小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第二三話


 その後、カリムと共に執務室を出た。

葵「カリム。すまないが病院に寄りたいんだが」

カ「どうしてですか?」

葵「部下がこちらで世話になっているようでな。ついでに見舞いだ」

カ「お優しいのですね」

 そう言いながら病院の方へ向かって歩を進めていると、

葵「・・・カリム。あの子供は?」

カ「え? あぁ。彼女たち二人はある事件に巻き込まれて御両親が・・・その御亡くなりに」

葵「その事件というのは?」

カ「【不の者】です。あなたの言葉を借りれば」

 !? まさか・・・

葵「・・・・すみません。彼女たちと少し話してきていいですか?」

カ「えぇ、構いませんよ。私もついていっても?」

葵「無論」

 そういってその少女たちの前まで行く。


SIDEカリム


葵「こんにちは」

 一人はツインテールの淡い茶色の髪をした女の子。もう片方は黒色に少し紫がかったショートヘアーの女の子。ただ普通の女の子と違うのは目に光が宿っていない。おそらく親がいなくなった時のショックがまだ抜けていないのだろう。むしろこの子たちにそれを背負えと言う方が無理だ。

女の子「こ、こんにちは」

女の子「おにいちゃん、だれ?」

葵「私かい? 私の名前は神無月葵。葵でいいよ。君たちの名前は?」

 そういって彼女たちの視線まで視線を下ろす。

リオ「リオです・・・」

コ「こ、コロナです・・・」

葵「リオに、コロナ。うん。いい名前だ」

リオ・コ「「あ、ありがとうございます///」」

 そう言って二人の頭に手を置きなでる。

葵「あと、君たちに謝らなければならないことがある」

リオ・コ「「え?」」

葵「君たちの両親を襲った魔物、あれは私が被害が出る前に倒さなければならなかった。だが、君たちの両親を・・・。すまなかった」

 彼はその姿勢のまま彼女たちに頭を下げた。

葵「恨んでもいい、憎んでもいい。だが、罪は罪だ。君たちの両親を直接ではないにしろ間接的に殺してしまったようなものだ。だから罪滅ぼしとして君たちが独り立ちできるまで面倒を見させてほしい」

 彼はまた罪を背負うとしている。原因は彼ではない。【不の者】を作った者なのに。

リオ「葵さん。あなたのことはよく知っています」

コ「ガーディアンの隊長で地上本部との連携によって以前よりミッドの治安も良くなっています。それにあの化け物討伐作戦も展開していることは知っています」

 調べたのかしら? よく知っているわね。

葵「・・・君たちは強いな。でも時には弱さも見せていいと思うぞ?」

 そういって葵さんは彼女たちを優しく抱きしめた。

葵「無理して笑わなくていい。泣きたい時に思いっきり泣きなさい。甘えたい時には思いっきり甘えなさい」

コ「で、でも・・・わたしたちは・・・なかないって・・・」

リオ「強くなるために・・・なか・・・ないって」

葵「君たちは子供なんだ。その権利はある。幸せになる権利も、未来を見る権利もむろん」

リオ・オ「「うわぁああああああああああああ」」

 すると、彼は一回息を吸い、


―Heaven, for example you gave the girls happy(天よ、彼女たちに幸せを与えたまえ)

 どこの言葉かは分からない。


―Little life, this blessing to those who(小さき命に、この者たちに祝福を)

 でも優しい声で、


―Why we must suffer her. This little life is(なぜ彼女たちが苦しまなければならない。この小さな命が)

 まるでこの現実を恨むかのように


―I now even temporary. The girls high(いま一時でもいい。彼女たちに幸を)

 太陽の光のように暖かく


―And sadness, even hatred, and anger we do not need her(悲しみも、憎しみも、怒りも彼女たちには必要はない)

 自然と涙が流れる。


―Now the girls need parental warmth, happiness(いま彼女たちに必要なのは親の温かさ、幸せ)

 暖かい声。まるで子守唄のような。


―God, Heaven, somehow the girls happy, grace, warmth example you gave(神よ、天よ、どうか彼女たちに幸せを、恵みを、暖かさを与えたまえ)

 

 周りを見ると、人々がその声に歩を停めて聞いていた。

 実際私もその声を聞いて涙を流していた。周りの人々もその歌声に涙していた。




 歌い終わると彼は彼女たちに一つの提案をした。

葵「どうだろ? 君たち二人が良ければ私の養子にならないか?」 

 え? えぇ!?

葵「嫌なら断っても「「わたし、葵さんの子供になりたい!!」」そ、そうか」

 子供というのはすごいわね。先ほどまで目に光がなかったのに、今ではしっかりと目に光が宿っている。それとも彼がすごいのかしら。

葵「手続きがあるから少し待っていてくれ。用事もすぐに終わらせる」

 その後書類を書き終えると、

カ「私が後見人になります!(擬似的でも葵さんと夫婦になれれば///)」 

葵「そ、そうですか? それよりカリム。顔が赤いようですが大丈夫ですか?」

カ「は、はい! だ、大丈夫です!!」 

 その後、コロナとリオを正式に養子に迎え入れた。

 その後、私もゲイツ中将との飲みあいに付き合うといって来た。

SIDE out 

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