小説『これはゾンビですか?−はい、夜の王物語です!』
作者:音無()

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                 【プロローグ】



俺、黒鉄龍輝(くろがねりゅうき)は日々楽しい高校生活を送っていた。


そう高校生になってすぐ俺の青春時代が来た。彼女が出来たのだ!


今まで彼女なんて出来るわけがないと思って来たが高校生になってすぐ彼女から告白と言うやつをしてきてくれたのだ。


俺らの学校は中学・高校とそのまま進級出来る学校なのである。


まあ。だからこそ俺に彼女が出来たのかもな。


「ねぇ〜・・・聞いてる?」


「あっああ、何だっけ?」


俺は彼女と話をしながら帰宅する。


「もう!日曜日!明日のデートの話!」


彼女、京子(きょうこ)は頬をぷくぷくフグのように膨らませて言う。


「ああ、9時でよかったか?」


「うん!」


京子は笑顔でこたえてくれる。


それからちょっとした無言が続く。


「じゃー明日!楽しみにしてるね龍輝!」


ちょっとしたウインクが俺のハートを持って行く。


「じゃーな京子!」


俺は京子の姿が見えなくなるまで手を振り、自分の家に帰るのだった。








「ただいま〜」


家には誰もいないが「ただいま」は言うようにしている。


泥棒(ドロボウ)が来たら怖いしな・・・と言う理由で言っている。


ついでに俺の両親はどこか遠い国に行っている。


両親は、俺が高校生になる時に行ってしまった。


全く世話の焼ける両親なもんだ!


『ブ〜ブ〜』


ケータイが鳴っていることに気づいた俺は、ケータイを充電している机に向かう。


いつもは学校に持って行くのだが、今日は充電が出来ていなかったから家に置いて行くことになった。


俺は来たメールを開く。


「明日、楽しみにしてるね!時間は9時だからねぇ!忘れないでよ!!」


「わかってるよ(^_-)-☆」


顔文字付きのメールを送る。


正直言うと絵文字を使うのが好きではない。


だから、顔文字だけは使うようにしている。


「じゃー明日たね(^^)/」


「おう!(^_^)v」


数分、京子とメールをしていたら時間がもう7時を回っていた。


「腹減ったなぁ!」


俺は冷蔵庫の中身をみる。


中には卵にマーガリンなどが入っている。


買い物に行かないとダメだったのに忘れていた俺は本当にバカだ。


ご飯は残っていたので、卵かけご飯に決定する。


チョチョイと食べ食器を洗い少し休憩する。


「はぁっ!」


気づいたらソファーで寝てしまっていた。


「風呂に入って寝るか!」


俺はすぐに風呂に入りヘッドで寝るのだった。









「リンリンリンリン♪」


うっせーなぁ。


俺は手を伸ばし目覚ましを止める。


まったく、これだから目覚まし時計は嫌いなんだよ。


俺は起き上がり背伸びをし顔を洗いに洗面所に向かう。


「今何時だ!?」


時間を確かめるためにリビングに向かい時間を確認する。


「・・・・・・・・・・・・やべっ!」


今日は京子とデートの日だ!


時間は8時、ギリギリの時間だ!俺は急いで支度し家をでるのだった。









待ち合わせの駅に到着したのだが、京子の姿は見当たらない。


「もしかして・・・・・・」


嫌な予感がした。


俺はケータイを見る。


時間は最悪だった。今は待ち合わせの1時間前だった。


俺の嫌な予感は当たってしまった。

「マジかぁ〜!」


何で気づかなかったんだろうか。



リビングの時計は最近壊れて1時間早くなっているということに。

そりゃーギリギリに家を出ても早く着くわけだ!


俺はベンチに腰を下ろし京子を待つことにした。


まぁ。遅れて来るよりかは、ましだよな!


待つこと30分!ようやく京子が来た。


京子は俺に気づいていないようだった。俺は京子にメールをする。


「ごめん!遅れそう」


京子はメールに気づき返信が返ってくる。


「もう!早くきてよね!」


俺は京子に気づかれないように近づいていく。


驚かそうと思ったが嫌われたら嫌だから両手で京子の目を隠す。


「だ〜れだ?」


京子は一瞬焦りながら「龍輝?」と疑問で応えてくれる。


俺は「アッタリー!」と両手を離し京子の前に行く。


「も〜!龍輝のバカ!」


「ごめんごめん!」


謝りながら駅のホームに向かい目的地を目指した。










今日のデートに選んだのは遊園地だ!


何やかんや言って大人にも人気があるもんだろ!


そう考えた俺は京子を遊園地に誘ったのだった。


人生初のデート!本当に遊園地でよかったのか、今にもなって不安になってきた。


俺は京子を見る。


京子の目はキラキラしていた!


もしかして正解だったか?


「何から乗る?」


「ん〜と・・・ジェットコースターかな?」


ジェットコースター?いきなり!


まあ。京子が喜んでいるならいいか!


「じゃー行くぞ!」


俺は京子の手を握りジェットコースターがある場所に向かって歩いた。


京子の頬は真っ赤になっていた。


「京子!?熱でもあったのか?」


「そっそんなんじゃ・・・・・・ないもん」


「ほらっ!早く行こうよ龍輝!」


京子は俺の手を引っ張り笑顔で言ってくる。


その仕草はとても可愛らしかった。


ジェットコースターの待ち時間はっと・・・・・・えっ!


待ち時間なし!


今日って意外と人が少ないか?


さっきは多いような気がしたんだが、気のせいだったのかなぁ?


そのままジェットコースターに乗る京子と俺だった。










結局、ジェットコースターに乗っていたのは、俺と京子それに2家族くらいだった。


京子は「キャー」と声を出し過ぎたのか声が小さい。


「飲み物でも飲むか?」


「うっうん!」


声が小さかったから聞こえづらかったが、飲みたいと言うことは伝わった。


俺は京子のためにジュースを買いに行った。


ついでに言うと京子はベンチに座っている。


俺はジュースを両手に持ち京子のもとに行った時だった。


「パンッ!」


火薬銃がなったかの音、俺は後ろを振り返る。


不審な男?が俺に向かって撃っていた。


火薬銃?そんな訳がないあれは本物の銃だろ!


急な激痛が腹部から伝わってくる。


よく見ると腹部から血が流れている。


不審な男?は直ぐに姿を消していた。


京子が近寄ってくるのを確認し俺は膝から倒れていく。


「龍輝っ!しっかりしてよ龍輝!」


「っなっ泣くんじゃないよ京子!」


「でも・・・・・・」


京子の涙が俺の顔に落ちてくる。


「ごめんな京子!悲しい思いをさせて・・・・・・」


「死んじゃいやだよ龍輝!死なないで!」


「そうしたいのは山々なんだがもうダメみたいだわ……!俺を彼氏に選んでくれてありがとうな京…………」

意識が遠くなっていく。本当にもう死ぬんだな!急に死ぬのは辛いもんだ!


「いやぁ〜〜」


最後にそんな声が聞こえ意識が遠くなった。

-2-
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