小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

第一九話


 こちらの指示が終わると、はやてが、

は「全員待機態勢! 席をはずしてる子は全員配置に戻ってな!」

 上着を着ながら隊員に指示を飛ばす。

は「安全確実ん保護するよ。レリックもその女の子も」

全員「了解!」

 その後なのは、フェイト、シャマル、私、リイン、アインはヘリで現場に向かった。

シャ「うん、バイタルは安定してるわね。危険な反応もないし、心配ないわ」

 シャマルが倒れている女の子を診断し、異常無しと言うと、皆安堵の表情をした。

フェ「みんなごめんね・・・お休みの最中だったのに・・・」

エリ「いえ!」

キャ「大丈夫です!」

 フェイトがそう言うと、エリオとキャロは元気よく返事をする。

な「ケースと女の子はこのままヘリで護送するから、みんなはこっちで現場調査ね!」

フォワード陣「「「「はい!」」」」

フェ「葵は悪いけどフォワードの現場指揮頼める?」

葵「分かった。孤狐、ヴェル聞こえるか?」

孤『はいは〜い』

ヴェ『どうかしましたか?』

葵「孤狐はテイルズ分隊を率いてガジェットを叩いてくれ。多分もう直ぐ来るだろう。ヴェルはウィングス分隊を率いてヘリの護衛。いいな」

ヴェ・孤『『了解!』』

シャ「アイン、悪いけどこの子をヘリまで連れてってくれる?」

アイン「分かった」


SIDEはやて


 六課の司令室でも慌ただしくなっていた。

シャー「! ガジェットが着ました!」

全員「!」

ルキノ「地下水路に数機ずつのグループにて捜索中! 16・・・20・・・」

アルト「海上方面12機単位が5グループ」

 私はその情報を聞いて、

は「・・・多いな」

グリ「どうします?」

は「そやな・・・」

 同作戦を組み立てるか考えると、

―ピピッ!

ヴィ『スターズ2からロングアーチへ』

 モニターに映ったのは現在海上で移動中と思われるヴィータがおった。

ヴィ『こちらスターズ2。現在海上で演習中だったんだけど、ナカジマ三佐が許可をくれた。今現場に向かってる。それからもう一人』

 すると、音声が入り、

ギ『108部隊、ギンガ・ナカジマです』

は・グリ「「!?」」

 これには私も驚いた。

ギ『別件捜査の途中だったんですが、そちらの事例とも関係ありそうなんです。参加してもよろしいでしょうか』

は「うん! お願いや!」

 これは頼もしい増援や! これなら作戦が立てやすい。

は「ほんならヴィータはリインと合流。南西方向を制圧」

リイン『南西方向了解です!』

は「なのは隊長とフェイト隊長は北西部から」

な・フェ『『了解!』』

は「ヘリの方はヴァイス君とシャマル、アインに任せるな」

ヴァ『お任せあれ』

シャ『しっかり守ります』

アイン『わかりました』

は「ギンガは地下でスバルたちと合流。道々別件の方も聞かせてな?」

ギ『はい!』

 後は葵君の増援に期待するしかない。


SIDE out


 それぞれがデバイスを起動させ、私も黒騎士を身にまとい地下水路を移動していると、

ギ『失礼します!』

葵「ギンガか? 久しぶりだな」

ギ『あ、葵さん!? お、お久しぶりです///! じゃなかった。お久しぶりです神無月一等空佐!』

葵「あ、ははっ・・・かたいな。葵でいい。私もギンガと呼ばせてもらうから」

ギ『で、ではあ、葵さん///。お久しぶりです』

葵「話は聞いていた。別件の事件のことか?」

ギ『はい! 私が呼ばれた事故現場には、ガジェットの残骸と壊れた生体ポッドがあったんです。ちょうど、5〜6歳の子供が入るくらいの。近くに何か、重い物を引きずって歩いたような跡があって、それを辿って歩いて行こうとした最中に連絡を受けたんです。それに、この生体ポッド、少し前の事件でよく似た物を見た覚えがあるんです・・・』

葵「・・・まさかとは思うが人造魔導師計画の培養器か」

ギ「!?」

 その反応はやはりか。

キャロ「あの、人造魔導師って?」

スバル「優秀な遺伝子を使って人工的に生み出した子供・・・。投薬とか、機会部品の埋め込みで、後天的に強力な魔力や能力を持たせる・・・。それが人造魔導師」

 難しい言葉がスバルからスラスと口から出る。だが、内容だけ聞くと、どこの世界に行っても人間というのは屑がいるというもんだ。

 スバルの話にエリオが暗い顔をする。

 さらに、その言葉を続けるようにティアナが続ける。
ティア「倫理的な問題は勿論、今の技術じゃどうしたって色んな部分の無理が生じる。コストも割に合わない。だから、よっぽどどうかしてる連中じゃない限り、手を出したりしない技術の筈なんだけど・・・」

 ティアナが説明を終えようとしたとき、ケリュケイオンが光り、

(A movement reaction perception.at the Gadeget Drone)

 警告を発する。

キャ「来ます! 小型ガジェット6機!!」

葵「戦闘態勢! 迎撃準備!」

フォワード陣「「「「了解!」」」」


SIDEはやて


 なのはちゃん達とヴィータ達がそれぞれのガジェットを撃破し、次のグループへ移動しようとしたとき、

アルト「航空反応、増大! これ・・・嘘でしょ!?」

 レーダーにはその場を埋めつくさんばかりのガジェットの反応があった。

グリ「なんだ・・・これは!?」

 この反応は私も予想外や。すると、葵君か連絡があり、

葵『落ちつけ! 後方支援が焦ってどうする! 常に冷静になれ! 所詮ただの幻術だ。今ヘリの方にヴェル達のウィングス分隊が到着した。なのは達の方にもテイルズ分隊が合流している』

 ・・・仕方ない。

は「私が出る」

葵『!? まて、はや―――』

 そういって私はその場をグリフィス君に任し、外へ出る。


SIDE out

SIDEなのは・フェイト


 あの後すぐに孤狐さんとチンクちゃんとセッテちゃんが合流しある程度戦線を維持している。

セ「キリがありませんね」

チ「こっちは試作段階のこれのおかげで何とかなっているが・・・」

 到着した時は驚いた。なにせチンクさんが乗っているのは白色のガジェット?型。でもこれはあくまでも移動用としてがーディアが製作したもので戦力としては【飛ぶだけ】とのことで申請が通っている。

孤「幻影が混じってるね。さて、どうしたものか・・・」

フェ「限定解除すれば、広域殲滅でまとめて落とせる」

な「・・・それは、そうだけど・・・」

フェ「なんだか、嫌な予感がするんだ」

な「でも、フェイトちゃん・・・」

 なのはが言葉を続けようとした時、突如モニタが展開された。

は『割り込み失礼!』

 はやてだ。

は『ロングアーチからスターズ1とライトニング1へ。その案も、限定解除も部隊長権限で却下します!』

フェ「はやて!?」

な「はやてちゃん!?なんで騎士甲冑!?」

 現在はやては隊舎の外に出て騎士甲冑を纏っていた。

は『嫌な予感は私も同じでな。クロノ君から、私の限定解除許可をもらうことにした。空の掃除は私がやるよ。ちゅうことで・・・』

 しかし、

葵『その権限は私の方で却下させてもらう』

は『あ、葵君!?』

 別モニターでクロノ君がさらに出てきて。

ク『だが君の権限では!?』

葵『それはどうかな?』

ク『え? な!?』

な「クロノ君どうしたの?」

ク『エラー!? 上官命令権により一時権限を掌握!? あ、葵・・・君はいったい何者なんだ!?』

葵『追々話す』

 すると、孤狐さんが。

孤「!? あれって・・・・」

な「え?」

 そういって孤狐さんが言う目の前には。

???「お気に召しましたでしょうか? 稲荷の姫君。それにナンバー?神無月葵?」

孤「・・・・レベル4。あんたが今回の黒幕?」

ダグ「はい。私めの名はダグラス。父君よりあなた方を排除し、この世界を中心に世界の再生をする使者に選ばれました」

な「世界の再生・・・まさか?!」

フェ「葵が言っていた・・・零始・・・」

ダグ「ほぉ。父君をご存知ですか。それは結構なことで」

 彼の登場と、零始の存在によって馬が一気に殺伐とした空気になる。だが、それを壊したのは意外な人物だった。

葵『だがなお前の予想通りに進むと思わないでおけよ?』

ダガ「なに?」

???「いぃぃぃぃやほぉぉぉぉぉ!」

ダグ「!?」

 すると、周りのガジェットが一気に爆発していく。

葵『猪突猛進がもっとうのやつを敵に回すとどれだけ怖いか覚えておくといい』

 そう言ってモニターが切れる。

 そして、その場から現れたのは、なのはと同じ髪の色と縛り方。だが、格好はどこかの学校の制服だ。持っているのは赤い槍。

ダグ「・・・ナンバー?、皐月ウルナ」

孤「ウルナ!?」

ウル「呼ばれて登場! 皐月ウルナ参上!!」


SIDE out

SIDEロングアーチ


―数分前

???「失礼する」

 入ってきたのは黒い髪に黒い瞳。それにメガネをかけ、知的な感じがする。

グリ「!? き、貴様どこか・・・ら・・・え? 白?」

竜「ガーディアン所属、司令部の師走竜也だ。階級は一等陸佐」

全員「え!?」

 不思議に思うのは不思議じゃない。白の隊長と同階級がここにいるのだから。

竜「葵、聞こえるか?」

葵『その声は・・・竜也か?』

竜「遅れたがようやく今来たところだ。色々と話したいがそれは後回しだ。現状を説明するぞ」

葵『頼む』

竜「今お前、そして孤狐がいる場所、並びにヘリの場所にそれぞれレベル4が一体ずついる」

葵『!? 三体だと!?』

竜「安心しろ。増援は出した。ヘリには【獄炎の姫君】を、孤狐の場所には【猪】を出した。まぁ、孤狐には悪いがな」

葵『こっちは私がやれと?』

竜「お前ならできるだろ? 陛下?」

葵『・・・そう言われるのは久しぶりだな。まぁいい。他の六課にも指示を出してやってくれ。【イマジネーター】?』

竜「了解だ。【黄泉路への案内人】」

 そう言って各個人へ詳しい情報を送る。

竜「ウルナ、孤狐、並びに六課のメンバー。今からそちらに幻影以外の本体情報をおくる。それを叩け」

ウル『あいあいさー!』

孤『竜也?! 君も来たの!?』

竜「まぁな。積もる話もあるかも知れんがそれは後だ。姫君は今どこだ?」

???『今猛スピードで向かってる! あと一人二人ほしいんだけど!』

 映像に映し出されたのは赤ピンクを基調とした鎧を着てた女性。凛々しい顔と鎧と同じ髪が特徴だ。瞳は黒。

竜「なら高町一等空尉。その場を離脱。ヘリへ急行せよ」

な『え、え?』

孤『なのはちゃん。あいつは味方だから行って!』

な『りょ、了解!』

竜「フォワード陣の指揮権は引き続き葵に任す」

葵『了解した』


SIDE out

-122-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える