第九話目 「気をつけてあいつは化物よ!」 「俺に任しとけ!って何この小芝居?」 「さあ?」 by一斗&美香藻
前回から更に数年後。
やあ!みんな海外に行ったら3分間に一度はお巡りさんにパスポート持ってる?って聞かれる程の不審者、佐々木 一斗だよ!
自分で言うのもなんだが本当に俺周りから見ると怪しいんだね。
「はぁー」
「おい、どうしたんだよため息なんてついてよ。」
「改めて自分の不審者度を認識しただけさ。」
「は?何言ってんだ?」
こいつは名前は織斑一夏、俺の知り合いで。超天然女たらし。その上、鈍感なので、俺達モテない男達の敵だ。
そして、俺達は今、こいつの姉が出場している。ISの世界大会(え〜と確かモンドなんとか言う名前で開催は二回目らしい)を観戦しにドイツにきていた。(自分達のぶんは自分達で出しました。)
「そうよ、アンタは不審者じゃ無くてただの変態でしょ?」
「ただの変態ってなんだよ。」
美香藻のバカみたいな台詞にツッコム俺。
「いいよなぁ。少なくとも見た目だけは美少女な奴は。絶対職務質問を受けないもん。」
「誰が見た目だけ美少女よ!この完璧超絶美少女の美香藻ちゃんがアンタの目には入らないの!」
おめーの自信家発言は良いから。
「「「わぁぁぁぁぁぁ!」」」
「お!始まったんじゃねーのか?」
「あ!千冬さんだ!頑張って!」
「千冬姉、頑張れぇぇぇ!」
そういや、こいつの姉の事説明し忘れてたなぁ。
こいつの姉は織斑千冬。第一回モンドなんとか優勝者でつまるところの世界最強、たしかエルヒガンデ?じゃなくてプリなんとか言う呼ばれ方をしてた。
白兵戦では無類の強さを持ち俺以上に人間を辞めているかも知れない人。
だってあの人の事を俺は、時々本当にタイラントじゃねーの。って思うもん、素手でコンクリートの壁を破壊出来る人を人間って言いますか?
まぁ、とにかく強い人。以上。
「あれ?もう終わったの?流石、千冬さんだ!タイラントの名は伊達じゃない!」
俺が長々と解説しているうちに試合が終わっていた。
と言うかさっきの台詞言った瞬間此方の方を睨みましたよ、あの人。どんだけ地獄耳なんだよ。
「次の試合始まる前にトイレ行って来るわ。」
そう言って席を立つ一夏。
「俺も行くわ。」
「んじゃ私も。」
こうして三人揃ってトイレにいくはめになった。
あっ!あいつもいたけど、まぁいいか。あいつはあいつでしっかりしてるし。
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「はぁー。すっきりした。ってあれ?一夏く〜ん。」
俺より先に出ていたはずの一夏がいない。
「おっかしいなぁー。どこいったんだか?」
「何やってんの?一斗。」
美香藻がいいタイミングで出てきた
。
「おお、美香藻君。一夏君がいないんだよ。俺より先に出たはずなのに。」
「あいつの事だからどっか散歩にでもいってんじゃ無いの?待っときゃ、そのうち来るんじゃない」
「それもそうか。」
アッハッハッハッハッハ!と二人で大笑いする俺達。
その時、丁度俺達の横を黒塗りのベンツが走って行った。その窓には一夏の姿が。
「アッハッハッハッハ!ってあり?さっき一夏の顔が窓から見えて無かった?」
「アッハッハッハ!ってそう言えばそうよね?」
まさかねぇー?まさかねぇー?
「おーい!一斗君!」
「あれ?風紀?何でこんな所に?気分悪いからホテルにいたんじゃ?」
そう、俺を転生さして下さった、死神様です。はい。
数ヵ月程前に不意に佐々木家の隣に弟と共に越してきて。あっという間にみんなと仲良くなっていた。以上。
「無駄に?が多いわよ!ってそんな事はどうでも良いの。それよりも一夏君が拐われたのよ!」
「「えぇっ!」」
見事に俺と美香藻の声がシンクロした。
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「あそこで良いのか?」
「うん。」
「やけに確信じみてるな。」
「私だって貴方じゃ無いけど自信で生きてる用なものなの。」
「へいへい、そうですかい。」
現在、俺達人間辞め部隊(美香藻は辞めて無いが)はとある廃工場近くの物陰に隠れてる。
「でも、どうやって助け出すの?って言うか良くアンタが人助けを自分からする。なんて言い出したわね。」
「ああ、千冬さんに恩を売る・・・じやねーや。まぁ、気まぐれってやつ?」
「本音が駄々漏れよ、一斗君。」
「どうせ、そんなこったろうと思った。」
「うるせぇ!とにかく、ちょっと中を見てから考えようぜ。」
さて、これからが戦いだ。