」

 其れと戦って負けたんやったらそんなにそないに迷う事無いやろ。
 十代の言うように『良ぇデュエルが出来た』思えば良いんやで?


 「そう言うものなのか?」

 「そう言うモンでしょ?言われて吹っ切れないってんなら、今度は私のデュエルを見てなって!」

 「君のデュエルを?」


 そう言えば、今度は裕奈がタニヤに挑む言うてたね。
 何時行くんや?

 「ふ。」(ニヤリ)

 「ちょっ、裕奈……その笑顔めっちゃ怖いんやけど…?」

 なに考えてるん!?


 「はやて…私を誰だと思ってんの?何時挑むかなんて――んなもん今すぐ挑むに決まってんでしょうがあぁぁ!!!
  思い立ったが吉日!先んずれば人を制す!!考える暇があるなら先ず行動すべし!全力全壊で!!」

 「やっぱりかぁぁぁぁ!!」

 最近なのはちゃんが色々教えてると思ったらやっぱりかい!
 まぁ良えわ、行動する事で道が開けるのは道理やし、何ぼホンマモンのデュエリスト言うてもセブンスターズを野放しには出来ないからな。

 ほな、とんぼ返りになるけどコロッセオ行こか?


 「「おーーーー!!」」

 「だな。行くか。」


 はは、ホンマにデュエル好きやね。
 ま、私もやけどな。
 裕奈の活躍、確り見届けさせてもらうで!!


 『何だかんだで楽しんでいますね、我が主。』


 当然やろ、楽しまな損や!
 全軍突撃や!!!


 「「了解〜〜〜!!!」」


 やっぱし十代はノリ良いな〜〜♪








 ――――――








 Side:裕奈


 つー事で、三度やってきたぜコロッセオ!
 入り口閉まってなかったから、普通に入ってきたけど誰もいねーじゃん…

 「たのもーーー!!タニヤ居るかあぁぁ!!!」

 デュエル申し込むから出てこいや!!


 「…お前は何処の道場破りだ?」

 「まぁ、ノリやノリ♪」

 「裕奈かっけぇ!」


 道場破り?あながち間違ってねーでしょ?


 「威勢が良い娘だな。今度はお前が挑戦者か?」


 来たねタニヤ!
 とーぜん、今度は私が挑戦させてもらうぜ!

 「オイ、デュエルしろよ。」

 「本当に威勢が良いな…男であったならば婿に迎えたいくらいだ。」


 そりゃどーも、ま元気が取り柄ですんで。
 大体、『女は度胸』でしょ?


 「確かに。ふふ、そのデュエル受けよう!さぁ、お前は『知恵』と『力』どちらのデッキと戦いたい?」

 「考えるまでもないっすね、私が選ぶのは『力』のデッキ!真っ向勝負だよ!」

 大体こまごま考えるのは性にあわねーし、突っ込むほうが私らしってもんだからね。
 全力で行かせて貰うぜ!


 「「デュエル!!」」


 裕奈:LP4000
 タニヤ:LP4000


 「先攻は貰う、私のターン!『アマゾネスの剣士』を攻撃表示で召喚!」
 アマゾネスの剣士:ATK1500


 「カードを1枚伏せ、ターンエンド。」


 アマゾネスの剣士…戦闘ダメージ反射効果持ったモンスターか。
 1ターン目から厄介なの出してくれるじゃない?
 けど、そんなの牽制にもならないぜ!私のターン!

 「相手フィールドにのみモンスターが存在する時、『ジャンク・フォアード』を特殊召喚出来る!」
 ジャンク・フォアード:DEF1500


 「で、手札の『ジャンク・アーマー』を墓地に送って、チューナーモンスター『ジャッキー・ジャンパー』を特殊召喚!」
 ジャッキー・ジャンパー:DEF1200


 合計レベル6!
 初っ端から手加減無しで行くよ!
 レベル3のジャンク・フォアードに、レベル3のジャッキー・ジャンパーをチューニング!

 「闘志が大地に満ちる時、其れは戦いを告げる狼煙となる。光射す道となれ!シンクロ召喚、滾れ『マイティ・ウォリアー』!」
 『ムォォォォォォォ!!』
 マイティ・ウォリアー:ATK2200


 「シンクロ召喚…!行き成りレベル6の上級モンスターか!」


 シンクロは速攻が命だかんね♪
 全力全壊で出し惜しみは一切無しだよ!

 「行くぜ、バトル!マイティ・ウォリアーで、アマゾネスの剣士に攻撃!『マイティ・ナックル』!!」


 ――ドゴォォォ!!


 「臆せず攻撃してくるとはな。だがアマゾネスの剣士の効果で、700ポイントの戦闘ダメージはお前に跳ね返る。」


 分ってるって!……って剣飛んできた!?うお〜、あぶね〜…
 ソリッドビジョンて分ってても、ちょっとビビルよ流石に。


 裕奈:LP4000→3300
 「けど、こっちもマイティ・ウォリアーの効果発動!
  マイティ・ウォリアーが戦闘で相手モンスターを破壊したとき、破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを与える!
  アマゾネスの剣士の攻撃力は1500、その半分750ポイントのダメージを受けてもらうぜ!『ロケット・ナックル』!」

 そっちが剣飛ばしてくるなら、こっちは拳を飛ばしてやる!


 「く…この効果を見越しての攻撃か!見事だ…」
 タニヤ:LP4000→3250


 「とーぜん!戦闘ダメージ跳ね返すモンスターだからって尻込みする裕奈ちゃんじゃないぜ!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 「ならばエンドフェイズにトラップ発動『アマゾネスの反撃術』!
  相手フィールドにのみモンスターが存在し、私のライフが相手よりも低い場合にデッキからレベル4以下の『アマゾネス』2体を特殊召喚する。
  来い『アマゾネスの格闘戦士』『アマゾネスの吹き矢兵』!」
 アマゾネスの格闘戦士:ATK1500
 アマゾネスの吹き矢兵:ATK800


 2体のモンスター…って事は最上級モンスターかにゃ?
 ライフが50ポイントだけ下回ってるのを上手く使ってきたねこりゃ。
 さて、何が来るかな〜?


 「私のターン!スタンバイフェイズに『アマゾネスの吹き矢兵』の効果発動!
  エンドフェイズまで相手モンスター1体の攻撃力を500ポイントダウンさせる。
  この効果で『マイティ・ウォリアー』の攻撃力は500ポイントマイナスだ。」

 「まぁ、当然使ってくるよねその効果は…」
 マイティ・ウォリアー:ATK2200→1700


 「そしてメインフェイズにフィールド魔法『アマゾネスの死闘場』を発動!」


 !!なんじゃこりゃ!?
 何かコロッセオがより物々しくなったような……面白い、燃えてくるぜ!


 「このカードの発動時に互いのライフは600ポイント回復する。」


 裕奈:LP3300→3900
 タニヤ:LP3250→3850


 略初期値に戻ったか――けどまさかライフゲイン効果だけじゃねーでしょ?


 「勿論だ。アマゾネスの死闘場はモンスターが戦闘を行った場合にライフを100ポイント払う事で相手に100ポイントのダメージを与える!
  そしてこの効果は1度の戦闘に付き1回、任意に発動できる!」

 「効果で失うライフは同じだから如何に相手に戦闘や効果でダメージを与えられるかがポイントってこってすね?」

 「その通りだ!アマゾネスは戦闘集団、戦う事での意味存在意義があるのだ!」


 上等!かかってきなさい!


 「その度胸と胆力はアマゾネスにも劣らないな!
  では行くぞ、アマゾネスの格闘戦士とアマゾネスの吹き矢兵をリリースし、現れろ『アマゾネス・レジェンド』!!」
 『ハァァァァァァ!!』
 アマゾネス・レジェンド:ATK2500


 レベル7の上級アマゾネス!
 攻撃力は平凡だけど……アマゾネスは効果主体のモンスターだから油断は出来ねーです。


 「バトル!アマゾネス・レジェンドで、マイティ・ウォリアーに攻撃!『スピリッツ・オブ・アマゾネス』!」


 ――ズバアァ!!


 裕奈:LP3900→3100
 「く…けど、トラップ発動!『奇跡の残照』!この効果で破壊された『マイティ・ウォリアー』を呼び戻す!」
 マイティ・ウォリアー:ATK2200


 「ほう?だがアマゾネス・レジェンドの効果!相手モンスターを戦闘で破壊したとき1000ポイントのダメージを与える!」

 「やっぱ攻撃的な効果持ってたか…!」
 裕奈:LP3100→2100


 「更に『アマゾネスの死闘場』の効果だ!ライフを100払い、100ポイントのダメージを与える!」

 「受けてたつ!!」


 裕奈:LP2100→2000
 タニヤ:LP3850→3750



 ライフ差は変わらなくても、こうやって削ってくと意外に早く無くなるね多分。
 けど負ける気は無いぜ!


 「私はこれでターンエンドだ。」

 「私のターン!」

 今度は私の番よ!
 魔法カード『エンジェル・バトン』!デッキからカードを2枚ドローしてその後手札を1枚捨てる!
 2枚ドローし……『パイルバンカー・ウォリアー』を捨てるね。
 で、チューナーモンスター『ジャンク・メイル』召喚!


 ジャンク・メイル:ATK400


 「今度はこっちの番!レベル6のマイティ・ウォリアーに、レベル1のジャンク・メイルをチューニング!
  集いし金の閃光が、虚空を引き裂く剣となる。光差す道となれ!シンクロ召喚、煌け『ライトニング・ウォリアー』!」
 『トゥアァァァ!!!』
 ライトニング・ウォリアー:ATK2400


 「更に装備魔法『ブレードウィング』を装備!
  装備モンスターの攻撃力は1000ポイントアップし、装備モンスターしか攻撃できない!」
 『ウォォォォ!!』
 ライトニング・ウォリアー:ATK2400→3400


 「攻撃力3400だと!?」


 まだまだ!墓地の『パイルバンカー・ウォリアー』を除外して更に攻撃力を800ポイントアップ!


 ライトニング・ウォリアー:ATK3400→4200


 「攻撃力4200…!まさかこれほどまでのモンスターを1ターンで呼ぶとは……やるな裕奈!」

 「アンタが強いからコンくらいしねーと勝てねーからね!更に装備魔法『ジャンク・アタック』装備!
  行くぜタニヤ!ライトニング・ウォリアーで、アマゾネス・レジェンドに攻撃!『ライトニング・パニッシャー』!!」


 ――バチィ!!


 「むあぁぁぁぁあ!!」
 タニヤ:LP3750→2050


 更にライトニング・ウォリアーの効果!
 相手モンスターを戦闘で破壊したとき、相手の手札1枚に付き300ポイントのダメージを与える!
 アンタの手札は3枚!900ポイントのダメージ!喰らえ『ライトニング・レイ』!!


 タニヤ:LP2050→1150
 「ぐうぅぅ…容赦ない攻撃だ!だが、まだ私は戦えるぞ!」

 「残念!このターンで終わりだよ!」

 「なに!?」

 「『ジャンク・アタック』を装備したモンスターが相手モンスターを戦闘で破壊したとき、破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを与える。
  アマゾネス・レジェンドの攻撃力は2500――その半分1250のダメージを受けてもらうわ!」

 アマゾネスの死闘場ってのを見せてくれたお礼に、私も全力全開で応えるってね。


 「うわぁぁぁぁぁ!!」
 タニヤ:LP1150→0



 おし!勝利!!
 大丈夫タニヤ?


 「あぁ…見事だった。まさか1ターンであれ程のモンスターを呼び、尚且つ1ショットを決めるとは…楽しかったぞ。」

 「其れは私もだって!地味に見えるけど、攻撃特化の『アマゾネスの死闘場』は吃驚した!」

 楽しいデュエルだったよ!


 「あぁ、お前のようなデュエリストと戦えてよかった。…私は私の世界に戻るとしよう。」


 ――シュゥゥゥ…


 へ?姿が………って虎!?
 タニヤって虎だったんだ!!


 「馬鹿な…それじゃあ俺は虎に…?」

 「ふ、中々良い女だったではないか。」


 まぁ、三沢は複雑だよね〜。
 後エヴァちんあんましからかうなっての(汗)


 『また、何れ会おう。勇敢な娘よ。』

 「おうよ!そん時は又デュエルしようね!」

 『あぁ、そうだな。』


 ――しゅぅぅぅ…



 消えちった。
 あ、コロッセオも一緒に……


 「お疲れさん裕奈♪」

 「サンキュ、はやて。タニヤ、強かったよ。」

 「やろな。ターンこそ合計4ターンやったけど、中身は凝縮されてたわ。見てるほうも楽しかったで♪」


 ならやった甲斐があったね♪



 此れで3人目。
 残り4人もタニヤみたいな奴だと良いんだけど…此ればっかりは戦うまでは分らないか〜。

 ま、カミューラみたいのが出て来ない事を祈ろうか♪















   To Be Continued… 






 *登場カード補足



 アマゾネス・レジェンド
 レベル7    地属性
 戦士族・効果
 このカードが相手モンスターを戦闘で破壊し、墓地へ送った場合相手に1000ポイントのダメージを与える。
 また、このカードは相手の魔法カードの効果では破壊されない。
 ATK2500    DEF2100



 アマゾネスの死闘場
 フィールド魔法
 このカードの発動時に、互いのライフを600ポイント回復する。
 互いのプレイヤーは戦闘を行った場合、ライフを100ポイント払う事で相手に100ポイントのダメージを与える。
 この効果は1度の戦闘に付き1度だけ任意で発動できる。



 ブレードウィング
 装備魔法
 装備モンスターの攻撃力は1000ポイントアップし、装備モンスターしか攻撃できない。
 「ブレードウィング」は自分フィールド上に1枚しか存在できない。



 アマゾネスの反撃術
 通常罠
 相手フィールドにのみモンスターが存在し、自分のライフが相手よりも少ない場合に発動できる。
 デッキから「アマゾネス」と名の付くモンスターを2体まで選択し、攻撃表示で自分フィールド上に特殊召喚する。



-44-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




遊戯王 デュエルモンスターズGX ディフォルメボールチェーン 全5種セット
新品 \0
中古 \
(参考価格:\)