小説『夜天と勇気と決闘者』
作者:吉良飛鳥(自由気侭)

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 Side:白n…クロノス


 「き〜〜〜!あのドロップアウト共!!もう我慢できないの〜ネ!!」

 ドロップアウトの分際で授業に口出ししてきやがります八神はやてと明石裕奈…如何言うつもりなの〜ネ!
 しかも一部の生徒が『あの2人の授業の方が面白い』とか言ってるらしいです〜し!?

 更にはあのドロップアウトボーイ遊城十代!!
 授業は殆ど寝てるくせに実技授業では裕奈、はやての2名と共に連勝無敗!
 あの3人に勝った生徒が1人もいないのは如何言う事です〜ノ!?

 このままではレッド寮生徒が幅を利かしてくる可能性があります〜ノ……それだけは容認できないの〜ネ!
 何とかあの3人を退学にでも出来れば……!!(キュピーン!)

 「いい事を思いついたの〜ネ!」
 此れならば巧くいけば3人纏めて…思いついたが吉日です〜ノ!
 早速準備するの〜ネ!









  遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX9
 『偽恋文で一騒動?』









 Side:十代


 「なぁ十代、翔君どうしたん?」

 「な〜んかボケ〜っとしてるよね朝から。」

 「分かんねぇ…話しかけても上の空なんだよ。」
 お〜い、大丈夫か翔?

 「……………」

 まるで反応が無ぇな。
 おい、翔!


 ――ユサユサ…


 「…………」

 揺すってもダメか?

 「お〜い翔君!」


 ――ツンツン


 「…………」

 裕奈が突っついても効果は無いな…

 「シャっきりせぇて、此れで…ドナイや!」


 ――びよ〜〜〜ん…


 「「あはははははは!!!」」

 す、スゲェ伸びるな翔の頬っぺた!

 「…………」

 はやての一発でもダメか?

 「ホンマにドナイしたん?お〜い翔君〜。」


 ――コンコンッ


 「…アカンわ此れ、完全に脳味噌がお留守や。しっかしこの症状…もしかしたらアレかなぁ?」

 「言われてみると確かにアレかもね…」

 ?アレって何だ?

 「あくまで予想の範疇やけど…」
 「十中八九『恋煩い』で間違いないんじゃない?」

 「恋煩い!?」
 翔が!?いや、でも其れであんなになるモンなのか?

 「よう分からんけど多分。」



 ――ガタッ!



 「翔?」
 如何したんだ、行き成り立って?


 「あ、アニキ!僕ちょっと失礼するっす!」

 お、オイ翔!
 「何なんだぁ?」

 「十代、アレ。」

 アレ?…あれは確か天上院明日香?アイツがどうかしたのか?

 「翔君の想い人は多分彼女だよ。」
 「明日香ちゃんが現われてあの反応…こら間違い無いで?」

 そうなのか!?
 まぁ、確かにアイツはデュエル強そうだけどな♪

 「「…いや、恋とデュエルは関係ないと思う。」」

 ?よく分からねーや。

 『十代、君って奴は…否、言うだけ無駄だね…』
 「ク〜リ〜〜〜…」

 何で呆れてるんだ、ユベルとハネクリボーは…?


 「そら呆れるわ…この無自覚フラグプレイヤー予備軍。」
 『言うだけ無駄です、我が主。』
 『お姉ちゃん流石に其れは酷すぎです…』


 「で、無自覚フラグクラッシャーの素養も在るよね此れは…ネギ君じゃないんだからさ…」
 『この旗砕き〜〜♪』


 ???何でこんなに色々言われるんだ俺?
 ま、良いか。








 ――――――








 ――その夜


 Side:裕奈


 「全く、面倒な事になってもうたな〜〜…」

 「ホントだよ…何で女子寮なんかに行ったのよ翔君は〜〜!」

 只今、私とはやてと十代は小船を漕いで女子寮目指して邁進中!
 十代のとこに明日香からメールが来たからなんだけど…何してんの翔君!?
 事情は知らないけど女子寮に忍び込んだらそりゃ捕まるよ〜〜…

 「待ってろよ翔!」

 「アンタはアンタでやる気だね十代?」
 ま、同様のメールが来たから私とはやても同行してるわけだけど…


 っとあれが女子寮……ってちょっと待てレッド寮と比べると随分豪華じゃない?
 まるでお城じゃん…お世辞にも趣味が良いとは言えないけどさ。


 湖畔に誰かいるね〜?
 アレは…明日香他2名と、半芋虫状態の翔君!?
 いや、幾らなんでも『ぐるぐる巻き』はやりすぎじゃね〜の?


 「翔の身柄を引き取りに来たぜ?」
 「出来れば穏便に済ませてくれへんかなぁ?翔君も悪気があったわけや無いと思うし。」

 多分無理だろうけど、無罪放免と行かない?


 「そうは行きませんわ!」
 「女子寮に忍び込んで覗きだなんて、許せない!!」


 だよねやっぱり。
 つかさ、何で翔君は女子寮なんかに来たの?

 「呼び出されたんすよ!明日香さんからの手紙で!!」

 「「「…は!?」」」

 明日香が手紙で呼び出した?
 …マジで?

 「ふぅ…私はそんなもの出してないわ。現物を見せてもらったけど、やっぱり覚えが無いの。
  彼が其処までの自作自演をするとは思えないんだけど…」

 「翔はそんなことしないぜ!」

 「てか出来ないっしょ?」
 つーか、昼間のあのボケボケ状態はその偽手紙が原因だった訳か…
 ったく誰よ、こんな性質の悪いイタズラしたのは…


 「そうよね…私としては彼方達に引き渡してもいいんだけど…」

 「一緒に居る2人が納得しない訳ね…」
 見るからにいきり立ってる、てか端から翔君を覗き犯扱いだもんね…如何したもんだろ?


 「じゃあデュエルで決めようぜ!」

 「「十代?」」

 デュエルでって…如何すんの?3vs3でもやるの?

 「そうじゃないって。翔は俺の弟分だからさ、俺とそっちの代表がデュエルして、俺が勝ったら翔は釈放って事で如何だ?」

 成程、
 「其れは良いかもね。」

 「此処はデュエルアカデミアや。揉め事をデュエルで白黒ハッキリさせんのも有りやな。」

 「私は其れでいいわ。ジュンコとももえも其れで良い?」

 「良いですわ。」
 「その代わり、私達が勝ったら先生に引き渡すから。」


 「うわ〜〜!アニキ、絶対勝ってくれっす!!」
 「任せとけよ翔!」


 なんか急展開だけど…ま、いっか。
 「で、そっちの代表は?」

 「私が出るわ。」

 「お、明日香ちゃんか…こらえぇモンが見れそうやな?」

 だね。
 取り合えず…頑張れ十代!

 「おうよ!!行くぜ…」


 「「デュエル!!」」


 十代:LP4000
 明日香:LP4000



 さってと、どうなっかね〜〜








 ――――――








 Side:明日香


 思いがけずデュエルをする事になったわね…でもやる以上は全力で行くわよ!
 「私のターン。『ブレード・スケーター』を攻撃表示で召喚。」
 ブレード・スケーター:ATK1400


 「カードを1枚伏せてターンエンド。」
 さぁ、如何来るかしら?


 「俺のターン!俺は『E・HERO オーシャン』を召喚!」
 E・HERO オーシャン:ATK1500


 やっぱりE・HERO…でも手札に融合は無かったみたいね?


 「行くぜ、オーシャンでブレード・スケーターに攻撃!『ビッグウェーブ・クラッシュ』!」


 攻撃してきたか…でもそうは行かないわ!
 「トラップ発動『ドゥーブルパッセ』!私の場のモンスターが攻撃対象になった時、その攻撃を私への直接攻撃にし、
  その後攻撃対象になったモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与えるわ!……く…」
 明日香:LP4000→2500


 「なんだって!?うおわぁぁ!!…く、何て女なんだ…!」
 十代:LP4000→2600


 誉め言葉と受け取っておくわ。


 「カードを1枚伏せてターンエンド。」

 「私のターン!」
 うん、良い引きだわ!
 先に使わせてもらうわよ?


 「手札から魔法カード『融合』を発動。手札のエトワール・サイバーと場のブレード・スケーターを融合。現われよ『サイバー・ブレイダー』!」
 「ハァァァァァ!!」
 サイバー・ブレイダー:ATK2100


 「おぉっ!お前も融合使うのか!」

 「融合は何も貴方の専売特許じゃないでしょ?バトル、サイバー・ブレイダーでオーシャンに攻撃、『グリッサード・クラッシュ』!」


 十代:LP2600→2000
 「やるな…けどヒーローの魂は死なないぜ!トラップ発動『ヒーロー・シグナル』!
  俺の場のモンスターが破壊された時、デッキからレベル4以下のE・HERO1体を特殊召喚する。来い『E・HERO レディ・オブ・ファイア』!」
 E・HERO レディ・オブ・ファイア:ATK1300


 「モンスターは途切れさせないか…やるわね。ターンエンド。」

 「俺のターン!今度はこっちから行くぜ!魔法カード『融合』発動。手札のバーストレディとフィールドのレディ・オブ・ファイアを融合!
  融合召喚!現われろ、炎を操るヒーロー、『E・HERO ヒート・ヴァルキリー』!」
 「ハァァァ…トゥア!」
 E・HERO ヒート・ヴァルキリー:ATK2000


 「ヒート・ヴァルキリーはフィールドの『HERO』と名の付くモンスター1体に付き攻撃力が300ポイントアップする。」
 E・HERO ヒート・ヴァルキリー:ATK2000→2300


 攻撃力がサイバー・ブレイダーを上回った…!
 でも、そう巧くいくかしら?

 「バトル!ヒート・ヴァルキリーでサイバー・ブレイダーを攻撃、『ヒート・ドライブ』!」

 「サイバー・ブレイダーの効果、サイバー・ブレイダーは相手モンスターが1体のみの場合戦闘では破壊されないわ。」

 「何だって!?だが、ダメージは受けてもらうぜ!」


 まぁ、其れは仕方ないわね…


 明日香:LP2500→2300


 「ターンエンド。」

 「私のターン。」
 …伏せカードは無し、一気に攻める!

 「装備魔法『フュージョンレベルアーマー』をサイバー・ブレイダーに装備。
  装備モンスターの攻撃力は、装備したモンスターのレベル×200ポイントアップ。
  サイバー・ブレイダーのレベルは7、よって攻撃力は1400ポイントアップ!」
 サイバー・ブレイダー:ATK2100→3500




 「こ、攻撃力3500!?あ、アニキ大丈夫っすかね…」

 「大丈夫でしょ十代だし。此れ喰らってもライフは残るし。」

 「せやな。寧ろピンチになってからやろ『HERO』ってモンは。」




 翔君は兎も角、裕奈とはやてはあんまり驚かないのね…


 「流石ですわ〜。」

 「そのまま押し切っちゃってください!」


 こっちはこっちで…でも、負ける気は最初から無いわ、
 「行くわよ十代!サイバー・ブレイダーでヒート・ヴァルキリーを攻撃!『グリッサード・クラッシュ』!」


 ――ドォォォン!!


 「く…ヒート・ヴァルキリー…!」
 十代:LP2000→800


 此れでライフは俄然有利。
 しかも今のサイバー・ブレイダーの攻撃力は簡単には超えられないわ。
 「ターンエンド。」

 「俺のターン………へへ、俺の勝ちだ!」

 え?
 「何を言ってるの?貴方の場にはモンスターが1体も居ないのよ!?」

 「確かにな。しかもお前の場には攻撃力3500のサイバー・ブレイダーが居る。
  けど、この1枚で状況が一変するって考えたら……ワクワクして来ないか?」

 「ワクワクって…」
 ひっくり返すと言うの?この状況を!?

 「行くぜ!魔法カード『融合』!」


 2枚目の融合!まさか今のドローで…?何て引きの強さ…


 「手札の『エッジマン』『スパークマン』『ボルテック』の3体を融合!融合召喚、雷光のヒーロー『E・HERO プラズマ・デストロイヤー』!」
 「ウォォォォォォォォォ!」
 E・HERO プラズマ・デストロイヤー:ATK3000


 3体融合!でも攻撃力はサイバー・ブレイダーの方が上よ?


 「明日香ちゃん、焦ったらアカンで?」
 「プラズマ・デストロイヤーの効果は…十代!」


 「おう!プラズマ・デストロイヤーは融合召喚に成功した時、元々の攻撃力がこのカードの攻撃力よりも低いモンスターを全て破壊する!
  プラズマ・デストロイヤーの攻撃力は3000、サイバー・ブレイダーの元々の攻撃力は2100だ!」

 何ですって!?
 まさか、そんな効果が有ったなんて…


 「行け、プラズマ・デストロイヤー!『ライトニング・エナジー』!」


 ――ドォォォォン!!


 そんな…サイバー・ブレイダーが一撃で…
 本当にたった1枚のカードで状況が変った…!


 「明日香、楽しいデュエルだったぜ?」

 「!!そうね…楽しかったわ。」
 そう言えば、全力を出したのは随分久しぶりかも…


 「プラズマ・デストロイヤーでダイレクトアタック!『プラズマ・ボルテッカー』!」


 ――ババババババババ!


 「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 明日香:LP2300→0


 「ぃよっしゃーーーー!!」


 「アニキ、やったっす!!」
 「此処で融合とか、相変わらず物凄いドロー力だよね〜。」
 「まぁ、十代やしな♪私等のドロー力も大概チート思うけどな…」


 負けちゃったか…ふふ、向こうは大賑わいね。
 其れとは反対に…

 「そ、そんな…」
 「明日香さんが負けるなんて…」

 「勝負ですもの、負ける事だってあるわ。それに全力を出した末の……ふふ、完敗ね。」

 「そ、そんな事無いですわ!アレは…運が良かっただけです!」
 「そうです!たまたま運が味方しただけで…!」


 「運も実力の内だよお2人さん?」


 「「「!!!」」」


 裕奈とはやて!?…成程、此れは万丈目君でも驚くわね…何時の間に近付いたのかしら?


 「そら、企業秘密や♪それと、十代と翔君は先に寮に戻ってもろたから此処には私等しかおらへんよ?」

 「も、物凄い早業ね…」
 それで、如何したの?


 「ん〜〜…その2人にちょっとお説教、てか間違いを正しとこおもてな。」

 「間違い?」
 「如何言う事ですの!?」

 「そ、最後のドローは『偶々運が良かった』んじゃなくて十代の持つデュエリストの魂が『運を呼び寄せた』って事。
  ぶっちゃけると十代の魂が『運』に融合をドローさせるように『命』じたってとこかな〜。」

 「運に命じて引き寄せたカード…正に『運命の引き札』――デスティニードローと言う事ね?」
 あながち間違いでは無い様な気がするわ。


 「信じられへんと思うやろうけど事実や。ホンマモンのデュエリストのデッキには魂が宿るモンや。
  そんで魂の宿ったデッキは必ずデュエリストに応えてくれるんやで。」

 「ま、何が言いたいのかって言うと十代の勝ちは決して只のラッキーじゃ無かったって事。
  デュエリストの強さにレッドだとかブルーだとかそんなものは関係ないんだっぜ?」

 「その通りね。肩書きに捕らわれているようじゃマダマダね……分かったジュンコ、ももえ?」

 「「う…はい。」」


 宜しい。
 貴女達ももう戻るんでしょう?

 「だね。明日の朝の仕込みも残ってるし。」

 「この辺でお暇させてもらうわ。機会があったら私等ともデュエルしてな?」

 「えぇ、何時でも喜んでお相手するわ。」
 貴女達とも良いデュエルが出来そうだしね。
 万丈目君がデュエリストとしての本能を刺激されたのも分かるわ。


 「ほな!」
 「また明日〜♪」


 「えぇ、また明日。」
 遊城十代に、明石裕奈、八神はやて…か。
 何か、面白い事に成りそうだわ。

 此れから先が楽しみね。
















   To Be Continued… 










 *補足



 E・HERO ヒート・ヴァルキリー
 レベル6   炎属性
 戦士族・融合/効果
 「E・HERO バーストレディ」+「E・HERO レディ・オブ・ファイア」
 このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
 このカードの攻撃力はフィールド上に表側表示で存在する「HERO」と名の付くモンスターの数×300ポイントアップする。
 このカードが相手モンスターを戦闘で破壊し墓地へ送った時、破壊したモンスターのレベル×200ポイントのダメージを相手に与える。
 ATK2000   DEF2000



 E・HERO プラズマ・デストロイヤー
 レベル9   光属性
 戦士族・融合/効果
 「E・HERO エッジマン」+「E・HERO スパークマン」+「E・HERO ボルテック」
 このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
 このカードの融合召喚に成功した時、元々の攻撃力がこのカードの攻撃力よりも低い表側表示のモンスターを全て破壊する。
 このカードは1ターンに1度以下の効果の内どちらか1つを選択し、エンドフェイズまで選択した効果を得る事が出来る。
 ●守備モンスターを攻撃した時攻撃力が守備力を超えていれば其の数値分の戦闘ダメージを相手に与える。
 ●守備モンスターを攻撃した場合ダメージ計算を行わずに守備表示のまま破壊する。
 ATK3000    DEF2000



 フュージョンレベルアーマー
 装備魔法
 融合モンスターにのみ装備可能。
 装備モンスターの攻撃力は、装備モンスターのレベル×200ポイントアップする。
 装備モンスターが戦闘によって破壊される場合、代りにこのカードを破壊する。



 ドゥーブルパッセ
 通常罠
 自分フィールド上の表側攻撃表示モンスター1体が 相手モンスターの攻撃対象になった時に発動できる。
 そのモンスターの攻撃は自分への直接攻撃になる。
 その後、攻撃対象になったモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。



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