小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

第二話


 あれからしばらく時間がたちました。結論? 簡単に言うと一緒に住むことになりました。なぜかって? あの後もう一人この討論に加わったためです。

???「箒ちゃん! ちーちゃん! いっちゃん! ここに不敬な輩が来たって本当!!?」

 と、こんな感じで来ました。名前は篠(しの)ノ(の)之(の)束(たばね)。箒ちゃんのお姉さんらしい。
 
 とりあえず自己紹介すると。

束「そっか。ふぅ〜ん」

 そっけない態度を取られた。まぁ見ず知らずの相手なら仕方ないか。すると、千冬さんが横から、

千「すまんな。あいつは心を開いた相手にしかコミュニケーションを積極的にとろうとしないんだ」

葵「いえ。別に構いません」

 まぁ、ああ言う子もいる。この程度で私もすましているしな。

千「怒らないのか?」

葵「は? いや、何で怒らないといけないんですか?」

箒「ふつうは怒るよ?」

葵「あれをどうとらえるかによります。一つの個性としてとらえてしまえばそれでいいこと。十人十色というように人それぞれ。それだけです」

 あと、なぜ今このような丁寧口調かというとまだ知って間もないのにいきなり砕けた口調というわけにもいかないからだ。

千「お前は変わっているな」

葵「どこがですか?」

千「一夏や箒みたいなあどけなさという物が無い。完全にもう成長しきった大人という感じがするんだが」

 そりゃそうだろう。なにせこっちはすでに三十路を迎えたからな。

 そのことについては適当にはぐらかすことにした。


SIDE千冬


 葵という子。私はすんなりそれを受け入れることが出来なかった。一夏と箒は兄弟というより友人が出来たように喜んでいた。そして、それを危険視する視線が二つ。一つは私だ。なにより前例がいる。そして二つ目が、

束「・・・・・」

 友人の束だ。こいつもなんだかんだ言ってシスコン。みとめたくないがわたしと同類だ。私も一夏は目に入れてもいたくない。一夏を守るために束の家、篠ノ之神社にある篠ノ之道場で剣道を学んでいた。何かあったときに護れるように。

束「・・・・(カタカタカタカタカタ)」

 束がいる方から何かを叩く音がしたためそちらを向くと、どこから取り出したのかパソコンで何かを調べていた。そして、数分がたった後、

束「・・・やっぱり」

千「なにがやっぱりなんだ?」

束「ちーちゃん。あいつ、神無月葵ってやつ日本には実在しないよ」

千「は?」

 何を言っているんだ? 実在しない? いや、目の前にいるではないか? 

千「どういう意味だ?」

束「ちーちゃんのために分かりやすくいよ? あいつの戸籍が存在しない。その都道府県、市町村においても」

 コイツ・・・ハッキングしたのか?

千「ではあいつは何だ?」

束「考えられるのは二つ。一つは愛人の子で戸籍にできな場合。一つはなんらか知らの実験結果。いわゆるクローン。でもはっきり言って後者は無い」

千「何故そう言い切れる?」

束「もしそうならなんらか知らの障害があってもいい。でもそれが無いからね」

 なら、余計に警戒しないと。

 その後、私は私がいない間のことを考えあいつを一夏と同じ小学校に入れることにした。せめて弾よけにしないとな。


SIDEout


葵「・・・・いまなんと?」

千「だからお前を小学校に通わせることにした」

 何ってことでしょう。人生三度目の小学校に通う子が決定しました。この世に何にいるでしょう? 一生で小学生を三度体験した人間が・・・。

葵「・・・・神は死んだ」

千「なにを不吉なことを言っている」

(それにマスター神でしょうが)

(そのセリフを神様であるご本人がいいますか!?)

 そうでした。ちなみにエクスとルミルのは念話です。

一「葵君と一緒に学校行けるの!?」

千「あぁ」

葵「そのようです」

 さて皆さんに質問です。現在私は目の前ですごくうれしいのかとてもいい笑顔でスキップをしなが自分の部屋に戻り「早く明日にならないかな〜」と言いながら学校の準備をする一夏を見てこの案を断れるでしょうか。否。やったら精神的にきつい。うん。受け入れよう。それが一番いい判断だ。

-200-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




魔法少女リリカルなのはViVid (6) (カドカワコミックスAエース)
新品 \588
中古 \1
(参考価格:\588)