小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第三四話


 というわけで陳述会までに間に合わせるよう今はそれぞれの強化を行います。

葵「これから訓練レベルを上げる。ついてこいよ」

 すると、エリオが手をあげる。何を聞かれるんだ?

エリ「えっと、お父さんが過去あの三人の老人が受けた訓練並みですか?」

葵「あれはしない。というかお前られやると確実に鬱になるぞ。今日からは魔法を使っての訓練を開始する。デバイスの起動を」 

 バリアジャケットを展開すると全員がその変化に驚いていた。

フェ「すごい・・・・」

な「なんか体の底から魔力があふれる感じ!」

は「これはすごいな。ちなみにどれ位あがっとるん?」

シャー「えっとちょっと待ってくださいね」

 シャーリーはコンソールを叩いて簡易的に検査をすると、

シャー「!? な、なのはさん達隊長陣は1ランク上がってます・・・あと副隊長陣も。一番驚くのはフォワード陣ですよ!? 2ランク上がるってどんだけなんですか!?」

竜「いや、普通だろ。あの訓練内容でそこまで上がれば上出来だろ」

葵「これからはそれをコントロールする強化訓練を開始する。まず一言言っておく。【力に飲み込まれるな。力を制御しろ】以上」

全員「はい!(おう!)(了解!)」

朱「あと、訓練終了後は模擬戦ね」

全員「・・・・・(ダラダラダラダラ)」

 全員が共通して顔が真っ青になり冷や汗を滝のように流している。はやてに至っては・・・
は「嫌やぁああ!! またお金がぁああああ!? 私クビになるぅウうう!!!!!?」

リイン「は、はやてちゃん!?」

アイン「主!? お、落ちついてください!!」

 と、リイン姉妹が落ち着かせるよう必死。

ウル「相手は葵だよ〜。ウルナさんはちょっと・・・・葵からO☆HA☆NA☆SIされたから・・・」

 すると全員がほっと一息ついていた。まぁ、あれを見たらねぇ〜。はやてなんか私の手を握って、

は「ありがとう! ホンマにありがとう!! これでクビにならんですむ!!!」

 その後六課のメンバーたちに早速低レベル魔法を放つと、全員がその威力の高さにびっくりしていた。

葵(・・・・しまった・・・この流れだとSLBも強化されてる・・・)

 と、ちょっと怖い想像をしたことに冷や汗だらだらである。

 まぁ、それはさておき現在は私はウィング、テイルズ各分隊並びにギンガの教導を行っている。

葵「というわけで四人には騎士服を身にまとってもらっている。これから起こることはISだけでは対処はできない。いわゆる保険だと思っておいてくれ」

チ「ふむ。ではこれから行うことはこれを使っての訓練か」

葵「そうなる。チンクは多くのナイフを生成し、正確にあのガジェットにぶつけること。セッテはブーメランを大中小と三種類に分けそれに合わせ戦い方を変えること。つまり戦略の幅を広げろ」

チ「分かった」

セッテ「はい!」

葵「ノーヴェは破壊力の調整だ。大規模爆発をすると自爆する可能性がある。小規模でも十分相手を倒すぐらいの威力は持て」

ノーヴェ「おう!」

葵「ウェンディは風の使役をマスターすることだ。それを利用すればライディングボートを完全に武器化できる」

ウェ「武器化っすか?」

葵「今までのボートは武器兼乗り物だったが、風を使うことでボートとしての役割を捨て武器に当てられる。また、ボートを利用する際でもスピードの速さを増すことできる」

 次は、

葵「ギンガには炎の属性がついた。つまり炎を操ることに集中だな」

ギ「はい! と言いたいんですが、私変換資質持ってなかったので、いまいちピンとこないんですよね」

葵「簡単に言うとイメージだな。炎を手に纏わす想像をしてみろ」

ギ「は、はい」

 すると、火が手から出てきて、しだいに炎となった。

ギ「で、出来た・・・」

葵「後は、時間の短縮と威力の向上と調整」

ギ「はい!」

 その後、訓練をし終えた後、模擬戦をする予定だったんだが、

ウル「久しぶりに葵と一対一したい!」

朱「それは私もだ。というわけで二対一でどうだ?」

竜「こいつらの参考にもなるだろう。良いんじゃないか?」

 と、なぜか勝手にすすめられ今に至る。

葵「こいつらだと遠慮はいらんな。エクス、ルミル。Wシンクロ。モード蒼騎士」

エ・ル((イエス、マイマスター!))




ス「あれが・・・葵さんの最強騎士モード」

ティア「あ、あれって異常でしょ・・・・」

ギ「魔力が・・・・」

 三人の反応は普通だが、

キャ「で、でも、朱音さんや、ウルナさんも異常ですよ!?」

エリ「普通あり得ないですよ。あんな魔法・・・・」

 そして、再び全員が竜也の方を見ると、キーボードを三つ、画面を六つだし戦闘情報を収集している竜也を見る。

チ「あいつもたいがいだがな・・・・」

セッテ「あんなに早くうてませんよ」

ノーヴェ「ウーノ姉や、クア姉以上じゃねぇか・・・・」

ウェ「す、すごいっす・・・」




葵「ぜやぁっ!」

ウル「甘い! そこ!!」

朱「さらに追撃!!」

 上空では青、赤、オレンジの色が混ざりあうようにぶつかり合っている。

葵「蘭月!!」

 そういって斬撃に魔力を乗せ飛ばす。

朱「砕く!」

ウル「駆けろ! 恐れを知らない騎馬よ!」

 朱音は斬撃を砕き、ウルナは魔力で作った騎馬兵をこちらに向かって突っ込ませる。

葵「ホーリーアロー!!!」

 騎馬隊を光りの矢で崩し、その隙間を縫うように突き進む。




竜「ふむ。葵の腕は上がったか。他の二人もそうだな。しかし、Xクラスランクと特殊Gランクが戦うとやはりすさまじいな」

 その光景に誰もが驚く。剣と槍、拳がぶつかり合う音はまるで何かの音楽を奏でるかのように、だが戦士として誇りと気高さを感じる。

 そして何より、

シ「あの目は私でも出来るんだろうか・・・・」

アイン「出来るできないじゃない。やるんだ」

シャ「え?」

ヴェ「諦めるな。諦めるということは希望を捨てるということだ。諦めずにあがいて見せろ」

ヴィ「葵なら間違いなくそう言うだろな」

シ「そうだな」

な「・・・・真剣な目だね」

フェ「うん。ただまっすぐに相手を捕える」

は「まるで猛禽類の眼やな」

チ「猛禽類、または獅子の眼か・・・」

セッテ「あの目に捕らえられればもう敵は逃げれない。まるでそう警告しているようにも見えます」

ノーヴェ「だが、あの目の後ろには護りたい奴らが多くあるんだよな」

ウェ「重すぎるっすよ・・・・あたしなら間違いなく放り投げたいほどの物っす。でも葵兄はそれを背負ってるなんてすごいっす・・・・」

 すると、孤狐たちがチンクの言葉に反応する。

竜「そうだな。チンクの言ううとおりだ」

チ「???」

孤「葵は大英雄だった。だから神々に【皇】を名乗る資格を与えたの」

エリ「王って、お父さんはどっかの王様だったんですか!?」

孤「うん。地球を統べることを許された皇。だから単純な王じゃなくて皇帝の皇」

竜「で、俺たち騎士団はこう呼んだ。全てを守り、全ての頂点に君臨する皇という意味で」




――獅子皇





孤「今思うと中二病だよね・・・・」

竜「まぁな。本人が神々に言ってたし、「んなの中二病じゃないですか!?」ってね」

孤「その後本気で御三家殺す勢いだったし。で、確か神王と魔王、精霊皇とfamily全員で抑えたっけ」

 懐かしいな〜みたいな感じで二人が模擬戦中の三人を見る。





 そしてそれから数十分後

道『試合終了〜さね!』

 道路にはウルナが大の字になり、ビルの壁を背もたれにし朱音が休息している。葵は、ビルの屋上から二人を眺め休憩している。

葵(もう少し、一秒でも長くこの時間を楽しみたかったな。平和で、暖かく、過去も未来も関係ない友と過ごす時間を・・・)

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