小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第八話


SIDEアインハルト


 えっと、あの後作者さんのやる気が無くなっていったん終わった続きです。

翼「さて、ルールは先ほど度構いませんか?」

アインハルト「はい」

ノーヴェ「んじゃ・・・レディ・・・ゴー!」

 すると、翼さんは鋭い一撃をこちらにはなってきた。

アインハルト「ッ!?」

 あまりにも強力すぎる。神無月さんほどではない。でも、ノーヴェさんと堂々、いや、それ以上いっている!?

 その後も一撃、一撃と何度も与える。

アインハルト「(このままだと・・・なら!)はぁあああっ!!」

 そういって反撃に出る。すると、きわどい均衡が続く。でも、どこか楽しい。彼女を超えれそう。その快感でいっぱいだった。でも、


――パシッ


 甘い攻撃を流され、そして、一撃を放たれた。でも、それほど重くはない。距離を取らせる程度の攻撃。

翼「・・・ふぅ。こんなもんですね。ありがとうございました」

アインハルト「え?」

翼「確かに強いですが、私の満足のいくほどではありません。本気を出す程度でもなかったということです」

 あ、あれで本気じゃない!? で、でも!

アインハルト「それでも途中でやめるなんて「卑怯ですか?」・・・・はい」

 すると一息入れ、

翼「でも、先ほどあなたもヴィヴィオにしたことですよね?」

アインハルト「あ・・・・」

翼「相手本気を出して戦っている。にもかかわらず、教えるわけでもなく手を抜き、途中で切り上げ、挙句の果てに侮辱する。これほど屈辱的なことはありますか?」

アインハルト「・・・・・」

翼「今度は本気でやってあげますよね?」

 その無垢な笑顔が何とも拒否権なんてあると思いますか? と、脅しているようだ。

翼「〈お分かりのようでなにより♪〉」

 !?

翼「ふふふふっ」

 あぁ、なんでしょう姉妹の上下関係は彼女が頂点に君臨しているのでしょうか? 

アインハルト「えっと・・・・」

ノーヴェ「あ、あぁ、分かった。じゃあ来週で良いか? 今度はスパーじゃなくてちゃんとした練習試合」

 それを了承して私たちは解散した。




 でも、彼女の強さはまるで戦乱期に存在した戦士のような感じがした。




SIDEout

SIDEヴィヴィオ


 わたしは家に帰ってから今日のスパーのことばかりを考えていた。

ヴィヴィオ(わたしが、わたしが弱かったから・・・・・。アインハルトさんは確かに強かった・・・・でも、わたしのストライクアーツだって『趣味と遊び』じゃない)

 考えにふけっているとなのはママからご飯が出来た合図があったため降りると、もうみんな揃っていた。

なのは「ん? ヴィヴィオ元気ないね?」

ヴィヴィオ「え?」

 すると、星那が、

星「あぁ。多分翼の一言じゃないのでしょうか?」

ア「翼? なに言ったの?」

翼「なに、私から見てヴィヴィオはお姉ちゃんというより妹みたいなものだといったら」

す「あぁ〜・・・・納得」

 ちょ!? すずかママ?!

翼「おそらくそれがショックなのでは?」

夜「うむ。では父上に頼んで姉妹の順序を切り替えてもらおう。さすがにキャロとエリオは年齢上無理にしてもそれ以外なら」

雷「じゃあじゃあじゃあ! 僕次女が良い!!」

全員「いや、それは無理だろ(なの)」

雷「何でぇえええ!!?」

 あ。もしかして、

ヴィヴィオ「〈星那、翼。ありがと〉」

星「〈別に感謝されるようなことはしてませんよ?〉」

 と、お茶をすする星那と、

翼「〈そうだな。ウソ偽りは言っていない〉」

 と、サラダを自分のお皿に移しながら話す翼。

葵「ただいま〜〜〜」

娘たち「パパ・父・父上・お父さん・お父様です!」

 その声を聞くと皆一斉に玄関に向かう。遅れながら、なのはママ、アリサママ、すずかママも来る。

娘たち「お帰り(なさい)!」

葵「あぁ、ただいま」

 そういって荷物と上着をママたちに預け、一人一人に頭を撫でてくれるパパ。

 そして、わたしの番になると、

葵「ん? どうしたヴィヴィオ。元気ないぞ?」

 うわ。なのはママ同様葵パパも鋭いな。

翼「父、実は・・・・」

 と、さっきまでの話をする翼。

葵「あはははははっ。そうか、そうか。だが、これはこれで楽しいと思うぞ?」

 そういって食卓についた葵パパはその話を聞いたとたん大爆笑だ。

 その後、食事を終えると、

葵「ヴィヴィオ。後で私の部屋に来てくれるか?」

ヴィヴィオ「え? どうしたの?」

葵「聖王の鎧の件でな」

わたしは、その後パパの部屋に行く。でも、要件はどうやら違ったみたいだ。

葵「さて、ヴィヴィオ。今日は本当に何があった?」

ヴィヴィオ「え?」

 いきなりそんなこと割れてびっくりしました。

葵「なに、ちょっと思ったことだ。違ったらすまん」

ヴィヴィオ「ううん。パパならいっかな。実はね―――」

 そういって今日会ったことを言ってみた。アインハルトさんとの出会い。スパーをしたこと。そして、あの言葉を。

葵「ふむ。なるほどね。ヴィヴィオ。確かにお前は弱い」

 !?

葵「でも勘違いしてはいけない。私も元々は弱かったんだから」

ヴィヴィオ「え? パパが!?」

葵「私もヴィヴィオぐらいかな。それぐらいになるまでは弱かったよ。まぁ、その後力を与えられた。でも、その力が暴走しないよう、溺れないよう、必死に練習に練習を重ねた。そして今があるんだ」

ヴィヴィオ「うん・・・・・」

 パパも必死に練習したんだ。

葵「今ヴィヴィオに大切なのはその力に溺れないこと。力の意味を理解すること。そして、それをアインハルトに伝えることじゃないのかな?」

ヴィヴィオ「!!」

 そうだ。アインハルトさんに伝えればいんだ。神無月ヴィヴィオの本気を! そしてO☆HA☆NA☆SIしよう!

葵「ヴィヴィオ。お願いだから最後の一文は除いてね」

 あれ? もしあしてばれた?


SIDEout

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