小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第一五話


 温泉地での戦闘でなのはは何かをふっきれたのか「今度はフェイトちゃんに勝つの!」と気合を入れていた。(そのための犠牲。葵初めての魔王によるO☆HA☆NA☆SI)

 余計なことは言わなくていいんですよ?(りょ、了解です!!)

 さて、そんなこともありなのはの特訓を私とユーノが見て、その御希望に応えるようにしていた。

 え? アリサ達とのすれ違い? なんですかそれ? 原作知らないの? えぇ。あのクソ神にDVD渡されてこの世界行って来いと言われてそのまま直行。そう言えば原作知らないな。(え!? いまさら!?)
 作者よ。かいているのは貴様だぞ?(そうでした)
 
 なので、そんなことお構いなしに日常を楽しんでいます。
 
そんなある日。

「さて、そろそろ黒幕に会いに行きますか」

「? 誰のことです?」

「プレシア・テスタロッサ」

「!?」

 そう、私が今考えているのはプレシア・テスタロッサに会いに行くということだ。

「なぜ、今?」

「ピースはすべてそろった。組み立てる部分もほぼ終了。後は確証のみ」

「??」

「ほぼ何が原因なのかは分かっているんだが後はそれが本当に正しいのかを確認するだけだ」

「確認が終わったら?」

「今回は様子見だ。出会って即戦闘。なんてことになったら準備もなしに行くんだ。負けるにきまっている」

 すると、リニスが少し考え、

「なら、私はいかない方がいいですね」

「あぁ。夕飯の準備だけ頼む」

「はい」

 そういってリニスから時の庭園の座標を教えてもらい、

「我、次元の扉を開く者。我が望む場所への橋をかけ、我が望む道となれ」

 すると、足元には水色の魔法陣が広がり、次の瞬間には私はその場にいなかった。


SIDEリニス

「毎回見て思いますが、葵様の魔法は不可思議ですね」

 葵様の魔法は戦闘用にこそエクス様とルミル様をお使いになさいますが、基本はあのお二方を使わなくても十分強いと思います。

 内緒で簡易魔法測定器を使って魔法を調べてみると、測定器の方が壊れてしまいました。

 ですが、あの方なら、

「プレしアを、フェイトとアルフを助けてくれるかもしれませんね」

 そう思ってしまうのです

SIDE Out


―時の庭園

「はぁ、立派な中身だな。まるでお城だな・・・・」

 そういって奥へ奥へと歩を進める。

 すると、なにやら鞭のような音がしてそこにいくと、

「アルフ?」

「あ、葵!?」

 すると、アルフがいきなりこっちに来て、目に涙をためながら、

「お願いだ! フェイトを! フェイトを助けてくれ!」

「え?」

 すると、鞭の音がする部屋からフェイトの悲鳴が聞こえた。これは、

「・・・・ルミル。黒騎士」

≪イエス。マイマスター≫

「漆黒の闇夜への誘う者、黒騎士」≪シンクロイン!≫

 そして、そのままそこの扉を両翼刀で切り開く。

「あ、あおい?」 

そういってフェイトの近くまで行き、フェイトの手首に巻きついていた鎖を斬る。

「フェイト!?」

 アルフが私の後に続いて入って来た。

「君達は地球に戻れ。私はこの者と話し合う必要性があるようだ」

 そういって時の庭園に来たのと同じ魔法をかけ、フェイトとアルフを地球に飛ばした。

「あなたは?」

「あなたがプレシア・テスタロッサか?」

「そうだと言ったら?」

「娘を、人を、命をなんだと思っているのですか?」

 ヤバい。怒りが収まらないな。おそらく彼女の意思で無いにしろ、これでは下手をすれば殺してしまいそうだ。


SIDEプレシア

「娘を、人を、命をなんだと思っているのですか?」

 いきなり、殺気が・・・いえ、殺気だけじゃない。魔力も上がっている。なに、この子はいったい何者なの!?

「申し遅れました。私神無月葵と申します。昔の異名でよろしければお教えしますよ?」

 この子は本気で怒っている。

「へぇ。私はプレシア・テスタロッサ。ちなみに聞いておきましょうか、その異名とやらを?」

「【黄泉路への案内人】あの世、地獄まで案内するものという意味らしいですがね。知っているんだろ?【不の者】」

「グッ、な、なに、を・・・」

 急に、あ、あたまが・・・・

「あの子は作り者よ?」

 違う! あの子は、たとえそうであっても! 私の、大切な

「問おう、プレシア・テスタロッサ! 汝は本当にそう思っているのか!?」

「そ、そうだ。私の、(違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う)」

 邪魔をするな! 私はあの子に、普通に育ってほしい。あの子を、助けて!

SIDE Out


「そ、そうだ。私の、」

 彼女がそう言葉を続けようとしたが、彼女の声があまりにも女性とは思えない低い声で確信をした。

 彼女は【不の者】に浸食されつつある。

「邪魔をするな! 【不の者】よ! 今はこの者に直接聞いているのだ! 貴様が出しゃばるな!?」

「ダ、マレ。ダイエイユウ(サツジンキ)。キサマハ、ダレモスクエナイ」

 すると、いきなり念話が入って来た。

「〈あの子を、フェイトを助けてあげて!〉」

 この声は・・・・プレシア!?

「〈まだ意識はありますか!?〉」

「〈えぇ、でも保っているのがやっとよ〉」

「〈あなたは、フェイトを〉」

「〈彼女はアリシアの、私の一人の子供のクローン。でも勘違いしないで! あの子がクローンだろうと関係ない! 私の、私の大切な娘よ!〉」

「〈そうですか。今の私ではあなたを犯している者の浸食スピードを遅めるのがやっとです。ですが必ず助けます。あなたも、フェイトも、そしてあなたのもう一人の子も〉」

「〈でも、あの子は!?〉」

「〈大丈夫です。ですから、少しの間ですが、あの子に、幸せを与えてやって下さい〉」

 そういって私は弓を取り出した。そして、飛翔を行い、自分の背中から翼を出し、白い翼から一枚羽根をちぎる。

「聖なる羽根よ。その形を矢と成し、彼者を犯すものを抑えよ!」

 詠唱を終えると、羽根は矢となりそして、プレシアめがけ放つ。

――グサッ

「ぐっ!?」

 見事に胸に命中し、矢は霧散する。すると、

「はぁ、はぁ」

「プレシアさんですね?」

「え、えぇ」

「さっき私が言ったこと約束してください。あと、意志を強く持っていください。じゃないと、あれに飲み込まれますので」

「えぇ、分かったわ。それよりこれはどの程度持つのかしら?」

「もって3日。その間にフェイトに言いたいことがあったら言ってあげてください」

「分かったわ」

「では」

 そういって私は時の庭園を去った。

 そして自宅に着き、リニスをまじえて今日のことを話す。

「なるほど。それで、確証は持てたのですね」

「あぁ。だが厄介なことに人に浸食するタイプだ。今の私ではとうてい彼女を助けて尚且つ【不の者】を倒すのは無理に近い。むしろ両方犠牲にするな」

「ならどうやって!?」

「う〜ん。考えても仕方ないか。とりあえずあそこに行きましょうか」

「あぁ、あそこですか」

「確かに資料もたくさんありますしね」

「あそこって、どこですか?」

そういって私とエクス、ルミルはどこへ行くかは分かったがリニスが分かっていないようだ。

「私の心の世界だ」

「え?」

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