【 第７話 】
張り切ってデパートに行ったのはよかったのだが、全く魔装少女の魔力反応がない。
俺にも探せる力があればやるんだが、ミラージュは教えてくれるのかな？
そんな疑問が出てくる。
いや、俺がやるんだ！
ミラージュにばっか探させる訳にもいかないし。
「なぁーミラージュ、俺にも探す力は使えるのか？」
「できるよ、たぶん……」
「できるのなら俺に教えてくれ！頼むよミラージュ」
「でも可能性はほんの少しだよ！」
ミラージュに聞いたことはある。
これは妖精が使える力で、人間には使えない妖精だけの力だとか。
でも可能性が１パーセントでもあるなら俺はやる。
もう決めていることなんだ！
俺の心の中ではだけど。
ミラージュはいまだに悩んでいる。
「ミラージュ、俺は使えるようになりたいんだ！これからのためにも」
「龍輝がそんなに言うんだったら教えてあげる！」
「ありがとな」
「その代り、ア・イ・スだからね！」
「わかったよ！」
そんなこんなで俺達は場所を移動した。
「今の説明でわかった？」
今、俺とミラージュはあの墓場に来ていた。
来て直ぐ数分の説明を聞いていた所だった。
「なんとなくならわかったぜ！」
「じゃーやってみて龍輝」
「おう！任しとけぇ俺に不可能という文字はないはずだからなぁ！」
まずは集中、集中っと。
俺は目を瞑る。
う〜んと次は魔力を一か所に集める感じだったかな。
俺は胸の前に両手を出し、魔力をためる。
調べたい場所の４か所を思い浮かべるんだったかな？
調べたい場所を囲む頂点を
最後はためた魔力を上に投げるはずだ！
「いっけぇ〜」
俺は勢いよくためた魔力を上に投げる。
魔力は上に上がると４つに分裂して４つとも違うところに飛んで行った。
「……？」
まったく何にも怒らないぞ？
失敗したのか？
やっぱり不可能だったのか俺には……
「やったね龍輝！私の魔力を吸い取ったから出来たんだと思う」
「できたのかこれ？全然反応がないんだが」
確かに俺の頭の中にさっき決めた４か所を囲む範囲が浮かんで来ているような気がする。
「最初だからしょうがないよ！私もそうだったもん」
「これでミラージュばかりに探させずにすんだな」
後は、この墓場に来るときに話していたやつが出来たら俺たちはもっと強くなれるのになぁ〜
「次は、私ががんばらないとね！」
「俺が勝てない敵が来たときは頼んだぜミラージュ！」
この近くに魔力を感じる。
しかも、この墓場にいる。
「誰だ！俺達を見ているやつは」
俺はミラージュを肩に乗せ魔力を感じた方を向く。
ばれたと感じた少女は隠れていた墓から姿を表す。
「ばれてしまったらしょうがないです」
どこかで聞いたことがあるような声、俺の頭に『ズゥーン』と頭痛が走る。
「魔装少女のお前から来てくれるとは、死にに来たのと同じだぜ！」
俺は笑顔で言う。
「私だよ龍輝。覚えてないの？」
俺の知り合いなのかこいつは……
「龍輝ダメッ！こいつの言うことなんか聞いちゃダメ！」
ミラージュは肩から降りて俺の目の前で『メッ！』といった感じのポーズをする。
「邪魔をしないでくださる!!」
ミラージュは魔法のロープに縛られ地面に倒れる。
「ミラージュに手を出すんじゃねぇ！」
「わかっったよ龍輝」
「気安く俺の名前を呼ぶんじゃねぇ！」
「今日は龍輝に思い出してもらうんだから」
何を思い出すんだ？
さっきから龍輝って呼びやがって……
でも、どこかで会ったような記憶があるようでないような。
俺の記憶がないのを知って、からかっているのかもしれないし。
「わかった。その代りミラージュを放しやがれ」
「いいよ、話してあげる」
ミラージュは魔法のロープから解放される。
「何をするつもりなの？」
ミラージュは泣きそうな目をしながら言う。
「思い出してもらうの私とのことを」
「俺はその気になればお前を殺すことは出来るんだからな」
「それは思い出してからもう一度言えるかしら」
謎の少女は俺に近づき俺の頭に手を置く。
「変なことをしようとしたら直ぐに殺すからな」
何ともみっともない姿なんだ。
魔装少女の言うことを聞かないといけないなんて。
「じゃー始めるから」
…………
「……京子なのか？」
「そうだよ龍輝！やっと会えたね」
彼女は笑顔でそう言った。
「どういうことなの龍輝？」
「思い出したんだよ。少女いや京子のことを！」
ミラージュは『？？』を頭に浮かべていた。