小説『夜天と勇気と決闘者』
作者:吉良飛鳥(自由気侭)

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 Side:裕奈


 何故か呼び出された学園長室。
 集まるのは私とはやてを含めた『七星門の鍵』の守護者7人。

 んで、目の前にいるのは校長先生とウジャト眼の眼帯したみょうちくりんなおっさん。


 「…このおじさんは突っ込み待ちなんやろか?」

 「しらね。てか突っ込み待ちだったら、寧ろ突っ込んだら負けだよね?」

 「せやな。関西人として安易なボケには突っ込みいれずにスルーが基本やな。」


 だよね。
 つーか校長先生、このおっさん誰?
 ソレとなんで私等呼び出されたの?


 「彼はICPOの特別捜査官のザルーグさんです。七星門の鍵の護衛として派遣されたのですよ。」

 「捜査官のザルーグです。お見知りおきを。」


 ザルーグ?
 ザルーグ……『首領ザルーグ』?…そういえば似てる気がしなくも無いなぁ?
 このおっさん、マジで何者なんだろ?











  遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX45
 『盗掘団を逮捕せよ!』










 ま、ソレは良いとして態々ICPOの捜査官がたかが離島の学校での事件に出てくるかね?
 フツー考えられなくね?


 「やな。まぁI2社のペガサス会長やKCの社長が直接依頼したなら有るかも知れへんけどね。

 「ソレは可能性めちゃ低いと思うよ私は?」

 ペガサス会長も社長も態々国際的警察組織に依頼なんぞしねーでしょ?
 大体このおっさん見た目そのまんまに怪しーし?

 ICPOの捜査官てのも多分真っ赤な嘘だぜ?


 「やろなぁ…そないな嘘を鵜呑みにする校長先生がちょお心配や…」

 「まぁ、暫く泳がせてみるか。カイザーもその心算みたいだしな。」

 「泳がせる?冬に泳ぐのかこの人?」

 「意味が違うぞ十代…」


 此れくらい意味分ってよ十代……私だって分るんだからさ!
 ま、身体はカードで出来てて、脳味噌はデュエルで出来てる十代なら仕方ねっか♪


 「へへ、俺はデュエルが一番だからな!!」

 「…うん、十代はそれでえぇと思うで?未来永劫『純粋デュエル馬鹿』でいてや?」

 「おう!任せとけ!!」


 十代や…まぁ良いか、十代だし。
 な〜んかユベルも納得してるっぽいからね〜。


 「では皆さんはザルーグさんの学園内の案内をお願いします。」

 「では宜しく…(ニヤリ)」


 うい〜〜っす。
 つーか今ニヤリって笑ったよコイツ…

 ――はやて…

 ――まぁ、要警戒やな。


 だね。
 後で朝倉に正体洗ってもらうとしますか。

 つーかマジで念話って便利だわぁ…



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 ・・・



 「裕奈、私は今日の事柄に何処から突っ込めばいいんやろ…」

 「突っ込むな。寧ろ無視しろ、突っ込んだら負けだぜ…」

 まぁ、気持ちは分るけどね?
 あの後会う人会う人全部『黒蠍』な人ばっかだったモンね〜〜。
 朝倉に調べてもらったら『ザルーグ』なんて人はICPOにいねーし。


 「ホンマに頭痛くなってきたわ…準も思い切り苦い顔してたで?
  略間違いなく『七星門の鍵』狙うて来たセブンスターズやろうけど…アレ絶対アホやろ?」

 「確認不要。早い話がつまりアホ。」

 序でに馬鹿とウスラトンカチもつけてやるぜ。
 罠にかける為に鍵を一箇所に纏めたけど、こりゃ楽に掛かるね?


 「やな。しかも罠はザフィーラの『アレ』やから抜け出せへんて。」

 「まぁ、ザッフィーの『アレ』に囲まれたらねぇ…」

 マジで抜け出せねーでしょ?


 『うぃ〜〜っす。裕奈、ザルーグが鍵盗み出したよ?』


 お、朝倉監視ご苦労さん!
 でどっちに?


 『埠頭に向かって一直線だね。んじゃザッフィー宜しく!』

 『あぁ…囲え『鋼の軛』!!』

 「ぬおわ!これはぁぁぁ!!」


 おし、トラップ発動『鋼の軛』!!


 「ホンマに巧く嵌ったな!ほな皆にメール送信して…」

 「後はデュエルで叩くだけだぜ!!」

 PDA操作して『罠発動』っと!!
 んじゃ、行きますか!!








 ――――――








 Side:万丈目


 PDAにメールが来たから現場に来てみれば……本気の阿呆かコイツは?
 怪しさ満点で現れてその日の内に行動を起こすとは…
 メールに書いてあったが、ザルーグはカードの精霊でセブンスターズだと?
 怪しいとは思ったが此処までとはな…

 おまけに…


 「「「「御頭〜〜〜!!!!」」」」


 他の4人もか。
 こう言うのも何だが、他の4人に鍵を渡して逃がすっていう選択肢は無いのかお前は?
 まぁ、既に罠は解除したんだが。

 尤も裕奈のスターダストと十代のユベルが退路をふさいでるんだがな…


 「ソレはできん!いつも一緒に仲良く5人でお宝頂戴!それが!」

 「「「「黒蠍盗掘団!」」」」


 …阿呆だな。
 ソレとはやて、気持ちは分るがそのハリセンはしまっておけ。というか何処から出した?


 「レイハの突っ込みモードや。てか本気の本気で『SLB』かましてえぇかな?えぇよね?」
 『All right Captain.Starlight Breaker Standby.』

 「お〜、なら私もやる!いっその事なのはも召喚して『トリプルSLB』と行こうぜ!」

 『うふふ、久々に腕が鳴るの♪』


 待て待て待て!
 何故そう言う物騒な発想になるんだ!?
 前世の影響か!?

 俺達はデュエリストだろう?
 ならばデュエルで白黒はっきり付ける方が良い。


 「お、じゃあ万丈目がやるのか?」

 「あぁ、言った以上は俺がやる。」

 「「『ち…』」」


 舌打ちするな其処。
 ならば宣言しよう、3ターン以内に奴を倒すとな。
 ソレが出来なかったら、まぁ好きにすれば良い。


 「3ターン以内だって。」

 「大きく出たなぁ?まぁ、準やったら楽勝やろ………命拾いしたなおっちゃん。」

 「辛くも命を拾って生きる!ソレが!!」

 「「「「黒蠍盗掘団!!」」」」


 一々ポーズをとるな!
 く、はやての気持ちが少し分るな。
 此れは即つぶした方が良さそうだ…


 「ふふ、私達をつぶす?出来るかな?」

 「出来るかどうかは問題じゃない。大切なのはやるかやらないかだ。」

 お前達を倒して鍵は返してもらう。
 行くぞ!


 「「デュエル!!」」


 万丈目:LP4000
 ザルーグ:LP4000


 「先攻は私から。私は私自身のカード『首領・ザルーグ』を召喚!」
 首領・ザルーグ:ATK1400


 「折角なのでフィールドには私自身が出よう。
  続いて魔法カード『盗み出した財宝』を発動!フィールドに私が攻撃表示で存在する時デッキからカードを2枚ドローする。
  うむ…更に魔法カード『黒蠍団召集』を発動!私が存在する時手札の『黒蠍』を全て特殊召喚出来る。
  此れにより手札の『黒蠍−棘のミーネ』『黒蠍−逃げ足のチック』『黒蠍−罠はずしのクリフ』『黒蠍−強力のゴーグ』を特殊召喚する!」

 「うふふ…楽しみましょう?」
 黒蠍−棘のミーネ:ATK1000


 「お宝貰ったら速攻とんずら!」
 黒蠍−逃げ足のチック:ATK1000


 「罠解除はお手の物!」
 黒蠍−罠はずしのクリフ:ATK1200


 「強力一閃、誰にも負けぬ!」
 黒蠍−強力のゴーグ:ATK1800


 「カードを1枚伏せてターンエンド。」


 行き成り黒蠍の集結か。
 だが、ソレは集結ではなく終結だ。
 俺の手札には既にお前たちを倒すカードが9割揃っている!

 「俺のターン!手札から魔法カード『トレード・イン』を発動。手札のレベル8のモンスターを捨てカードを2枚ドローする。」

 手札の『バーニング・ドラゴン』を捨てて2枚ドロー。
 更に魔法カード『死者蘇生』!
 この効果で墓地の『バーニング・ドラゴン』を特殊召喚する!


 バーニング・ドラゴン:ATK2500


 バーニング・ドラゴンの効果でフィールド上の魔法・罠カードは全て破壊される!


 「ぐぬ、『黒蠍の猛毒』が…」

 「「「「御頭〜〜〜…」」」」


 攻撃反応型のトラップか。
 だが、此れで貴様の戦術は総崩れだ!

 「まだ終わらん!魔法カード『混沌の龍神』を発動。
  手札から『光と闇の竜』を効果を無効にしてリリース無しで通常召喚する。現れろ『光と闇の竜』!」
 『グゥゥゥゥ…!』
 光と闇の竜:ATK2800


 「オォ!光と闇来たー!!」

 「効果無効ならカード効果の無効は無しだから…」

 「やってまえ準!」


 あぁ、此れで終わりだ!

 「魔法カード『竜の息吹』!ライフを1000ポイント払い、ドラゴン1体の攻撃を全体攻撃にする!
  俺はこの効果を光と闇の竜に適応!」
 万丈目:LP4000→3000


 「ぜ、全体攻撃だとぉ!?」

 「御頭のフィールドに伏せカードはないわ…」

 「てことは俺ら…!」

 「この攻撃で終わり〜〜!?」

 「そのようだ。」


 言ったはずだ『3ターン以内で終わらせる』と!
 やれ光と闇の竜、黒蠍盗掘団を蹴散らせ!『シャイニング・アーク・ブレス』!



 ――ドガァァ!!


 差分ダメージ7600…終わったな。


 「ぬおわぁぁ!!」
 「「「「御頭〜〜〜!」」」」
 ザルーグ:LP4000→0


 ふん…まるで手ごたえが無いな。
 七星門の鍵を狙うなら、せめて相応の実力を身につけて来るんだな。


 「くぬ…無念…!」



 ――しゅぅぅぅ…



 消えた?
 …こいつらもまたカードの精霊意的な存在だったのか…


 「おぉ、宣言通りの速攻決着!流石は準!」

 「見事や!」


 まぁ、有言実行できたという事でよしとしよう。








 ――――――








 Side:はやて


 で、結局のところ『捨てるのは忍びない』ってことで黒蠍のカードを連れかえったんやけど…


 「うん…此れは流石にねぇ?」


 『ぬわーっはっは!これこそ!』

 『『『『黒蠍盗掘団!』』』』


 やかましいわ其処!!
 今何時かと思ってるんや!!


 『安眠妨害!それこそ!!』

 『『『『黒蠍盗掘団!』』』』


 無視かアホンダラ!!
 まったく妙な連中拾ってもうたわ。


 「まぁね…ま、仲間が増えたって事で納得しようよ。」

 「ま、ソレが一番やろな。」

 賑やかなのは別に嫌いやないし。


 ともあれで此れで4人。
 残るは3人…気合い入れて行こな!!


 「おうよ!!」

 『『『『『ソレが黒蠍盗掘団!!』』』』』


 いや、アンタ等はデュエルせえへんから違うやろ…

















   To Be Continued… 






 *登場カード補足



 混沌の龍神
 通常魔法
 自分の手札の「光と闇の竜」1体をリリース無しで召喚する。
 この効果で召喚されたモンスターの効果は無効になる。



 黒蠍の猛毒
 通常罠
 自分フィールド上に「黒蠍」と名の付くモンスターが表側で存在する場合に相手が攻撃宣言をした時に発動できる。
 相手フィールド上のモンスターを全て破壊する。
 このカードを発動した次の自分のターン、自分はバトルエイズを行えない。



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