小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第一八話


 あれから数日がたち、今日も模擬戦にフォワード陣は汗を流していた。また、私の訓練も第一段階から第二段階。魔法を使った訓練へと移行した。

 全員の成長は目に見えるようでとてもうれしい。

葵「訓練終了。第二段階にもだいぶ慣れてきているな」

 初めてのころと比べればまだ余裕が出てきたな。

な「はい! 今朝の訓練と模擬戦も無事終了。お疲れ様!」

フォワード陣「「「「は、はい!」」」」

な「でね。実は何気に今日の模擬戦が、第二段階クリアの見極めテストだったんだけど」

フォワード陣「「「「え!?」」」」

なのははそう言いながら葵、フェイト、ヴィータを見て合否を聞く。

フェイト「合格!」

ス・ティ「「はやっ!?」」

フェイトの即答にスバルとティアナが突っ込んだ。

ヴィータ「ま、こんだけミッチリやって問題あるなら大変だってことだ」

葵「それにまだまだお前らは伸びる。私との模擬戦でも日に日に時間が延びてきているしな」

な「にゃははは・・・葵君との訓練が一番きついだけどね・・・」

フェ「よ、容赦ないし」

葵「当たり前だ。下手をすれば死につながるんだ。体を鍛えておく必要性はお前らにもある」

 ちょっと厳しめに注意し、

葵「まぁ、そうなる前には私が手を打つ。とりあえず今日の訓練は以上」

な「これにて第二段階も終了!」

 そういうとフォワード陣が手を上げ喜びだした。

フェ「デバイスリミッターも一段階解除するから、後でシャーリーの所に行ってきてね」

ヴィ「明日っからは、セカンドモードを基本にして訓練するからな!」

フェイトとヴィータの言葉を聞き、キャロが疑問を口にする。

キャロ「え? 明日?」

ヴィ「ああ、訓練再開は明日からだ」

フォワード四人は不思議な顔をする。

な「今日は私達も隊舎で待機する予定だし」

フェ「みんな、入隊日からずーっと訓練漬けだったからね」

葵「今日は午後からお前らは休みというわけだ」

な「そういうこと♪」

フェ「だから、町にでも出かけて遊んでくるといいよ」

 それを聞いた四人は、やっとなのは達の言ったことを理解し、顔を綻ばせ笑い、返事をする。

フォワード四人「「「「はーい♪」」」」

葵「そうだ。いい忘れるところだった。明日から新しい白の局員が追加で加わる。詳しい任務の内容もその時話す。まぁ頭の片隅にとどめておいくれ」

 そういって解散をさせる。





 そして朝の訓練を終え、私はリオとコロナ、なのは達と食堂で朝食を食べていた。食堂ではテレビからニュースが流れている。

レポーター『続いて、政治経済です。昨日、ミッドチルダ管理局地上本部において、来年度の予算会議が行われました。三度目となる再申請の税政問題について、各世界の注目が集まっています』

 ニュースでは、管理局の予算についてが放送されていた。

レポーター『当日は首都防衛隊の代表、レジアス・ゲイズ中将による管理局の防衛思想に関しての表明も行われました』

 レジアス・ゲイズという名前が出た途端、私とリオ、コロナ以外の皆がモニターに注目した。

レジ『魔法と技術の進歩と進化、素晴らしいものではあるがしかし!それ故に我々を襲う、危機や災害も10年前とは比べ物にならないほどに危険度を増している!兵器運用の強化は進化する世界を守る為のものである!』

葵(出足はそれで来たな・・・まぁどういう反応をしたかは思いだすだけで笑ったがな)

 一応私も先日の会議には出たため内容は全て知っている。あの時の海の連中の顔は傑作だったな。

レジ『首都防衛の手は未だ足りん。地上戦略においても、我々の要請が通りさえすれば、地上の犯罪発生率も20%、検挙率においては35%以上の増加を初年度から見込むことが出来る!』

ヴィータ「・・・このオッサンはまだこんなこと言ってんのな」

 ヴィータは呆れながらレジアスを批判する。

シ「レジアス中将は、古くからの武闘派だからな」

 シグナムはミッドチルダ首都航空隊第14部隊副隊長なので、レジアスとは面識があり、レジアスの性格をある程度分かっているので、コーヒーを飲みながら淡々とレジアスを評価する。

な「・・・あ、ミゼット提督」

 なのはがモニターに映っている人物を見て、呟いた。

ヴィ「え? ミゼットばーちゃん!?」

ヴィータはミゼット・・・義母さんの名前に反応し、モニターを見る。レジアスの右後ろに、三人の人物が座っている。

本局幕議長 ミゼット・クローベル

武装隊栄誉元帥 ラルゴ・キール

法務顧問相談役 レオーネ・フィルスである。

フェ「あ、キール元帥とフィルス相談役もご一緒なんだ」

は「伝説の三提督揃い踏みやね」

レジ『しかし!』

全員「え?」

 次のレジアスの言葉に皆驚いていた。

レジ『私が先に言った内容はすでに白と共に連携を行いすでに達成されている! だが、それでもミッドチルダの治安はいまだに低い! そのためには人材がどうしても必要不可欠である! だが! そのために戦場に子供を置くということなど言語道断! その辺の法整備、並びに海と陸、白における人材の割合を決め置くことを提案する! 治安が悪いにもかかわらず広域探索に人員を割かねばらない!? 陸と白における人員数を全体の7とし、海の割合を3とする! 改革すべきは兵器ではない! 管理局という組織自体を改革せねばならん!!』

 その言葉に全員がポカーンとだらしなく口を開けていた。

葵「(クククッ。あの時の三提督はおろか周りの連中の顔に笑いをこらえるのには必死だったな)様変わりしたなレジアスも」

 あの時三提督はむろん、レジアスが心変わりをしたことを知らない連中どもは皆驚くばかりだった。そレを示すのにこの映像がいい証拠だろう。笑いをこらえている私がそこにいるが。

 そして映像ではレジアスが私の隣に座るシーンがあった。

は「あれって・・・葵君!?」

 白の制服でさらにレジアスの隣。まぁ、白の隊長が私である以上は仕方がない。

葵「あぁ。そうだが?」

シ「待て、昨日の予算委員会は将校クラスの話し合いではなかったのか!?」

葵「一応ガーディアンの代表という意味で出席している。事実レジアスの話は事前に聞いていたのでな。あいつの心変りはすごかったぞ(事実今レジアスを縛る者はない。あいつも自分のやりたいことをやり始めたんだろ)」

 その後、午前中に仕事を終わらせ、コロナとリオとで今日は過ごそうと考えていた。

 シグナムとヴィータは今日は外での仕事があるらしくその見送りに玄関まで行くと、

葵「スバルとティアナか。出かけるのか?」

ス「はい! ティアのとこれからちょっと町へ」

ティア「久しぶりの休日なんで欲しいモノとか買いに行こうって話になりまして」

葵「そうか。気をつけろよ。後これを」

 そういってポケットから二つの羽のお守りを取り出した。

 一つはオレンジ色、一つは水色。

ス「これは?」

葵「お守りだ。私の世界のな」

ティア「ありがとうございます///!」

ス「大切にします///!」

葵「あぁ。気をつけて行って来い。あと、楽しむといい」

ス・ティア「「はぁ〜い」」

 スバルとティアナと入れ違いにエリオとキャロが来た。

葵「ちょうどいい。お前たちにも渡しておこう」

キャ「わぁ・・・」

エリ「綺麗です・・・」

 エリオには黄色、キャロには薄い桃色の羽根のお守りを渡した。

葵「お守りだ。何かあったらそれがお前たちを守る」

エリ「ありがとう。お父さん!」

キャ「大切にします!」

 その後、キャロとエリオは出かけようとするのだが・・・

フェ「ハンカチ持ったね? IDカード忘れてない? あんまり遅くならないようにね。夜の街は危ないからね。後は・・・」

葵「・・・・過保護すぎやしないかフェイト」

フェ「で、でも!」

葵「子供はいつの間にか巣立っていくモノだ。親の役目は子供が道を外さないように支えたり、迷った時に方法を教えたりすることだ。まぁ、甘えたい時に甘えさせるのもそうだがな」

 そういってキャロとエリオの頭をなでながら、

葵「フェイトの言ったこともちゃんと守れよ。私が言うのは事故などには気をつけて、楽しんでくるといい」

エリ・キャ「「はい! 行ってきます。お父さん、お母さん!」」

 その後、二人も出かけて行き、私はコロナとリオの元へ戻り遊んでやり時間が過ぎて行った。

 しかしそう長くは平穏な時間をこちらの神は与えてくれないらしい。

キャ『こちらライトニング4! 緊急事態につき現場報告をします!』

葵(緊急事態?)

 キャロの焦り用から見てかなりのことか?

 コロナとリオをアイナさんに任せ、急いでなのは達の元へ行くと、

キャ『サードアヴェニュー23路地裏にてレリックと思しきケースを確認。ケースを持った小さい女の子が一人!』

エリ『女の子は意識不明です!』

キャ『指示をお願いします!』

 そのモニターにはエリオに抱かれていた金髪の少女がいた。ぼろ布に身を包み、鎖でレリックの入った箱と思われる物とつながれていた。

 なのははティアナとスバルの映っているモニターを見て、

な「スバル、ティアナごめん。お休みはいったん中断」

ス『はい』

ティア『大丈夫です』

フェ「救急の手配はこっちでする。二人はそのままケースと女の子を保護、応急手当てをしてあげて」
エリ・キャ『はい!』

葵(あの子は・・・人間ではないな・・・人造人間?)

 どことなく人間とは違う感じがした。そして嫌な予感も。

葵「ガーディアン局員聞こえるか?」

白オペレーター『はい』

葵「今23路地裏に局員を派遣。出来れば今日六課に送られてくる4人を派遣。後familyが来る予定だ。その部隊のうち戦闘班を現場に、後方支援班を六課隊舎に派遣しろ」

白オペレーター『了解しました』

 嫌な予感ほど当たるモノは無いからな。


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