【 第8話 】
「なんで京子がここにいるんだ?」
京子が何をしたかは、知らないが俺に記憶が少しだけ戻ってきた。
「私はもともとこっちの世界の人間で魔装少女なんだよ」
「じゃー俺は遊ばれていたのか?」
「そんなことないよ龍輝」
あぁ〜。
意味が分からん。
「じゃー何をしに来たんだよ!」
「龍輝に力を貸してもらいたくてね」
力を貸す?
「何の力を貸すんだ?」
「それはね…………」
なんだって!!
「なんでお前が……」
「力を貸してくれるよね!」
俺の話を聞いていない。
まあ。俺にとっても好都合なんだが、同じ種族のお前がなんでなんだよ。
「まあいいだろう。力を貸してやるよ!」
「ねぇ龍輝?誰なの?」
ミラージュが俺の服を引っ張りながら言う。
「ん〜っとだなぁ。俺が死ぬ前の彼女だよ」
『ガーーン』と言いうような音が聞こえたような気がした。
それと同時にミラージュの体は崩れ落ちる。
「そうなんだ……」
ミラージュのテンションは下がり続けている。
ごめんなミラージュ、でも今はお前の方が好きだぜ!
みたいなことはこの場では言えないしなぁ〜。
「っで京子、俺は何をしたらいいんだ?」
「魔力をくれると嬉しいんだけどなぁ〜アーティファクトを作りたいから」
「なんなんだそれ?」
「簡単に言えば命みたいなものかな?もしも殺された時に生き返られるように」
そんなものを魔装少女は作れるのかよ!
怖い種族だな魔装少女ってやつは。
「いいだろうお前に死なれては困るし」
俺は京子の手を握り魔力を渡す。
「これくらいでいいか?」
「十分だよ!後は、闘うときには姿がばれないようにしといてね」
そう言って京子は姿を消した。
「ミラージュ?」
ミラージュは未だにテンションが低い。
「さあ。アイスでも食べに行くか!」
「うん……」
俺たちは再びデパートへ向かった。
ミラージュのテンションを元に戻さないといけないな。
今の俺はミラージュのために生きているんだから。
いや違う。
俺はミラージュのことが好きだから、守ってやりたいからそばにいてやりたいから生きているんだ。
「おいおいミラージュ、やけ食いはよくないぞ」
ミラージュはアイスを次々に食べていく。
ここに来る前にミラージュが『アイスをたくさん食べさせてくれたら許してあげる』なんて言ったからこんなことになってしまった。
「もっと食べるもん!」
ミラージュはやけ食いが体に悪いということを知らないみたいだ。
「ミラージュ、やけ食いは体に良くないんだぞ!」
ミラージュは急に食べるのをやめた。
分かってくれたのか。
「そんなこと言ってだまそうなんて考えてない?」
なんで疑われないといけないんだよ!
「そんなことねぇーよ!俺がいつお前に嘘を言った?」
ミラージュは少し考え込む。
「ない……1回もない、ごめんね龍輝」
「わかってくれたらいいんだよ」
なんとかいつものミラージュに戻ってくれそうだ。
「今日の晩飯は何がいい?買い物して帰るから」
「う〜んと、ハンバーグがいい!」
「了解!ほらっ、行くぞ!」
「待ってぇ〜龍輝」
ミラージュのテンションは戻っただろう。
さあ。今日も気合を入れて料理をするとしますか!
ミラージュの笑顔が見れる。
最高の料理をな!